ある日、
「今日から、よろしくな」という声が脳内に響いたー
その日、彼女は”何者か”に憑依されてしまったのだったー。
”意外な結末”とはー?
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女子大生の文野 真凛(ふみの まりん)は、
”憑依”に怯えていたー。
”自分の身体が乗っ取られて好き放題されてしまう”
そんなことに対して、恐怖心を抱いていた。
”憑依”などというものは、現実には存在しないー
そんなことは分かっている。
けれどー
彼女は怯えていた。
アニメや映画、ゲーム…そういった作品の中で
”憑依”の描写が出て来るだけで、
真凛は気分が悪くなり、見ていられなくなってしまうー
”ははははは!何びびってんだよ~!”
真凛が”憑依”という現象に対して恐怖を抱き始めたきっかけは、
中学2年生の時に、少し歳の離れた兄に無理やり見せられた
ホラー映画だったー。
ホラー映画
”ハイスクール・エクソシスト”という映画ー。
意地悪な兄が、当時中2だった真凛に無理やり
その映画を見せてきたのだー
ハイスクール・エクソシストは、
悪霊が、高校に入り込んで、
次々と生徒たちに憑依、乗っ取り、
好き放題やった挙句に、最後には、自殺させてしまうという
残酷な描写やホラー描写のある
恐ろしい内容の映画だった。
それを見た真凛は
その日から1週間以上、”自分も憑依されてしまうのではないか”と
怯え切ってしまったほどだったー。
それから、真凛の兄は、憑依に怯える真凛を度々揶揄い、
エクソシスト系の他の映画を無理やり見せてきたり、
”真凛は可愛いから、いつか憑依されちゃうんだぞぉ?”と言ってきたりとか、
とにかく、真凛を怖がらせるようなことばかりしてきたのだった。
あれからもう、何年も経過し、
大学生になり、一人暮らしを始めた真凛だったが、
未だに”憑依”に対しては恐怖心を抱いていて、
そういう映画を見ることはできなかった。
特撮モノで、悪党がヒロインに憑依したりするようなものを
見るだけでも”もしも自分が憑依されてしまったら?”と
考えてしまい、怖くなってしまうー。
それほどまでに、真凛は憑依を恐れていたー。
”ごめんな”
彼氏の羽川 隆平(はがわ りゅうへい)からのLINEを見つめる真凛ー。
隆平は、
真凛の”憑依”に対する恐怖心を知らず、
3日前にデートした際に
”そういう描写が含まれる”映画を一緒に映画館で見てしまった。
憑依がメインの話ではなかったが、
真凛は怯えてしまい、
隆平は申し訳なさそうにお詫びのLINEを送ってきているー。
”ううん、もう大丈夫”
真凛は、そう返事をすると、深呼吸したー。
”憑依なんて、あるわけがないー”
頭では、分かっているー
もう、”憑依”だとか、洗脳だとか、
そういったものを真に受けるような年齢ではないし、
真凛も”憑依”がフィクションの存在であることは
とっくの昔に理解しているー
けれどー
一種の”トラウマ”とでも言えば良いのだろうかー。
昔、兄にハイスクール・エクソシストを見せられてから
どうしても時々浮かべてしまうー
”憑依された自分”の姿をー。
憑依されて悪いことをしたり、
滅茶苦茶にされてー
気が付いたら、取返しのつかないことになっている自分の姿をー
「--はぁ」
真凛は疲れた表情で呟くー
大学では普通に明るく、ある程度友達もいて、
彼氏もいるー。
特に何も問題ない女子大生ライフを送っているー
だがー
真凛は、”憑依”の恐怖と日々戦っていたー
こんなこと、
友達にも家族にも彼氏にも、
真剣に相談なんてできないー
”わたし、憑依が怖いの”
なんて言ったら笑われるにきまってるし、
最悪「頭がおかしい」と思われてしまう恐れまである。
「---…お兄ちゃんのせいだよ!」
机に飾ってある家族写真に向かって、
真凛は不貞腐れた様子でそう呟いたー
兄のせいで、トラウマを植え付けられたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
土曜日で大学も休みだったため、
真凛は家でひとり、のんびりと過ごしていたー
買い物に行ったり、
本を読んだりー、
スマホをいじったり、
音楽を聴いたりー
特別なイベントはないけれど、
それはそれで充実した1日だったー
しかしー
”くくく”
「--!?」
”声”が聞こえた気がして真凛が振り返るー。
「---え…!?」
だがー
背後には誰もいない。
真凛は一人暮らしで、彼氏の隆平とは、
お互いに相手の家の鍵を持ったりはしていないため
”勝手に家に入って来れる”人間はいないー
アパートの大家さんが無理やり鍵を開けることは
可能かもしれないが、
そんなことはしないだろうし、
何よりも無音で部屋の中に入って来ることが
出来るはずはなかったー
「----気のせいかな…」
真凛が不安そうな表情で呟くと、
今度は、はっきりと聞こえたー
”今日から、よろしくな”
とー。
「-!?!?」
真凛が部屋中を見渡して、
誰もいないことを確認すると
「だ、、誰なの!?」と叫ぶー
穏やかそうな顔立ちを歪める真凛ー
”---憑依って知ってる?”
頭の中に響く”知らない男”の声ー。
真凛は「ひ、、憑依…!?」と
震えながら呟いたー
”--君、かわいいじゃん。
だからさ、俺が君の身体を乗っ取って、
好き放題しようと思ってさ”
「---!!!!」
真凛の表情が一瞬にして恐怖に支配されたー
「--や、、やめて!わたしから出て行って!」
真凛はすぐさま叫んだー
憑依に対してトラウマを持つ真凛はー
”憑依”の言葉の意味をすぐに理解したー。
普通の人だったら、
いきなり”憑依って知ってる?”と頭から声が
響いてきても、その意味をすぐにか理解できないだろう。
しかし、兄に、散々小さいころにいじられ、
憑依がトラウマになっていた真凛は、
その意味を”すぐ”に理解することができたー
”わたし、乗っ取られちゃう”
そうー
憑依された人間の運命をー
真凛はよく知っているー
”へへへ、物分かりが早くていいや!
身体をよこしな!”
そう声が聞こえた直後、
真凛は邪悪な笑みを浮かべたー
「へへへへへへっ いい身体だぜぇ♡」
真凛は、歪んだ声でそう呟くと、
イスに座ったままだらしなく足を広げて
両胸を揉み始めたー
「へへへへっ…♡ 感じちゃうなぁ…♡ へへへへへへっ♡」
真凛はニヤニヤしながら、
スマホの暗証番号をたやすく解除すると、
そのままネットで、何かを見つめはじめたー。
過激なコスプレ衣装の数々ー
「へへへへ…♡ エッチな服、着せてやるからなぁ」
真凛はそう呟くと、鼻息を荒くしながら
トイレに向かい、トイレを済ませたー
そして、笑みを浮かべながら、
真凛は”兄”に電話を入れたー
「--お前の妹の身体は、俺がいただいた」
そう勝利宣言をし、
戸惑う兄を無視して真凛はスマホを放り投げると、
「俺が今日から文野真凛だ!」と嬉しそうに叫んだー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「----うっ…」
夜ー
目を覚ますと、真凛は、火照った身体で
ぐったりと机に突っ伏すようにして眠っていたー
「ひっ!?!?!?!?」
真凛は自分の姿を見て驚くー
高校時代の制服を乱した状態で着ているー。
「---わ、、わたし…」
真凛が戸惑っていると
”最高のゾクゾクだったぜ”
と、頭の中から声が聞こえてきたー
「--う、、うそ…?わ、、わたし…何をしてたの…?」
真凛が泣きそうになりながら言うと
”なにって?憑依したら、悪さをしたり、エッチしたりするに決まってんだろ”
と脳内の声が呟いたー。
「---!」
真凛は表情を歪めるー
小さいころ、兄に見せられたハイスクールエクソシストでも、
確かに乗っ取られた子たちはみんな、悪さやエッチをさせられていたー
兄もそう言っていたし、
兄がハイスクールエクソシスト以外に見せてきた映画やアニメも
”そういう感じ”だったー
「わ、、わたしの身体で、好き勝手しないで!」
真凛が叫ぶと、
”へへへ、うるせー女だぜ”と、脳内から声が響いてきたー。
「---やめて…やめて…」
真凛が強い恐怖心に襲われて震えだすー。
”憑依されたくない”というトラウマに襲われて、ぶるぶると震える真凛。
”へへへへ、いいねぇ、怯えろ!もっと怯えろ!”
男が叫ぶー
「----お願い…出てって…」
真凛が泣き出してしまうー。
”いやだね。
あんまりうるさいこと言ってると、また乗っ取るぜ?”
男の言葉に、
真凛は「やめて!!お願い、、やだ、、やめて!!」
と、悲鳴を上げる。
そんな真凛を見て、脳内の男は
”だったら、俺の言う通り”いい子に”してるんだな”と、
いじわるっぽく呟いたー。
「---…そ、、、そんな……」
”返事は、”わかりました”だろ?
それから、俺のことはご主人様と呼びな”
男が冷たい口調で言うー
「ご、、ご主人様…?ふ、、ふざけないで…!」
真凛がカッとなって叫ぶー
だが、その直後、真凛の身体がビクンと震えてー
真凛の意識は吹き飛んだー
「--へへへへっ…ご主人様への口の利き方がなってないなぁ~」
男が再び真凛の身体を乗っ取ったー
「罰ゲームだぜ」
そう言うと、真凛の胸を激しく揉み始める男ー
真凛の身体を机の角に押し付けて、
激しく身体を動かして、
気持ちよさそうな声を出すー。
狂ってしまいそうなほどの快感を味わいながら、男は思うー
”憑依は、最高だな!”
とー。
「-ー俺はこの身体で女として好き放題しまくってやるぜ!
へへへへへっ♡ ひひひひひひひひっっ♡」
憑依薬を手に入れてよかったー。
映画のような憑依にずっとずっと、あこがれていたー
そして、今、それを現実のものとしているー。
この女を喘がせまくっているー
やがて、真凛の身体がイってしまい、
男は真凛の身体で最高のゾクゾクを味わったー
それでも、ニヤニヤしながら立ち上がると
「この女には、お仕置きしてやらなくちゃなぁ~!」と
ラウンド2を始めるのだったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「-----あ…」
真凛が目を覚ますー。
目を覚ますと、
真凛は、SM嬢のような恰好をしていたー
「え…!?!?!?」
真凛が戸惑うー
そしてー
近くには、真凛の彼氏の隆平が倒れているー
傷だらけになってー。
近くには、鞭ー
「こんな趣味があったなんて………」
隆平が悲しそうに真凛を見つめるー
「ど、、どういう…」
真凛がカレンダーを見ると、カレンダーは日曜日を示していたー
”え…”
確か、今日は土曜ーーー
”---楽しかったぜ~!彼氏を傷めつけるのは!ぎゃははははは”
脳内から声が響いたー
「ーーーわ、、わたし…何を・・・?」
真凛が言うと、
苦しそうにしていた彼氏の隆平が「こういうプレイ…大好きなの…って言ってただろ…」と
呟くー
「---え…そ、、そんな…」
”ひゃははは!女王様になって彼氏を鞭で叩きまくるの、最高にゾクゾクしたぜぇ”
脳内の男が叫ぶー
「--そ、、そんな…待って、、、隆平、、これには訳が…」
真凛が泣きそうになりながら言うー。
けれどー
隆平は「もういいよ」と逃げるようにして立ち去ってしまったー
「そんな!隆平!待って!」
真凛が、隆平を追って玄関から飛び出そうとするー
”お~っと、そんな恰好で外に出るのかな?”
脳内の男の言葉に、真凛は立ち止まるー。
「---な、、、なんてことするの!!わたしの身体で、、なんてことを…!」
”---いやなら、
”いい子にしてろ”って言ったろ?
な???
俺のことを、ご主人様と呼んで、いい子にするんだ”
「---そ、、そんなこと…!」
”---もっともっとすっげぇことさせてやろうかぁ???あぁ?????”
脳内からの声に、真凛は、震えながら
唇を噛みしめー
そして、呟いたー
「--ご、、ご主人様…」
とー。
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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11月最初のお話デス~!!
今月も色々なお話を皆様にお届けできればと思います~!
続きはまた明日デス!
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