<憑依>え!?なにこれ!?わたし、何してるの?

憑依されていた女子大生は、
突然、街中で、とんでもない状況で開放されてしまったー!

何が起きているのかわからないまま、
とんでもない状況に直面した彼女の運命は…!?

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ざわついている街中ー
異常な雰囲気だー

悲鳴を上げるものー
面白そうに写真を撮るものー
指をさして戸惑っているものー
声をかけるものー

何か”異様”なものを見つめー
繁華街の一角で、騒ぎが起きていたー

その真ん中にはーー
服を脱ぎ捨てて、全てをさらけ出した女子大生の姿があったー。

「---えっ…!?!?」

女子大生・瀬澤 由紀恵(せざわ ゆきえ)は、
突然、その状況に気づくー。

自分がどうして繁華街にいるのかもわからないー

自分が今、何をしているのかもわからないー。

急にー
意識を取り戻したー

言うならば
”寝落ちして目を覚まして、まだ寝ぼけている状態”だったー。

「---きゃああああああ!」
「やばくね?あの女!」

周囲が騒いでいるー。

由紀恵は、戸惑うー。

”何が起きているのか”
全く理解ができないのだー

身体がゾクゾクと火照っているー

そしてーー

「きゃあああああああああああああ!?!?!?」
由紀恵自身も悲鳴を上げたー

近くにー
自分が着ていた白いブラウスと黒いロングスカートが落ちているー。

そしてー
自分の下着も、足元にー

由紀恵はーー
繁華街の一角でー
全ての服を脱ぎ捨てた状態だったのだー

スタイルの良い身体からー
胸から、アソコまで
何もかも、路上で曝け出しているー

「な、、な、、な、、、なにこれぇぇぇ!?!?!」
由紀恵は泣き叫ぶようにして、胸を隠すー

だがー
繁華街の中心でー
突然おかしな行動をし始めて
挙句の果てに全ての服を脱ぎ捨てた由紀恵のまわりには
たくさんの人が集まってしまっていたー。

身体を隠そうとしてもー
隠しきれないー

慌てて下着を拾おうとする由紀恵ー

「---痴女だ!」
「--変態!!」
「あなた、ここがどこだかわかってるの!?」

周囲の人々が、由紀恵を取り囲むようにして
円を作っていて、
まるで”見世物”のようになってしまっているー

由紀恵はさらに異変に気付くー

自分の身体から、何かが垂れたのだー。

よく見ると、自分の周囲だけ、何か濡れているー。

「--やべぇよ あの女ー」
「--急に脱ぎだして、笑いながら放尿とか、完全に終わってるだろ」
「-頭おかしいんじゃね?」

周囲の男たちが呟いているー

「--え、、、え…え、、…???」
由紀恵は、何も分からず、悲鳴を上げて、その場にうずくまってしまうー。

繁華街で、服を着ずに、
全てをさらけ出している由紀恵ー

身体にあたる冷たい風に震えながら、
由紀恵は泣きじゃくるー。
顔を真っ赤にして、
「わ、、わ、、わたし……だ、、誰か…誰か…たすけて」と、
混乱しながら泣きじゃくるー

だが、誰も手を差し伸べてくれないー

何故ならー
さっきまで、由紀恵はー…。

円を作っていた男の一人が言うー。

「--き、、君が自分でやったんだぞ!」
とー

「--そうだそうだ!」
他の見物人も言うー

「-わ、、わたしが…?」
由紀恵は震えながら言うー。

周囲の人間たちが言うー。

由紀恵が笑いながらここにやってきてー
大声で、「これから最高のショーを見せてあげるわ!」と叫ぶと、
服を狂ったように笑いながら脱ぎ捨て始めてー
周囲の通行人たちを押し倒そうとした挙句ー
下着まで脱いで、さらにはその場で笑いながら
放尿してみせたのだ、とー。

近くに由紀恵のスマホが落ちているー

スマホがヒビ割れて、無残な姿になっているー

「わ、、わ、、わたし…な、、何も…何も覚えてなくて…!」
由紀恵は泣きながら、近くに落ちていた自分の服をかき集めるー。

由紀恵は、何が起きているのかまったく理解できないまま
自分の記憶を必死にたどってみるー

なんで、なんで、こんな場所にいるのかー

大体今日は、大学を終えて家に帰宅してーー
それからーー???

由紀恵は頭を抱える。

家に帰宅したところまでは覚えているー。
でも、その先はーー?

”記憶が完全に”
抜けているー

全く意味が分からないー

慌ててひび割れたスマホを見る由紀恵ー

「え…」
由紀恵は戸惑うー

由紀恵は今日が、28日だと思っていたー。

だがー
スマホには”31日”と表示されているー

由紀恵は、怖くなってその場で泣き出してしまうー。

”28日の大学から帰宅したところまで”しか、
どうしても思い出せないのだー。

「---道を開けて!」
由紀恵の周りに大きな円を作っていた見物人たちを
かきわけるようにして、警察官がやってきたー

”繁華街で全裸になった女”-
そんなものを見れば、当然通報する人間もいるー。
”露出狂がいる”と連絡を受けた警察官が
現場に駆け付けたのだー

「な、、何をしてるんだ!」
警察官の一人が目を逸らしながら言うー。

「--服を着なさい!」
女性刑事が叫ぶー。

「--あ、、え、、わ、、わたし、、脱いでません!」
由紀恵は混乱しながら叫ぶー

だがー
服を持って、全裸の由紀恵が
”服を脱いでません”と言ってもー
全くと言っていいほど、説得力がなかったー。

今、この瞬間も由紀恵は服を着ていないわけなのだからー。

「---……いいから、早く服を着なさい」
そう言われて、由紀恵は慌てた様子で、
パニックを起こしながら服を身に着けるー。

あまりに慌てていたからか、下着も付け忘れて、
半泣き状態で、由紀恵が服を着るー

周囲の目撃者から事情を聴いている警察官ー。

やがて、由紀恵は何も分からないまま、
警察へと連行されたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「--わたし…本当に何も覚えてなくて!」
由紀恵が泣きながら言う。

だが、警察官はあきれ顔だー。

「---そんな言い訳が、通るとでも?」
これまで多くの容疑者を”落として”きた
歴戦の刑事、堤 源五郎(つつみ げんごろう)がため息をつきながら言う。

「--でも、、でも、、わたし、、家で…普通にしてたのに…」
由紀恵は泣きじゃくってしまって、
それ以上、言葉を発せなくなってしまうー

源五郎はため息を深くつくと、
「--どうして、あんなことしたんだ?」と呟くー。

「--だ、、だから、、わたし…何も…!
 わたし、、自分で服を脱いだりなんか…」

由紀恵が泣きながら言うと、
源五郎が言葉を口にしたー。

「そのことは、いいー」
とー。

「--え?」
由紀恵が首を傾げる。

「--お嬢さん、刑事を舐めんじゃねぇぞ?
 いつまでもいつまでも
 ”何も覚えてません”じゃ、通用しねぇんだ」

源五郎が、鋭い目つきで由紀恵を威圧すると、
何かを机に置いたー。

その写真はー
由紀恵のよく知る親友の写真だったー。

「---満智子(まちこ)がどうかしたんですか?」
由紀恵が涙を拭きながら言うー。

「--自分が一番よく知ってるはずだが?」
源五郎が言う。

「---ど、、どういう意味ですか?」
由紀恵が言うと、
源五郎が机を叩いたー。

「29日の夜、佐津川 満智子の家に行って、
 首を絞めて殺したのは、誰だ!?」

と、叫ぶ源五郎ー。

「え……!?!?!?!?」
身体が抉られるようなー
恐怖と衝撃と悲しみとー
あらゆる感情が混じった、これまでに感じたことのない
表現しがたい衝撃をー
由紀恵は感じたー

「--こ、、こ、ころ、、、えっ!?!?」
由紀恵が言うと、
源五郎は「29日の夜、お友達の佐津川 満智子の家に行って、
佐津川 満智子をお前は殺した、違うか?」
と、荒い声で言ったー。

「--え、、えっ、ちょ、ちょっと待ってください!」

由紀恵が叫ぶー。
由紀恵の記憶は”28日”までしかないー

今は”31日”一体どうなっているのかー?
由紀恵にはさっぱりわからなかったー

「--ちょ、、、え、、えっと!聡(さとし)に、、聡に確認してください!」
由紀恵が叫ぶー

”聡”とは、彼氏の名前だー。
聡なら、由紀恵をかばってくれるー。

そう、信じてー。

だがーーー

「--久米谷 聡(くめや さとし)は、一昨日、自宅で死んでたよ」
と、源五郎は呟いたー

「---!?!?!?!?!?!?」
由紀恵はさらに衝撃を覚えて、吐きそうになったー

何がーー
起きているのー?

まったく理解できないー

「--久米谷も、お前がやったのか?」
源五郎が、由紀恵を睨むー

「--わ、、わ、、、わたし…」
由紀恵は泣き崩れてしまうー

”やった”
”やってない”
以前の問題だー。

彼氏である聡も、
親友である満智子も”死んだ”

そしてー
自分は28日の帰宅後からの記憶がなくー
28日帰宅後、29日、30日、今日(31日)の意識を取り戻すまでの
記憶が一切抜け落ちているー。

「--わ、、わたし…28日から記憶が飛んでて…」

泣きながら由紀恵が言うと、源五郎が呆れた様子で、

「ーー記憶喪失でも装って精神鑑定でも狙っているのか?
 でもな、お嬢ちゃん。サツを舐めるんじゃねぇぞ?
 
 俺らだって、好きでこんなことしてるわけじゃないんだ。
 な?本当のこと、話してくれよ?どうして、こんなことしたんだ?」

と、少しだけ優しい声を出して、由紀恵を見つめたー

「--本当に、記憶が無くて…」

ドン!
源五郎が、机を少し叩くと、
「--だったら、丁寧に思い出させてあげようじゃないかー」
と、ホワイトボードを近くに持ってきて、さらにノートパソコンを開くー

29日ー
佐津川 満智子が首を絞められて死亡ー。

「--死亡推定時刻付近に、お前が付近の監視カメラに映ってるー。
 しかも、”2度”だー。
 佐津川真知子の家に向かうお前と、帰りのお前が、な」

監視カメラの映像も見せる源五郎ー

2度目の由紀恵は、ニヤリと笑いながら歩いているのが見えたー。

30日ー
久米谷 聡が自宅で変死ー。

「こっちは偶然、近所の住人が見つけたー。
 付近のカメラにお前の姿はないがー」

「そしてー」
ノートパソコンで映像を見せるー。

30日夕方から夜にかけて、都内のバーで、無銭飲食-

映像には、酔って店員を殴る由紀恵の姿も写っているー。

「--そ、、そんな…」
由紀恵は震える

全くー
まったく、”記憶にない”

「今日の午前中、万引きもしてるな。
 さっき通報があった」

源五郎は呟くー

「これでも、自分はやってない、って言えるのか?」

鋭い目つきー

由紀恵は泣き出してしまうー

そのタイミングで、源五郎のところに若手刑事がやってきて
耳打ちするー

源五郎はため息をついたー

「呆れたやつだな」
そう呟くと、ノートパソコンで動画サイトを開いたー

「これは、なんだ?」

そこにはー
今朝配信したと思われる
由紀恵の”公開一人エッチ”動画が表示されていたー

「わたし…わたし…こんなこと…

 いやああああああああああああああ!!!」

由紀恵は発狂して、
大声で泣き叫んだー

わたしーー

なにもーー

なにもしてないーーーー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「-------------」
そんな由紀恵の様子を”霊体”が見つめていたー

”俺より親友を優先したからだぜ”
霊体はそう呟くー

”彼”こそ、由紀恵に憑依していた張本人ー
28日に由紀恵に憑依しー
29日に親友の満智子を殺し、
30日に無銭飲食
今日の今朝、公開エッチ動画を公開し、
繁華街で全裸になり、由紀恵から抜け出したー。

彼はー
由紀恵の彼氏、久米谷 聡ー。

30日に、久米谷の遺体が見つかっているのはー
久米谷が憑依薬を飲み、自分の身体を捨てたからだ。
28日に憑依薬を飲み、久米谷の身体は死亡、
それが30日に見つかっただけー。

聡はー
由紀恵が好きすぎて、由紀恵と大の仲良しの親友・満智子に嫉妬していたー
先日、デートに誘ったところ、”満智子と予定があるから”と言われたことで逆上、
由紀恵への復讐のために、由紀恵に憑依し、満智子を殺し、
由紀恵の人生も滅茶苦茶にしたのだー

「---さ~て、俺は適当にその辺のJKでも乗っ取って
 新しい人生を始めるとするか」

聡はそう呟いて、取調室で泣き叫ぶ由紀恵を見つめながら
そのまま姿を消したー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

”何も分からないまま”憑依から解放された人視点の
お話でした~!

気づいたら数日間飛んでて、
犯罪も犯していた…なんて怖すぎですネ!
(以前も似たようなお話を書きましたが
 そちらは何十年も憑依されていたお話だったので、
 今回は数日間をテーマにして書いてみました!)

小説
憑依空間NEO

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