欲望に満ちた王国に、
終焉の風が吹き荒れるー。
欲望の巫女となった勇者クロウに
待ち受けている運命は…?
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ベリアル海岸へやってきた巫女・イリーナ。
イリーナは邪悪な笑みを浮かべているー
これが終わればー
セレス姫との熱い夜が待っているー
姫の喘ぎ声ー
イリーナの身体から発される喘ぎ声ー
勇者クロウは、自分が憑依する前のイリーナを思い出すー
心優しく、穏やかだったイリーナ。
でも、そのイリーナはもういないー。
今は回復魔法をエッチのために使いー
欲望に満ち溢れているー。
穏やかだったイリーナを
清純だったイリーナを、ここまで変えてしまったー
勇者クロウは、そのことにゾクゾクしながら、
ベリアル海岸を見渡すー。
そろそろ、魔王軍の将軍・ヒュドラがやって来る頃だ。
第4騎士団長のティルクは、ヒュドラと戦い戦死ー
そして、イリーナが、ヒュドラを倒し、
戦力を”1”ずつ削るー。
何も知らずにベリアル海岸の警備にやってきた
第4騎士団長のティルクは、
兵たちに指示を下している。
アックスの名手と呼ばれるティルクも、
魔王軍の将軍の奇襲には、勝てないだろうー
”万が一
ティルクが勝つようなことがあれば、
あなたがティルクを始末すれば良いだけのことー
いつものことです”
セレス姫はそうも、言っていたー
「ククク」
笑みを浮かべるイリーナ。
魔王軍が、やってきたー
「敵襲!」
第4騎士団の兵士が叫ぶー
第4騎士団長のティルクが「なんだと!?」と表情を歪めているー
「---さぁ、、死になさい」
イリーナは、誰にも分からないように、静かにそう呟いたー
アソコがもううずいているー
早く姫と最高の時間を過ごしたいー
「すっかりエッチな身体になっちゃって…くくく」
イリーナは一人、戦う第4騎士団を見つめながら笑みを浮かべたー
「---------」
その背後の岸壁からー
第6騎士団長のオリオンが、イリーナを見つめていることにー
イリーナは気づいていなかったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
王宮では、第3騎士団長のエンダルフが、セレス姫のことを探っていたー。
新たなる勇者一行の生き残り・リンという少女が、
城下町で”王宮に悪魔が潜んでいる”という情報を流したー。
それを聞いた第3騎士団長エンダルフは、セレス姫に疑問を抱き、
調べていたのだったー。
「----」
現在の騎士団長たちの中でも、エンダルフは理知的で
計算高いー。
優れた軍略は”神の軍略”とも呼ばれるほどだー。
「-----何を、調べているのです?」
妖艶な笑みを浮かべながら、第2騎士団長・カミーラが入って来るー。
書庫で調べ事をしていた第3騎士団長・エンダルフは一瞬驚きながらも
「カミーラか」と、安堵の表情を浮かべたー。
”セレス姫”に声を掛けられたのかと思ったのだー。
”王国の魔女”の異名を持つカミーラは、
現在唯一の女性騎士団長ー
カミーラがエンダルフの方を見つめるー
「---姫様の身辺を調べているのですか?」
カミーラの見透かすような言葉ー
エンダルフは「--いや、カミーラには関係ないことだ」と、
早口で述べると、そのまま書庫から立ち去って行ったー
「-------」
一人残された第2騎士団長・カミーラは、少しだけ笑みを浮かべたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
勇者ラッシュ一行の生き残り・リンは、
”噂”を各地に流し続けていたー。
仲間だった巫女・エリーゼを救うためー
「----」
身をひそめながら王宮を見つめるリンー
「--何かがおかしいー
何かがー」
そう呟いたその時だったー。
「----!」
リンが、背後に気配を感じて振り返ると、
そこにはーー
「--きゃあああああああああ!!」
リンの悲鳴が城下町の裏路地に響き渡ったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ベリアル海岸では、
第4騎士団長のティルクと、魔王軍の将軍・ヒュドラの戦いが行われていたー
巨大なアックスを振り下ろすティルクー
ヒュドラは、口から炎や水を吐き出して応戦しているー。
「--」
イリーナは悪魔の笑みを浮かべながらその様子を見つめるー
闇の力を込めた錫杖を手にするー。
”勝った方を始末するー”
「---うおおおお!」
ティルクのアックスが、ヒュドラを吹き飛ばすー。
ヒュドラがすかさず反撃するー。
だが、ティルクは、ヒュドラの反撃を防ぎー
そして、ヒュドラにアックスを叩きつけたー
「ぐぉぉぉぉっ!」
ヒュドラがしゃがみこむー。
隙を与えずに、ティルクはアックスを振り上げたー。
「とどめだー」
ーーー!
そう言い放ったティルクは背中に鈍い痛みを感じたー
ヒュドラ配下の魔物たちが、ティルクを槍で貫いたのだー。
「ぐおおおおおおっ…」
ティルクが苦しそうに悲鳴を上げるー
そして、魔物たちが一斉に、ティルクを槍で貫くー。
「----ひ、、、姫様…どうかご無事で…!」
第4騎士団長のティルクは、姫への忠誠を叫びー
そのまま戦死したー
笑みを浮かべるイリーナ。
”その姫は…欲に塗れていることも知らずに…”
イリーナは、クスクスと笑いながら、
ボロボロになった第4騎士団の兵士たちと
ヒュドラ率いる魔物たちの前に姿を現したー
「---い、、イリーナさま!」
第4騎士団の兵士たちが希望に満ちた表情でイリーナを見るー
だがー
「--さぁ、全員、消えなさい!」
イリーナがげらげら笑いながら叫ぶー。
もはや、気品のかけらもないー
巫女・イリーナは、もう死んでいるのかもしれないー。
兵士や、魔物が、
イリーナの魔法に苦しみだすー
”消耗した兵士”など相手ではないー
「貴様は…!」
魔王軍の将軍・ヒュドラが叫ぶー。
その時だったー
ゴォッーーー
突然、ベリアル海岸一体に、炎が上がったー
「--!?!?!?」
イリーナが、「何事!?」と、声を上げながら周囲を見渡すー
魔王軍の将軍・ヒュドラの方をとっさに見るー。
しかし、ヒュドラも戸惑っているー
魔王軍の仕業ではないー
「-----悪く思うなー」
「--お前は!」
イリーナが表情を悪鬼のように歪めたー。
ベリアル海岸の岸壁から姿を見せたのはー
第6騎士団長のオリオンー。
最近はいつも姫の傍にいる覆面の男だー。
イリーナのことを”監視”している様子もあったー。
「---ど、どういうこと?」
”イリーナ”として振舞いながら、オリオンの方を見つめるー
オリオンは、淡々と告げたー
「--お前とーー」
ヒュドラを指さすー
そして、続けてイリーナのことをー。
「お前はー」
オリオンの周りに第6騎士団の兵士が出現するー
「--ここで、死ぬんだー」
大量の火矢が放たれるー
爆薬でも塗られているのか、
矢が着弾すると、激しい爆発を起こしー
ベリアル海岸は”地獄”になったー
「ぐぼぁっ!?」
魔王軍の将軍・ヒュドラは爆死ー。
イリーナにも爆弾矢が襲い掛かるー。
「---…わ、、わたしは姫様直属の、巫女だぞ!」
イリーナが声を荒げるー
第6騎士団長のオリオンは、答えないー。
「---こんなことをして、セレス姫が黙ってると思うな!」
イリーナが大声で叫ぶー。
「------黙ってるさ」
オリオンがようやく答えたー
「これは、姫様の命令だからな」
とー。
「---!!」
イリーナは絶望したー
”姫が、、、俺を…”
イリーナに憑依している勇者クロウは唖然とするー
ここのところー
自分が冷遇されているのは、理解していたー
だがー
まさかー
「姫様は、新しいおもちゃを見つけたー。
お前ではなく、エリーゼとかいう巫女の方が
”楽しめる”と判断なされたのだ」
第6騎士団長・オリオンはそこまで言うと、
「話は終わりだ」と呟いたー。
「---ーーくそっ!」
イリーナが歪んだ表情で、オリオンを睨むー
オリオンが兵士たちに合図を送るー。
「---Die」
”死ね”と言い放つと、オリオンの配下が一斉に
炎の矢を放ったー
イリーナのいた場所に爆炎が上がるー。
オリオンが覆面越しに笑みを浮かべるー。
「---第4騎士団長・ティルク及び、わが国の巫女・イリーナは、
魔王軍の将軍・ヒュドラと壮絶な戦いの末に戦死したー」
オリオンがセレス姫の筋書きを語り、
周囲に毒を放つー。
配下の兵士十数名が苦しみだして、その場に倒れるー。
”兵士も処分するように”
セレス姫から命を受けていたからだー。
全員の死亡を確認すると、オリオンは笑みを浮かべて、
ベリアル海岸から立ち去ろうとするー。
しかしー
その時だったー
「---!」
オリオンが、鈍い痛みを感じて背後を振り返るとー
そこには、ボロボロに破れた巫女服姿のイリーナがいたー。
「-----貴様…」
オリオンが表情を歪めるー。
オリオンの身体に、イリーナの錫杖が、刺し込まれているー
素肌が破れた巫女服から露出しているイリーナが言うー
「--わたしの魔力…見くびってんじゃねぇぞ!!!」
とー。
本性をあらわにするイリーナ。
第6騎士団長オリオンが、とっさに仕込み刃のようなもので、
イリーナを引き裂こうとするー。
だが、イリーナはオリオンから錫杖を抜き取ると、
闇の魔法を唱えたー。
なんとか回避するオリオンー
オリオンが呪文のようなものを唱えると、
蝙蝠のようなものが周囲に出現するー。
大量の蝙蝠がオリオンの姿を隠すー
”まさか、あの炎の中、生き延びるとはなー”
蝙蝠の大群の中から、オリオンの声が聞こえるー
「----」
イリーナは、蝙蝠たちの方を見つめながら
歯ぎしりしたー。
”エリーゼなんかに、姫の愛は渡さない”
「--わたしは…
わたしは、まだ、もっともっとこの身体で
ゾクゾクするんだよぉぉぉぉおぉ!」
イリーナが、その執念から、強力な闇の衝撃波を放つー
蝙蝠が一掃されるー
オリオンが驚きながらも、
短刀を手に、イリーナに襲い掛かるー。
「---死ねええええええええ!!!」
イリーナは、そんなオリオンをーー
闇の魔法を纏わせた錫杖でー
切り裂いたー
その場に崩れ落ちるオリオンー。
「---」
オリオンの覆面を乱暴に下すイリーナ。
「こいつは…」
イリーナは呟くー
第6騎士団長・オリオンは人間ではなかったー
”人型の魔物”-
セレス姫が、”王国の監視用”に、
魔王錠から呼び寄せた上級クラスの魔物だったのだー。
オリオンの遺体が、塵となって消滅していくー
「----」
イリーナは、”自分を捨てようとしたセレス姫”の元を
目指して歩き始めたー
・・・・・・・・・・・・・・・・
「報告ー」
玉座の間にいた、セレス姫が、その声で振り返るー。
第1騎士団長のアストラルが頭を下げるー。
整った容姿の、けれども野心と己の実力に自信を持った表情をした男だ。
「---ベリアル海岸にて、
ヒュドラ率いる魔物の襲撃ー。
その際の戦闘で、第4騎士団長ティルク
そして、---王国巫女のイリーナ様が、戦死なされたとのこと」
第1騎士団長、アストラルは”起きた事実”を淡々と報告したー
「そうですかー…
死者の魂に、安らぎがありますようにー」
セレス姫は、”悲しそう”に、死者への祈りをささげると、
アストラルに「報告、ご苦労様でした」と告げるー。
アストラルが頭を下げて退出するー。
「---くくくくくく」
一人残されたセレス姫が笑うー。
オリオンがうまくやったのだろうー。
ティルクも、イリーナも死んだー。
「--ご苦労様でした。イリーナ…ふふふ」
セレス姫は笑うー。
イリーナ…いや、勇者クロウにはもう飽きたー。
回復魔法のことしか考えていないー。
それに比べると、新たに憑依の虜になった
勇者ラッシュ一行の男・バーゼルは優秀だー
回復魔法だけではなく、
巫女・エリーゼの身体を最大限、活用しているー
エリーゼという小娘を骨の髄まで、利用しているのだー。
勇者クロウとはくらべものにならない”変態”だー。
これからは、巫女エリーゼを王国のNo2-
王国巫女に控えー
「--姫」
背後から声がしたー
振り返ると、そこには歪んだ笑みを浮かべたエリーゼがいた。
「--エリーゼ」
どことなく幼く、無邪気そうな雰囲気のエリーゼが
邪悪な笑みを浮かべていると、それだけでゾクゾクを感じるー
エリーゼは笑うー
「街で、王国の悪い噂を流していた小娘を捕まえましたー
俺の…元仲間の、リンです…くふふふ」
エリーゼに憑依しているバーゼルと同じ
勇者ラッシュ一行に所属していたリンー。
彼女を、エリーゼは捕まえたのだー。
「---こちらです」
エリーゼが、セレス姫を案内するー。
秘密の地下室ではーー
リンが拘束されていたー
「---エリーゼ!!…そ、それに姫様!?」
拘束されたリンが気丈にも叫ぶー。
エリーゼが、その幼い顔立ちを歪めて
邪悪な笑みを浮かべるー
「姫様…今から姫様に最高のゾクゾクをお見せしますー」
エリーゼが、リンのスカートを無理やりめくって、
アソコに錫杖の先端を無理やりねじ込むー
「や、、、やめて!エリーゼ!正気を取り戻して!!」
リンは悲鳴を上げるー
エリーゼは、エリーゼとは思えないぐらいに
顔を悪女顔に歪めて、
セレス姫の方を見たー
「---毒魔法エッチー
ご覧に入れましょうー」
とー。
セレス姫は、それを聞いて「ふふふ」とほほ笑んだー
・・・・・・・・・・・・・・
魔王城ー
大将軍・ゼルが、将軍であるヒュドラが戦死した報告を部下から聞くー。
すると、大将軍ゼルは、
魔物たちの重鎮を、大広間に集めたー
「人間どもとの戦争は、未だ終わりが見えずー」
マントを翻しながら、大将軍ゼルは高らかに叫ぶー
「魔王様の無能が露呈された」
ゼルの言葉に、
魔王軍の将軍たちは戸惑うー
「見よ!」
ゼルが叫ぶー
魔王フォーティスのシンボルマークを指さすゼルー。
魔王フォーティスがいつも”通信”で、ゼルらに
指示を送る際に光るシンボルマークだ。
「---魔王フォーティスは、自分は安全な場所から
我々に指示を下すのみー。
人間は愚か、我々の前にすら、姿を現さぬ。
魔王フォーティスなど、もはや、我らの王ではない!!!
チキンだ!」
大将軍ゼルは、どよめく魔王軍の将軍たちに向かって叫ぶー
「これよりー王国総攻撃作戦を開始するー。
我が名は”真魔王ゼル”ー。
我の元に、続けー!」
魔王軍将軍たちはどよめいたままー
そのうちの一人・キマイラが叫ぶー
「ゼル!魔王様の命に背くつもりか!」
とー。
その言葉に、ゼルは振り返ると、
キマイラが炎上したー
悲鳴を上げるキマイラー。
キマイラはあっという間に焼き尽くされー
周囲の魔王軍の将軍たちは、恐怖を覚えたー
「----これより、王国に総攻撃を仕掛ける」
大将軍ゼルが配下たちを睨みつけるー
「--異論のあるものは、前に出よ」
威圧感を溢れ出させながら叫ぶ大将軍・ゼルー。
将軍たちは、誰一人として、異論を口にしなかったー。
「---今より、フォーティスに代わり、我が魔王である!
全軍、我に続けー」
マントを翻して、大将軍・ゼルが歩き出すー
滅びに向かってー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ーーーーー
「------」
雨が降り始めたー
雷鳴が轟くー
今宵は、嵐になりそうだー。
ボロボロの姿で、ベリアル海岸から帰還した巫女・イリーナは、
王宮を見つめて、静かに微笑んだー
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
勇者さまご乱心最終決戦!
最後に笑うのは、誰か…
続きはまた来週デス!
コメント
SECRET: 0
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>> 王国巫女のイリーナ様が、戦士なされたとのこと
戦士→戦死
かなり乱世の予感
SECRET: 0
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ありがとうございます~!
修正もしておきました!
乱世真っ最中デス!