<MC>全ては正義のために②~支配~

”他人を洗脳する力”を手に入れた
正義感溢れる男子高校生ー。

内心で他者を見下している彼は
”自分こそが、この学校を良くしていくべきである”と
行動を起こしていくー

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「-------」
妹の恭子が必死に勉強をしているー

「---今日は、勉強、頑張っているんだな」
正彦が、恭子の部屋を覗きながら
そう呟くと、
恭子は必死に勉強しながら、
「うん。わたしも頑張らなくちゃって」と、ノートに何かを
書き込みながら答えたー

「ふ~ん」
正彦は、そんな恭子に近づいていきー
恭子が、ノートに書いている文字を見つめたー

”正義”
と、ひたすらに書き続けているー

ニヤァ…
正彦は、笑みを浮かべたー

”可愛いけどバカな妹”が、
勉強を自分からするはずがないー

今、恭子が必死に勉強をしているのはー
正彦が”洗脳”しているからだー。

”相手の姿形を思い浮かべながら、命令を念じることで、
 その相手を洗脳することができる”

正彦は、そうローブの人物から教わっていたー

だがー
”洗脳”の力なんて、本当にあるわけがないーと、
”現実主義”の正彦は、そう考えていたー。

だからー
”妹”で試したー

部屋に戻ると、正彦は椅子に座りながらほほ笑んだー

「バカな恭子が自分から勉強するはずがないー
 しかも、ノートに「正義」と書き続けるわけがないー」

正彦は笑みを浮かべたー

”漢字の勉強をしろ 正義と書き続けろ”
と、洗脳した結果ー
妹の恭子は、本当にそうしたー。

「---これは、本物だー」
正彦は狂気的な笑みを浮かべたー。

この力があればー
腐った学校を、綺麗にすることが出来るー

腐ったりんごだかみかんの話を思い出す正彦ー。
”一つの果物が腐っていると、周囲にもその腐敗が移っていくー”
そういう、話だー。

だがー
「この力があればー
 ”腐った果物”を、取り除くことができるー」

正彦は笑みを浮かべたー

「俺は、正義だー」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

「--里田さん」
朝ー、
正彦は”生徒会会長”になった、里田 真々子に声をかけたー

「舘谷くん…どうしたの?」
真々子がほほ笑むー

真々子は”色仕掛け”で不良の次郎らと結託しー
票数を稼ぎ、生徒会会長の座についたー

”こんなビッチ女が生徒会会長のままだったら
 この学校は腐ってしまう”

正彦はそう思いながら、
「----身体を使って得た会長の座の気分は?」と、
笑ながら言ったー。

顔は笑っているー
だが、心は怒っているー

「---え?なんのこと~?」
真々子が、ほほ笑みながら、とぼけるー

「---不良たちと組んで、
 男子を中心に誘惑して、票数稼いだんだろ?
 そんなことして、会長になった気分は?

 さぞ気持ちいいんだろうな」

正彦の言葉に、
真々子が顔を赤らめるー

「なんのことかしら?言いがかりはよしてくれる?
 舘谷くんは、負けたの。
 会長にふさわしくなかったの。
 それだけのことでしょ?

 負けたからって、八つ当たりしないでくれる!?」

露骨な逆切れー。

「ふーん…じゃあさ」

正彦は”真々子の姿を浮かべながら、念じる”
洗脳するためにー

”生徒会会長になるためにした不正を、全部全部、
 校舎中のみんなに伝えるんだー”

「不正は許さない」
正彦がほほ笑むー

真々子がビクンと震えるー

「あ…」
瞳を震わせている真々子ー

「--さぁ、何をしてたんだ?言ってごらん」
正彦が言うと、
真々子は、全てを白状したー

「--わ、、わたし…
 どうしても会長になりたくて…
 次郎たちと組んで、男子を誘惑してー
 スカートとか胸を触らせてー
 票を稼いでたの」

真々子の言葉に、
正彦は笑みを浮かべたー

「そっかそっか。クソビッチ女だな」
正彦は、本性を現しながら、呟くー

”じゃあさ、ビッチ女にふさわしい罰を与えてあげるよー”

そう呟くと、
正彦は真々子をさらに”洗脳”したー

洗脳を終えると、そのまま立ち去っていく正彦ー

一人残された真々子は、突然「わたし~~~!身体を売って会長になったの~!」と
大声で叫び始めたー

突然、制服を脱ぎ捨て始めて、下着姿になる真々子ー

「--えへへへへ!わたし、男遊びだ~いすき!
 わたしって、滅茶苦茶可愛いでしょ!?
 ふふふふ、ほら!抱いて!抱いて!触って!わたしを見て~~!」

正彦は、廊下を歩きながら
真々子の方を振り返るー

”全ての欲望をさらけ出しながらー
 自分のした不正を、全て白状しろー”

それがー
お前のようなクソビッチにふさわしい末路だー

”カビ”は、取り除かなくてはならないー

「うあっ!?」
「何してんだ?」
「きゃ~~~~!」

真々子が下着姿になって、生徒会選挙の不正を
大声で叫んでいるー。

「---なんの騒ぎ?!」
幼馴染で、彼女の美穂が、廊下での騒ぎを聞きつけて
教室から顔を出すー

廊下では、下着姿の真々子が
「わたしは~身体を売って会長になりましたぁ~!」と笑っているー

「な、なにあれ…」
唖然とする美穂ー

正彦は「さぁな」と、笑みを浮かべたー

”クズがー
 学校の秩序を汚すやつは、この学校に、必要ないー”

真々子はすぐに先生に連行されてー
そのまま停学処分になったー

さらに、生徒会選挙の不正が明るみに出たことで、
会長への就任も、取り消しとなってしまうー

翌日の全校集会でー
正彦は、”繰り上がり”で会長になったー

会長として、挨拶をする正彦ー

「--僕はー
 この学校を、より良い物にしたいと考えていますー。

 先日、停学になった里田さんのような
 ”不正”を憎みー
 正しいことを当たり前のように行うー
 そんな生徒会会長としてー
 精一杯、努力していく所存です。

 よろしくお願いします」

正彦は、頭を下げるとー
”俺が、お前らを正しい方向に導いてやるー”と
笑みを浮かべながら
体育館の壇上から、全校生徒と先生たちを見つめたー

まるでー
”自分が支配者”にでもなったかのような
気分になりながらー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「----お兄ちゃんお兄ちゃん~!
 今度、友達と遊園地に行くんだけど、
 どんな服装がいいかな~!?」

帰宅すると、妹の恭子が張り切りながら
聞いてきたー

「--テストも近いんだし、少しは勉強したほうがいいんじゃないか?」
正彦は苦笑いしながら、そう答えたー

”妹は、馬鹿だー”
成績も悪い。

だからこそ、兄である自分が妹を守ってあげないといけないー
正彦は、小さいころからそう思っていて、
妹・恭子のことを、何かと気にかけていたー

表向きは”優しい妹思いのお兄ちゃん”として
通っているー

「---テスト~!
 わたし、点数のところに〇ついても気にしないから!」
笑う恭子ー

「〇」とはつまり、0点のことだー。

頭を抱える正彦ー

妹の将来が心配だー

”いやー”
正彦は思うー

そうだー
俺は”世の中を正しい方向に導く力”を手に入れたんだー

正彦は、妹・恭子の姿を思い浮かべながら
”死ぬ気で勉強しろ 将来のために”と
命じるー。

”洗脳”された妹・恭子はー
突然「あ…勉強…やっぱした方がいいかな」と呟いて、
そのまま部屋に向かって行くー

”すごい…”
正彦は笑みを浮かべるー
相手の姿を思い浮かべて、念じるだけでー
”洗脳”することが出来るー
どのようなことであっても、させることができる-

リビングで両親と少し会話してから、
自分の部屋に向かう正彦ー
部屋に向かいながら、正彦は、妹の部屋を覗くー

恭子は、しっかりと勉強していたー

「---それでいいー
 お兄ちゃん、お前のこと、心配してるんだからなー」
そう、静かに呟くと
”いいことをした”と思いながら
正彦は自分の部屋に戻っていくのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

真々子は、停学処分になったー

正彦は笑みを浮かべながら
真々子の姿を思い浮かべるー

そして、念じたー

”ビッチ女はビッチ女らしくーエロに溺れろ。
 魅せまくれ ヤリまくれー”

遠くからでもー
相手の姿を思い浮かべるだけで洗脳できるー。
この力は、最高だー

”俺のような正しいものが使うことでー
 世界はきっと、もっと良くなるー”

真々子のような女は、
猿のように本能のまま生きればいいー。
下等生物は下等生物らしくー
人間の真似ごとなどやめればいいのだ。

「---な~んか、怖い顔してるけど大丈夫?」
彼女で幼馴染の美穂が言うー。

「--え?あ、、うん。大丈夫さ」
正彦は”いつもの笑顔”を浮かべて美穂の方を見るー

「それにしても、まさかの生徒会会長就任おめでと!
 投票で負けたのに、何だかんだで、会長になっちゃうなんて、
 さすが正彦、持ってるなぁ~」

美穂が笑いながら言うと、
正彦も静かにほほ笑んだー

「はは、まぁ~里田さんは心配だけど、
 こうなったら、頑張るしかないからな」

”自分が洗脳した”のに、他人事のように言いながら
微笑む正彦ー

”偽りの優等生”の仮面をかぶりながら、
正彦はほほ笑むー。

いつものことだー

「-----どけよ!」

ーー!

正彦が振り返ると、
クラスの気弱な男子が、不良生徒の次郎に突き飛ばされていたー

座席に座ると、机に足を乗せて、次郎が、ヘッドホンをつけて
音楽を聴き始めるー
周囲は、素行不良の生徒・次郎に委縮しているー

”ゴミが”
正彦はそう思ったー

こんなやつに存在価値はあるのか?
こいつが、平和を乱しているー
こいつは、毒物そのものだー。

真々子と結託していたのもこいつだし、
こんなやつ、将来大人になっても
ロクなことするはずがない。

更生?改心?
仮にしたとして、
こいつが更生するまでに何人の人間が傷つくー?

今すぐ消えるべきだ。
正しき世のためにー

”---…”

「(洗脳で…殺すことはできるのか?)」
正彦は、頭の中に、過激な考えが浮かぶー

正彦は小さいころから
”犯罪者は死ぬべきだ”という考えを持っているー
”死刑”に関しても、もっともっと積極的に行うべきであるとー

「---”法律”が捌かないなら俺が捌いてやるよー。
 この世界を、正しい方向に導くためにー」

正彦は、教室の窓の外を見つめたー

ここは4階ー
下はコンクリート。
飛び降りれば、死ぬかもしれないー

「---」
正彦は、次郎の方を見つめたー

”飛び降りて、死ね”
次郎の姿を思い浮かべながら念じるー

「うっ!?」
次郎がビクンと震えると、
次郎は、雑談していた相手の男子に
「へへ、ちょっと飛ぶわ」と、急に呟きー

そのまま猛ダッシュで教室の窓から、
真っ逆さまに飛び降りたー

「-----!」
正彦は驚くー

”洗脳”
この力は想像以上だー

これがあればーーー
”神”にすら、なることができるー

どよめく教室ー
先生たちがやってきて
次郎が救急車で運ばれていくー

だがー
次郎は、死んだー

狂気的な笑みを浮かべる正彦ー

「----この世界をーーー
 俺がー
 俺が、より良い世界にしてやるー

 正義に満ちた世界にーーー」

正彦は、そう呟くとー
”学校”だけじゃないー
もっと大きな世界を見るんだー

と、呟いたー

そしてー
正彦は、ニュースに出てくるような”悪党”の顔を思い浮かべてはー
”死ね”と念じ始めたー

そうー
悪党は、不要だ。
この世界を、より良いものにするためにー

全ては、正義のためにー

③へ続く

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コメント

暴走し始めた正義…

果たして、行きつく先は…?

今日もありがとうございましたー!

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MC<全ては正義のために>
憑依空間NEO

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