”他人を洗脳する力”を手に入れた
正義感溢れる男子高校生ー。
内心で他者を見下している彼は
”自分こそが、この学校を良くしていくべきである”と
行動を起こしていくー
--------------------–
「-------」
妹の恭子が必死に勉強をしているー
「---今日は、勉強、頑張っているんだな」
正彦が、恭子の部屋を覗きながら
そう呟くと、
恭子は必死に勉強しながら、
「うん。わたしも頑張らなくちゃって」と、ノートに何かを
書き込みながら答えたー
「ふ~ん」
正彦は、そんな恭子に近づいていきー
恭子が、ノートに書いている文字を見つめたー
”正義”
と、ひたすらに書き続けているー
ニヤァ…
正彦は、笑みを浮かべたー
”可愛いけどバカな妹”が、
勉強を自分からするはずがないー
今、恭子が必死に勉強をしているのはー
正彦が”洗脳”しているからだー。
”相手の姿形を思い浮かべながら、命令を念じることで、
その相手を洗脳することができる”
正彦は、そうローブの人物から教わっていたー
だがー
”洗脳”の力なんて、本当にあるわけがないーと、
”現実主義”の正彦は、そう考えていたー。
だからー
”妹”で試したー
部屋に戻ると、正彦は椅子に座りながらほほ笑んだー
「バカな恭子が自分から勉強するはずがないー
しかも、ノートに「正義」と書き続けるわけがないー」
正彦は笑みを浮かべたー
”漢字の勉強をしろ 正義と書き続けろ”
と、洗脳した結果ー
妹の恭子は、本当にそうしたー。
「---これは、本物だー」
正彦は狂気的な笑みを浮かべたー。
この力があればー
腐った学校を、綺麗にすることが出来るー
腐ったりんごだかみかんの話を思い出す正彦ー。
”一つの果物が腐っていると、周囲にもその腐敗が移っていくー”
そういう、話だー。
だがー
「この力があればー
”腐った果物”を、取り除くことができるー」
正彦は笑みを浮かべたー
「俺は、正義だー」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
「--里田さん」
朝ー、
正彦は”生徒会会長”になった、里田 真々子に声をかけたー
「舘谷くん…どうしたの?」
真々子がほほ笑むー
真々子は”色仕掛け”で不良の次郎らと結託しー
票数を稼ぎ、生徒会会長の座についたー
”こんなビッチ女が生徒会会長のままだったら
この学校は腐ってしまう”
正彦はそう思いながら、
「----身体を使って得た会長の座の気分は?」と、
笑ながら言ったー。
顔は笑っているー
だが、心は怒っているー
「---え?なんのこと~?」
真々子が、ほほ笑みながら、とぼけるー
「---不良たちと組んで、
男子を中心に誘惑して、票数稼いだんだろ?
そんなことして、会長になった気分は?
さぞ気持ちいいんだろうな」
正彦の言葉に、
真々子が顔を赤らめるー
「なんのことかしら?言いがかりはよしてくれる?
舘谷くんは、負けたの。
会長にふさわしくなかったの。
それだけのことでしょ?
負けたからって、八つ当たりしないでくれる!?」
露骨な逆切れー。
「ふーん…じゃあさ」
正彦は”真々子の姿を浮かべながら、念じる”
洗脳するためにー
”生徒会会長になるためにした不正を、全部全部、
校舎中のみんなに伝えるんだー”
「不正は許さない」
正彦がほほ笑むー
真々子がビクンと震えるー
「あ…」
瞳を震わせている真々子ー
「--さぁ、何をしてたんだ?言ってごらん」
正彦が言うと、
真々子は、全てを白状したー
「--わ、、わたし…
どうしても会長になりたくて…
次郎たちと組んで、男子を誘惑してー
スカートとか胸を触らせてー
票を稼いでたの」
真々子の言葉に、
正彦は笑みを浮かべたー
「そっかそっか。クソビッチ女だな」
正彦は、本性を現しながら、呟くー
”じゃあさ、ビッチ女にふさわしい罰を与えてあげるよー”
そう呟くと、
正彦は真々子をさらに”洗脳”したー
洗脳を終えると、そのまま立ち去っていく正彦ー
一人残された真々子は、突然「わたし~~~!身体を売って会長になったの~!」と
大声で叫び始めたー
突然、制服を脱ぎ捨て始めて、下着姿になる真々子ー
「--えへへへへ!わたし、男遊びだ~いすき!
わたしって、滅茶苦茶可愛いでしょ!?
ふふふふ、ほら!抱いて!抱いて!触って!わたしを見て~~!」
正彦は、廊下を歩きながら
真々子の方を振り返るー
”全ての欲望をさらけ出しながらー
自分のした不正を、全て白状しろー”
それがー
お前のようなクソビッチにふさわしい末路だー
”カビ”は、取り除かなくてはならないー
「うあっ!?」
「何してんだ?」
「きゃ~~~~!」
真々子が下着姿になって、生徒会選挙の不正を
大声で叫んでいるー。
「---なんの騒ぎ?!」
幼馴染で、彼女の美穂が、廊下での騒ぎを聞きつけて
教室から顔を出すー
廊下では、下着姿の真々子が
「わたしは~身体を売って会長になりましたぁ~!」と笑っているー
「な、なにあれ…」
唖然とする美穂ー
正彦は「さぁな」と、笑みを浮かべたー
”クズがー
学校の秩序を汚すやつは、この学校に、必要ないー”
真々子はすぐに先生に連行されてー
そのまま停学処分になったー
さらに、生徒会選挙の不正が明るみに出たことで、
会長への就任も、取り消しとなってしまうー
翌日の全校集会でー
正彦は、”繰り上がり”で会長になったー
会長として、挨拶をする正彦ー
「--僕はー
この学校を、より良い物にしたいと考えていますー。
先日、停学になった里田さんのような
”不正”を憎みー
正しいことを当たり前のように行うー
そんな生徒会会長としてー
精一杯、努力していく所存です。
よろしくお願いします」
正彦は、頭を下げるとー
”俺が、お前らを正しい方向に導いてやるー”と
笑みを浮かべながら
体育館の壇上から、全校生徒と先生たちを見つめたー
まるでー
”自分が支配者”にでもなったかのような
気分になりながらー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「----お兄ちゃんお兄ちゃん~!
今度、友達と遊園地に行くんだけど、
どんな服装がいいかな~!?」
帰宅すると、妹の恭子が張り切りながら
聞いてきたー
「--テストも近いんだし、少しは勉強したほうがいいんじゃないか?」
正彦は苦笑いしながら、そう答えたー
”妹は、馬鹿だー”
成績も悪い。
だからこそ、兄である自分が妹を守ってあげないといけないー
正彦は、小さいころからそう思っていて、
妹・恭子のことを、何かと気にかけていたー
表向きは”優しい妹思いのお兄ちゃん”として
通っているー
「---テスト~!
わたし、点数のところに〇ついても気にしないから!」
笑う恭子ー
「〇」とはつまり、0点のことだー。
頭を抱える正彦ー
妹の将来が心配だー
”いやー”
正彦は思うー
そうだー
俺は”世の中を正しい方向に導く力”を手に入れたんだー
正彦は、妹・恭子の姿を思い浮かべながら
”死ぬ気で勉強しろ 将来のために”と
命じるー。
”洗脳”された妹・恭子はー
突然「あ…勉強…やっぱした方がいいかな」と呟いて、
そのまま部屋に向かって行くー
”すごい…”
正彦は笑みを浮かべるー
相手の姿を思い浮かべて、念じるだけでー
”洗脳”することが出来るー
どのようなことであっても、させることができる-
リビングで両親と少し会話してから、
自分の部屋に向かう正彦ー
部屋に向かいながら、正彦は、妹の部屋を覗くー
恭子は、しっかりと勉強していたー
「---それでいいー
お兄ちゃん、お前のこと、心配してるんだからなー」
そう、静かに呟くと
”いいことをした”と思いながら
正彦は自分の部屋に戻っていくのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
真々子は、停学処分になったー
正彦は笑みを浮かべながら
真々子の姿を思い浮かべるー
そして、念じたー
”ビッチ女はビッチ女らしくーエロに溺れろ。
魅せまくれ ヤリまくれー”
遠くからでもー
相手の姿を思い浮かべるだけで洗脳できるー。
この力は、最高だー
”俺のような正しいものが使うことでー
世界はきっと、もっと良くなるー”
真々子のような女は、
猿のように本能のまま生きればいいー。
下等生物は下等生物らしくー
人間の真似ごとなどやめればいいのだ。
「---な~んか、怖い顔してるけど大丈夫?」
彼女で幼馴染の美穂が言うー。
「--え?あ、、うん。大丈夫さ」
正彦は”いつもの笑顔”を浮かべて美穂の方を見るー
「それにしても、まさかの生徒会会長就任おめでと!
投票で負けたのに、何だかんだで、会長になっちゃうなんて、
さすが正彦、持ってるなぁ~」
美穂が笑いながら言うと、
正彦も静かにほほ笑んだー
「はは、まぁ~里田さんは心配だけど、
こうなったら、頑張るしかないからな」
”自分が洗脳した”のに、他人事のように言いながら
微笑む正彦ー
”偽りの優等生”の仮面をかぶりながら、
正彦はほほ笑むー。
いつものことだー
「-----どけよ!」
ーー!
正彦が振り返ると、
クラスの気弱な男子が、不良生徒の次郎に突き飛ばされていたー
座席に座ると、机に足を乗せて、次郎が、ヘッドホンをつけて
音楽を聴き始めるー
周囲は、素行不良の生徒・次郎に委縮しているー
”ゴミが”
正彦はそう思ったー
こんなやつに存在価値はあるのか?
こいつが、平和を乱しているー
こいつは、毒物そのものだー。
真々子と結託していたのもこいつだし、
こんなやつ、将来大人になっても
ロクなことするはずがない。
更生?改心?
仮にしたとして、
こいつが更生するまでに何人の人間が傷つくー?
今すぐ消えるべきだ。
正しき世のためにー
”---…”
「(洗脳で…殺すことはできるのか?)」
正彦は、頭の中に、過激な考えが浮かぶー
正彦は小さいころから
”犯罪者は死ぬべきだ”という考えを持っているー
”死刑”に関しても、もっともっと積極的に行うべきであるとー
「---”法律”が捌かないなら俺が捌いてやるよー。
この世界を、正しい方向に導くためにー」
正彦は、教室の窓の外を見つめたー
ここは4階ー
下はコンクリート。
飛び降りれば、死ぬかもしれないー
「---」
正彦は、次郎の方を見つめたー
”飛び降りて、死ね”
次郎の姿を思い浮かべながら念じるー
「うっ!?」
次郎がビクンと震えると、
次郎は、雑談していた相手の男子に
「へへ、ちょっと飛ぶわ」と、急に呟きー
そのまま猛ダッシュで教室の窓から、
真っ逆さまに飛び降りたー
「-----!」
正彦は驚くー
”洗脳”
この力は想像以上だー
これがあればーーー
”神”にすら、なることができるー
どよめく教室ー
先生たちがやってきて
次郎が救急車で運ばれていくー
だがー
次郎は、死んだー
狂気的な笑みを浮かべる正彦ー
「----この世界をーーー
俺がー
俺が、より良い世界にしてやるー
正義に満ちた世界にーーー」
正彦は、そう呟くとー
”学校”だけじゃないー
もっと大きな世界を見るんだー
と、呟いたー
そしてー
正彦は、ニュースに出てくるような”悪党”の顔を思い浮かべてはー
”死ね”と念じ始めたー
そうー
悪党は、不要だ。
この世界を、より良いものにするためにー
全ては、正義のためにー
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
暴走し始めた正義…
果たして、行きつく先は…?
今日もありがとうございましたー!
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