<憑依>変態コンサルタント①~刺激~

彼女と共に、幸せな生活を送る男子大学生。

彼女はとてもまじめで、心優しいー

だが、ある日、彼は思うー
”もう少し、刺激が欲しいー”

と。

そこに現れた謎の男は自分のことを”変態コンサルタント”であると名乗ったー。

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大学の昼休みー
噴水がある広場で、大学生の黒谷 亮一(くろや りょういち)は
彼女の原野 麻美(はらの まみ)と雑談をしていたー。

二人は、とても仲良しなカップルだ。
明るく友達の多い亮一と、
大人しくて、真面目な性格の麻美ー。

付き合い始めてから1年ー
大きな喧嘩もなく、ここまでやってきたー

「うん!ありがと!」
微笑む麻美ー。

麻美はとても可愛いし、
性格もとてもいい。

非のうちどころが、ないー、
とでも言えばいいだろうか。

だがー
亮一は同時にあることも思っていたー

”刺激”が欲しいー。
と。
別に麻美とエッチがしたい、とかそういうことじゃない。
現状の状況で満足はしているー。

が、友達の彼女の話とかを聞いていると
時々、羨ましくなってしまうー

”ないモノねだり”なのは分かっているー

だが、”変態な彼女”の話だとか
”強気な彼女”の話だとか
”不真面目な彼女”の話だとか
友達の彼女たちの話を聞いていると、
少し、そういう彼女たちのことが
羨ましくなってしまうー。

「---あ、それでさ、来週だけど」
雑談を続ける亮一。

むろん、浮気するつもりなど毛頭ない。
麻美のことは、今でも大好きだー

ただ、時々”刺激”が欲しいー
そう思ってしまうだけだー

彼女に罵倒されたり
彼女と喧嘩したり、
ちょっと変態な彼女だったり、
そういう過激なシチュエーションを羨ましく感じてしまうー

麻美は”典型的な優等生”な感じで、
そういうことは一切ないー

付き合ったら実は変態なのかなぁ、とか
そんな妄想をしていたこともあったが、
そんなことはなく、麻美は
”表”でも”裏”でも、真面目ー。

コインの表裏ではなく
表と表しか存在しないような、そんな子だったー

「--じゃあ、また明日~!」
麻美と別れて、家を目指す亮一。

麻美の性欲は強いほうではない。
亮一もそうだ。
だからこそ、お互いに相性は合うのかもしれないー。

エッチに狂ってるようなカップルも世の中にはいるが
麻美と良一は、どちらかと言うと、
一緒にいることができれば、それでいい、という感じで、
エッチな行為には、積極的ではない。

亮一も、それでいいと思っているー。

変態シチュを他の友達から聞くと
”よくやるよ”と思ってしまうぐらいだー。

このままー
このまま”何とも出会わなければ”
亮一と麻美の関係はー
きっと、より良いモノになっていったかもしれないー

でもー

”それ”は現れたー

「--!」
腰に両手を当てた怪しげな男がこちらを見ているのに、亮一は気づいた。

男がニヤニヤしながら近づいてくるー。

「---”刺激”を求めている顔ですね」
男が笑うー

”なんだこいつ”
亮一はそう思ったー

街中で腰に両手を当てた男がニヤニヤしながら近づいてきて
いきなり”刺激を求めている顔ですね”なんて言われたら
誰だってそう思うだろう。

「---何か御用ですか?」
亮一が言うと、
男は笑ったー

「申し遅れました。わたくし、”変態コンサルタント”と申します」
名刺を手渡してくる男ー

名刺には
”変態コンサルタント”と書かれている。
住所や電話番号と共にー。

「は?」
亮一は表情を歪めた。

意味が分からない。
なんだこいつは。

「--ー人を変態にするための
 コンサルティングをしておりますー

 変態になるためのアドバイスやお手伝いは
 わたくしにお任せください」

変態コンサルタントの男は、そう言うと、
ドン、と自分の胸のあたりを叩いたー

「いやー」
亮一は失笑する。

「別に俺、変態になりたくないですから」
そう言いながら、立ち去ろうとする亮一。

しかし、変態コンサルタントは、亮一の肩を掴んだー

「--!?」
亮一が驚くと、
変態コンサルタントは、亮一に顔を近づけて耳の穴の中を覗いたー

「…ふふふ、耳垢は全て物語る」
変態コンサルタントは、亮一の耳垢の配置を見てほほ笑んだー

「あなたは、自分の彼女が、真面目すぎて
 刺激が足りないと思っている。
 刺激を欲しているー

 違いますか?」

その言葉に、亮一は「な、、!」と、驚くー

誰にも、彼女の麻美が真面目すぎて刺激が欲しい、なんて
話したことはないー
そういう素振りを見せたこともないー

なのに、この男はいったい、どうしてそれをー

「耳垢の配置を見ると、その人間の全てが分かるのです」
変態コンサルタントはそう言うと、
あなたの耳垢の配置は…と、丁寧に法則を説明し始めたー

「もういい!もういい!」
亮一はそう言うと
「急いでいるんで、失礼します」
と、変態コンサルタントに背を向けたー

「--あなたの彼女をちょっと刺激的に変える方法、ありますよ」

立ち去っていく亮一に向かって叫ぶ変態コンサルタント。

「-----」
亮一は返事をしない。

「----いつでも、ご連絡、お待ちしておりまぁ~す!」
変態コンサルタントは、立ち去っていく和哉に向かって
何故か唐突に、軍隊のような整った敬礼をしたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「はぁ~…何が変態コンサルタントだよ」
帰宅した良一はそう思いながら、名刺を見つめたー

麻美の姿を思い浮かべるー

麻美が刺激的になったらー
どうだろうか。
麻美が変態になったらー
どうだろうか。

少しだけ、ドキドキしてしまうー

「い、、いやいやいやいやいや」
亮一は首を振ったー。

あんな怪しい男のことを信じるなんて、あり得ないー

とー。

しかしー
亮一は気になってしまったー

”変態コンサルタント”のことがー

少なくとも、和哉の耳あかの位置から、
心理を読み取ったのは事実だー。

”只者ではない”
亮一はそう感じながら、
モヤモヤしたまま、その日は眠りについたー

翌日ー

「はぁ~~~変な夢、見ちゃったぜ」

変な夢を見たー

変態になった麻美に、激しいプレイをされる夢だったー

「こんな夢みたのは、あいつのせいだぜ」
亮一はトホホ、な感じで、休日の今日を満喫しようと
立ち上がったー

しかしー
”麻美が変態になったら?”

あの真面目な麻美がー
変態になったらー?

亮一の頭からその思考が抜けなくなりー
気付いた時には、亮一は”変態コンサルタント”に
電話してしまっていたー

”お電話ありがとうございます”
変態コンサルタントは、そう返事をしながら笑みを浮かべたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

指定された喫茶店にやってくる亮一ー

この喫茶店で”合言葉”を告げれば
変態コンサルタントの元に案内してくれるのだと言うー。

「--ご注文は?」
喫茶店のマスターの言葉に、
亮一は顔を真っ赤にしたー

「---ご注文は?」
愛想のないマスターが面倒臭そうに呟くー

「--まほうしょうじょ、みおみおっち!さんじょう!」

真っ赤になりながら”指定された合言葉”を叫ぶ亮一ー

「------」

「------」

愛想のないマスターは無反応だー

「------!!」
亮一は顔を真っ赤にするー

”え?合言葉通じてない????”

「---ご注文は?」
マスターが繰り返すー

「--し、、し、、、し、、、失礼しましたぁ!」
亮一が泣きそうになりながら喫茶店から飛び出すー

喫茶店から出ると、
そこには変態コンサルタントがいたー

「---何も関係ない喫茶店で
 「--まほうしょうじょ、みおみおっち!さんじょう!」と
 叫ぶとは、あなたも変態ですね」
とー。

「--ふ、、ふざけ…あんたがやれっていうから!」
亮一が泣きそうになりながら言うと、
変態コンサルタントは
「あなたの本気度を試させていただきました」と、頭を下げると
そのまま、亮一を案内したー

変態コンサルタントのアジトへとー。

「さ、お座り下さい」
変態コンサルタントが、蜘蛛の巣の張られている
汚らしい事務所で、呟くと、さっそくですがー、と説明を始めたー

”変態コンサルタント”は
憑依の力を使って、指定した相手を変態にするお手伝いをする
コンサルティング事業であると。
亮一の場合は一定時間だけ相手を変態にできる
”短期間変態コース”がおすすめだと、コンサルタントの男は語ったー

「--つまり、楽しんだ後は、元に戻る、と?」
亮一が確認すると
「そういうことです」
と、変態コンサルタントは笑みを浮かべたー

「-この”変態玉”を、変態にしたい相手に飲ませればー
 完了です。
 30分もしないうちに、その相手は”変態”になるでしょう」

「-----」
亮一は戸惑う。

こんな”怪しいもの”を麻美にの飲ませても平気だろうか?

「--健康的な影響とか、元に戻らないとか、ないですよね?」
亮一が念を押すように確認すると
「--もちろんでございます」
と、自称変態コンサルタントの男は答えたー

「---」
亮一は考え込むー

普通に考えてー
自分を変態コンサルタントなんて名乗る男は、
どう考えても、怪しいー

だがー
いつも真面目で、ちょっと刺激のたりない麻美が
変態になった姿を想像したらー
それだけで興奮してしまうー

「--大丈夫ですよ。必ず元に戻りますから」
変態コンサルタントの男はそう言うと、
亮一は「そういえば…料金はどのぐらいなんですか?」と
口を開いたー

急に100万円とか請求されたら、
正直、死ぬー。

だから、事前に確認しておく必要があるー

「--ご安心下さいー。
 料金は、短期間コースであれば、1時間あたり1000円です

 変態玉にはいろいろ種類があって
 1時間用1000円、2時間用2000円、3時間用3000円、と
 いう風に分かれています。

 24時間用まであるので、お好きに…」

変態コンサルタントの言葉に
「--まずは2時間で」と、
2000円を叩きつけて、亮一は”変態玉”を購入したー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

後日ー

麻美を自宅に呼び出した亮一ー
”変態になるっていったいどんな感じなんだろうな…”と
妄想しながら、
いつものように、のんびりと家で過ごすー

「なんだか今日、元気ないけど大丈夫~?」
麻美が、亮一の方を見つめるー

「え、、あ、、大丈夫大丈夫」
亮一はそう呟くと、変態コンサルタントから購入した変態玉を見つめるー

”おすすめは、飲み物に混ぜることですー
 綺麗に溶け込みますから、飲ませやすいですよ”

彼はそう言っていたー

「あ、ちょっとジュース持ってくる」
亮一はそう言うと、
ジュースに”変態玉”を投じたー

”俺、まるで毒盛ってるみたいじゃないか”
と、苦笑いしながらー

そしてー
ジュースを運んでいくと、
麻美は、ジュースを口に運んだー

ビクンー
と、麻美が一瞬震えた気がしたー

「----」
麻美が、ジュースの方を見つめるー

”お、、おいおい”
亮一は思うー

”味が変だとでも、思われたのではないか”
とー、不安に思う亮一。

だがー
”その心配”は不要だったー

「---ねぇ、亮一」
麻美が亮一の方を見つめるー

「---なんだか、ムラムラしてきちゃった♡」
麻美は、そう言うと、亮一のアソコに突然手を触れたー

「ふぇっ!?」
亮一が驚くー
麻美はそんなこと、絶対にしない子だからだー

「--ジュースじゃなくて、亮一のミルク、飲みたいな…♡」
麻美が、甘い声で言うー
完全に興奮しているのが、亮一の目からでもわかるー

「え…あ…え…???」
自分で変態玉を飲ませておきながら、
亮一はその変化に戸惑ったー。

「--はやくぅ!」
麻美は、乱暴な手つきで、亮一のズボンを脱がせようとし始めるー

「え、、あ、、、ひぃぃ!?心の準備が!?」
変態コンサルタントなんて、どうせ金を取るたの”嘘”だろう、などと
思っていた亮一は、麻美のあまりの豹変に驚くことしかできなかったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「--変態玉は、私の精液を凝縮したものー」
変態コンサルタントの男は笑うー

彼の、強すぎる性欲はー
彼の精液を変化させたー

彼の精液には、彼のあまりにも強い性欲や
変態的な意識が、混じっているー。

それを飲ませることで、彼の強い変態思念が、
相手に憑依し、相手を瞬く間に、変態にしてしまうのだー

「感じるー」
変態コンサルタントは、ほほ笑むー

自分の変態思念ー
自分の一部が麻美に憑依し、
変態行為を始めたことをー

感じるー

ゾクッ

変態コンサルタントの男は、一人事務所で、
この上ないゾクゾクを感じていたー

②へ続く

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変態になってしまった彼女…
果たして、楽しむだけで終われるのでしょうか。

続きはまた明日デスー!

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