<憑依>間違えて赤ちゃんに憑依しました③~受け継がれるモノ~(完)

赤ん坊に憑依してしまった宗司ー。

しかも、両親からは、激しい虐待ー。

宗司の、運命は…?
宗司に憑依された赤ん坊の運命は…!?

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念願の憑依薬を手に入れた、宗司はー
女子高生・梨田 柚葉をターゲットに定めたー

大人しそうで、心優しそうな美少女ー。
それが、梨田柚葉だ。

元々、ギャルっぽい子や、
元々少し派手な子や、活発な子を狙うよりも、
宗司は、大人しくて、真面目な子を乗っ取ろうと決めていたー

それはなぜか。
そういう子が、エッチなことに溺れたり、
不真面目になったり、悪女になったり…

その方が”俺がこの女を支配している”という感覚を
より強く味わうことができるからだー。

宗司の支配欲を、より強く満たすために、
宗司は、大人しい子を狙ったー。

”絶対にこの子はこんなことをしない”
そういうことを、憑依して身も心も乗っ取って、
強引にやらせるー。
それが、憑依の醍醐味である、と宗司は考えている。

「今日から俺が梨田柚葉だ!!!」
念願の憑依薬を手に入れて、霊体化に成功した
宗司は、友達と通学中の柚葉に向かって
突進するー

”やった”
宗司は、笑みを浮かべたー

「ひぅっ!」
柚葉の身体がビクンと震えあがるー。
ゾクッ!という感じの痙攣だー

「--柚葉?」
隣にいた友達が、柚葉が急に変な声を出したことに
異変を感じて、首をかしげる。

「----あ…」
柚葉が自分の手を見つめるー

ゴツイ感じの手ではなくー
綺麗な、色白の手ー。

「---あ…」
自分が、女子高生の制服を着ているー
そして、そこには、男にはない、2つの膨らみがあるー

「--ひ、、、ひひっ」
柚葉は思わず、笑みをこぼしてしまうー

「ねぇ?柚葉…大丈夫?」
友達が、急に変な声を出した挙句、
不気味な笑みを浮かべ始めた柚葉を見て
不安そうに呟くー

”このスカートの感触”
宗司は、笑みを浮かべたー

どんなにこの瞬間を夢見たことかー。
今まで、フィクションの中、妄想の中でしか
想像することのできなかった憑依を、
今、宗司は身をもって体感しているー

スカートと靴下の隙間の、
生足の部分に風が当たるー
男では、味わうことのできない、新鮮な感覚ー
風が強いせいか、スカートの隙間に風が入り込んで
なんとも言えない快感を感じるー

「んふっ…♡」
柚葉は思わずスカートに手を触れるー

このまま、この場で滅茶苦茶になってしまいたいー。
柚葉への憑依に成功した宗司はそう思いながらも
”この憑依薬は一度憑依したら抜け出せない”ことを
思い出し、激しくドキドキしている柚葉の心臓の鼓動を
感じながら、深呼吸したー

「ねぇ…ほんとに大丈夫?」
隣にいた柚葉の友人が、戸惑いの表情で
柚葉に声を掛ける。

「--あ、、あぁ…う、、うん…コホン、ゴホ」
思ったより低い声が出てしまったので
咳き込んで調整する柚葉ー

可愛らしい声が出るように調整すると
「大丈夫だよっ!」と、ちょっと不自然な様子で答えたー

友達は「そ、よかった!」と、柚葉の前を歩き出すー

柚葉の心臓が激しくドキドキしているー。
柚葉本人ならば、普通に通学しているだけで
こんなにドキドキはしないだろうー。

こんなに、ドキドキしているのは、
宗司が柚葉を乗っ取って、興奮しているからだー。

”柚葉の心臓まで、俺の意志に従ってるんだ”

そう思い、さらに興奮する宗司は、
柚葉の舌で、ペロリと柚葉の唇を舐めるー

「今日から俺は梨田柚葉…くく」
可愛い声で静かにそう呟くと、柚葉になった宗司は
歩き出したー

学校に到着するー

学校を見渡す柚葉ー
”懐かしいな”
そう、感じながら、教室へと向かうー

宗司が高校を卒業したのは、もうずいぶん昔の話だ。
今となっては、とても懐かしい。

しかも、今度は女子としてーー

「---ちょ、、ちょ、、ちょっと…トイレに行って来る」
柚葉は顔を真っ赤にしながら、そう呟くと、
柚葉の友達は「え??あ、うん!」と返事をして、
教室に向かうー

柚葉は「はぁ…はぁ」と息を荒げながら
女子トイレの扉を開けるー

「あぁぁぁ…ふふふふふふふふっ♡」
興奮しきった声を出す柚葉ー

鏡を見つめるー
柚葉が顔を赤くして、興奮した様子を見せているー

この子はもう、完全に俺の想いのままだー。

と、宗司はそう思いながら、柚葉の両胸を触るー

「うふふふふ、、わ~た~し~、今日から
 生まれ変わっちゃう!ふふふふふ…」
両胸を触るー

胸の柔らかい感触が、柚葉の綺麗な手を通じて
伝わってくるー

それだけで柚葉の身体は全身が火照るほどに
興奮してしまうー

「ひひひひひ、うひひひひひ…」
柚葉とは思えないような下品な笑みを浮かべると、
柚葉は、我慢できなくなって、そのまま個室へと飛び込むー

トイレの個室に飛び込むと、スカートを滅茶苦茶に触りだして、
さらにはスカートの中に手を突っ込み、
下着をいやらしい手つきで触り始めたー

「あぁぁぁぁ…合法なエッチだぁ…♡ ふふふふふ
 自分で自分の身体を…
 違法でもなんでもないもんねぇ…♡」

じゅるり、と涎を垂らしながら
トイレの個室で淫らな格好をする柚葉ー

既に、優等生の面影は無くなっているー

激しく興奮する柚葉の身体ー
宗司が興奮しているのに、
興奮する身体は、柚葉の身体ー

そこに、宗司は激しい快感を感じ、
さらに気持ちよくなっていくー

柚葉の口からエッチな声が漏れるー

”この子、こんな声、出したことあるのかなぁ”と
さらに興奮していると、チャイムが鳴ったー

「やっべぇ~遅刻しちゃう♡」
柚葉はそう呟くと、
はぁはぁはぁ、と荒い息をしながら、
身なりを整えるー

荒い息もなんだかエッチで、
柚葉はさらに興奮してしまうー。

”楽しいことになる”
柚葉は邪悪な笑みを浮かべながら廊下を歩くー

家に帰ったら、この子の貯金を使って
エッチなコスプレ衣装をたくさん買おうー

家で化粧をして色々楽しんだり、
色々な髪型を見たりー
人生初の女としてのエッチを楽しんだりー

「ふふふふふふふ…ふふふふふふふふふふっ♡」

最高だー!

柚葉になった宗司は、そう叫ぶと、教室へと歩を進めたー

・・・・・・

・・・・・・・・・

現実は、冷たいー

宗司は、赤ん坊の身体で、床に横たわりながら、
苦しそうに呼吸をしていたー

現実は、厳しいー
宗司は”妄想”していたー

もし、あの時、予定通り、梨田柚葉に憑依することができていたのであればー
”妄想”のようになったのだろうかー。

だがー
現実はー
直前で、梨田柚葉はバナナの皮で転倒して、
憑依を免れたー

しかも、勢いをつけて柚葉の身体に憑依しようとしていた宗司は、
そのまま勢い余って、赤ん坊に憑依してしまった。

その結果が、これだー。

梨田柚葉は今も平穏な女子高生として生活を続けていて、
自分は、薫という赤ん坊として、虐待を受けてー

「ふぅ… ひゅ、、、、ひゅ…」

「--おい、こいつ、おかしいぞ」
薫の様子を見て、父親の佐太が言う。

父・佐太が、薫に暴力を振るったー
その結果、宗司が憑依している薫の様子が
おかしくなってしまったのだ。

「--え~~~マジ???
 ちょっと~~!」
母親の優茉も笑いながら、近づいてくるー

「ひゅぅ… ひ、、、ひ…」
呼吸が苦しいー

宗司は思うー

”これが、虐待されて…死ぬ赤ん坊の気持ちなのか…”
とー。

父・佐太が、「面倒くせぇな!おい!」と、
薫の頭を乱暴に揺さぶるー

”くそっ…くそっ…くそっ”
宗司は、虐待をする両親を甘く見ていたー

”まさか、命までは奪わないだろう”
とー。

だからこそ、このむかつく両親に対して
大泣きしたり、お漏らししたり、
赤ん坊の身体で出来る反抗をしてきた。

だがー
宗司が考える以上に、この両親は、どうしようもない両親だった。

”嘘だろ…くそっ……ふざけんなよ!くそっ!”
宗司は、苦しい薫の身体でやっと呼吸しながら、
父親である佐太の方を睨むー

このままじゃ、赤ん坊のまま死ぬことになるー

宗司はそう思いながらも
同時に”このガキ…なんて哀れなガキなんだ”と同情した。

生まれながらにして
こんな両親に虐待を受け、
挙句の果てに、宗司に憑依されている。

このままならー
この子は、何も感じないまま死ぬのかもしれないー

だがー
それではこの子は、この世の中に対して、
何の楽しいことも、苦しいことも知らないまま、

いやー
苦しいことだけを味わって、何も分からないまま死ぬことになるー

”なんてクソなやつらだ”
宗司はそう思ったー

そもそも母親である優茉ー
このギャル女があの時、あそこを歩いてなければ
こんなことにもならなかったー

宗司は私怨と同情が混じった複雑な感情を抱きながら、
薫の身体で苦しそうに息をするー。

「---救急車呼ぶ?」
母親の優茉が言う。

「呼ぶんじゃねぇ!このガキは勝手に苦しんでるんだ!
 俺は何も悪くねぇ!」
父親の佐太が叫ぶー

”クソ野郎…”
宗司は、激しい怒りを覚えたー

ダメだー
身体から力が抜けていくー
相当な力で暴行を受けたー

この子はー
死ぬ?

”憑依”の快感も知らないままー?

宗司は、歪んだ感情を抱いたー

この子を助けてあげたいー

それは、普通に抱く感情かもしれないー

同時に宗司は
”憑依のゾクゾクを知らないまま、死ぬなんて勿体ない”と
自分本位の感情も抱いたー

この、薫という子が、このまま死んだら
憑依シチュエーションのおいしさを知らないまま死んでしまうー
そんなの、勿体な過ぎるし、俺が許さない、とー

”くそっ!…このまま死んでたまるか”

薫に憑依している宗司は
歪んだ理由も含めた”この子を守ってあげたい”という感情とー
自分が消えたくないという感情ー
柚葉に憑依できなかった悔しさ
そして、薫の両親への激しい怒りを爆発させたー

”ぬおおおおおおおおおおおおおおお”
宗司は、このまま死んでたまるかぁ!と全ての感情を爆発させたー

薫の身体に、光のようなものが溢れるー。

”俺の力をやる”
宗司は、自分でも何をしてるのかー
どうしてそんな力が発揮できているのか理解できないまま
”これが火事場のクソ力か”と自虐的に笑いながらー

薫の身体からー
飛び出したー

自分が消えていくのが分かるー

だが、その前にー

”救急車をよべぇ!このクソギャル女”

宗司の霊体が、怒りの形相で、母親の優茉に飛び込んだー

「ひぅっ!?」
優茉がビクンと震えるー

宗司は、優茉の身体などお構いなしに、慌てて電話を手に
救急車を呼ぶー

優茉の身体が膝をつくー

”もう、、、だめだ…俺は、、、、、”

無理やり憑依から抜け出したからだろうかー
薫を庇ったからだろうかー

自分が、消えていくのが分かるー

「おい!テメェ!」
救急車を呼ばれた父親の佐太が怒鳴り声を上げるー

膝をついた優茉ー
乗っ取った優茉の身体で、宗司は、父親の佐太に
指を突き立てて「バーカ」と呟いたー

”----くそ…憑依したかったなぁ…梨田柚葉に”

そう思いながらー
宗司の霊体はー
完全に消滅したー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

薫は、無事に助かったー
宗司が、薫に生命力の一部を譲ってー
そして、母親・優茉に憑依して救急車を呼んだことで
無事に助かったのだー。

両親は逮捕され、
薫は親戚の元で育った。

それから10年以上が経過しー
薫は、可愛い女子高生になっていたー

「---また明日~!」
学校から帰宅した薫ー

そんな、彼女の趣味はーー

「--ふふふふっ!」
スマホで、”憑依”と検索している薫ー

何故か、薫は小さいころから”憑依”シチュエーションが大好きだった。
しかも、可愛らしい女子高生が憑依されるシチュエーションが
一番大好きだー。

本人に自覚はないー

けれど、赤ん坊のころに宗司という男に憑依されてー
最後に、宗司が生命力の一部を薫に渡して、薫を守ったことで、
宗司の思念の一部が、薫の中に宿っていてー、
無自覚のうちに、憑依を好きになってしまったー

もしかしたら、薫の中で
宗司は、生き続けているのかもしれないー。

ずっとー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

赤ん坊に間違えて憑依してしまうお話でした~!
①のあとがきにも書きましたが、柚葉に憑依できたルートの方が見たい!
という人もいると思ったので、
こうして、③の方に盛り込む形でお話を組み立てていました!笑

お読み下さりありがとうございましたー!!

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