女子高生の柚葉に憑依しようと思ったのに、
間違えて赤ん坊に憑依してしまった男。
しかも、その赤ん坊は…?
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”くそっ”
宗司は、戸惑っていたー
女子高生・梨田 柚葉の悪女になった姿を妄想するー。
あの、大人しそうな美少女が、
悪女になってーー…
たまらない…
ゾクゾクする未来が、そこに待ち受けていたはずなのにー
よりによって、憑依しようとしたその瞬間に、
柚葉がバナナ皮で転倒してしまうなんてー
おかげで、宗司は、赤ん坊に憑依してしまったー
”こんなことなら…
ギャルな母親でも良かったか”
宗司はため息をつくー
「おぎゃあ…ばぶ…あぅ」
まともにしゃべることが出来ないー。
この子の母親は
いかにもギャルな感じで、
化粧が濃すぎるケバケバ女だ。
結構若そうに見えるし、
下手すれば未成年かもしれないが、
それでも、宗司の好みではなく、
反射的に避けてしまったー
その結果、よけきれずに赤ん坊に
憑依してしまうことになるならー、
避けなければよかったかもしれないー
この母親の身体でも、
まぁ…化粧とかやめて、真面目な風貌にイメチェンすれば
そこそこ楽しめたかも… と。
”でもなぁ…”
宗司は、小さな手を動かしながら、
天井を見つめるー。
”元々、ギャルな女で好き放題するんじゃなくて、
元々真面目な女がエッチに溺れたり、悪女になるのが
ゾクゾクするんだよなぁ…”
そんなことを考えるー
真面目な柚葉が豹変するから、”支配している”という
感じがして、面白いのだー。
「----」
”っつか、放置かよ…”
宗司は思うー。
赤ん坊になってしまった宗司。
だが、帰宅してからギャルな母親は
化粧をしたり、スマホで友達とギャーギャー騒いだり、
ゲームをやったりしている。
しかも、遊んでいるゲームは
2008年のサッカーゲームだったー。
”まぁ…何でもいいけどよ…”
宗司は思うー
そういえば、この赤ん坊は男か?女か?
女であればー
結果的に、この赤ん坊が成長すれば、
柚葉のような美少女に成長する可能性はあるー。
それまで真面目に振舞って、
急に豹変するのも面白いし、
女の子として、成長していき、
普通に女の子ライフを味わうのも
それはそれで良いかもしれない。
”でもなぁ…”
宗司は再び内心で呟く。
”赤ん坊の状態”には、
自我のようなものがほとんどないー
確かに、女の子にはなれるかもしれないー
でも”乗っ取っている”という背徳感も味わいたかったー
柚葉なら、女子高生になるまで生きてきた”自我”があるー
それを全て奪い、柚葉として豹変する”背徳感”
”支配している感覚”とでも言うのだろうか。
それを、味わいたかったー
この赤ん坊じゃ、
自分が赤ちゃんとして生まれてきたようなもので、
乗っ取った、という感じが、薄いー
こだわりの強い宗司は、なんとも言えない
後悔に苛まれたー
「--薫!」
ギャル女が叫んだー
”薫?”
それが、この赤ん坊の名前かー
宗司は思うー
薫…
かおる…
どっちだ…?
宗司は戸惑うー
”薫”
男にも、女にもいる名前だー
判断がつかないー
”くそっ!どっちなんだよ!!”
柚葉への憑依は失敗した。
ならばせめて、当初の予定通り、
女だけでも味わいたい。
何年もかかってしまうが、
せめて、女の子であってほしいー
これがもし、男の子だったら、
単純に”強くてニューゲーム”を始めただけで、
まるで意味がないー
人生の時間は伸びるかもしれないが、
俺は、憑依して支配感を味わいたかったんだ!と
心の中で叫ぶー
「うるさい!静かにしろ!」
ギャル女が、叫ぶー
”薫”の世話をしに来たのではなく、
泣き声を上げる薫に説教しにきただけだったー
”くっそー”
宗司は思うー
自分で歩けずー
喋ることもできずー
何もできないー
不便なこと、この上ないー
”くそっ!これじゃあ憑依薬をもう1回手に入れることもできねぇ”
薫は、ばぶばぶ言いながらそんなことを考えていたー
薫を乗っ取っている宗司は思うー
”せめて、自分で動けるようになれば…”
そうなれば、親の目を盗み、なんとかパソコンかスマホを使い、
憑依薬販売業者に連絡を取り、
もう1個、憑依薬を貰うことも出来るー。
それが出来れば、
この身体とは、おさらばできるかもしれないー
最低でも歩けるようになるまで待つ必要があるし、
その時には、柚葉もJKでは無くなってしまっている
可能性が高いから、また”別の子”を探す必要はあるがー
「---た~~だいまぁ~」
!
薫は赤ん坊の可愛らしい顔をギリギリまで歪めたー
”やばいやつ”
一瞬でそう思ったー
ギャル女の夫らしき男が帰ってきた-
金髪で耳と口元にピアス。
いかにもヤバそうな風貌の男が入ってきたのだー
「あ、佐太(さた)、お帰りぃ~!」
いきなり抱き着くギャル女ー
佐太と呼ばれた男と、ギャル女が
そのままディープキスをし始めるー
”おいおい ふざけんなよ”
宗司は、お前らの茶番劇なんか見たくねーぞ、と
思いながら、赤ん坊の顔を歪めて
その二人を睨んだー
「優茉(ゆま)、へへへ、」
そのまま優茉と呼ばれたギャル女を押し倒す佐太ー
二人はそのまま激しくエッチをし始めたー
”サルかよこいつら”
宗司は毒づくー
帰宅していきなりエッチとか、
原始人なみの性欲だな!と、
宗司は呆れながら、
”くっそー!”と内心で叫ぶー
「あぁぁぁ…佐太ぁ♡ わたしを滅茶苦茶にして~」
「優茉~へへへへ♡ 」
喘ぎ声を上げる優茉ー
二人は、裸になっていたー。
”ふざけやがって”
宗司は、薫の身体で”反抗”することにしたー
「おぎゃああああああああああああああ!」
わざと大声で泣き出す薫ー
だが、二人はエッチに夢中で、気付かない。
激しい行為の音がしているー
”くそっ!ビッチ女に猿男!俺は今、むかついてるんだ”
宗司は、薫の身体でさらに泣き声を上げて
足と手をベットの上でばたばたを動かす。
「おぎゃああああああああああああああああああああああ!!!!!
おぎゃあああああああああああああああああああ!!!!!」
ヤバすぎるほどの大声で泣き叫ぶ薫。
「うっせぇぇ!!!!!!!!!!!」
父親の佐太が立ち上がった。
大声で怒鳴りながらー。
ビンビンな肉棒を晒しながら近づいてきた佐太は、
薫をグーで殴りつけた。
「ちょっと~~、死んじゃうかもよぉ~?」
優茉がゲラゲラと笑うー。
口元を汚した優茉は、
まるで薫を心配している様子がないー
”最悪の両親だー”
「---おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃ!おぎゃ!ばぶばぶ!」
薫に憑依している宗司は、むかついて、
両親に対する反抗を示すー
”そうだ お前らにくらわしてやるぜ”
宗司は、薫の身体のまま、お漏らししたー
しかも、大きい方をー。
「くっせぇなぁ!クソガキが!」
佐太が叫ぶー
殴る、蹴るの暴行を受ける薫ー
暴行を受けながらも、薫は笑っていたー
”クソ野郎どもが”
薫は、漏らした時の感触からー
”女の子っぽいな”と、
内心で呟くのだったー
・・・・・・・・・・・・・・・・
赤ん坊に憑依してしまった宗司は、
今日も天井を見つめていたー
ミルクもロクに与えられずー
宗司はため息をつくー
”あ~~~… 自我がある状態で
母乳飲んでみたかったなぁ”
宗司は思うー
自分が赤ん坊だったころ、母親の母乳を
飲んだことは、当然あったと思う。
だが、そんな記憶はもちろんない。
まだ、明確な自我が芽生える前だったからだー。
しかしー
今は違う。
”強くてニューゲーム”状態の宗司は
明確な自我がある。
赤ん坊に憑依できてしまったのは
”最悪の失敗”ではあったが、
その中でも、せめて”楽しみ”のひとつやふたつは、見つけたい。
それが、”母乳”だー
こんなギャル女の胸に興味はないが、
それでも、新鮮な感覚を味わいたい、と
そう思っていたー
けれどー
しかし、そんな楽しみすらない。
時々ミルクを放り投げられたり、
その程度だ。
本当に酷い扱いだな、と、薫という赤ん坊に憑依した
宗司も思うー
”かわいそうになってきたぜ”
そう思いながら、今日も何もできず、天井を見つめる。
”親を選ぶことはできない…か”
この薫とかいう子で、本当に成長することが
できるだろうか。
せめて、自分で立ちあがって歩き、
言葉を発することができるようになるまでは
耐えなくてはならない。
自分で移動できるようになれば、
今の薫は”強くてニューゲーム状態”だから、
なんとかなる。
頭脳は、既に大人だからだー。
しかしー
それまではー
「ぎゃははははははは!」
母親・優茉と、父親・佐太が帰宅する。
完全に赤ん坊のことなど、お構いなしだ。
「--今日もうぜぇな!」
いきなり父親・佐太に叩かれる薫。
”こいつら、絶対しばいてやる”
薫に憑依している宗司はそう思った。
今は赤ちゃんの身体だから、反撃することすら
ままならないが、自由に動けるようになったら、
なんとかして、反撃してやりたい。
もう一度憑依薬が手に入るのであれば、
それを使って酷い目に遭わせてやるのもいいし、
憑依薬が手に入れられないのであれば
成長した薫の身体で、両親をどうにかしてやりたい。
「---くそっ!俺の元カノの名前つけたの、失敗だったぜ」
佐太が笑う。
「だから、いったじゃ~ん!」
優茉がべたべたくっつきながら佐太に対して笑いかける。
「-ーーまぁ、いいじゃねぇか。
どーせ、ガキなんて見ててむかつくだけだし」
「だね~!」
二人で笑う両親ー
”こいつらに親としてのスキルなんて何にもねぇ”
宗司は、”悪党どもめ”と薫の小さな体で
激しい怒りを覚えた。
自分も、見ず知らずの女子高生である柚葉に憑依して
柚葉を乗っ取り、好き放題しようとしていた”悪党”なのだが、
それでも、宗司は怒りを覚えていたー。
「--おぎゃあああああああああああああああ!」
宗司はせめてもの仕返しとして、
大声で泣き声を上げるー
「くそっ!うっせぇな!」
父親の佐太が怒鳴り声を上げるー
”赤ん坊の身体”で出来る抵抗はこのぐらいだー。
そしてー
母親の優茉が嫌々おむつを変えている瞬間にー
優茉の顔目掛けて放尿してやったー
「---は????きったな!?!?
うっざ!!!!!!
おい!ふざけんな!」
優茉が声を荒げて、薫をビンタするー
”いってぇ~~!赤ん坊をそんなに叩くなよ”
薫に憑依している宗司は、唾を吐きかけてやろうと思ったが
口が上手く動かせないので諦めると、
”はぁ~、早くこんな生活から抜け出したいぜ…”と、
心の中で呟いたー
虐待両親ー
満足に動けない身体ー
言葉を発することもできないー
もう、踏んだり蹴ったりの状態だー。
そんな日々が、それからも続くー
日に日に身体が成長しているのは、感じるがー
まだ、自由に行動できるまで、時間が掛かりそうだー。
ハイハイすることはできるようになったが、
まだ、満足に立つことはできないー
”赤ん坊の成長を体感できるなんて、
貴重な経験かもな”
そんな風に思いながら、
薫の身体の成長を待つー。
だがー
”両親”は、宗司の想像以上に、
どうしようもない両親だったー
ある日ー
父親の佐太が、酒のニオイを漂わせながら
怒鳴り声をあげて帰宅したー
そしてー
母親の優茉をグーで殴りつけたのだったー
薫に憑依している宗司は
”なにやってんだこいつら”などと、のんきに
その様子を見つめていたー
しかしー
「---!」
父親の佐太は、赤ん坊の薫を乱暴に掴んだー
「うぜぇんだよ」
ーー!
薫に憑依している宗司が、驚いていると同時に、
父親の、赤ん坊に対する暴行が始まったー
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
赤ん坊生活をすることになってしまった彼の運命は…?
次回が最終回デス~!
コメント
SECRET: 0
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宗司、頭かなり悪いですね。
明らかに頭おかしい両親なんだから、いくらムカついてもわざと泣きわめいたりして刺激しちゃだめでしよ。
案の定、ヤバいことになってるし。
想像力がまるで足りてないですな。
SECRET: 0
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コメントありがとうございます~!
宗司にはそういう経験がない
(そこまでひどいことはされないだろう、という認識)と、
赤ん坊になったことをまだ受け入れられていない
(いざとなったら反撃したり、逃げればいいや、みたいな認識)なため、
感情的に、危険な両親を刺激しちゃっています!
最終回でどうなるのかは、明日のお楽しみデスー!