<憑依>闇夜の徘徊者①~開放感~

とある、露出狂の男が、憑依薬を手に入れてしまったー。

その直後から、
深夜になると”謎の女”が
出没するようになったー

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「---ーーー失礼します」

とある男の家に、怪しい風貌の男がやって来るー。

紳士的な風貌のー
綺麗な髭を蓄えたー
まるで、明治維新とか、そのあたりのところに
出てきそうな風貌な男ー

帽子を取って、紳士的に座ると、
目の前にいる全裸の男に向かって呟いたー

「--ご注文の商品、お持ち致しました」
紳士風の男が、全裸の男に向かって、何かを手渡すー

「-へへへへ、どうも」
全裸の男はーー
”露出狂”だったー。

人間は、
衣服という牢獄に囚われているー。

彼は、そう思っていたー

服を着ている時はー
自由を奪われているー

こうして、衣服を脱ぎ捨てている時だけが、
自分が真に自由になれる時間なのだと、
彼は思っているー

「---」
紳士風の男は、全裸の男を目の前にしても、
一切動じることなく、受け取ったお金を数える。

「確かに」

一切、表情を変える素振りを見えない紳士風の男に対して
露出狂の男は呟いたー

「--あんたも、脱いでみないかい?
 服なんて窮屈だろ?
 こうして、自分の全てをさらけ出してる瞬間こそ、
 俺は自由だ!って感じられるんだ。」

露出狂男はさらに続ける。

「-ゴリラやオランウータンを見てみろよ?
 服なんか着てねぇだろ?」

露出狂が嬉しそうに演説するー

だがー

「--では、私はこれで失礼いたします」
紳士風の男は、露出狂男の
とんでもない発言を耳にしても、一切表情を変えることなく、
そのまま立ち去って行ったー

”闇商社・デビル”から
憑依薬を手に入れた露出狂男は
「へっ!つまんねぇおっさんだぜ」と、呟くと、
憑依薬を見つめて笑みを浮かべたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

その数日後ー

深夜の時間帯ー

上司からサービス残業を命じられて
終電ギリギリで帰宅中だった
サラリーマンの男は
信じられないものを目にしたー

「え……」
道の反対側からーーー

女が歩いてきているー

「---え…」
サラリーマンの男は唖然とするー

その女はー
服を着ていなかったー

嬉しそうに腰に手を当てて
満面の笑みで歩いているー

まるで”解放感”を味わうかのようにー

胸もー
アソコもー
何もかもを晒した危険な女ー

サラリーマンの男は、ドキッとすると同時に、
目を逸らしたー

「ふふふふふふ…夜風が気持ちいい」
女は、裸で夜の街を歩くことに
快感を感じているかのようなセリフを吐くと、
そのまま反対側の方に歩いて行ったー

唖然とするサラリーマン。
少ししてから、彼は目をこすると、
静かに呟いたー

「--裸の女の幻覚見るなんて…
 俺、、そろそろ倒れるんじゃ…?」

これ以上のサービス残業はやばいな…
などと思いながら、サラリーマンの男は
自分の家へと向かって歩き始めたー

・・・・・・・・・・・・・・・・

「----ねぇねぇ、知ってる?」
大学の昼休みー

自販機コーナーでジュースを飲んでいると、
親友の松沢 美香(まつざわ みか)が
話しかけてきた。

「--あんまり聞きたくないなぁ」
美香に話しかけられた福野 梨々花(ふくの りりか)が苦笑いしながら答えるー

梨々花と美香は、大学で初めて出会った間柄だが、
お互い一人暮らしで、住んでいる場所が偶然近かったこともあり、
意気投合、今ではすっかり仲良しだったー

梨々花が”話を聞きたくないなぁ”と思ったのは、
美香はオカルト話とか都市伝説とか噂話が好きで、
ニヤニヤしながら話しかけてくるときは、たいてい、
その手の話題だからだー。

「---ふっふふふふ~
 今度はすごいお話だから!」
美香の言葉に、梨々花は「ほんと~?どうせまた、変なお話でしょ?」と
飲み物を片手に呟くー

「--実はーー
 わたしたちの近所で、露出狂が出てるみたいなの!」
美香が笑いながら言うー

「-----」
梨々花が”どう返事をしていいのか”戸惑ってしまうー
急に露出狂がどうこう言われてもー

「---……ふ、、ふぅん…それって捕まったの?」
梨々花がジュースを飲み終えると、
そう呟きながら美香の方を見たー

「それがね…」
美香が、梨々花に耳打ちをするー

”キレイな女の人みたいだよ”
とー

「--ふぇっ!?」
梨々花が驚いて声を上げるー

なんとなく、梨々花の中で
”露出狂と言えば男”というイメージがあったー

だからこそ、驚いてしまうー

美香は続けるー

「先週ぐらいから、何度か目撃されてるみたいなんだけどね、
 綺麗な女の人が、深夜になると全裸で徘徊してるんだって」

美香の言葉に梨々花は
「変な人もいるんだね~…」と呟くー

「---なんか、すっごい嬉しそうなんだって!
 わたしも一度見てみたいなぁ~」
美香の言葉に、梨々花は「ちょっと!やめときなよ~!」と、声を上げるー

深夜に全裸で徘徊している…なんて
絶対に普通ではない。遭遇すれば何をされるか分からない。

「危ないから、そういう人見かけても、声を掛けたりしないほうがいいよ!」
梨々花がそう言うと、
美香は「はいはい」と笑いながら答えた

”…ぜったい、探そうとしてるじゃん”
梨々花は内心で突っ込みを入れると、
やれやれと言いたげに首を振ったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

大学帰りー。

「--あ、この前はありがとう」

同じ大学に通う眼鏡の女子・本崎 彩月(もとざき さつき)に
声を掛けられるー。

「あ、彩月ちゃん!どういたしまして~!」
彩月がとある課題で困っていたのを見かけた梨々花は、
彩月の課題を手助けするために、ある書類を貸したのだったー

そのお礼を告げに来た彩月ー

大学から出て、しばらくは方向が同じため、
彩月と一緒に歩いて帰るー。

他愛のない雑談をするふたり。
彩月は大人しい性格で、控えめな感じの女子。
だが、スタイルはとても良いため、
男子から妙な人気があるー

それを理解しているのか、
それとも単なる天然なのか、
彩月はとても甘え上手だー

わざと甘えているのか、
天然なのか、
それすらも読み取れない
独特の雰囲気が、彩月にはあるー。

「---じゃ、また明日~!」
梨々花が手を振ると、彩月も手を振るー。

「このあとはバイト…と」
梨々花が時計を見つめながら
今度はバイト先に向かうー

大学生活に
バイトー
初めての一人暮らしー

色々忙しいけれど、
梨々花の大学生活は、充実していたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

夜-

バイト先が思った以上に忙しくて
遅くなってしまったことを嘆きながら、
コンビニで”自分へのご褒美!”と
美味しそうなスイーツを手にして
ご機嫌そうに家に向かう梨々花ー

その時だったー

「----!」

梨々花が、不気味な人影を見つけたー

「---え」
梨々花は、目を疑ったー

家に帰るためには通る必要のない道にーー
全裸の女がいたーー

背中を向けていて、梨々花が今いる方向とは
別の方向に歩いているもののー
綺麗な髪をなびかせながら、腰を振るようにしてーー
服も着ずに歩いているー

「--あ…あれが…噂の…」
梨々花は”恐怖”を感じたー

美香から話を聞いた時には、
”そんな人、本当にいるの?”ぐらいにしか
思っていなかったがー
こうして、実際に見かけるとー

後ろ姿だが、かなりスタイルもいいー。

「--(き、、気付かれないように…)」

幸い、梨々花が帰宅するには通る必要のない方向の道に
全裸の女はいるー

梨々花は足早に曲がり角を通り過ぎると、
自分の家へと帰宅したー

”あんな変な人がいるなんて…”

梨々花は、家の中に入っても
しばらく”気味悪い”感覚が消えなかったー

・・・・・・・・・・・・

「ふふふっ♡」
女が、モデルのように歩きながらほほ笑むー

服は、着ていないー

彼女はー
”露出狂”の男に憑依されていたー

先日、
闇商社・デビルから憑依薬を購入した男にー

「今のわたしは、、自由ー」
女は興奮しながら笑うー

夜風が胸に当たるー
夜風があそこに当たるー

ゾクゾクしながら
「これが開放感!」と
両手を広げて叫ぶー

深夜の公園に入ると、
女は、そのままベンチに座って、自販機で購入した
お茶を飲み始めたー

開放感を味わって、興奮しながら女は呟くー

「はぁぁぁぁ…♡ 最高だぜ」
とー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

「ねぇ…き、、昨日、見たんだけど」
梨々花が言うと、
親友の美香が「え?」と目を輝かせるー

「ま、、まさか、、深夜の痴女を見かけたの!?」
美香が、興奮した様子で梨々花に迫るー

梨々花は「ちょ、ちょ!おちついて!」と、美香を
落ち着かせると、昨日目撃した「謎の全裸女」について
説明したー

「え~~~!」
美香が不満そうに呟くー

「どうして、声をかけなかったのよ~!」
その言葉に、梨々花は「ちょ、、!?声かけるわけないでしょ!」と
反論するー

「--だいたい、夜中に裸で歩き回ってるなんて
 さすがに普通じゃないでしょ?」
と、梨々花は付け加えた

「--う~ん…でも、勿体ないなぁ…」
都市伝説やオカルトが好きな美香は、
心底”損をした”という感じで、がっかりしているー。

「-もしかしたらその人、幽霊に憑りつかれていたり
 してるのかもよ~!」
おばけー!みたいなポーズをしながら笑う美香。

「--そ、そんな~!やめてよ!」
梨々花が、気味悪そうに呟くと、
美香は「わたしも見たいな~!」と楽しそうに呟いたー

美香と梨々花の家は、そんなに近くない。
”ご近所”レベルだ。
梨々花が帰宅中に全裸の女を見かけたのであれば、
美香にも見かけるチャンスはあるかもしれないー

「ふっふっふ 今夜探してみようかな~」
美香の言葉に、
梨々花は「ちょっとやめなよ~!」と、あきれ顔で
言い放つのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

お昼の時間ー

親友の美香、そして友人の彩月と共に、昼食を食べるー

眼鏡をかけたおとなしい女子大生の彩月が、
少しだけ食欲なさそうにしているー。

「大丈夫?」
梨々花が心配そうに尋ねると
彩月は「うん…大丈夫」と、弱弱しく微笑んだー

彩月は、身体があまり強くないー。
そういったところも、男子たちから”守ってあげたい”と
思わせるような雰囲気だー。

「それでさ~!さっきの話だけど」
美香が、まだ”徘徊する女”の話で盛り上がっている。

「またその話ぃ~?」
梨々花はさすがに呆れながら美香の方を見つめると、
美香は”今日の夜、一緒に探してみない~?”と笑いながら言うー。

「ほら、ふたりなら、その人が頭おかしかったとしても
 逃げられるし、助けも呼べるでしょ!」
美香が”ナイスアイデア!”と自分で言いながら、
梨々花に迫るー

「却下!」
梨々花は即答したー

そんな危ない真似するべきではないー
とー。

「ちぇ~」
美香が不貞腐れた様子で呟いたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夜ー

「ふふふふ…開放感…最高だぜ」
全裸の女が、笑いながら夜の街を歩いていたー

「俺はいま自由だ…って、感じ…くくく
 いや、今はわたしかぁ… ははははは」
憑依薬で、身体を乗っ取った露出狂の男は、
乗っ取った身体で、全裸になり、徘徊していたー

「ちょ…!きみ!」
パトロール中の警察官に声を掛けられるー。

「--ふふふふ」
女は、目を赤く光らせると、
警察官が、「あ…」と呟いて、そのまま立ち去っていくー

”わたしのことはかまうな”

露出狂の男は
闇商社デビルから、”人の思考を操る香水”も
手に入れていたー

”気休め”程度のもので、洗脳と呼べるようなものではないが、
それにより、警察に逮捕されずー
女は、夜の住宅街を、徘徊していたー

「開放感…くく…ふふふふふ♡」
女は今日も、乗っ取られたまま、最高の開放感を
味わい、夜の住宅街を歩いていたー

②へ続く

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とんでもない人が、憑依薬を手に入れてしまいましたネ!
続きはまた明日デス!

憑依<闇夜の徘徊者>
憑依空間NEO

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