<女体化>女体化したのにブスだった①~念願~

男は、ついに見つけたー。

”念願の、女体化する方法”をー。

喜びに満ちた男ー
しかし、女体化した彼を待っていた運命は…?

※物語の展開上「ブス」等、容姿に関係する過激な表現があります。
 苦手な方は、ご注意ください!
 あくまでフィクションとご理解いただいた上で、ご覧ください★!

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彼はー
”女体化”する方法を、ずっとずっと、探していたー。

とある研究施設で働く
研究員の滝原 翔也(たきはら しょうや)は、
毎日毎日”極秘”にある研究を重ねていたー。

生物学の研究を行っているこの研究所ではー
あらゆる設備が整えられているー

彼は、そこに目をつけたー。

”女体化の研究”

彼は、”女”というものに憧れていたー
小さいころから恋愛経験がなくー
女性とは縁のない人生を送り続けてきた翔也。

高校生になった頃、彼は恋愛を諦めたー。

彼は”イケメン”な部類なのだが、
性格的に難があり、女性からモテないのだ。
仲良くなっても、それ以上に進展しないー

今、勤務しているこの研究所でもそうだー

だからこそ、彼は、恋愛を諦めていたー

そして、こうも考えていたー
”女に縁がないなら、自分が女になればいいじゃないか”と。

そんな彼が、この研究施設でひそかに
進めていた研究が、”女体化”の研究だったー

既に彼も20代後半ー
できるだけ早く、女体化したいー

「---ま~た、コソコソやってるのか」
研究員仲間で、この研究施設の一番の友人・
山森 良治(やまもり りょうじ)が、声を掛けて来るー

彼には”女体化”の研究のことを伝えてあるー

「--しっかし、本当に女になることなんてできるのかよ」
良治が言うと、
翔也は「あぁ」と即答したー

彼の頭の中での計算式では、女性になる方法は
既に描かれているー

成り切りー、ではない
正真正銘、生物学上、メスになるのだ。

オスからメスになる生き物が
この世界には、存在するー

そこから着想を得て、描いたのがこの研究だー

他の生物にできるのだから、
人間にもできるはずだー。

生物学上、正真正銘、女性になるための方法ー
それが、この研究の先にあるのだー

「--お前が女になったら、喜んで付き合ってやるのになぁ~」
良治が笑いながら言うと、
翔也も「あぁ、存分にエッチなこともさせてやるよ」と、笑いながら答えたー

良治には、いろいろとサポートをしてもらっている。
そのお礼に、女になったら
存分に楽しませてやる、と良治には、そう約束してあったー

「---あと2、3個の課題をクリアできれば、
 完成なんだけどなぁ」
翔也の言葉に、
良治は「お~!完成間近!」と拍手を送るー

だが、良治は本気で”完成する”とは思っていないー

翔也の研究者としての能力は素晴らしいー
この研究所の所長からも一目置かれているぐらいで、
本業の研究に関しても、優れた実績を挙げているー

しかしー
”女体化する”なんて、無理だー。
良治はそう思っていたー

仮にできたとしてもー
出産だとか、そういうところまで
女性になるのはさすがにー

そう、考えていたー

がーーー

彼は、成し遂げたー

「完成だ」
翔也は、満足そうにうなずいたー

「--これで、俺は女になれるー」

自分の性別に違和感を抱いていたわけではないー
だが、翔也はー
女になりたかったー

女性に縁がないなら、女性になってしまえばいいー
その考えからだー。

「--ま、、まじかよ…」
良治は、唖然としているー
本当にそんなものを作り上げてしまうとは、
恐れ入ったー。

良治の研究者としての能力も、そこそこなのだが、
翔也に勝てる気はしないー。
翔也の能力は”群を抜いている”-

叶うハズもないー

「--ーーさて…と、今日は”男としての最後の1日”を
 楽しむかな」

満足そうに呟く翔也ー

翔也は、研究所で寝泊まりすることが多いー

いやー
翔也だけではなく、他のメンバーもそういう人間が多いー

研究に生きがいを見出しているー
ある意味では”変わり者”なのかもしれないー。

「---」
廊下を歩く翔也ー
翔也は女性研究員とも、楽しそうに話しているー

恋愛関係に発展することはないのだが、
イケメンだからか、ほどほどの距離感で仲良くなることはできるー

だが、性格難のため、それ以上には進んだことはないー

恋愛経験も0だし、
エッチなこともしたことがない。
彼女いない歴=年齢の状態だ。

彼は、致命的に理屈っぽく、
研究者気質の宿命かー
常人には理解しがたい”理論”を口にすることも多かった。
そして、何よりも頑固だー。
それらが災いして、彼は女性と全く縁のない人生を
送ってきているのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そして、翌日ー

「--俺は、ついに”性別”という”枷”を解き放つー」

翔也が嬉しそうに言うー。

「既に、手回しも終えたー」

翔也は今日で退職するように手配しー
明日から、”今井 祥子(いまい しょうこ)”という名前の
女性研究員がここに配属されるよう、
裏で手配したー

ハッキングや、あらゆる手段を使って、
そうしたのだー。

「ーー神様は、人間を”男”と”女”で区分した。
 だが、人間は生まれて来る前に、
 自分で性別を決めることができないー。
 そして、自分で性別を変えることもできないー。

 神様が人間を勝手に壁で遮断したのだー。

 かつて、とある国が壁で遮断されていたことがある。
 だが、その壁は取り払われて、
 今では自由を手にしているー。

 俺は、その自由が欲しいー。

 神が作った”男”と”女”を隔てる壁を破壊しー
 俺は、女になるー。
 男女の壁をぶち破る日が
 ついにやってきたのだ!!!」

翔也が嬉しそうに叫ぶー。

「---はいはい」
それを聞いていた良治が、”演説”を聞き終えて
ひとり、拍手をするー

こういう面倒臭い芝居がかったところも
女性にもてない原因のひとつなのかもしれないー

「--今、人類は、新しい扉を開くー
 また1歩、神に近づいたんだー

 良治!お前は、その歴史の証人となるー」

翔也はそう叫ぶと、完成した装置の中に入るー

「---お、、おい…本当に大丈夫なんだよな?」
直前で、良治は不安になるー

翔也は自信満々だが、この装置がもしも不完全だったら、
翔也が事故死する可能性だってあるー

同僚であり、親友である翔也が
目の前でスクラップになる様子なんて、絶対に見たくない。
一生レベルのトラウマになってしまう。

「--俺を誰だと思っている?」
翔也が自信満々に笑うー

「--…そ、、そうだな、お前が間違うはずがねぇ」
良治が自分に言い聞かせるようにそう呟くー

翔也が失敗しているところなんて、
見たことがないー

そうだー
翔也の研究はいつも必ず成功しているー

今回も、そうなるはずだー

「さぁ、始めるぞ」
翔也が、小さなカプセルのようなものに入るー

「良治!スイッチを押してくれ!」

その言葉に、良治がカプセルの外にあるスイッチに手を触れるー
そして、心配そうに翔也を見つめるー

「良治…今まで手伝ってくれてありがとうな。
 女になったら、いっぱいいい思いさせてやるよ」
翔也がそう呟くと、良治は頷きー
ひと思いにスイッチを押したー

カプセルの中にピンク色の煙が充満していくー

翔也の姿が煙に包まれて見えなくなるー

カプセル中に充満したピンク色の煙ー

これで、翔也は女になれるのだろうかー
同じ研究者であるはずなのに、良治には
もはや”ついていくことのできない領域”と言えたー

カプセルの外についている液晶画面に
”70%”と表示されている。

その数字はどんどん上がっていきー
ついに、100パーセントになったー

”性転換 完了”

そう表示されているー

「----おぉ!?」
良治が驚くー
ピンク色の煙が消えてー
カプセルが開くー

そのカプセルの中からはー
絶世の美女がーーーー

ーー出てこなかったー

「---え」
良治が唖然とするー

「--ふふふふ…ついに、ついに、俺は、女になったぞ!」
大喜びで叫ぶ翔也ー

髪は長くなりー
胸は膨らみー
息子は無くなっているー。

女体化をついに、成し遂げたー

「--良治!鏡を!」
翔也が叫ぶー

だが、良治の表情は暗いー

予め部屋に用意していた姿見を、良治が移動させるー

良治の表情が暗いことに
気付かないぐらい、翔也は有頂天だったー

この髪ー
この胸ー
そして股間から消えた息子ー

神が作り上げた性別という壁を
ぶち壊すことに、ついに成功したのだー

「--人類に、壊せない壁はない!!!!!」
翔也は、女の声でそう叫びながらー
鏡を見つめたー

満面の笑みを浮かべていた表情が
みるみる暗くなっていくー

その”分かりやすすぎる反応”に
良治も思わず目を逸らしてしまうー

「な…なんだ…」
翔也が呟くー

「なんだこれは……!?!?」
翔也が、表情を歪めるー

「--誰だこのブスはぁぁああああああああああ!?!?!?」
翔也は大声で叫んだー

髪もー
胸もー
声もー
身体もー
間違いなく男から女になったー

だが、”顔”がー

この世のものとは思えないようなー
醜悪な顔ー、
と、でも表現すれば良いのだろうかー

”これが自分の顔”
そう思っていても、
吐き気を催してしまうレベルできつい顔だったー

恋愛に縁がなくても
顔は”イケメン”の部類だった翔也は
一点して、”ブス”になってしまったー。

「--こ、、、こ、、こんな……」

翔也は戸惑うー
”どう表現したらいいか分からない”
そのレベルで、ブスなのだー。

”人間、見た目じゃないー”
そういう言葉がある。

だが、翔也は知っている。
そんなこと、建前上の綺麗事であると。

男女問わず、
この世では、見た目を理由とした”いじめ”が
行われているー。
それを、翔也はよく知っているー

誰が綺麗事を口にしようと、
人間とは、そういう生き物であると。

だからこそー
翔也は”自分の顔”に群がって来る人間を
一切信用しなかったー。
女体化したあとも、そうするつもりだった。

しかしー

鏡を見つめて翔也は震えるー

「こ、、、こ、、、こんな顔じゃ…」
翔也は呟くー

これが、自分ー

「--俺…ブスになっちゃった…」
翔也は歪んだ表情でそう呟いたー

良治は「お、、、、おぅ…」と返事をするのがやっとだった。

正直、そんなことを言われても
どう返事をしていいか分からないし、
困ってしまうーー

「あ、、そ、、そうだ…約束通り…」

「---あ、いや、いいや」
良治が首を振ったー

「--女体化したばっかりで疲れてるだろ?
 今日は、休めー
 明日から”今井 祥子”として、ここで勤務開始だろ?」

良治に言葉に、
翔也は「あ…あぁ、そうだな」と頷くー

予め、女体化したあと”別人”としてここで
勤務できるように、いろいろ手回しして、準備してあったー

今井祥子=滝原翔也を知る人間は、
良治だけだー。

「---…くそっ!」
鏡を見て叫ぶー

漫画やアニメ…
フィクションの世界の”女体化”はー
美少女や美女になるものばかりー

だがー
現実はーー

「くっそおおおおおおおおおおおおお!
 女体化すれば美少女になれるって
 勝手に決めつけていたのは誰だ!!!!!」

翔也が、一人、泣きわめくようにして叫ぶー

”いじめ”を受けかねないレベルの
かなり特徴的な顔立ちだー

この世は、冷たいーーー

「---俺だあああああああああああああ!」
翔也は”女体化すれば美少女・美女になれる”と
勝手に決めつけていた自分に対して、
激しい怒りを覚えたのだったー

②へ続く

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女体化したのに、
彼の理想通りにはいかなかったようデス…!
続きはまた明日~

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