ある日ー
一人の女子高生に”宇宙人”が憑依してしまったー
宇宙人に憑依された女子高生は
”強すぎる”力に困惑するー。
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高校2年生の高津 絵麻(たかつ えま)は、
今日も、いつものように高校に登校していたー。
「--だいじょうぶ…?」
負けず嫌いで、優しい性格の絵麻は、
クラスのお調子者男子3人組にいじめられている
クラスメイト、貝塚 満智子(かいづか まちこ)のことを
心配していたー
「うん…」
満智子が落ち込んだ様子で言うー。
「--ごめんね…力になれなくて」
絵麻が悲しそうに言うー
「あ、ううん…絵麻ちゃんはいっつも助けてくれるし、
豪里(ごうざと)くんにも、いろいろ言ってくれてるし…
本当に、ありがとう、って思ってるよ」
満智子の言葉に、
絵麻は「うん…でも…」と呟くー
お調子者三人組のリーダー格・豪里 忠義(ごうざと ただよし)の
方を見つめる絵麻ー。
絵麻は、忠義たちのいじめに口をはさんだり、
満智子を守ったりー
できる限りのことはしているー
でもー
”力”では敵わないー。
絵麻は別に武術とかを習ったりはしていないし、
力持ちな忠義や、他の二人のお調子者男子たちに
”力”で抑えられてしまうとどうにもならないー
前も一度髪を引っ張られてしまったことがあるー。
取り押さえられてしまうと、もがいても、
どうにもできないー
絵麻は”悔しい”とさえ思っていたー
”口”は出すことができても
それ以上のことをすることはできないー
結局、あいつらは”女子だから”と
見下しているような気がするー
いざとなれば”力”で押さえつけられるからー、と。
「--わたしに…力があれば…」
絵麻が悲しそうに呟くー。
そうー
力があればー
アイツらを一度でもギャフンと言わせてあげることができれば、
満智子のいじめも完全に止むのかもしれないー
でもー
自分にそんな力はないー
「----」
そんなことを考えながら
下校時間になり、下校を始める絵麻ー。
絵麻は下校中に周囲を気にする素振りを見せたー
と、いうのも
絵麻は3か月前に一度”痴漢”に襲われているのだー。
幸い、気の強い絵麻は、
最初でこそ、食事が喉を通らないほどに怯えていたが
今はだいぶ立ち直っていたー
…とはいえ、怖いものは怖い。
一度痴漢に襲われてから
絵麻は、下校中や外出中に
周囲をやたらと警戒する素振りを
見せるようになってしまっていたー
”へへへへへ…生のJKだぁ…”
あの男の歪んだ笑みが忘れられないー
容疑者の配管工の男はすぐに逮捕されたが、
同じような痴漢が、まだいるかもしれないー
絵麻は、そんな風に思いながら
無事に家の近所までやってきていたー
「---え」
その時ー
絵麻が”異変”に気づいたー
空からー
”小さな光”が、
ものすごい速度で、
絵麻のいる位置に向かってきたー
「---え!?!?!?!?」
絵麻が唖然とするー
”何”が起きているのか理解できないー
”流れ星ー?”
いえー、そんなはずはー
UFO
隕石-
ミサイル???
色々なことが頭をよぎるー
そうこうしているうちに、その光はー
絵麻にーー”偶然”直撃したー
「--ひぃっ!?!?!?!?」
絵麻が思わず目を瞑るー
だがーーー
何も起こらなかったー
「あ…あれ…?」
絵麻が周囲を見渡すー
一瞬、隕石が直撃でもしたのかと思ったがー
そんなことは無く、
周囲の様子も変わっていなかったー
「--い、、今のは…?」
絵麻が不思議そうに呟いているとー
”アレ…”
と、誰かが呟いたー
「--!?」
絵麻が、周囲を見渡すー
だが、周囲には誰もいないー
”気味悪い”
と、思いながら、絵麻は慌てて家の前までやってくると
玄関の扉を開いて、そのまま自分の部屋に向かったー
ーーー
絵麻は気づいていないー
普通に開いたはずの玄関の扉の取っ手の部分が
”潰れて”いることにー
・・・・・・・・・・・
部屋に戻ると、
絵麻は自分の異変に気付いたー
「うひひひ…♡」
ーー!?!?
絵麻が、自分の左手で自分の左胸を揉んでいるー
「--え!?!?ちょ!?」
絵麻が慌てて左手を胸から離すー
だがー
その直後、絵麻は突然鏡を見つめて、
色っぽいポーズを取り始めたー
「--え!?!??な、、なに!?」
絵麻が”自分の身体が勝手に動いている”ことに気づき、
困惑するー
”--あ、ごめんなさい”
するとー
また”声”が聞こえたー
「--!?!?!?!?」
絵麻は戸惑うー
「--え…??ど、どこにいるの!?」
絵麻がそう叫ぶと、
その”声”は答えたー
”すみません…あなたの中です”
とー
「はぁ!?!?」
絵麻は思わず叫んだー
確かにー
さっきから変な声がするー。
その声はー自分の頭の中から響いているようなー
そんな感じがする
”--わ、、私は…宇宙人です”
頭の中の声がそう答えたー
「--ぷっ」
絵麻は思わず笑ってしまったー
”あなたの中にいます”
”宇宙人です”
あまりにも、おかしな話すぎて
笑ってしまったのだったー
「---…え~っと、宇宙人さん?
どうして、わたしの中にいるの?」
絵麻は苦笑いしながらそう呟いたー
”ついに、わたしは頭おかしくなっちゃったのかな?”などと
苦笑しながらー。
”はい…
私は地球の上空を通過中…乗っていた…そうですね、
皆さんから言えば「UFO」のようなものから
落ちてしまってー
そのまま地球に落ちたのですがー
偶然、落下したところにあなたがいて
気づいたらー”
宇宙人はそう説明したー
「---」
絵麻はさっきの”光”を思い出すー
自分に落ちてきた光をー
確かに、話の整合性は合うー。
でもー
「--え??いやいや、あのね?
宇宙人さんがそんなにいきなり日本語喋れるなんて
おかしくない?」
絵麻がそう言うと、
”それは、あなたの脳のデータを読み取ってるのでー
言葉もー
地球での生活もー
あなたのスリーサイズもー
一人でエッチするときのこともー”
「---はぁ!?!?!?」
絵麻が顔を真っ赤にしたー
宇宙人が、スリーサイズを的確にこたえるー
「--ちょ!!!!こら!!!
私の記憶読んでるんなら、
スリーサイズとかエッチとかの話題しちゃ
ダメってわかるでしょ!」
”--はぁ…”
宇宙人は戸惑っている様子だったー
「--…も~、で、本当は誰なの?」
絵麻が部屋の椅子に座りながら呟くー
”ですから、宇宙人ですってば”
宇宙人が言うー
「--嘘つかないの!!誰なの?」
絵麻が言うとー
突然、絵麻の両手が動き出して
絵麻の胸を揉み始めたー
「ちょっ!?!?こらっ!?」
絵麻が叫ぶと、
”こうやって、身体を動かすこともできるんです
信じてもらえませんか?”と
宇宙人は言いながら
絵麻の胸を揉みまくったー
「--わわわわ~~!?やめて!?
わかった!信じるから!」
絵麻がそう言うと
宇宙人は、絵麻の身体の動きを止めて”ありがとうございます”と呟いたー
・・・・・・・・・・・・・・・・
夜ー
絵麻は”宇宙人”と話していたー
どうやら、”本当”のようだー。
「---まぁ…その、わたしの中にいてもいいけど、
いつ、帰れるの?」
絵麻が言うと、
”SOS信号を出してるので、お迎えが来るかと”
と、宇宙人は答えたー
「そ…どのぐらいで」
絵麻が聞くと、
宇宙人は
”1~2週間ぐらいですかね”と答えたー
「---そっか」
絵麻はそう呟くとー
じゃあー、と声をあげたー
「--わたしの中にいるのはいいけど、
わたしの身体を勝手に動かすのは禁止!いい?」
絵麻の言葉に、宇宙人は”は、、はい”と答えたー
”その気になればー”
絵麻を完全に乗っ取ることも宇宙人には可能だったー
だが、この宇宙人は
”どこか抜けていて、争いを好まない種族”だったー
それは、絵麻にとって幸いと言えたかもしれないー
人間を乗っ取ることなど、簡単なことなのに、
この宇宙人は、それをしないのだからー。
「---いやああああああああ!?!?!?!?」
1階から母親の悲鳴が聞こえる。
「え!?!?どうしたの!?」
絵麻が慌てて自分の部屋から飛び出して1階に駆け降りると、
玄関の扉が、壊れていたー
取っ手の部分が無残にも潰れているー。
「---な、、なにこれ…?」
絵麻が唖然とする。
母親は「どうしよう…修理しないと…」と
困り果てた表情で呟いたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
絵麻は学校に向かうー
”はははっ”
「---…」
”ふふふっ”
「------」
”あははははははっ”
「---ちょっと!」
絵麻が立ち止るー
さっきから、絵麻に憑依した宇宙人がうるさいー
何を一人で笑っているのかー。
”あぁ、ごめんなさい、
あなたの記憶の中にある”まんが”ってやつを
見てたらおもしろくて…
あはははははっ”
宇宙人は絵麻の記憶を読んでー
絵麻が前に読んだ漫画の内容を読み取り
笑っていたー
「--ちょっと~…静かにしてよ~!」
絵麻が呟くと
宇宙人は”私の声は外には聞こえないので大丈夫ですよ”と
悪びれる様子もなく答えた。
「-外に聞こえなくても、わたしには聞こえるの!」
絵麻がやれやれという様子で叫ぶと、
周囲の高校生がヒソヒソと絵麻の方を見始めた。
”あ、私の声は聞こえませんが、あなたが一人でしゃべってるようには
見えますね”
宇宙人が冷静に言う。
「-----…」
絵麻が”宇宙人と喋っている自分”を周囲に見られたことに
気付いて、恥ずかしそうに顔を真っ赤にするー。
「---…………」
”-あ、ごめんなさいごめんなさい!怒りましたか?”
宇宙人が言うー
”…ちょ、ちょっと、返事がぐらいしてくださいよ”
「----…」
絵麻は無言で学校に向かって歩き続けるー
”あ、、あの~~~??
これが…あなたの記憶の中にある”シカト”ってやつですか”
宇宙人はなおもブツブツ言っているー
「--うるさい!」
絵麻が叫んだー
「--”周囲に聞こえる”って言うから静かにしてるの!!」
絵麻の言葉に、宇宙人は
”あ、、、そうですね、すみませんでした”と、
謝罪の言葉を口にしたー
そうこうしているうちに、学校に到着した絵麻ー
「よぉ」
昇降口ではーー
クラスメイトの満智子をいじめている忠義が
待ち構えていたー
「---何の用?」
絵麻が忠義の方を睨むようにして見る。
忠義は、そんな絵麻の方にゆっくりと近づいてきて、
絵麻の腕を力強く握りしめたー
「”警告”」
忠義が言うー。
「--お前さぁ、いつもいつも邪魔なんだよ。
女子だからってあんま調子に乗るなよ」
忠義が絵麻を睨むー
忠義は、力が強いー
腕を強く握られてしまうとー
絵麻の力では振り払うこともできないー
「--ち、、調子に乗ってるのは、あんたよ!」
絵麻が負けじと忠義を睨むー
忠義は、より一層、眉間にしわを寄せて
絵麻を睨みつけたー
「---俺は、女だろうが、子供だろうが、
じじいだろうが、ばばあだろうが、殴るぜ」
”脅しー”
忠義が不気味に笑うー
「離してよ!」
絵麻が、忠義の手を振り払おうとするー
がーー
次の瞬間ー
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?!?!?!?」
忠義の身体が、まるでボールのように宙を舞いーーー
少し離れた自転車置き場のところまで吹き飛ばされてー
自転車置き場の自転車がドミノ倒しのように倒れ始めたー
「---え?」
唖然とする絵麻ー
絵麻が振り払った忠義が、ボールのように宙を舞って
遠くまで吹き飛ばされたのだー
「え…????えええええ?????」
宇宙人に憑依されたことによりー
”強すぎる少女”が
誕生したのだったー
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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宇宙人に憑依されてしまった彼女の運命は…!?
続きもぜひお楽しみくださいネ~
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