”わたしの身体が消えた”
一体どこにー?
彼女は戸惑いつつも、
入れ替わったあとに”消えた相手”を探し始めるー
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晴彦(愛優)はスマホの画面を確認する。
「え!?!?え!?!?!?ちょっと!?」
LINEの既読もつかないー。
昨日、愛優は、晴彦という男と街中で
ぶつかってしまって、入れ替わってしまったー
相手は協力的な男性で、
その場で愛優の身体を楽しんだりするようなそぶりは
見せず、一緒に元に戻るための方法を考えてくれた。
けれども、結局そんなものは見つからず、
愛優と晴彦は、お互いの姿のまま、自分の家に帰宅することにしたー
しかしー
翌日ー土曜日になった今日ー
愛優になった晴彦との連絡が途絶えたー。
「--どうして…?」
昨日までは、LINEで細かい話し合いをしていたふたり。
だが、翌日になった今日ー
晴彦は何の返事もしてくれなくなった。
「ちょ!ちょ!ちょ!」
自分よりもはるかにごつい手で、
操作をミスりながらも、なんとかメッセージを送る晴彦(愛優)
「手が男の人のものだってだけで、入力しにくい!」
女子大生の愛優は、20年もの間、”自分の手”を使ってきたのだ。
急に他人の手になるだけで、あらゆることの感覚が変わるー
「--寝てるだけ…?」
晴彦(愛優)は呟くー。
身体は晴彦なのに、
晴彦の家に入ることもできないー
戸惑っていると、近所のおばさんが出てきて、
「あ~!日比谷さん!おはようございます」と、笑みを浮かべたー
当然、身体は日比谷 晴彦だが、晴彦の記憶はない。
このおばさんも誰だか分からないが、
とりあえず、「おはようございます」と返事をする。
「-それにしてもやるじゃない」
おばさんが笑う。
「え?」
晴彦(愛優)が首をかしげると、
「今朝、すっごい可愛い彼女さん、見かけたわよ」とおばさんが言う。
「-え」
晴彦(愛優)は、
一瞬戸惑ったが
”愛優になった晴彦”だと悟る。
確かに、中身は晴彦とは言え、
晴彦の部屋から愛優の姿をした晴彦が出てくれば
”彼女”と勘違いされても仕方がないかもしれない。
「--え?お出かけしたんですか?」
晴彦(愛優)が言うと、
「そうねぇ、朝早かったけど、どこかに出かけて行ったわよ」と
おばさんは答えたー
”起きてる…
なのになんで返事をくれないの?”
焦る晴彦(愛優)-
LINEのメッセージを送るー
だが、返事はないー
おばさんに別れを告げて、
晴彦(愛優)は、
自分の家に戻りながら
何度も何度も愛優(晴彦)に連絡を入れるー
「もぉぉぉぉぉぉぉぉ」
晴彦(愛優)は頭を抱えるー
どうして、返事をしてくれないのかー
電話に出られない状況なのだろうかー
”それともー”
嫌な予感が頭をよぎるー。
だが、昨日ー。
晴彦(愛優)は昨日のことを思い出す。
入れ替わってしまったあと、
元に戻る方法が分からないため、お互いの家にとりあえず
そのままの姿で帰宅したー
帰宅した晴彦(愛優)は、
男の身体に戸惑いながらも、
LINEで、愛優になった晴彦と連絡を取り合いながら
今後について話し合った。
”ネットでいろいろ調べてみましたけど”
晴彦からのLINE-。
晴彦になった愛優も、ネットで調べてみたー
だが、
出て来るのは映画、漫画、ドラマ、アニメー
そしてTSFの小説ー
そんなものばかりだった。
”実際に入れ替わったらどうすればいいのか”
なんてことが書いてあるサイトは、なかった。
”やっぱ、こんなことってないですもんね”
晴彦がLINEでそう送って来るー
”そうですね…”
晴彦(愛優)は、晴彦の手でスマホをいじるの、
なんだか違和感があってやりにくい…と苦笑いする。
”そういえば…トイレなんですけど…”
愛優(晴彦)からのLINEに、そう書かれていて、
晴彦(愛優)ははっとするー
確かに、愛優もそろそろトイレに行きたい気分だったー
”行ってもいいですか?”
申し訳なさそうにメッセージを送って来る晴彦ー
「---あ…」
晴彦(愛優)は考え込むー
晴彦にアソコとか、いろいろなところ見られちゃう…?
恥ずかしい…
え~!どうしよう!!
戸惑う晴彦(愛優)ー
「はっ!」
気付けば顔を真っ赤にしてもじもじしている
晴彦の姿が鏡に映っていたー
”似合わない~”と、思いながら、
愛優は冷静に考えるー
”トイレは行かないでください”
って言ったらー?
愛優になった晴彦は真面目そうだし、従うかもしれないー
でも、ずっと我慢するなんて無理ー
つまり、晴彦は漏らすしかない。
愛優の身体でー。
”え、、、えっと…仕方ないので、いいです”
そう返事を送る晴彦(愛優)
そんなやり取りをし終えると、
愛優も晴彦の身体でトイレに行くー
男性は立ってすると聞いたが、
愛優からしてみると違和感がありまくりで
ちょっとできなかったので、
座ってすることにしたー
「はぁ…なんか、、変な感じ」
晴彦(愛優)は戸惑いながらも、なんとかトイレを終わらせるー。
とりあえず、ずっと座ってするしかー
「---!」
そんな風に思っていると、今度はお風呂が目に入ったー
「---」
ドキドキドキドキドキドキ
晴彦の身体がドキドキしてしまうー
自分が、男の裸を見るー?
いやー
それ以上にーー
晴彦が、わたしの身体を見るー?
「ええええええええ 無理!」
晴彦(愛優)は顔を真っ赤にしながら叫ぶー
「むりむりむりむりむりむり!」
慌ててLINEを送って
”お風呂は勘弁してください”と送るー
すぐに愛優(晴彦)から返事があってー
”あ、、え??あ、、はい…じゃあ…入らないです”
と、言ってきたー
「ふ~~~」
晴彦(愛優)がため息をついていると
”あ、福里さんは別に入ってもいいですよ”と、
メッセージが送られてきたー
”入らないと、臭くなりますし”と、
苦笑いするような顔文字つきでー。
「---たしかに…」
晴彦(愛優)は呟くー
身体を見られるのは、いろいろ葛藤はあるけれど…
でもーー
確かにお風呂に入らないと
それはそれで色々ー
晴彦のことを思い出して、愛優はようやく決心したー
”日比谷さんも、お風呂どうぞ。
でも、わたしの身体はあんまり見ないでくださいね”
そうLINEを送ると”もちろんです”と返事が来たー
そうこうしているうちに、夜になりー
疲れ果てた晴彦(愛優)は、ベットの上で
LINEを送るー
”今日は疲れました…
寝て、起きたら元に戻ってるといいですね
おやすみなさい”
とー。
晴彦からも”おやすみなさい”と返事が来てーー
・・・・・・
「---」
昨日のことを思い出し終えた晴彦(愛優)は戸惑うー。
「---なんで??」
昨日はあんなに返事をくれていたのに、
どうして、返事をくれないのかー。
「まさかー!」
晴彦(愛優)は表情を歪めるー
そんなことはないと信じたいけど、
実はあの人、変態でー…!
「---」
愛優は変な想像をしてしまうー
笑いながら胸を揉みまくっている自分の姿ー
AVのような恰好をして、あんあん声を出している自分の姿ー
知らないおじさんと抱き合ってエッチしてる自分の姿ー
「--い、、いやいやいや!無理無理無理!」
叫ぶ晴彦(愛優)
そんなことに体を使われてたら死ぬー
ほんとむり!
そんな風に思いながら、
「あ~~~!もう!寝なさい!」と、
晴彦の勃起したあれに向かって叫ぶー
晴彦の身体で、
入れ替わった愛優のエッチな姿を想像したため、
身体が反応してしまったのだったー。
「-ーーと、とにかく!」
晴彦(愛優)は顔を赤くしながら
スマホを手に取り、
”連絡できるようになったら連絡下さい!
不安です!”と、
正直な気持ちを送り付けたー
ふと鏡を見る晴彦(愛優)-
鏡に映る晴彦は、髭が濃くなっていたー
「あ…毎日剃らないといけないんだったっけ」
面倒臭いなぁ、と思いながら
髭剃りなんてないよぉ、うちには と
苦笑いするー
ようやく剃刀で適当に処理した晴彦(愛優)は
スマホを確認してはため息をついたー
晴彦から、返事がないー
一体、どうして?
愛優の身体でおたのしみ中なのだろうかー
そんなことする人だとは、信じたくないー
でも、”早朝に出かけて行った”
なんてー
一体…!?
「とにかく」
晴彦(愛優)は呟くー
やれることは、全部やらなくてはいけないー。
晴彦からの返事を待っている間も、行動しないとー。
晴彦(愛優)は、愛優のスマホを手に、
友達に連絡するー。
内容は、何気ない雑談ー。
もしー
もしも、友達の誰かが、”愛優の姿をした晴彦”を
見かけていれば、
何か会話の中で言ってくるだろう。
いきなりー
”わたしのこと見かけなかった?”なんて
連絡するのはおかしいー。
だから、何気ない雑談をしながら、
友達から情報を探ろうとしたー
LINEのやり取りならー
姿を見せる必要もないし、
声を聞かせる必要もない。
「---はぁ~」
しかしー
”良い情報”は得られなかった。
友達の反応は、あくまでも”普通”だ。
愛優の姿をしている晴彦を見かけた様子はない。
晴彦からも返事は来ないままー
「本当、どうすればいいの??」
座りながらトイレを済ませてー
アレを拭くー。
少し下着が濡れてしまうー
「--う~ん、よくわかんない…」
男の人のし終ったあと、どうすれば良いのかが
イマイチよく分からないー
振っているのを、ドラマとかで見たことが
ある気がするが、やり方がよく分からない。
どのぐらいやればいいのかもわからないー
「あ~~~むり」
女子っぽい仕草をしながらお菓子を食べる晴彦(愛優)
「--んんっ…」
大好きなチョコレートが、気持ち悪い味に感じるー
「あぁ…味覚も違うの!?」
晴彦(愛優)がチョコレートの箱を見つめながら呟くー
身体がこの人のってことはー
味覚もこの人のってことー?
ネットで、”入れ替わり 元に戻る方法”と調べたりー
晴彦からの連絡を待ったりー
友達と雑談したりー
とにかく、いろいろなことをしたー
しかしー
晴彦からの連絡はないままー
夜になったーーー
「ううううううう!わたしの身体~~~!」
じたばたする晴彦(愛優)
流石に苛立ってくるー
どうして晴彦は、返事をくれないのだろうか。
昨日の振る舞いから、晴彦という男は
悪い男じゃない気がする。
名刺も渡してきたし、
こっちが住所を教えるのをためらっていても、
あっちは住所を教えてくれたー
今日の午前中、晴彦の家を訪ねた限り、
住所も、偽物ではないー
「---持ち逃げ!?」
晴彦(愛優)が、がばっ!と立ち上がるー
「---わたしの身体、持ち逃げされたなんてこと、ないよね…?」
不安になるー
そうなったら、自分は晴彦という男として
生きていくことになってしまうー
「そんなのやだぁぁぁぁぁあ!」
じたばたする晴彦(愛優)-
別に晴彦は、ごく普通の容姿なのだがー
そういう問題ではないー
晴彦として生きることはー
愛優としての人生は終わることを意味している。
だから…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いつの間にか、寝ていたー
朝になるー
日曜日ー
「も~…明日、大学だよぉ」
晴彦(愛優)はそう呟きながら、
スマホを手にするー
そしてー
「------------!!!」
愛優は、信じられないものを目にした。
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
入れ替わった相手がいなくなってしまいました…!
果たして…!?
続きは明日デス~!
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