<憑依>勇者さまご乱心~新たなる勇者~・後編

勇者・ラッシュが憑依薬を手に入れたー

しかし、勇者ラッシュは、かつての勇者クロウとは違い、
憑依薬を私利私欲に使うことはなかったー

新たなる勇者と憑依薬ー
その行く末は…?

--------------------

「---姫様!」
勇者ラッシュの仲間の一人・リンという少女が
セレス姫の元にやって来るー

第6騎士団長のオリオンと、
巫女・イリーナがリンの方を見るー。

憑依薬を手に入れた翌朝ー。
勇者ラッシュが、姿を消したのだー

「---!」
セレス姫が驚きの表情を浮かべるー

セレス姫は、昨日、勇者ラッシュに憑依薬を託したー
そのラッシュが今朝、姿を消したということはー

”憑依薬の、持ち逃げー?”

イリーナは焦りの表情を浮かべるー

勇者ラッシュ一行のメンバーが集められる。

「--ラッシュの野郎!くそっ!」
ラッシュの仲間・粗暴な雰囲気の男、バーゼルが悔しそうに呟くー

「そんな…」
ラッシュの仲間・リンが悲しそうに呟くー

「--昨日の”力”をラッシュさんが…?」
イリーナの後輩巫女・エリーゼが呟くー

”そうかー”
イリーナに憑依している勇者クロウは笑うー

ラッシュが行方不明になったということはー
ラッシュは、自分と同じように、誰かに憑依したということだろうー。

イリーナが笑みを浮かべるー

「”どっちだ?”」
とー。

勇者ラッシュが憑依したのは、
リンのほうか?それとも、エリーゼか?

「--ーラッシュの捜索は、こちらでも行います。
 いろいろ、思うところもあると思いますが
 まずは落ち着いて行動しましょう」

セレス姫が言うー

ラッシュが、憑依薬を持ち逃げしたかもしれないー
という事実に、リン、エリーゼ、バーゼルらは
悲しんでいたー

勇者の仲間たちが謁見の間から去っていくー

「--姫」
イリーナが言うと、
セレス姫は振り返ったー

「堕ちましたー」
とー。

やはり、勇者ラッシュも憑依薬の魅力に
憑りつかれてー

「それで、ラッシュは、リンに憑依したんですか?
 それともこの女の後輩に?」
イリーナが言うと、
セレス姫はクスリと笑ったー

「ラッシュ?
 彼は、今頃、どこかで死んでいるでしょう」

セレス姫の言葉に、
イリーナが首をかしげるー

「え?」
意味が分からないー

セレス姫は笑ったー

「--わたしが、憑依薬の虜にしようと狙っていたのは
 勇者ラッシュではありませんー
 彼は、あなたとは違い”堅物”でした。
 憑依薬の魅力に憑りつかれることはないでしょう」

セレス姫が言う。

確かにそうだー。

しかしー

「---え…では…誰を?」
イリーナが言うと、セレス姫はイリーナの頬に手を触れて
ほほ笑んだー。

「---既に”彼”は憑依薬を使いましたー
 昨日の夜ー
 あなたには聞こえませんでしたか?」

セレス姫が笑うー

「-勇者ラッシュ一行の、
 リンと、エリーゼの喘ぎ声がー」

「---!」
イリーナが表情を歪めるー

魔王フォーティスは”全て”を見ているー

昨日ー
”彼”は、憑依薬を盗んだー

”なにをする!?”と叫ぶ勇者ラッシュに対して憑依薬を使ってー
勇者ラッシュの身体のまま、一人、城から飛び出し、
城から少し離れた場所にある森ー
”ダークフォレスト”の中で勇者ラッシュは、自ら自害したー。

憑依されたままー。

そして”彼”は、
憑依薬を使ったー

リンの身体を乗っ取り、その身体を遊びつくしー
さらには、エリーゼの身体を乗っ取り、巫女としての力を
駆使して、存分にエッチを楽しんだー

「---間もなく、彼はここに来るでしょうー」
セレス姫が笑うー

「--!?」
イリーナが驚くー

「勇者クロウ。あなたもそうしたようにー
 わたしの身体を狙ってー」
セレス姫が笑みを浮かべたー

扉が開くー

そこにいたのはー
勇者ラッシュ一行の粗暴な雰囲気の男ー
バーゼルだった。

セレス姫がイリーナにキスをしながら囁くー
「わたしはー
 彼を憑依の虜にしようとしていたのですー

 どの人間が、
 欲望に支配されやすい人間かどうかは、
 一目見れば、わたしには分かります」

そう囁くと、イリーナから離れて
セレス姫が、バーゼルの方を見たー

バーゼルが「姫様」とニヤニヤしながら近づいてくるー

セレス姫に、憑依するつもりだー。

「---」
イリーナはその光景を見ながら思うー

昨日、憑依薬をラッシュに預けるー、と
わざわざ宣言したのはー
バーゼルが憑依の魅力に憑りつかれる男がどうか、確かめるためだったのだとー。

バーゼルがラッシュから憑依薬を奪えば、
”新たな仲間”として迎えるー

バーゼルが何もしなかったらー
”期待外れ”として、魔王軍を操り、勇者ラッシュ一行を
始末するのみー

「----姫の身体ぁ!いただいた!」
バーゼルが叫ぶー

しかしー
バーゼルの身体から飛び出した霊体は、セレス姫に
入ることはできず、そのままバーゼルの身体に
押し戻されたー

「-!?」
バーゼルが驚いている。

イリーナはその光景を見てほほ笑むー
”俺の時と同じだー”
とー。

続けてバーゼルが「ならばお前だ!」と叫んで、
イリーナの方を見るー

だがー
イリーナには勇者クロウが憑依しているー

またも、バーゼルの霊体は憑依に失敗して
そのまま弾き飛ばされてしまう。

「--な、なぜ!?」
唖然とするバーゼル。

セレス姫が、語りだすー

かつて、勇者クロウに語ったようにー

「憑依薬…あれはわたしが作り出した薬です。
 わたしの魔法を液体の中に封じ込めたものー…
 それが、憑依薬の正体」

セレス姫は、クロウの時とほぼ同じ説明するー

バーゼルが唖然として聞いているー

そして、セレス姫が正体を明かしたー
”自分は魔王フォーティスであり、セレス姫の身体を
 乗っ取っているのだ”

とー。

「一緒に楽しみましょう…欲望に満ちた日々をー」
セレス姫の言葉に、バーゼルは震えていたー

恐怖ではないー
歓喜の震えだー

「ははぁ~~~~!」
嬉しそうに頭を下げるバーゼル。

セレス姫は、イリーナの正体も明かすー
イリーナには、かつての勇者・クロウが憑依しているのだとー。

「--へへへっ、先輩ってわけだ」
バーゼルが、イリーナに手を差し出すー

イリーナは、笑み浮かべながら
バーゼルの手を握ったー

仲間が、増えたー
欲望の仲間がー。

「----」
イリーナは、久しぶりに、幼馴染のエレンと
かつての騎士団長・イザベラを幽閉している部屋に入るー

エレンとイザベラが、だらしない姿で、
涎を垂らしているー

二人は、憑依を繰り返されー
さらに催眠漬けにされたことでー
完全に、精神が崩壊していたー

エレンとイザベラの身体を弄ぶイリーナ。

満足すると、イリーナはその部屋から出て、
廊下を歩くー

「----」
イリーナが背後をさりげなく確認するー

「---!」

覆面で、目以外を隠した鋭い目つきの男が
とっさに廊下の影に隠れるー。

第6騎士団長のオリオンだー。

「-----」
イリーナは笑うー

巫女・イリーナに疑問を抱いているのだろうかー。

だがー
イリーナに怖いものはないー

イリーナの背後にはー
セレス姫であり、魔王フォーティスである
”最強の後ろ盾”がいるのだからー

イリーナは笑みを浮かべるー

今や、魔王からもらった闇魔法を使うこともできる
イリーナ。

聖なる巫女だったイリーナが、
今や闇魔法を使えると言う事実にもゾクゾクしながら、
”来るなら来い”と内心でほほ笑むー

騎士団長たちは、十分に強いー。

だがー
それは”一般のレベル”で言えば、だ。

魔王フォーティスの力を授かっている
巫女・イリーナに及ぶほどの実力を持つ
騎士団長など、いるはずがないー。

それは、第6騎士団長・オリオンとて、同じことー。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「---んふふぅぅぅ♡ いひひひひひっ♡」
巫女服を着崩したエリーゼが笑っているー

エリーゼは、勇者一行のバーゼルに乗っ取られて笑みを
浮かべていたー。

リンも、定期的に乗っ取られているー

「どうですかぁぁ???えへへへへっ」

エリーゼは、イリーナがはまっている
”回復魔法エッチ”以上のことをして見せたー

”防御力を高める魔法”を使うと、
胸のあたりが、通常よりもカチカチになることを
利用した、防御魔法エッチや、
攻撃力を一時的に高める魔法を使って、
その状態で、セレス姫のことを攻めまくる
攻撃魔法エッチー

毒魔法で、自分に毒を浴びせ
苦しみながらエッチをする、毒エッチー

次々と魔法を最大限に駆使して見せた。

「--すばらしいわ」
セレス姫はほほ笑むー

「---へへへへへ」
エリーゼが下品な笑みを浮かべるー

イリーナに憑依した勇者クロウはー
セレス姫のー
魔王フォーティスの玩具としてー
この2年間、セレス姫を満足させてきたー

だがー

”進歩がない”

勇者クロウは、同じことの繰り返しー

”新たな世界”を見ようとしないー
バカのひとつ覚えのように
回復魔法エッチを繰り返し、
少し違ったことをしたと思えば、
すぐに回復魔法エッチに戻るー

”回復魔法”に憑りつかれているのではないかー
そんな風に思うぐらいだー

だがー
セレス姫は違うー

彼女は常に
”新しいおもちゃ”を求めているー

遊び終えた玩具はただー、
くずかごに、捨てる、のみー。

「--バーゼル…いいえ、エリーゼ」
セレス姫が言うと、
エリーゼは、先輩を慕う巫女としての表情ではなく、
歪んだ表情でセレス姫の方を見たー

「---あなたの”先輩”にも、
 存分に快感を味合わせてあげなさい」

冷たい声で言うセレス姫ー

エリーゼは「はぁい…♡」と答えたー。

・・・・・・・・・・・・・・

勇者ラッシュ一行のリンは、異変に気付くー

”最近、自分の意識が飛んでいることー”
”エリーゼの様子が変であること”
”バーゼルの姿を見かけないこと”

そしてー
勇者ラッシュが消息不明なことー

リンは、その日のうちにー
城を深夜に飛び出したー。

”何かがおかしいー”

そう思って、彼女は、”もう死んでいる”
勇者ラッシュを探すためー
単身、城を離れたー

「--------」
セレス姫は、それにも気づいているー

しかしー

「--泳ぎなさいー
 わたしの”水槽”の中でー」

セレス姫は、ほほ笑んだー

魔王フォーティスとして、
セレス姫として、
全てを支配している彼女に、
怖いものなど、ないー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「--せんぱ~い♡ ふふふ、一緒に乱れましょ~?」
エリーゼが、イリーナに抱き着きながら笑うー

イリーナは、エリーゼの頭を撫でるー

「ふふふ…わたしたち、乱れた巫女になっちゃったね♡」
イリーナが笑うー

エリーゼは「うふぅぅぅぅぅぅ♡」と嬉しそうにしているー

巫女として、修行を積んでいた二人はー
今や、エッチなことに乱れる淫乱巫女になってしまったー

「--あぁぁぁぁぁっ♡ せんぱいのっ♡ かいふくまほうはさいこうですぅぅぅ♡」
エリーゼが叫ぶー

勇者クロウが憑依しているイリーナは相変わらず回復魔法一辺倒。
だがー
それ故に回復魔法エッチは誰よりも熟知しているー

「-ふふふふぅ♡つぎは、わたしの番ですね~せんぱいっ♡」
エリーゼは、雷の魔法を唱えると、イリーナのお尻に錫杖の先端を挿入して、
雷魔法を微弱に放ったー

「んっふふぁあああああああああああっ♡」
程よい刺激がイリーナのお尻から、内部に広がり、
イリーナはこの上ない快感を味わうー

「まだまだですよー!」
エリーゼが嬉しそうに魔法を唱えるー。

氷の魔法で、イリーナの胸を半分凍らせて
それを上から激しく揉むー

「--ひゃっ!つめたい!あはっ♡ あははっ♡」
イリーナが笑っているー

”こいつーー
 できる”

イリーナは、エリーゼに憑依している、勇者ラッシュ一行の戦士・バーゼルの
ことを評価したー

短期間で、こんな色々なバリエーションを覚えるなんてー

こいつも、憑依を楽しみつくしているーーー

「--こんなこともできますよ~~!」
衝撃波を発生させる魔法を唱えてー
錫杖を巫女服の中に突っ込むー

そしてー
最後に仕上げの言葉を唱えるとー

巫女服がパンっ!と破裂したーー

「--かいほうか~ん!」
エリーゼが巫女服が破れたのと同時に万歳をして
喜んでいるー

「あ~~!巫女服が~!えへへへ」
イリーナも笑っているー

巫女服はいくらでも代わりがあるー

エリーゼは、あらゆる”ゾクゾク”を試していたー

・・・・・・・・・・・・・・

欲望渦巻く王国ー

勇者も王国騎士団も魔王軍もー
全てわたしのものー

セレス姫は笑うー

この世界は、わたしのおもちゃ箱-

「--飽きたら捨ててー
 面白いものを見つけたらー
 それを、手に入れるー」

綺麗な手を握りしめてー
魔王としての笑みを浮かべるセレス姫ー

今日もー
バーゼルに乗っ取られた巫女・エリーゼは
歪んだ笑みを浮かべながら、
エリーゼがこれまで一生懸命習得してきた
あらゆる魔法を、エッチなことに使ってー
エリーゼの身体で喘いでいるー

かつての勇者・クロウに乗っ取られたイリーナは
今日も歪んだ笑みを浮かべながら
回復魔法でエッチ三昧を繰り返すと、
ゾクゾクしたまま廊下を歩きだしたー

「----------」
今日も、第6騎士団長・オリオンに尾けられているー

だがー

「--わたしは、欲望の巫女よー
 一介の騎士団長などに、負けはしないー」

イリーナは余裕の笑みを浮かべたー

尾行したければするがいいー
俺は勇者であり、巫女であり、
そして俺のバックには、魔王フォーティスであり、セレス姫である
偉大な主がいるのだからー

欲望に満ちた王国ー

永遠の戦乱ー

それが、終わる日は、永遠に来ないのかもしれないー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

またいつか機会があれば!

三週間、お読み下さりありがとうございました~!

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憑依<勇者さまご乱心>

コメント

  1. 柊菜緒 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    お疲れさまでした!

    薄々粗暴な方かな~?って気はしてたけど確証が無かったから言えなかった

    もしかしてオリオンはこちら側なのでは( ˘ω˘ )

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    コメントありがとうございます~!
    薄々感づいていたのですネ~笑

    オリオン…
    またいつか分かるときがくるかも…?

    ありがとうございました~!