<入れ替わり>痴漢X冤罪PARTⅡ①~新たな日常~

痴漢被害者の女子大生と
その女子大生から痴漢と勘違いされた冤罪おじさんが
入れ替わってしまった…!

なんとか、冤罪は解決したものの…?

※痴漢X冤罪の続編デス!

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ある日の電車内ー
女子大生・松村 紗奈恵(まつむら さなえ)は
痴漢被害に遭っていたー。

紗奈恵は、電車を降りる際に、
勇気を出して、その男の腕を掴んで
この人が痴漢だと叫んだー。

だがー
それは、冤罪だった。
冤罪被害者となってしまった中年男・三津野 茂(みつの しげる)-

混乱の中でふたりは転倒し、
紗奈恵が茂に、茂が紗奈恵に入れ替わってしまうー。

茂になってしまった紗奈恵は、状況が一変、
痴漢被害者である自分が、痴漢冤罪被害者として
警察に連行されてしまったのだった。

警察官・堤 源五郎(つつみ げんごろう)の厳しい
取り調べを受けることになってしまった茂(紗奈恵)は、
茂が痴漢冤罪であることを知り、
茂のためにも、自分のためにも、源五郎の取り調べに
正面から立ち向かうー

そして、紗奈恵になった茂は、
”真犯人”を見つけ出すことに成功ー

全ては、丸く収まったかに、見えたー。

しかしー

真犯人は見つかりー

入れ替わりのことも信じてもらいー

痴漢冤罪は晴らされー

全ては、丸く収まったーーー

ーーーと、思われたー

だがーーー

警察から紹介された医療研究センターで
入れ替わりの件も解決すると思っていた
ふたりは、唖然とするー

「--元に戻る方法…
 色々調べたのですがー

 ちょっと無理っぽいですね

 ですので、
 入れ替わったまま生きていく上での
 注意点をまとめさせていただきました」

紗奈恵(茂)と茂(紗奈恵)が、
ぽかーんと口を開いているー

「--ええええええええええええ!?!?!?!?」

紗奈恵(茂)と茂(紗奈恵)の悲鳴にも
似た叫び声が響き渡るー

「じ、じゃあ、俺はずっとこの身体で!?」
紗奈恵(茂)が戸惑いながら言う。

「--も、、元に、、元に戻る方法はないんですか!?」
茂(紗奈恵)の言葉に、
担当医は首を振るー。

「--気を遣って、嘘をついても仕方がないので、
 ハッキリと申し上げます。

 選択肢は、”3つ”ですー」

「3つ…」
茂(紗奈恵)が呟く。

担当医が説明を続けるー

「プランAー。
 入れ替わったまま、お互いとして過ごしていくー
 という方法です。
 松村紗奈恵さんになった、三津野茂さんは、
 紗奈恵さんとして生きていくー

 反対に、茂さんになった、紗奈恵さんは
 茂さんとして生きていくー。

 ただ、これは、今までの人生をある意味捨てることに
 なりますし、入れ替わった相手として振舞い続けるのは
 ちょっと大変だと思いますー」

担当医が続ける

「プランBは、私たちの方で、”身体は違っても、なるべく今まで通り生活できるよう”
 手配しておく、というものです」

担当医の言葉に
紗奈恵(茂)は「それは、どういう?」と首をかしげる。

「--まぁ、簡単に言えば、身体は違っても、今まで通りー。
 入れ替わりのことを、紗奈恵さんの大学、そして茂さんの職場、
 関係者に、私たちから直接通達しますー。

 私たちは一応、国の公式な研究機関ですので、
 そういった対応も可能です。

 紗奈恵さんの身体のまま、茂さんは、社会人として、
 茂さんの身体のまま、紗奈恵さんは大学生としてー
 生活していくことができるよう、手配します。

 ただ…まぁ、身体が違うので、そこの部分の
 トラブルは色々起きるかもしれませんが」

担当医の言葉に、
紗奈恵(茂)も、茂(紗奈恵)も、戸惑いの表情を見せるー

紗奈恵の身体で家族の元に帰るー?
妻も娘はなんていうだろうかー?

おじさんの身体で女子大生として大学にー?
みんな、どんな反応するんだろう?
紗奈恵には、一応、彼氏がいるー。
彼氏は、どんな反応をするのだろうかー。

「--最後のプランCは、
 ここに入院して、元に戻ることを目指す、というものです。
 ただ、先ほども説明した通り、元に戻る、というのは
 現状、かなり困難に思えますので
 無駄に時間だけを費やす可能性もありますし、
 入院して、ここにとどまっていただく必要があります。

 また、投薬の副作用等についてもー
 これ以上の方法を模索するとなれば、保証はできません」

3つの選択肢を聞き終えた
紗奈恵(茂)と茂(紗奈恵)-

戸惑うふたりー

プランAは、今までの人生を捨てて、入れ替わった相手として生きていくー

プランBは、入れ替わった身体で、身体だけは違うけど、生活はできる限り元通りにするー

プランCは、安全の保証ができな治療を行い、元に戻るために入院するー

「-----少し、時間をください」
茂(紗奈恵)が言うと、
紗奈恵(茂)も「そうだな…少し話し合ったほうがいい」
と、答えた。

担当医は「えぇ。結論はいつまでも大丈夫ですからー」
と答えたー。

研究施設の自販機の前で話す
紗奈恵(茂)と茂(紗奈恵)-

「ごめんなさい…わたしがあのとき、三津野さんを
 痴漢と間違えたりしてなければ…」

茂(紗奈恵)が悲しそうに言うー。

確かに、紗奈恵が、茂を痴漢と間違えて
捕まえたりしなければ、
そのあとの入れ替わりも起きなかったのかもしれないー

紗奈恵になった茂にも思うところはあったー。

痴漢と勘違いされたこともそうだし、
こんなことに巻き込まれていることもそうだー。

だが、紗奈恵と入れ替わった後、
一時的に逃げたフリをして、
紗奈恵の身体にもお仕置きをしてー
痴漢の疑いをかけられた怒りは、もうそれで晴らしたー

「--悪いのは、あのおばさんだ
 君は悪くない」
紗奈恵(茂)は、女子大生らしからぬ口調と
仕草でそう呟いたー

「---」
か弱い表情を浮かべる茂(紗奈恵)-

二人は、お互いの様子を見て
苦笑いしたー

「こんなんじゃ、俺が女子大生として
 振舞うのは、無理だな」
紗奈恵(茂)が言うー

「確かに、そうですね。
 わたしも、三津野さんとして振舞うのは
 無理かも…」
茂(紗奈恵)が言うー

相手になりきるのは、
正直、絶望的に難しいー

とは言え、”戻れない可能性が高い”のに
この研究施設にいつまでもいるのも
考え物だー。

と、なればー

”プランB”しかなかったー。

担当医に告げるふたりー

紗奈恵は、茂の身体で、紗奈恵として生きていくー

茂は、紗奈恵の身体で、茂として生きていくー

そういう決断だ。

身体は違ってしまっても
出来る限り今まで通りの暮らしをするー。

例え、外見は違っても、
中身は自分たちであることに変わりはない。
最初は周囲も戸惑うだろうが、なんとかなるはずだー。

「---わかりました」
担当医は、ふたりの決断を聞き、
早速手配を始めたー

”この研究施設はいったいなんなのだろう”

紗奈恵(茂)は一瞬そんな風にも思った。
入れ替わったことを通達し、なるべく普通に生活できるようにする力を持った
国営の研究施設ー。

だがーー
それを知ったことでどうにもならないし、
世の中にはいろいろな”裏”があることを
何十年も生きてきた茂はよく理解していたー。

だから、追及も何もするつもりはないー

「-では……1週間後。
 ここから退所という形で
 日常生活に戻れるようになりますので、
 それまでは、この施設内でお過ごしください」

担当医は、そう告げると、
頭を下げて立ち去って行ったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

1週間後ー

紗奈恵(茂)は、ポニーテールにして、
学生のジャージ姿のような姿で施設から出てきたー

「--ごめんな。でも、俺は男として生きてきたから
 この方が動きやすくてさ。
 髪ももしかしたら、短くするかも」

紗奈恵(茂)の言葉に
茂(紗奈恵)は、「わたしは~…おしゃれしちゃうかもしれないですねぇ…」と
苦笑いするー

「なんか、おしゃれなおじ様みたいなスタイルに」
茂(紗奈恵)の言葉に、
紗奈恵(茂)は「はは、似合わないかもなぁ」と苦笑いしたー。

月に1回、この研究施設で診察を受けることになっているが
それ以外は、普通の日常に戻るー

「-いろいろ、すみませんでした」
茂(紗奈恵)が痴漢冤罪のことも含めて、紗奈恵(茂)に謝罪するー

「いや、いいさ。
 それより、俺の方こそごめんな。
 俺みたいなおっさんの身体と、女子大生の身体じゃ
 釣り合わないだろうし」

紗奈恵(茂)の言葉に
茂(紗奈恵)は「いえ~、まぁ…前向きに行きますよ」と
苦笑いしたー

確かに、年齢も2倍ぐらいで、
人生の時間がかなり減ってしまったのは事実ー

それでも、前向きな紗奈恵は、
今、こうして生きているだけでも、
プラスに考えないと、と、
とにかく、これからの人生を前向きに考えることにしていたー

「----」
紗奈恵(茂)は、少し表情を暗くするー。

人生経験の豊富な茂は、
”わかって”いたー。
この先に待ち受ける苦難をー。

仮に、あの謎の研究施設が、
自分たちの入れ替わりを上手伝えたとしてもー
世間一般で入れ替わりなど受け入れられないだろう。

それにーーー
この身体で…

いいや、考えるのはやめよう。

自分も、紗奈恵も、不安になるだけだ。

「--それじゃあ…」
紗奈恵(茂)が言うと、
茂(紗奈恵)は「その身体、大事にしてくださいね」とほほ笑むー

若い女子大生だったのが、急におっさんになってしまったのだ。
紗奈恵がショックを受けていないはずがないー。

「---」
だがーー
紗奈恵(茂)は、後ろ向きなことは言わなかった。
恐らくーあえて元気にふるまっている。
だから、自分もー。

「--…いかにもおじさんって感じですまないな。
 でも…まぁ、健康だけは取り得だから、
 その身体も、大事にしてやってくれ」

紗奈恵(茂)はそう言うと
「--そろそろ、女のコらしい言葉遣い
 できるようにならなくちゃなぁ」
と、笑うー。

家族や職場では、このままでいいとしてもー
さすがに外を歩くときはまずいだろう。

 入れ替わりのことを、紗奈恵さんの大学、そして茂さんの職場、
 関係者に、私たちから直接通達しますー。

あくまでも”通達”されるのは、周囲の人間だー。
だからー
外では、女子大生として振舞わないといけないー

「--何かあったら、連絡を」
紗奈恵(茂)が言うと、
茂(紗奈恵)は頷いた。

「--また来月ですね」
茂(紗奈恵)が言う。

月1で、この研究機関で診察を受けるー

それまでは、
”自分の身体”としばらくのお別れー。

こうして、二人の
”入れ替わったまま”の生活が始まったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「----はぁ…」
茂(紗奈恵)は、自分の家ー…
アパートに帰宅したー。

紗奈恵は一人暮らしー

両親に連絡を入れると、
男の声の紗奈恵に戸惑ったようで、
泣かれてしまったー

事情は既に説明されていたようだったが、
両親は受け入れられないようだったー

「わたし、大丈夫だから」
茂(紗奈恵)が、おじさんの声でそう言う。

母親は、泣いていたー

茂(紗奈恵)は悲しい気持ちになるー
”親”として、娘が急におじさんになったらー
やっぱりー
受け入れられないかもしれない…

「--大学…大丈夫かな…」

翌日ー
茂の姿のまま大学に向かうー。

学校にも既に”通達”はされていたようだが、
周囲の大学生たちは、茂の姿を見るなり
笑ったり、ヒソヒソ話し始めたり、指を指したりー
写真を撮影したりし始めたー

「---ねぇ、見ないでくれる?」
女子の一人が言う。

「-あんたが紗奈恵だってことは分かったけどさ。
 おっさんに見られてるみたいできもいんだよね」
女子の言葉に、茂(紗奈恵)が「ごめん…」と呟く。

「ってかさ、本当に紗奈恵?
 実はおっさんが、紗奈恵のふりしてるだけじゃないの?」
他の女子が言うー

茂(紗奈恵)は慌てて自分の個人情報や、
その女子との思い出を語るー

「ふ~ん…でもさぁ、おっさんとは仲良くできないなぁ~」
女子が立ち去っていくー

「-----…」
戸惑う茂(紗奈恵)-

そんな茂(紗奈恵)に、紗奈恵の親友・千乃(ちの)が声を掛けて来るー

「--だいじょうぶ、わたしは、紗奈恵ちゃんがどんな姿でも
 友達だからね!」

とー。

「--うん」
茂(紗奈恵)は、その言葉にちょっとだけ救われた気がしたー

・・・・・・・・・・・・・・・・

「--すごいっすね、先輩!」

職場ー

紗奈恵になった茂は、
逆に職場から、輝くものを見るような目で見られるー

「そんな見るなよ。
 中身は、おっさんだぞ?」

紗奈恵(茂)は、ポニーテールを気にしながら
いつものように仕事をしていたー

「--ほら、手を止めるな」
一応、年齢相応の立場にいる紗奈恵(茂)は
部下も持っているー

今まで通りの口調で、仕事を進めていくー

だがーーー
”身体は女子大生”になった紗奈恵(茂)にはー
”いやらしい目線”が注がれていたー

「---ほう…」
専務の黄川田(きかわだ)は、
紗奈恵と見て、ニヤリと笑みを浮かべたー。

②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

痴漢X冤罪の後日談デス!
今日は導入部分ですネ~!

もう、痴漢冤罪の件は、解決してしまっているので
タイトルはちょっと…、と思うかもですが…笑

今日もお読み下さりありがとうございました~!

コメント

  1. TSマニア より:

    SECRET: 0
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    続き楽しみに待ってましたよ(^o^)

    明日の続き気になりますね‼

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    コメントありがとうございます~☆!

    明日からが本番ですネ~!