<入れ替わり>あなたの不倫相手の夫です②~対面~

妻が不倫していた!

そのことを知った夫は妻と入れ替わって
不倫相手に会いに行く決意をする…

---------------—

「-----」

ふと、目を覚ましたー。

「あれ…?」
意識がはっきりとしない。

何か、夢を見ていた気がするー

「あ…!」
彼女は気づくー

慎吾との不倫がついに、
武志にばれてしまったー。

気まずい空気の中、
晩御飯を食べていた最中に
急に眠くなってー…?

「----武志!?」
一緒に晩御飯を食べていた武志はどこ?

そう思って声を出した彼女は
異変に気付いたー

自分の口から出た声がー
”いつもの自分の声”ではなかったー。
自分の口から出た声はー
武志の声だったー。

「--!?!?」
梓紗は驚くー
どうして、自分の口から武志の声がー?

そう思って慌てて洗面台に駆け込むと、
そこには武志の姿があった。

「いやああああああああああああ!?!?!?!?」
悲鳴を上げる武志ー

鏡の中の武志も同じように叫んでいるー

「どういうこと!?!?」
武志になってしまった梓紗は、
慌てて家の中を見回す。

だがー
梓紗の身体は見当たらないー

「わたしが武志になっているってことは…」
梓紗は頭の中で考える。

自分が武志の身体になっているということは、
武志は…わたしの身体になっているー?

とー。

慌てて家に残っていた武志のスマホで、
指紋認証を済ませると、
梓紗のスマホに電話をするー

だがーー
梓紗になった武志は電話に出てくれなったー

”身体を奪われた!?”
そんな風に一瞬思った梓紗ー

だがー。

机の上にメモ書きが置かれていたー

”お前の不倫相手に
 お前として会って来る”

とー。

「---!!!」
武志(梓紗)は表情を歪めたー

「そ、、そんな!」
武志(梓紗)は慌てて家を飛び出すと、
そのまま女っぽい走り方で、
街中を走りだしたー

・・・・・・・・・・・・・・・・

「---」

梓紗になった武志は
おしゃれをして、”待ち合わせ場所”にやってきていたー

女として街に立つー。

それだけで、少しドキドキするー

「---」
梓紗の身体を見つめる武志ー

やっぱり、自分はまだ梓紗のことが好きなのだろうかー
それとも、女の身体になっているからドキドキしているのだろうかー

髪が首筋に触れたり、手に触れたりするたびに
ドキドキするし、
下を見下ろすと、胸の膨らみがあることにも
ドキドキする。

だがー
今はそんなことをしている場合ではない。

梓紗の綺麗な手を見つめてー
不倫された現実を改めて噛みしめるー

怒りの感情ー
悔しいという感情ー
悲しいという感情ー

色々な感情が梓紗(武志)の中に
巻き起こっていたー

「--お待たせ、梓紗さん」
イケメン料理人の慎吾がやってきたー

「--それにしてもびっくりしたよ」
慎吾が笑うー

そうー
慎吾は、お昼に梓紗とヤッたばかりなのだ。

その梓紗から、夜に再び呼び出されて
しかもホテルにー
何て言われるとは思わなかった。

「----」
梓紗(武志)は拳を握りしめたー

この場で怒鳴り散らしながら
慎吾をボコボコにしてやりたかったー

もちろん、問題になるだろうが、
梓紗に対する罰も同時に与えることができるー

いいやー
だが、”ここ”ではダメだー

「---慎吾…」
怒り狂いそうになりながら、梓紗としてその名前を読んだ。

梓紗の身体が激しくドキドキしているー

梓紗のフリをしているからかー
自分が梓紗になっていることに興奮しているのかは分からないー

「旦那さんは大丈夫?」
慎吾が笑いながら言う。
完全に、馬鹿にしている目だ。

「--だ、、だ、、大丈夫」
歯ぎしりしながら、それを悟られないように
そう答える梓紗(武志)

「そ。ならよかった。」
慎吾が笑いながら言うと、
そのまま梓紗の手を掴んで、
そのままラブホテルの中へと入っていくー

ホテルの中に入った二人ー

慎吾が笑うー

「梓紗さんの旦那さんも、
 まさか、梓紗さんがこんなことしてるとは思わないだろうなぁ~」

慎吾が荷物を置きながら呟く。

梓紗(武志)は、
”二人きり”になったこの状態で、
慎吾に対して”打ち明ける”つもりだったー

だが、
もう少し、慎吾の言葉を聞こうと
梓紗(武志)は慎吾を睨むようにして見つめた。

「でも、梓紗さんはもう僕のものだ。
 夫のものじゃないー。

 この世界はさ、魅力的なオスが
 メスを喰らうのさ。
 梓紗さんの夫のように、魅力のないオスは
 淘汰される。

 それが、自然界の摂理だ。」

慎吾はそう言うと、梓紗(武志)の
髪をいやらしい手つきで触る。

「梓紗さんの身体ー
 僕がたっぷり、料理してあげるからね」

甘いほほ笑みを浮かべながら、
囁く慎吾ー

「---男としての魅力のない旦那のことなんて忘れて
 僕に身をゆだねるんだー」

慎吾が、梓紗(武志)の胸を触ろうとするー

その時ーーー

パシッ

「--!?」
梓紗(武志)が慎吾の腕をはたいたー。

「---!?!?梓紗さん?」
慎吾が驚いているー

自分の甘いマスクとテクニックで
女など、すぐに落とすことができるー

そんな風に思っている慎吾は、
驚きを隠せないー。

「----」
梓紗(武志)が慎吾を睨むー

「---!」
慎吾が、少し戸惑いの表情を浮かべるー

「---わたしは梓紗じゃない」
梓紗(武志)が言う。

「--な、、な、、なにっ?!」
慎吾が驚くー

そして、戸惑ったあとに慎吾は答えた。

「--あ、、あ??わかった!?美乃梨か?
 いや、里美!?違う、央子か!?!?」
慎吾が、”他の女”の名前を口にするー

他の女が、梓紗に変装して
自分に会いに来たのではないか?と
そう思ったのだ。

しかしー

梓紗(武志)は怒りの形相で慎吾を見つめると呟いたー

「--あなたの不倫相手の夫です」
とー。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「---も~…どこにいるの?」
武志になった梓紗は、思い当たる場所を探していたー。

だが、料理教室にも慎吾はいないー

自分が悪かったー

そうは思いながらも、このままにしておけば
大変なことになる気がするー

梓紗の身体で、武志が慎吾をーーー

最悪のケースを考える武志(梓紗)

梓紗はまだ迷っているー
慎吾を取るかー
武志を取るかー
正直、迷っている。
こんな風に迷っている時点で、
わたしは最悪な女だよね…
と自虐的に笑いつつ、
それでも、武志(梓紗)は迷ってしまうー

でもー
後のことは”今”を解決してからー

武志に何を言われるか分からないし、
何をされたとしても、それを受け入れるつもりだ。

しかしー
今、この状況をなんとかしなくてはいけない。

武志も、慎吾も、
最悪の結果にたどり着いてしまわないようにー

・・・・・・・・・・・・・・・

「お、、夫!?」
慎吾が叫ぶ。

「--そう。お前が不倫してる梓紗の夫の武志だ!」
梓紗(武志)が怒りの形相で叫ぶー

「は…はははははは」
慎吾が笑いだす。

「何がおかしい!」
梓紗(武志)が叫ぶと、
慎吾は言う。

「梓紗さん…それはどういうプレイなのかな?」
慎吾がヘラヘラ笑いながら言う。

目の前にいるのは、どう見ても梓紗だ

慎吾からしてみれば
”入れ替わっている”などと信じることはできない。
梓紗のおふざけー
だと、そう思ったのだ。

梓紗(武志)は怒りの形相でーー
近づいてきた慎吾の顔面を殴りつけた。

「うぐっ!?!?」
突然殴られて吹き飛ぶ慎吾。

「--なにが強いオスだ!ふざけやがって!」
梓紗(武志)は髪を振り乱しながら
倒れた慎吾の胸倉を掴んで、
グーで慎吾を殴りつける。

「--何人の女で遊んでるんだ!?え??
 不倫して楽しいのか???あ????」

普段穏やかな梓紗の口から
恐ろしい声が出るー

それだけ、武志が怒っている証ー

「---へへへ…梓紗さんは、僕のものだ」
慎吾が挑発的に言う

「--テメェ…!!!」
梓紗(武志)が怒りの形相で慎吾を見つめるー

「---はははは…」
慎吾が笑っている。

慎吾は、内心で
”梓紗のこんな表情は見たことがない”、と考えるー

もしかすると本当に中身は、不倫相手の夫なのかもしれないー。

そんな風に思う慎吾ー。

だが、慎吾は臆すことはなかった。
びびって、委縮してしまうこともなかった。

「---梓紗さんは、夫であるあなたより、僕を選んだんだ
 男として、魅力的な、僕をね」
慎吾が笑うー

「--ふざけるなふざけるな」
震える梓紗(武志)

武志の意識に従って、
梓紗の身体は全身が怒りに支配されている。

「---あなたは、魅力のない男だー」
慎吾が挑発的に笑うー

バキッ!

梓紗(武志)が慎吾を殴り飛ばす。

「--ふざけやがって!」
蟹股で、倒れた慎吾の方に向かって行くと
息を切らしながら梓紗(武志)が、慎吾の胸倉を掴むー

梓紗の身体はさっきからドキドキしているー
それも腹が立って仕方がないー
きっと、慎吾を前にして、梓紗の身体が反応しているのだろうー

許せないー
許せないー

「--俺の妻に二度と関わるなぁ!」
梓紗(武志)が大声で唾が飛び散るほどに怒鳴りつけるー

そして、拳を振り上げたそのときー

「--!?」
梓紗(武志)の腕を、突然慎吾が掴んだ。

「--なっ」
梓紗(武志)が驚いている間に、慎吾の力で、
梓紗(武志)は壁にたたきつけられてしまう。

「--く、くそっ!」
梓紗(武志)は、急な不意打ちに驚きながらも
反撃しようとするー。

けれどー
慎吾の力が強いー

”なんだ?”
梓紗(武志)は戸惑う。

こんな優男にこんな力があるはずがーーー

気付けば、床に押し倒されて、あおむけの状態になっている梓紗(武志)-

「--なに、驚いてるんだい?」
慎吾が笑うー

「---!」
梓紗(武志)は気づいたー

”梓紗の身体だからかー”
とー。

武志は、運動神経もよかったー
こんな不倫料理人に負けるはずはないー

だが…
それは”武志”の身体での話。

今は”梓紗”の身体ー。
それ故に、慎吾の力にかなわないのだ。

「--ふふふ、梓紗さん、ゾクゾクしますよぉ」
慎吾がゲラゲラ笑いながら言う。

「---ひっ…や、、やめろ!」
梓紗(武志)が叫ぶー

パチン!

慎吾が、梓紗(武志)をビンタしたー

「ひ…っ!」
梓紗(武志)が慎吾の方を見る。

慎吾は、笑っているー

「--修羅場ごっこでしょう?
 ふふ、なら僕も、容赦しないよ」
慎吾はそう言うと、梓紗(武志)の服を
乱暴に引きちぎっていくー

「や、、やめろ、、、やめろぉぉ!」
必死にもがく梓紗(武志)-

抵抗もむなしく、梓紗(武志)は
慎吾の思うがままにされてしまうー

梓紗の身体がゾクゾクして、
屈辱に耐えながら梓紗(武志)は
喘いでしまうー

慎吾は笑いながら、
「どうです?不倫した妻の身体で、妻として喘ぐ気分は!」

と、叫ぶー。

慎吾は”中身が夫だろうと、梓紗さんの演技であろうと関係ない”と
思いながら、さらに梓紗の身体を弄んでいくのだったー

③へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・

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不倫されてしまった夫はどうなってしまうのでしょうか~?
次回が最終回デス~!

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