オタク4人組のうちの一人が女体化…
「お前たちに夢を見せてやる!」と
彼は豪語していたものの…?
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夕暮れ時ー
夕日の中、歩く4人ー
一人は、可愛らしい美少女だ。
「----」
義弘、大輔、隆也の3人は、なんとなく
暗い表情をしていた。
「今日も楽しかったなぁ~!」
女体化した麻人が、嬉しそうに
色々なものを持ちながら笑顔で呟くー
「そ、そうだな」
隆也が返事をするー
麻人は、麻美などと名乗って
オタクイベントに顔を出した。
結果、他のオタクたちから
ものすごくチヤホヤされた挙句、
色々なおみやげまで貰って
上機嫌ー
だがー
義弘、大輔、隆也の3人からしてみれば
”つまらなかった”
麻人と一緒にオタクイベントを楽しむつもりが、
麻人はチヤホヤされて、ノリノリになってしまい、
3人は待たされることが多かったー。
周囲のオタクたちも、
男ばかりの世界に突然美少女が現れたことで、
麻人のことばかり見ていてー
なんだかーー
つまらなかった。
「なんだ?お前ら?元気ないな~!」
麻人が3人の様子に気づいて苦笑いする。
「ほら!元気出して!」
麻人が女子モードで笑う。
「--ほら!みんな、ぎゅ~!しよ!」
麻人が3人を順番に抱きしめていく。
義弘も大輔も隆也も
顔を真っ赤にしながら苦笑いするー
美少女にぎゅーをされたことで、
疲れが飛んだような気がした3人は、
麻人と別れて、そのまま帰路についたー
・・・・・・・・・・・・・
それからしばらくしてー…
麻人は、元々使っていた
オタク活動用のアカウントにほとんど浮上しなくなった。
「最近さ~、麻人いなくね?」
隆也が言うと、義弘も「そうだなぁ」と呟く。
今まで、毎日のようにツイッターで
やり取りしていた麻人が、最近はほとんど
ツイッターに出現しなくなったー。
そしてー
「ってかアイツ、”あっちの”アカウントに浮上してるんだろ?」
童貞を守る大輔が呟く。
”あっちのアカウント”
それはー
女体化した麻人が女の子として作ったアカウントー。
”あさみ★”というアカウントだー
既にフォロワー数は、麻人が元々使っていた
アカウントを超えているー
「--楽しそうだなぁ」
隆也が苦笑いするー。
「--でもさ」
義弘の声は暗いー
顔は見えない通話でも
大輔・隆也には義弘の複雑な表情が
見て取れるようだったー。
「……あいつ、なんか女体化してから、
遠くに行っちまったような…
そんな感じがするよな」
義弘のつぶやきに、
大輔と隆也は返事をしなかったが
二人も内心、同じように思っていたー。
・・・・・・・・・・・・・・
数日後ー
「おまたせ~!」
麻人が待ち合わせ場所にやってくるー
今日は、義弘の家出、いつもの4人が集まって
好きなアイドルのライブ映像を見たり、
ゲームをしたり、ダラダラと仲間同士で過ごす日だったー。
「--お~!おしゃれ!」
隆也が言うと、
「でしょ?」と麻人がほほ笑んだー。
麻人は言葉遣いも女の子モードになっている。
少し前までは、仲間といる時は完全に男モードだったのだが
最近はそんなことも無くなりつつあった。
スカートの中が見えないように座る麻人。
「-そういえばさ~」
隆也が口を開く。
「最近、麻人、俺たちに触らせてくれなくなったよな~?」
隆也が言うと、
麻人が「え??あぁ、うん、まぁ~」と、苦笑いする。
「--確かにな~
俺たちに夢を見せてくれるんじゃなかったのかぁ?」
義弘が言うと、
麻人は居心地が悪そうに、「な、なによ」と呟く。
そして、他の3人のほうを見ると、麻人は笑った。
「あ、、あぁ、、あぁぁ、ごめんごめん。
ほら、みんなリアルの女には興味ないかなって。
だから、無理して触らせたりしないようにしてただけだよ~!」
麻人が言う。
「--!」
隆也が壁ドンする。
麻人が「ひぇっ!?」と声を漏らす。
「そんなことねぇよ。」
隆也の目が野獣のような目つきになっているー
麻人はドキドキしながら口を開く。
「お、、落ち着いて…
ほら、触りたければ触っていいから」
麻人がそう言うと、イケメン風男子の隆也は
麻人の胸を激しく揉み始めた。
「んあぁ♡ そ、、そんな…あっ…!」
麻人が顔を真っ赤にしながら
隆也に胸を揉まれるー
「おぉぉ隆也!俺も混ぜろ!」
童貞を守る大輔も乱入して、
麻人のスカートの中に頭を突っ込んでいるー
「って-!お前、いつの間にこんなかわいい下着を!」
大輔がスカートの中で叫ぶ。
義弘は、麻人の綺麗な黒髪を触りながら
ニオイを嗅いだり、ペロペロ舐めたりして
満足そうだ。
「----」
麻人は震えていたー
そして、麻人自身も感情の変化に戸惑っているー
確かにー
最初は、こいつらに夢を見せてやろう、と
そう思っていたー
女体化した自分が親友である3人に、
色々な夢を見せてあげつつ
これからも一緒にオタクとして楽しみたい、
とー。
だがー、
今はー
3人のことを”気持ち悪い”とー
そう思ってしまっていたー
「--ちょ!ちょ!ちょ!」
麻人が叫ぶー。
だが、3人とも無視して胸を揉んだり、
スカートの中を触ったりしているー
「--ちょっと!!!」
麻人が叫ぶと、ようやく義弘たち3人の
動きが止まったー
「-ちょ!!、ほら!いつまでやってんの!?
いつものようにゲームやったり
アニメみたりしようよ!」
麻人が言うと、
大輔が「そ、そうだな」と返事をするー
気まずそうな4人ー
麻人が女体化したー
最初は3人も喜んだー
だが、麻人の変化と共に、次第に
”居心地の悪さ”を感じるようになっていたー
まるでーー
”自分たちのことをよく思わない女子”と
一緒にいるような感覚だー
ゲームをしていても、麻人は
前みたいにギャーギャー騒がなくなった。
なんとなく、上品というかー
女の子らしいというかー。
「よ~し、いつものアレをやるかぁ~!」
義弘が笑うー
ゲームの対戦でびりになったら罰ゲーム!という
4人の中では定番の遊び方だ。
びりになったら、
キスしたり、服を脱いだり、恥ずかしい踊りをしたりー
そういう罰ゲームをしながら
ギャーギャーと4人で盛り上がるー
しかしー
「--…あ、わたしは、、やめとく…」
麻人はそう言うと、
コントローラーを置いて、少し離れた場所から
3人の対戦を見守るー。
「---」
隆也が、舌打ちをした。
そしてー
叫んだ。
「おい!」
その声に、義弘と大輔が驚くー。
「--なんか最近、気に入らないなぁ。
自分がかわいい子になったからって
調子こいてんのか?」
隆也が感情的になって言う。
”自分だけ、楽しそうにして、
”仲間”であるはずの俺たちはぞんざいに扱われている”
そんな風に隆也は思っていた。
義弘と大輔が「おい、やめろ」と
隆也を制止しようとする。
だが、隆也は続けるー
「--へへ~、俺がもし女だったら、お前ら3人にやりたい放題
させてやるんだけどなぁ~!
コスプレからエッチから、何でもしちゃうし、やらせてやるぜ~!」
--って、言ってたよな?お前」
隆也の言葉に
麻人は「う、、うん」と気まずそうに呟く。
「---その割に、最近冷たいじゃないかよ。
俺たちに夢を見せてくれるんじゃなかったのかよ」
隆也が問い詰めるようにして言う。
麻人は少し沈黙してから口を開いたー。
「---そ、、そういう考えだから、お前たちはモテないのよ!」
とー。
「--はぁ?」
隆也が表情を歪める。
「-お前、俺たちのこと、見下してんのか?」
隆也が怒りの形相で言う。
「--なんだよ!お前だって、俺たちと一緒だっただろ?
それがなんだ!?女体化したとたんにそれか??」
怒り狂った様子の隆也を大輔が止めるー。
「--麻人…
オタクだって、童貞だって、モテなくたって
それは悪いことじゃないし
趣味に誇りを持とうぜって言ってたのはお前だろ?
お前が女になっても、俺は麻人と仲良く
やってけると思ってた。
なのになんで、お前、最近、俺らを避けるような
感じなんだよ?
今までみたいに俺らとバカみたいに騒いで
楽しくやろうぜ?」
大輔が冷静に言うと、
麻人は、「お前たちといるより、楽しいことがあるんだよ」
と、呟いたー
その言葉に、3人は表情を歪めるー
確かに、最近の麻人ー
麻美を名乗る麻人はとても楽しそうだー
チヤホヤされてー
いい気になっているー
と、でも言うべきだろうか。
「---変わっちまったなお前」
隆也が悲しそうに言う。
「--…何とでも、言えばいいじゃん」
麻人は、そう言うと、不愉快そうに
そのまま立ち去ってしまったー。
義弘、大輔、隆也の3人とは
ますます溝が広がっていくー。
麻人は、楽しそうに、”あさみ★”の
ツイッターアカウントで、
充実した日常をツイートしている。
オタクたちからチヤホヤされて、
まるで、自分が姫だと勘違いしている様子だ。
「--ったく、面白くねぇ」
隆也が呟く。
嫉妬だろうかー。
いいや、麻人が変わってしまったことへの怒りだ。
揉ませろー、とか
そういうことではない。
確かにそれもあるのだが、
”今まで通り”接してくれなくなったことに
不満を感じていた。
「結局、女なんてそんなもんだろ。
二次元最高だぜ!」
義弘が叫ぶ。
「童貞万歳ー!」
童貞を守る大輔が嬉しそうに叫ぶ。
隆也はそんな二人を見て、
「そうだな。麻人…いいや、麻美なんて女は知らない。
女と関わったって、いいことなんて何にもないもんな」
と呟いたー
それからー
3人は、麻人との交流をほとんど絶ったー。
一方の麻人も、そんなことを気にする素振りも見せず、
どんどんどんどん、女子らしくなっていくー
おしゃれに気を遣うようになって、
人とも積極的に交流するようになったー
女体化して、チヤホヤされて、
まるで有頂天になっているかのようなー
そんな状態だー。
「--うふふふふ♡ 最高~!」
自宅に帰った麻人は、
新しく購入した服を色々試しながら
「どうすれば可愛く見えるかな~」と
嬉しそうに呟いているー。
オタク趣味のフィギュアやR18なゲームは
ホコリを被り始めていて、
最近ではオタク趣味目当てー、というよりも
オタクたちからチヤホヤされることが
快感になっていて、
それが目的でイベントなどに足を運んでいるー
ふと、部屋の隅にある
義弘・大輔・隆也と4人で撮影した
写真を見つめるー
「--ふん…こんなもの、もういらない」
麻人はそう言うと、写真をごみ箱に放り投げるー。
「--つまんないやつら…
だから童貞なのよ」
麻人は呟くー
少し前まで一緒にいた仲間たちのことを
麻人は心から見下すようになっていたー
身体が変わってー
心まで、無意識のうちに変わってしまったー
「わたしは、あいつらとは違う」
麻人はそう呟くと、
嬉しそうに購入した服の試着の続きを
するのだった…。
・・・・・・・・・・・・
そしてーー
大規模なイベントの日がやってきたー
”ここは、俺たちの夢だぜ”
そのイベントはー
4人が最初に出会ったイベントだったー
同人誌の売買やグッズの売買が行われたり、
コスプレイヤーが衣装を披露していたりー
そういったことが行われる大規模なイベントだー。
「--ふふふん♪」
麻人は、この日のために用意した
コスプレ衣装を身に着けて
会場にやってきているー
早速チヤホヤされて笑みを浮かべる麻人ー
「-----------」
そんな麻人を物影から見つめながら
「あさみちゃぁん…」と呟く不気味な男が笑みを浮かべたー
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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女体化して美少女になってしまったら…?
男性の皆様は心変わりせず、
男友達と今まで通りの関係を
保てるでしょうか…?
続きは明日デス~!
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