寝ている間に憑依されて
好き放題されている女子大生。
あえて、憑依している最中の映像を見せつけて来る
43歳独身男ー。
彼女の運命は…?
---------------—-
「------」
深夜ー。
夢香は、寝ずに夜を過ごすつもりだったー。
寝ている間に43歳独身男に乗っ取られている夢香ー
だったら、寝なければいい。
「--……」
明日は、彼氏の哲が家までやってきてくれる。
哲に相談をすれば、
何か、何か、この状況を抜け出す方法が
あるかもしれないー。
夢香はそう考えていたー
電話でも相談できるが、
それではダメだー
もしも電話したことで、43歳独身男が
逆上すれば、彼の言う”公開処刑”を
されてしまうかもしれないー
直接ー
”止めてくれる人”がそばにいる状況じゃないとー。
「--!」
夢香は、ふと窓の外が
明るくなっていることに気づくー
「え…!?」
確かに、さっき1時30分だったはずー
自分は寝てもいないー
ずっと考え事をしてー
”はっ”
夢香は、慌てて机の上を見る。
すると、そこには
いつものように”スマホに映像を記録しておいたよ”と
メモ書きが置かれていたー
「--!!!!」
映像を再生する夢香ー。
夢香は全身網タイツのような
エッチな姿でカメラに映っていたー
「--!?!?!?」
服は捨てたハズー
まさか、またー!?
”へへへへ…
また服を注文しておいたんだよ~!
まぁ、お前が捨てるから今度は
隠しておいたけどな!”
そう言いながら、音を立てて唾液を
垂らしながら、指をしゃぶる
映像の中の夢香ー
”そうそう、
お前が寝なくても、俺はいつでもお前を
乗っ取れるから、無駄だぜ”
そう言うと、映像の中の夢香が
下品な笑い声を上げたー。
「うそ…」
夢香は唖然とする
”寝なくても乗っ取られる”
一瞬で朝になったように感じたのは
その間に乗っ取られていたからなのだろう。
と、いうことはー
”いつでも”乗っ取ることができるということを意味しているー
その気になれば、明るい時間帯でもーー
”あ、そうだ。
彼氏、もう来ないぜ~?”
映像の中の夢香がビールを飲みながら笑うー。
「--え」
夢香が戸惑っていると、
”へへへ…その辺の男引っ付構えて
エッチしてる動画送り付けてやったんだよ”
映像の中の夢香が言うー。
”毎日毎日、知らねー男とエッチしまくる、俺、
いいや、わたしの姿を見て~
哲も、わたしに失望しちゃったみたい!
うふふふふふ”
映像の中の夢香が笑うー。
哲以外の男とヤルシーンを哲に送り付けてー
哲を罵倒する映像を送り付けてー
放尿シーンや一人エッチシーンなど
あらゆるものを送り付けたのだという。
「そんな…」
夢香は、ふと、カレンダーを見るー
「---!」
”毎日毎日、知らねー男とエッチしまくる映像を送り付けたー”
映像の中の、今さっきの夢香の言葉を思い出す。
「----え」
夢香は唖然とした。
カレンダーの日付に〇がついているー
1週間経過しているーー
”へへへへ…
お前が反抗的だから、1週間、
身体を使わせてもらったぜ”
映像の中の夢香が笑いながら言うー
「そ…そんな…!やめて…!やめてよ!」
夢香は、1週間の間、憑依され続けていたー
その間に哲との関係にも亀裂が入り、
絶縁状態になってしまったのだというー
”へへへへへ…
だから最初に言ったじゃないか。
紳士的な付き合いをしようぜ、ってな”
映像の中の夢香はそう言うと、
自分の身体を嬉しそうに撫で始めるー
”何ならずーっと、俺の身体にしてやってもいいんだぜ?”
映像の中の夢香がヤンキー座りをしながら
挑発的に笑う。
「もう…もうやめて…たすけて…」
夢香はスマホを見つめながら涙をこぼすー
どうしてー
どうして、自分がこんな目に遭わないといけないのかー。
”夢香ちゃんはラッキーなんだぜ?
俺は紳士だから、憑依された子のこともちゃんと考えるんだ。
だからー
憑依して好き放題するのは、夢香ちゃんが
寝ている間だけ。
寝てる間なら、どうせ意識もないんだし?
俺は夢香ちゃんが変なことさえしなければ
家で一人で楽しんでるだけだからさぁ、
別に困ることなんてないだろ?”
自分勝手なことを言う映像の中の夢香
”俺以外の人間に憑依されてたら
本当に終わってるぜ?”
と、映像の中の夢香は語るー。
「--ふざけないで…!」
夢香は怒りを込めて呟くー
夜中だけ?
紳士?
例え1分1秒であっても
他人の身体を許可なく奪うことなんて、
許さないー
夢香は、恐怖に怯えながらも、
怒りの表情でスマホの映像を切ったー
”絶対にこんなやつに負けない”
そう思いながらー
夢香はその日から、
”ごく普通”の生活をし始めたー
だが、着々と”準備”を進めていたー
夢香は、自分に憑依している人間を
見つけ出そうとしていたのだー。
大学に通いながら、
普通に生活しているフリをしつつー
こっそりと、毎日毎日少しずつ、
悟られないように、夢香に憑依している
”43歳独身男”を探そうとしていたー
”憑依”とは何かー。
43歳独身男が今、どういう状態なのかもわからないー
自分の身体は既にもうないのか。
それとも、夢香を乗っ取っている間は、男の本体はこん睡状態なのかー。
それも分からないし、
男が昼間も夢香の中にいるのか、
それとも憑依するときだけ、夢香のところに来ているのか。
それも分からないー。
でもーー
夢香は、少しずつ、少しずつ慎重に
憑依についての情報ー
43歳独身男についての情報を探していくー
毎朝、”乗っ取られた夢香”からの映像が
スマホに保存されているがー
最近は、エッチした報告だけで、
特に進展はないー
自分のそういう姿を見たくはなかったが
最近は、だんだんと慣れてきてしまった気もするー。
「-----」
彼氏の哲が、夢香の方を複雑そうな表情で見つめる
いいやー元彼氏…。
「----…哲」
夢香は、大学で哲とすれ違うたびに
気まずい思いをしていたー
「---…もう、俺の名前を呼ばないでくれ」
哲は、心底夢香に失望した様子でそう呟いたー。
哲のことも巻き込んでしまったー
でも、夢香はーー
夢香は、”43歳独身男”にたどり着いて、
真相を暴くことで
哲の信頼も取り戻そうとしていたー
「わたしの身体…好きにはさせない」
ーーー!
ある日、夢香は気づいた。
自分のアパートの2つ隣の部屋の住人がー
”43歳独身の男”であることに気づいたのだー
宮根 信夫(みやね のぶお)
「---」
”こんなに近くにいたなんてー”
盲点だったー。
夢香は大学関係や、
自分の関係者、よく利用するお店などを探っていたが
”こんなに近く”だとは思わなかったー
そういえば、前に哲が遊びに来た時、
夢香に”かわいいね”などとニヤニヤしながら
声をかけてきて、哲が守ってくれたこともあったー
「---」
夢香は部屋をノックするー。
だが、信夫は出てこないー
「---…」
夢香はあきらめて自分の部屋に戻るー
そしてー
翌朝…
”最終通告だ”
映像の中の夢香が、
サングラスをかけたラバースーツ姿で
低い声を出しながら睨みつけて来るー。
脅しのつもりだろうか。
”紳士的な関係を。
そう言ったろ?
最近コソコソ調べまわってるのは
知ってたけどよ”
映像の夢香が、ラバースーツを触りながら
カメラの方を睨むー
「---」
(やっぱり、気付かれてたんだ)
少しずつ憑依や、43歳独身男のことを
調べていても、そのことを知られていたー
と、いうことは
”記憶を読める”か
”常に見張られている”か
”そもそも夢香の中にずっといる”か
どれかなのだろうー。
”--これ以上、俺のことを探るなら、
”公開処刑”だー”
映像の中の夢香がほほ笑むー
「---そんなこと、絶対にさせない」
夢香は立ち上がるー
こうして脅迫してきたということは、
宮根 信夫は焦っているー
自分にたどり着きそうな、わたしにー
「---どうにかしないと」
夢香は身なりを整えて、
信夫の部屋に向かう。
同じアパートに住む人間が
自分に憑依して好き放題しているなんて
寒気がするー。
「---…」
夢香は信夫の部屋をノックする。
”憑依”
なんてこと、周囲に理解してもらうことは
できるのだろうか。
そんな不安が、夢香の頭に浮かぶー
当然、憑依なんてものが法律でどうこう、
なんてことはない。
信夫をどうにかしないと、
追い詰めたとしても
憑依されて”公開処刑”
されてしまうー。
そうなったらーー
夢香は恐怖を感じるー
だが、留守である以上、仕方がない。
夢香はポストの中に、
”連絡をください”とメモ書きを入れて、
そのまま立ち去るー。
とにかく、信夫と直接話をしなければー。
「-------」
夢香が立ち去ったのを確認すると、
信夫はポストを確認したー
夢香からの手紙を見つけて、
信夫は笑みを浮かべるー
「夢香ちゃぁぁん ぐふふ」
信夫は手紙を握りしめて、不気味に笑い始めたー
・・・・・・・・・・・・・
夜ー
夢香は、”逆にメッセージ”を残すことにした。
どうせ、信夫は今夜も憑依してくるー。
だから、メッセージを残したのだー。
宮根 信夫宛にー。
夢香は意を決して、布団に入るー
”あなたの好きにはさせないー”
・・・・・・
深夜ー
エッチな衣装の夢香が、
夢香本人が残した映像を見つめるー。
・・・・・・・・・・・・
宮根信夫さんー
あなたが、わたしを好き勝手しているのは分かりました。
これ以上、わたしに憑依するのであれば
わたしにも考えがあります。
身元が分かっている以上ー
宮根さんも、これ以上は、もうやめておいた方が
いいと思います。
わたしに、紳士的なお付き合いを…、と言いましたよね?
どうか、ちゃんと考えてくれることを祈ってます。
夢香からのメッセージ。
夢香は、もしもこのまま憑依を続けるなら、
今までの動画のやり取りを全て、
例え自分がどんな風に思われたとしても
警察・周囲の人間・ネット、あらゆる場所に
宮根 信夫の個人情報と共に提出するー、
そう言い放ったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「---!」
夢香が目を覚ました。
どよめく周囲ー
「え…!?!?」
夢香が戸惑うー
周囲が悲鳴を上げたり、
面白がっていたり
変なモノを見る目で、見つめているー
「え??」
状況が理解できずに、周囲を見渡す夢香。
ここは、駅??
「---!!!ひっ!?!?!?」
夢香は自分が全裸で、駅の前に座り込んでいたーー
しかも、身体に”変態女参上”とマジックで
書かれているー
夢香は、乗っ取られて、マジックで文字を身体に刻み、
駅で突然服を脱ぎ捨てて全裸になった…
そして、その状態で解放されたのだー
「---!」
夢香が、片手にスマホを持っているのに気づくー
そして、自分の腕に”見ろよ”と
書かれていることに気づくー
「---!!!」
映像を見ると、
そこには、乗っ取られた夢香からのメッセージが
残されていたー
”警告したよね?
これが、公開処刑ーー
さよならーーーー”
映像は、それだけだったーー
どよめく周囲ー
駅で、女が突然服を脱ぎ捨てて全裸になったー
周囲から見れば、夢香は異常者でしかないー
「ちょ、、、あ、、、あの…これは!」
夢香が慌てて説明しようとするー
だがーー
ぐらっ…
「--!?」
夢香は立ち上がれず、そのまま
駅に倒れてしまうー。
「--!?!?!?」
夢香の身体からは、血が流れていたー
近くには、血のついた刃物が数本ー
「え………」
夢香は、身体に力が入らないことに気づくー
乗っ取られた夢香はー
自宅で身体にマジックで文字を書きー
駅までやってきてー
服を脱ぎ捨ててー
そしてーー
自分を刃物で刺したのだー
周囲からは、
笑いながら服を脱ぎ捨てて自殺しようとしている
女にしか見えていないー
「あ……え…」
夢香は、意識が遠のいていくのを感じるー
”宮根 信夫ーーー”
夢香は、自分を乗っ取った
43歳独身男のことを憎みながらー
”たすけて”と
呟いて、そのまま倒れたー
・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
宮根信夫さんー
あなたが、わたしを好き勝手しているのは分かりました。
これ以上、わたしに憑依するのであれば
わたしにも考えがあります。
身元が分かっている以上ー
宮根さんも、これ以上は、もうやめておいた方が
いいと思います。
わたしに、紳士的なお付き合いを…、と言いましたよね?
どうか、ちゃんと考えてくれることを祈ってます。
「---くくくく、ははははははは!」
夢香からのメッセージを見ながら、彼は笑ったー
「宮根 信夫は関係ねーよ!」
彼は笑うー。
43歳独身男と名乗ったのは、”嘘”だー
そう言えば、夢香は宮根信夫を疑うと思ったから
そう言ってみたー
「いやぁ~~~
たのしかったな~~~」
彼は呟くー
「--心配する彼氏を演じながらーー
彼女を乗っ取るのーー」
夢香に憑依していたのはーーー
夢香の彼氏ー・哲だった。
「--さて…また次の身体を探すか。
女と付き合う理由なんて、
身体以外にあるわけねぇじゃん。
あははははは!」
哲は、そう呟きながら笑うと、
夢香の次のターゲットを探し始めるのだった
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
題名の通り処刑されて
バッドエンドになってしまいました~!汗
恐ろしい憑依ですネ…!
コメント
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二度と外出歩けなくなるとか、社会的な意味での処刑かと思ったら、随分ストレートな意味での処刑ですね。
それにしても夢香ちゃん、ちょっと軽率すぎですよ。
明らかに異常な相手なんだから、安易に逆らったらダメです。好き勝手されて許せないとか、どうにかしたいという気持ちはよく分かりますけども。
まあ、真犯人の彼氏はクズすぎる人物みたいなので、例え大人しくしていても、最終的には飽きたとか言って、同じような結末になりそうな感じですので、目をつけられた時点で夢香ちゃんの末路は決まっていたのかもしれませんけどね。
SECRET: 0
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コメントありがとうございます~!!
年齢的にも、ついつい反抗したくなっちゃう
年ごろだったのでしょうネ~…!
確かに、従っていても最後には処分されてしまいそうデス…。