体調不良の彼女を”仮病”と断言していた彼氏。
その彼女と入れ替わってしまった彼氏は
深い後悔に襲われることに…。
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「---くそっ!」
”仮病女でごめんね。ばいばい”
と書かれたメモを見つめながら
佳恵(順一郎)はいらだっていたー
「--はぁ!?!?マジでありえねぇ」
佳恵(順一郎)は頭を掻きむしる。
佳恵の黒髪がぼさぼさになっていくー。
「---あぁぁ!」
思わずメモを机にたたきつける佳恵(順一郎)-。
自分がいけないー、
そう思いながらも、佳恵(順一郎)は
怒りを抑えられずにはいられなかった。
「--あの仮病女!ふざけやがって!」
綺麗な声で叫ぶ佳恵(順一郎)。
狂ったようにメモをビリビリに破ると、
そのままソファーに足を広げて座る。
「----そうかそうかそうかそうか」
貧乏ゆすりをしながら怒りの形相で呟く佳恵(順一郎)。
「だったらこの身体で好き放題してやるよ!」
そう言い放つと、佳恵(順一郎)は
自分の胸を怒りのままに力を込めて
激しく揉み始める。
「ふぁっ♡…くくく、ほらほらほら!
滅茶苦茶にしてやるぞ!」
下着の中に手を突っ込んで、
ニヤニヤしながら指でくちゅくちゅと
刺激していく佳恵(順一郎)。
「--もう俺もお前になんか愛想つきたぜ」
そう呟くと、ネットでエッチな衣装やら
エッチなおもちゃやらを大量に注文する佳恵(順一郎)。
注文を終えると、服を脱ぎ捨てて、
怒りのまま、身体中を弄んで喘ぎだすー
しかしー
「--うぁ…!」
急にぐらっ、とめまいが来て
思わず佳恵(順一郎)はその場に
しゃがみこんでしまうー
耳鳴りがうるさいー
ずーっと、”キーン”という高音が聞こえる。
「あぁぁぁ…うるさいな!もう!!」
佳恵(順一郎)が叫ぶ。
順一郎は”耳鳴り”というものを
まともに体験したことがない。
時折、ピーン!という音が一時的に
聞こえたりするぐらいはあったのだが、
慢性的な耳鳴りは、順一郎にとっては
完全に未知の世界だったのだ。
「---くっそぉ…うるせぇな!この耳!」
耳を塞ぐ佳恵(順一郎)-
長年、耳鳴りと付き合ってきた佳恵にとっては、
この程度の耳鳴りは、もう慣れたものだった。
耳鳴りは、最初は気になっても
人によっては次第に慣れていき、その音が
あまり気にならなくなる。
しかしー
順一郎は違うー
いきなり、今まで経験したことのないような耳鳴りが
常にしている身体になってしまった。
「あぁぁあ…うるせぇ!!うるせぇ!!!うるせぇぇぇ!!!」
全裸のまま両耳を塞いで叫ぶ佳恵(順一郎)
頭もずきずきと痛いー
やがて、乗り物酔いみたいな感じもしてきて、
佳恵(順一郎)は裸のまま床に寝ころんで
そのまま天井を見つめたー
・・・・・・・・・・・・・・・
「---あ~~~!生き返った感じ!」
家出した順一郎(佳恵)は、
ひとまず、共通の友人に連絡を入れたー
「---あ~~~~~!」
深呼吸して嬉しそうにする順一郎(佳恵)。
ふらふらもしない。
いつ来るか分からないめまいに怯える必要もない。
頭痛もない。
耳鳴りもない。
両耳を塞いで、順一郎(佳恵)はニコニコするー。
耳を塞ぐと、耳鳴りのキーンという音が
いつも激しく聞こえていた佳恵ー
しかし、今は、それがないーー
「--あぁ~~!快適!」
順一郎(佳恵)は、満面の笑みで、
共通の友人、同じ大学に通う女子大生・里中 樹奈子(さとなか きなこ)の
家にやってきたー
「---マジ?」
樹奈子が、出迎えると共に、そう呟いた。
「うん」
順一郎(佳恵)が頷くと、
樹奈子が「ほんと~?」と首をかしげる。
佳恵と樹奈子は小さいころからの幼馴染。
順一郎とも面識があって、共通の友人だが、
特に佳恵とは親しく、前にも
”もし順一郎と喧嘩したときは、わたしの家に来なよ”などと
言ってくれている子だった。
だから、家出した順一郎(佳恵)は
樹奈子のことを頼ることにしたのだった。
「---入れ替わっちゃった…ねぇ」
樹奈子はそう言いながらも
順一郎(佳恵)が、小学生時代のことから、
二人しか知らないようなことまで
次々と話すのを見て
「う~ん、本当に佳恵だね」と笑ったー。
「でーー?いいの?これで?」
と呟く樹奈子。
「うん」
順一郎(佳恵)が、女座りのような座り方で呟くー。
「--順一郎には、ちょっとお仕置きしないといけないかな…って」
今までの”仮病扱い”のことは樹奈子も知っている。
入れ替わった後も、心無い言葉を投げかけられ続けたことを
樹奈子に伝えると、
樹奈子は苦笑いする。
「もうさ~別れちゃえばいいじゃん」
とー。
「--うん…でも…順一郎もホントは優しいし…」
そんな順一郎(佳恵)の言葉に
樹奈子は首を振って
「そういうの、DV彼氏から抜け出せない子のセリフだよ!」と
順一郎(佳恵)の方を指さしたー
「---」
順一郎(佳恵)の心は揺れていたー。
順一郎と別れようと思ったことは、実は何度もあるー。
でもー
順一郎は、素直ではないだけで、
根は悪い人ではない、と佳恵は信じていたー。
「--ま、佳恵がそう言うなら仕方ないけどネ」
樹奈子はそう言いながら「はい、ジュース」と、
飲み物を冷蔵庫から出してくれた。
「ーーまぁ、しばらくはわたしの家にいても
全然いいから」
樹奈子はそう言うと、
順一郎(佳恵)に顔を近づけて笑うー
「--わたし、男の人と家で1対1になるの、
これで初めてなんだけどネ?」
イタズラっぽく笑う樹奈子ー
ドキッとして顔を赤らめてしまう順一郎(佳恵)-
「--ふぁっ!?ご、、ごめん!
で、、でも、ほら、中身は女だから!!」
慌てて叫ぶ順一郎(佳恵)を見て、
樹奈子は「そんなに赤くなっちゃって、可愛いなぁ~」と
ニヤニヤしながら、台所の方に向かって行くのだったー。
”順一郎…
今回の件で、わたしの体調のこと、
少しでも理解してくれたらいいな…”
順一郎(佳恵)は、
健康な身体に喜びを感じながら
”1週間したら戻ろうかな”と
呟いたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「---わたし、メス犬ですぅ~!」
メイド服姿の佳恵(順一郎)が
土下座しながら顔を真っ赤にして
喜んでいるー
スマホで映像を自撮りしている佳恵(順一郎)-
ネットで昨日注文したグッズが届いた
佳恵(順一郎)は、頭痛薬とめまいの薬で
体調が回復したタイミングで、
エッチな格好をして、自撮りを繰り返していたー
佳恵を屈服させた気分になって
優越感に浸っているのだ。
「--ははははっ最高だぜ!」
ソファーで股を広げた格好をしながら、
撮影した映像を見るー
”順一郎さま…”と
目を潤ませながら呟く佳恵の姿ー
”肉便器です”と、にっこり微笑む
セーラー服姿の佳恵の姿ー
ヤンキー座りをして放尿する佳恵の姿ー
色々な映像を撮影したー
「--俺を裏切るなんて!許さないからな!佳恵!」
佳恵(順一郎)は叫ぶー。
”家出をすることで”
佳恵は、順一郎が考え直してくれると信じていたー
でもー
順一郎の反応は、佳恵の想像とは違った。
自暴自棄になってー
佳恵の身体で好き放題しているーーー
「--!」
佳恵(順一郎)は激しいめまいを感じて
ラバースーツ姿のまま
頭を抱えるー
”このまま死んじゃうんじゃないか”
そんな風に思ってしまうようなめまいー
ぐるぐる激しく回るー
「あぁぁあああ…」
蹲る佳恵(順一郎)-
無理をし過ぎたことによって
いつも以上に激しいめまいに襲われるー
やがてー
視界に、謎の光のようなものが見えたー
目がちかちかするー
「な、、なんだこれ…!?」
怖くなった佳恵(順一郎)は、半分パニックになってしまうー
「よ、、佳恵のやつ、、、やっぱ、なんか病気……」
佳恵(順一郎)は死にたくない!と叫びながらスマホを探すー
これは、どう考えてもおかしいー。
目を瞑っても変な光が焼き付いて消えないー。
どういうことなのかー?
失明するのか?
これはーー
「た、、助けてください!!」
佳恵(順一郎)は、パニックになって
ラバースーツ姿のまま救急車を呼んでしまうー。
救急車を呼んでいる最中に、
光は消えたー。
しかし、今度は頭痛に襲われて
頭を抱えて苦しみだすー
「くそっ!こんな不良品女…!
身体も中身も最悪じゃねぇか!」
佳恵(順一郎)が叫ぶー。
”中身”とは
自分のことを言っているわけはないー。
入れ替わった状態のまま家出した
佳恵のことを言っているー
佳恵自身は、順一郎が少しは分かってくれれば、と
少ししたら戻って来るつもりだったが、
順一郎の反応は、佳恵の予想とは違っていたー
・・・・・・・・・・・・・
「---それは、片頭痛ですね」
医師が言う。
しかも、お薬手帳には、
佳恵が、片頭痛の薬を貰っている
記録も残っていたため、医師は呆れていたー。
「---今まで、説明はされませんでしたか?」
とー。
見えた謎の光は
片頭痛の前に出て来る症状で、
脳の検査も既に以前、病院で行っている
佳恵は、命に別状があるようなものではなく
よくある片頭痛だと医師は説明した。
「---…あ、、、す、、すみません…
佳恵のこと、知らなかったもんで」
佳恵(順一郎)が、髪を掻きむしりながら言う。
「---」
医師はラバースーツ姿のままの佳恵(順一郎)を
イヤそうな目で見つめるー
「--し、失礼しました」
医師から嫌味を言われて診察室を後にする
佳恵(順一郎)
「--ったくよぉ。やっぱ仮病じゃねぇか」
片頭痛は仮病ではないー
けれど、佳恵(順一郎)は、医師の説明を勝手に
勘違いして、佳恵は仮病だと決めつけたー
「--佳恵には、お仕置きが必要だな!」
帰宅した佳恵(順一郎)は
頭痛も耳鳴りもめまいも何もかも無視をして
エッチなことをしまくり始めたー
胸を狂ったように揉み始めたりー
大声で喘いでみたりー
過激な自撮りをしまくったりー
アソコをいじくりまくって、盛大に潮を吹いたりー
佳恵のことを許せないという
気持ちに支配されていたー
「あっはははは♡ わたしは仮病女ですぅ~!」
佳恵(順一郎)がピクピク震えながら
大声で笑うー
「--ごめんなさい~!ごめんなさい~!」
順一郎の写真を壁に貼って、
順一郎の写真に謝り続ける佳恵(順一郎)-
”どうだ!思い知ったか!”
勝ち誇った表情をしながら
佳恵(順一郎)は頭痛が酷くなってきたのを感じて、
裸のままベットに飛び込んだー
・・・・・・・・・・・・・・・・
1週間後ー
順一郎(佳恵)は友人の樹奈子に
”今日、帰るね”と告げたー
佳恵の身体になった順一郎は
きっとわかってくれているはずー。
元に戻れるかどうかは分からないけれど、
順一郎と、もう一度やり直したいー
順一郎(佳恵)はそんな風に思いながら
佳恵になった順一郎のいる家に向かったー
そしてー
玄関の前にたどり着くー
ノックして、「わたしだよ」と呟く順一郎(佳恵)
♪~~
スマホに友人・樹奈子からのLINEが届くー
「--あ…」
そのLINEを確認した順一郎(佳恵)は
表情を歪めたー
そこにはー
ガチャー
「---おかえり」
玄関から出てきた佳恵(順一郎)の姿を見て
順一郎(佳恵)は、驚いて声をあげたー
露出度の高いエッチな下着姿の佳恵(順一郎)の身体には、
”仮病女”や”罪”、”メス豚”など
辛辣な言葉が、肌に直接、マジックで刻まれていたー
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・
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体調不良のからだとの入れ替わり第2話でした~!
次回が最終回デス!
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