<二重人格>精神崩壊~あの日の約束~②

元・二重人格者の優香ー。
そんな彼女の周辺で起きた”とある騒動”とは…?

※精神崩壊(https://hyouikuukan.blog.fc2.com/blog-category-169.html)の
 後日談デス!
 二重人格要素は既に解決してしまっていて、
 ジャンル違いになるので別サイトでこっそり公開していましたが
 こちらでも公開していきます!

※あくまで後日談なので、TSF要素や二重人格要素は、ほぼありません。

※本日の「それでも貴様は日本男子か!①」は、このあと投稿します。

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放課後の空き教室。
二人の生徒が何やら話している。

話している生徒の一人は
手芸部の生徒、上原真珠美ー。

真面目で明るく、手芸部部長の
優香からの信頼も厚い。

そしてもう一人はー 
同じく手芸部所属の依田 雅彦ーーー

「ねぇ…?アンタさ…
 何なのさっきの…?」

真珠美は、先ほどまで、先輩である優香に見せていた
態度とは全く違う態度で依田を睨みつける

「ご…ごめん、上原さん…
 だって僕…」

その言葉を聞くと、真珠美は依田を睨みつける

「上原じゃないって言ってんだろうが!」
真珠美は近くの机を乱暴になぎ倒した

「ヒッ…」
依田は怯えきっている

「いい?あたしはアキ…。
 アンタの知ってる真珠美は心の中で眠ってるの…
 この前言ったよね??」

上原真珠美は、
そう言うと、依田の制服を掴んで言った

「真珠美を助けたかったら、
 あたしのいう事、聞きな…」

そう言い、真珠美は依田の耳元で何かを囁いた・・・

土曜日。

三郎君の誕生日祝いで、私たちは三郎君の家に集まっていた。

「へぇ…そうなんだ、良かったじゃん」

”良かった”とは部活動の事。
三郎くんの所属する部活には、新入部員が
ほとんどおらず、入ってきた一人も、
イマイチやる気がないのだとか。

「上原さん ね…。
 俺の後輩が言ってたぜ!クラスでも人気者だってさ」
三郎くんが笑いながらそう言う。

上原真澄さんー。

確かに彼女は明るく、元気もあって、それでいて真面目。
先生たちからも、クラスメイトたちからも、評判が高いみたい。

もちろん私も、信頼できる後輩として頼りにしている。。

「あ、そうだ、三郎、コレ…」
隣にいた誠吾が三郎君にプレゼントを差し出した。

「おっ!サンキュー、
 やっぱり持つべきものは友達だな!」
三郎君が上機嫌でプレゼントを見ている。
中身は何なのだろう?

「あ、そうだ!私からもプレゼント!」
私も、三郎君にプレゼントを差し出した。

「---お、これは俺の大好物!」
三郎君が嬉しそうに言う。

穏やかな日常ー

笑顔で笑う誠吾と、
その友達の三郎君ー。

こんな、日常を取り戻すことが出来て、
本当によかったー。

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翌日。

放課後の手芸部の活動の為、
私は家庭科室へと向かった。

その途中で、去年クラスが一緒だった男子生徒の一人・田辺くんに声をかけられた

「お、田内さんじゃないか、何か久しぶりだな」
特別親しい男子ではなかったし、
クラスが別れてからは、ほとんど接点がなくなっていた。

「そういえばさ…」
田辺君が気まずそうに口を開く

「どうしたの?」
言葉に詰まる田辺君に私は優しく微笑みかけた

「…この前、部活中にさ、1年のヤツと、
 二重人格を題材にしたアニメの話で盛り上がってさ…
 ついつい言っちゃったんだよ

 田内さんが、去年、二重人格だったってこと」

田辺君はそう言った。

ーー去年、私は立ち直った直後に教室で
自分が置かれていた状況を話して、
みんなに迷惑をかけたことを
謝罪した。

だから、隠す気はない。

でも、今年入ってきた新入生の1年生たちには、
わざわざいう事ではないし、みんなもわざわざ言うようなことは
しなかったから、特に私も何も言わなかった。

「…悪い、怒ってるか?」
田辺君はなおも、気まずそうに言う

「ううん、別に隠してるわけじゃないし、
 全然大丈夫だよ」
私がそう言うと、田辺君が安心した様子で
笑みを浮かべた

「あ、ヤベ!後輩との待ち合わせに遅れる!」
田辺君はそう言うと、
俺行くわ!と言って、そのまま廊下を走り去って行った

変わらないなぁ…

ちょっと派手そうな見た目とは裏腹に
お調子者で、話をしてみると結構おもしろい。

・・・・・・・・・

部室に入ると、
上原さんの声が聞こえてきた

「どうしてそんなこと言うの!?」
上原さんが依田君に向けて何か叫んでいる。

「…ごめん…」
依田君が下を俯いている

「……どうしたの?」
私が近づいて行って、話しかけると上原さんがこちらを
見て言った。

「あ、田内先輩…
 聞いてください。。
 依田君が手芸部を退部するって…」

退部!?

私は驚いた。

依田君は手芸部部員の中でも一番熱心に
部活動に取り組んでいた。

とにかく、手芸が好きみたいで、
上原さん以上に、いつも熱心だった。

「…僕、もう決めたんだ上原さん…」
依田君が悲しそうな顔で上原さんの方を見る

「ねぇ、どうして!
 何でそんな事言うの!?」
上原さんが涙ぐんで依田君にすがる

「私、、この高校に来たとき、誰も知ってる子が居なくて、
 一番最初に話しかけてくれたのが依田君だった…
 その依田君と一緒の部活になれてうれしかったのに…
 どうしてなのよ!」

上原さんがそう言うと、
依田君が口を開いた

「僕も…手芸が大好きだけど……
 でも、その手芸を手放してでも守りたいものがあるんだ…」
依田君の眼差しは真剣そのものだった。

その眼差しを向けられた上原さんは、
少しだけ落ち着いて言った。

「…守りたいモノ?」

依田君が私の方を見て言う。

「田内先輩…お世話になりました。
 僕はもう決めたんです。
 止めないでください」

そう言うと、依田君は家庭科室から足早に立ち去って行った。

「依田君ーーちょっと、」
私が制止しようとするも、依田君はそのまま立ち去ってしまった。

「…依田君…」
上原さんは寂しそうな表情を浮かべている。

そういえば、この前、
依田君の手には打撲があった。

一体依田君に何が・・・。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
手芸部の活動終了後、
部員のみんなと別れた私は昇降口前で誠吾と合流した

「ごめんね待たせちゃって…」
私が言うと、誠吾は「ううん、全然」と笑って答えた。

「土曜日はありがとう」
誠吾は三郎君の誕生日会に参加したことへの
お礼を言ってきた。

「ううん、私こそ、誘ってくれてありがとう
 楽しかったよ」
私はそう言った。

その時だった。

ふと廊下を歩いている生徒が目に入った。

手芸部の後輩の依田君だった。
ソワソワした様子で階段を上って行く。

「---依田君?」
私が呟くと、誠吾が不思議そうな顔をした

「ごめん、ちょっと…今日は先に帰ってて…
  本当にごめんね!」

私はそう言うと、依田君の後を追って、階段の方へと向かった。
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依田君の後を追って、辿り着いた場所は空き教室だった。

中から声が聞こえるーーー。

「手芸部は退部したよ…
 だからお願いだ!上原さんを返してよ!」
依田君の声がする。

上原さんを返して・・・?

私は、教室にもう一人の人影を見つけた。
でも、外からではよく見えない

「…アンタ、最高ね…
 そこまで真珠美の事が好きなんだ?
 超ウケるんですけど…
 
 あ~~本当に傑作!」

中から聞き覚えのある声が聞こえた。

私が恐る恐る覗くと
ーーーそこには上原真珠美さんの姿があった。

でも、いつもと何やら雰囲気が違う

それに今自分で「真珠美の事」って言っていたような。

「上原さん!」
依田君の叫び声が聞こえる

「上原じゃねぇーよ!
 あたしはアキだって、何回言わせんだよ!」

中から上原さんらしからぬ、
乱暴な口調の怒鳴り声が聞こえてくる

「アキ…?」
私は疑問に思う

「やめて!」
依田君の声でふと我に返る。

教室の中を覗くと、上原さんが依田君を殴ったり、けったりしている。

打撲はこれで…

「ちょっと!」
私は上原さんの暴行を止めるため、空き教室の中へと踏み込んだ

上原さんと依田君が驚きの表情を浮かべる

「何…アンタ?」
上原さんが私を睨みつける。

普段の上原さんとは別人のようだ

「先輩!気を付けてください!
 今の上原さんは、、上原さんじゃないんです」

依田君が苦しそうに叫ぶ

「え??どういうこと…?」
私が聞くと、依田君が答えた

「上原さんーーー
 二重人格みたいなんです」

二重人格…
私がそうだったように、上原さんもーーー?

私が上原さんを見ると、
上原さんは私を睨みつけるようにして言う----

「アンタ、、真珠美の知り合い?」
目の前の上原さんは自分の事を別人のように言う。

「ーーそうだけど」
私が言うと、上原さんが笑った。

「ハハハ、ちょうど良かった、
 アンタにも、一つお願いをしようかしら??」

「お願い…?」
私が聞き直すと、上原さんは言った

「アンターーー
 彼氏がいたはずよね?同じクラスの…
 アイツと別れなさいーー。
 で、なければ、あたしがコイツの代わりに
 退学届を出してあげる。

 そしたらどうなると思うー?
 上原真珠美は高校を退学になるのよ?
 真珠美を傷つけたくなかったら…」

「……断るわ」
私は冷静にそう言い放った。

「なっ…」
上原さんが声を上げる。

そんなお願い、聞く必要は無かった

何故なら彼女はーーーーー。。。

私は彼女と話してみて分かった。
いえ、、私だからこそ分かる。

もう一人の自分を生み出してしまった私だからこそーーーー

辿り着いた”真実”を前に、
私がとるべき行動はーーーーー

③へ続く

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