<他者変身>もしもわたしが偽物だったら?①~成り代わり~

もしもー
最愛の人がー
”偽物”
だったらー?

その”偽物”が、
”偽物”であることに、苦しんでいたのならー?

---------------—

夜ー。

「こ、、、来ないで!」
女子高生が夜の街を走っているー

人通りのない倉庫街のような場所ー。

湾の水が、静かに音を立てているー。

「---…俺のクソみたいな人生を
 終わりにするんだ」

目の血走った男が笑うー

男が、逃げまどっていた女子高生の髪を乱暴に引っ張るー。

彼女は、部活で夜遅くなった帰りに
この男に声をかけられて、
逃げまどう羽目になったー。

「---くくくくくくくくくくく~…!」
男が、女子高生を睨むー

”俺の人生はクソだったー”

男は、思うー
この人生を終わらせねばならない、と。

男は、生まれてから両親に虐待されて育ったー

両親は、未成年の頃にエッチを繰り返した挙句妊娠、
未婚のまま、彼を出産したー。
父も、母も、面白がって虐待を繰り返す日々ー

やがて、父親の方が、行方をくらまし、
残された母親も、育児を放棄、
彼は地獄のような境遇で育ったー

成長した彼は、地獄のような日々を過ごしながらも
施設から学校に通ったー。

だがー
高校時代に親がいないことでいじめを受けて、
グレて、道を踏み外した。
高校に登校しなくなり、施設から飛び出し、
地元のワルたちとつるんで、生きてきたー

しかしー
地元のワルたちからも裏切られたー

”愛情”
そんなもの、知らないー。

家族ー
友情ー
恋愛ー?

そんなモノ、幻想だー
俺には、そんなものは、何もない。

裏社会で、薄汚い真似をし続けて、彼は30歳になった。

そんな彼が、裏社会で手に入れたのがーーー

「---!!!」
髪を引っ張られた女子高生が目を見開くーーー

「---ふふふふふふ」
男の声が、可愛らしい声に変わっていくー

男がー
女子高生と同じ姿になっていくーーー

「えーー…!?!?な、、、なに…!?!?」
女子高生が目に涙を浮かべながら叫ぶー。

目の前にいた男がー
女子高生と同じ姿になったのだーー

男は、裏社会で
”他者に変身する薬”を手に入れたー

その薬の力で、
男は目の前にいる女子高生に変身したー

「ひっひひひひひひひひ~
 これからは俺が、お前になるんだ!」
可愛い声でそう叫ぶと、
近くの倉庫に女子高生を押し飛ばす。

「鞄をよこせ!」
鞄を乱暴に奪う、女子高生に変身した男ー。

鞄から生徒手帳を取り出して
名前を見つめるー

「篠村 里美(しのむら さとみ)かー」
偽物は、笑みを浮かべると
「今日から俺が篠村 里美だ」と笑うー

本物の里美が「た、、、たすけて…」と
震えながら言うー。

偽物は、元々着ていた
黒いジャージを脱ぎ捨てると、
裸になって、本物の方を見つめたー

「制服をよこせ」
偽物の里美が呟くー。

「え…」
本物の里美が戸惑うー。

「制服を脱げってんだよ!」
偽物の里美が、里美の声で怒鳴り声をあげた。

「いやああああ!!」
乱暴に制服を脱がされる本物の里美ー

本物の里美が着ていた高校の制服を脱がせて
偽物の里美がそれを身に着けるー。

裸にされた本物の里美がおびえながら偽物を見つめるー。

そしてーーー

「いやああああああああああああ!!!」
悲鳴が倉庫に響き渡ったー

1時間後ー
倉庫から、黒い大きな袋を持って出てきた里美は、
その袋を、湾の水に沈めたーーー。

「--ふふふふ…今日から俺が里美だー」
偽物の里美は笑みを浮かべると、
そのままその場から立ち去って行ったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ーーー

「おはよ!」
男子高校生・長松 昌平(ながまつ しょうへい)が、
彼女の里美に声をかけるー。

里美とは小学生時代からの付き合いで、
幼馴染だー。

「---」
里美が、昌平の方を見るー。

「あ、おはよ~!」
里美がぎこちない笑みを浮かべたー。

「--ん~?なんかいつもより元気がないような~?」
昌平が笑いながら言うと、
里美は「そ、そんなことないよ~!」と笑みを浮かべるー。

他愛のない雑談をするふたりー。

先週約束した、来週のデートの話題もするー。
里美も驚く様子なく、その話題を普通に話しているー。

話が終わると、昌平が座席に戻っていくー

「----」
里美が昌平の方をチラリと見つめたー

”あれが、彼氏かー。
 弱っちそうな野郎だぜ”

里美がニヤリと笑うー

登校している里美はー
”偽物”だったー

昨晩、本物の里美を襲った男が、
里美に成り代わっているー。

だがーー

男は、里美に変身した際に、
里美の記憶も手に入れているー

だから、里美に成りすますことは、
容易なのだー

お手洗いに向かう里美ー

「あ~~~!面倒くせぇな」
鏡の前で呟くー。

「--ま、あんな彼氏は適当に振って、
 少しずつ、俺好みのJKライフに
 変えていくぜ…
 くくくくく」

低い声で笑う里美ー
里美が絶対浮かべないような悪魔のような笑みを
浮かべているー。

そうー
少しずつー

自分のクソみたいな人生を捨てて
JKの人生を奪い取ったー

あとは少しずつ、自分好みにカスタマイズしていくだけだー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

教室に戻った里美は、
友達と雑談するー

”どうせ、
 こういう女たちは、影で悪口言い合ってるんだろ?”

内心で里美の友達を見下しながら
里美は適当に話題を合わせるー

”群れることしかできない、クズどもが”

里美は、イライラしながら座席へと戻るー

勉強は、お手のものだったー。
里美に変身した男は、
一人で生きていくために、必死に勉強したー。
高校をやめるまでは、特に一生懸命努力していたー

だからー
今でもその知識が残っているー。

「ふん。余裕だぜ」
里美は静かにそう呟くと、プリントを解き終えて、
得意気な表情を浮かべるー。

初日の学校が終わったー
友達と雑談しながら家へと向かうー。

「--じゃあ、また明日~!」
手を振りながら友達と別れる里美ー

別れた瞬間ー
里美の表情から笑顔が消えるー。
そして、態度の悪い歩き方をしながら、
笑みを浮かべるー

「くくく…馬鹿らしい1日だったぜ。
 でもまぁ…俺の人生よりはるかにマシだ

 これからは、たっぷり女子高生として
 楽しませてもらうぜ」

・・・・・・・・・・・・・

帰宅した里美ー。

「--あ、お姉ちゃん!おかえり~!」
弟の朗太(ろうた)が、里美を出迎える。

「あ、朗太、ただいま~」
里美として返事をして、自分の部屋にあがっていくー。

「くく…」
部屋の扉を閉めた里美は、笑みを浮かべるー。

「--さぁて…と」

せっかく女の身体を手に入れたんだー。
たっぷりと楽しませてもらうー。

里美は、不気味な笑みを浮かべるー。

そして、制服の上から自分の胸を触りだすと、
欲望に満ちた笑みを浮かべながら、
顔を赤らめていくー

「ひ、、ひひひひ…
 この女がどう生きていくつもりだったのかは
 知らないけど、、
 これからは、俺色の里美になっていくんだぜぇ…♡
 くっひひひひひひ♡♡」

里美が涎を垂らしながら
だらしのない格好で笑うー。

とりあえずー
大学生になるまでは大人しくしていようー
さすがに、高校生で一人暮らしはまずいー

なんなら、大学生に変身すれば良かったかもしれないー。

だがー
”物色”しているときに一番俺好みだったのが
この女だから、仕方がない。

自分の新しい人生を送るのに、
ふさわしい身体が、これだったのだからー。

「--大学生になったら、この家を出て
 好き放題、自由にさせてもらうぜ…
 へっへへへへへへへ」
胸をもみながら嬉しそうに呟く里美ー。

里美は、太ももを触ったり
指を舐めたりー
ポーズを決めたりー
自分の身体を存分に楽しんだー。

変身しているとは言え、
身体は里美を100%再現している状態ー

里美の身体と言ってもいいー。

本物は”沈めた”

だからー
里美の人生は、俺のものだー

・・・・・・・・・・・

里美に変身して、
里美を始末して、
里美に成り代わった男は、
里美として、女子高生ライフを満喫していたー

髪は少し邪魔なので、ポニーテールにしたり、
自分がゾクゾクするために、服装を少し派手なものにしてみたりー
食事の好みが変わったりー
アイドルグループのファンはやめて、男が好きだったロックバンドにはまりはじめたりー

里美を、俺色にカスタマイズしていくー

いいやー
もう、本物の里美はいないー
だから、俺こそが里美だー。

俺、いや、
わたしが里美なのだから、
どんな風に生きようと、わたしの自由でしょ?

「ーーー♪~~」
里美は、学校でも、よりおしゃべりになって
明るくなり、今まで里美が話さなかった
同級生とも話すようになったー。

「あはははははは!それ、最悪だね~!」
里美が友達と嬉しそうに騒いでいるー。

その時だったー

「--おい」
里美の背後から、強面の男子高校生が声をかけてくるー。

学年でも恐れられている不良生徒・勘里(かんざと)だー。

普段は不登校気味なのだが、今日は学校に
やってきていた勘里が、うるさくおしゃべりをしている
里美に腹を立てて絡んできた。

「あ、、、」
里美と一緒に歩いていた女子が、里美から離れていくー。

「おい、最近おまえ、調子乗ってるみたいじゃねぇか」
勘里が里美を睨むー。

「----え…そ、そんなことないけど?」
か弱い女子高生演技をしながら、
イラっとする心を抑えるー。

「---お前、いつからそんなにうるさい女子になったんだ?
 確か、大人しい感じだったはずだよな?」
勘里が里美を睨むー

里美も勘里を睨み返すー

里美とは思えないような怖い表情ー。

「--…なんだその目は?」
勘里が舌打ちする。

「----は?あんたこそ何よ?」
里美に変身している男も、元々気が荒いタイプー。
だんだんと口調が荒くなってくるー。

「---調子乗ってんじゃねぇぞ!」
勘里が、拳を振り上げたー

里美は、勘里の腕をつかむー

しかしー

ーーー!?!?!?!?

ドカッ!

里美は、そのまま殴られてしまうー

「え…」

廊下に倒れた里美が唖然としているー

「あ…」
自分の手をショックそうに見つめる里美ー

”この女…なんて非力なんだ…!”

里美の姿に変身していた男は
唖然としているー。
自分の力なら、勘里とかいう不良ごとき
どうにでもなるー

だが、里美の力ではー。

勘里の腕を掴んだ里美ー
だが、里美の力など、勘里の前では
非力すぎたのだったー。

「--おらぁ!どうしたぁ!」
勘里が里美の胸倉を掴むー

「え…ちょ、、、」
里美に変身した男は、”元に戻ることはできない”

それはつまりー

”今の自分では、勘里に勝つことはできない”

ことを、意味しているー。

「---…ま、、待て…!待って!」
里美が叫ぶー。

「やめろ!!!」
背後から声がしたー

里美の彼氏・昌平だったー。

最近は、少しずつ距離を置こうとして、
里美に変身した男は、
昌平を冷たくあしらっていたー

だが、その昌平が、里美を助けに来たー。

勘里と口論の末、
勘里を撃退する昌平ー。

「里美…大丈夫か?」

優しく笑う昌平ー

この時ー
里美の中に、今まで感じたことのない
感情が芽生えたー

”ドキッ”

「え…」
顔を赤らめて戸惑う里美ー

”え…俺…?
 こいつにドキッとしたーー???”

里美に変身した男の中に
かつてない、感情が芽生えてしまっていたー

②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・

コメント

久しぶりに変身系のお話デス~!

あまりお話するとネタバレのことをお話しちゃいそうなので、
口を閉じておきます~笑

他者変身<もしもわたしが偽物だったら?>
憑依空間NEO

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