<憑依>服に着られる女③~本性~(完)

様子がおかしい友達の家を再び訪れると、
そこにはー?

ラバースーツに乗っ取られてしまった
女子大生の運命は…?

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絵梨の様子がおかしいー。
友人の霧子は、そんな風に思いながら、
絵梨のアパートに再び足を運んだー。

「---んあっ♡ えへへ…♡ えへっ♡ えへへへへへっ♡♡♡」

部屋の中に入ると
絵梨の甘い声が聞こえてきたー。

「えへへへ…♡」
ファスナーを下まで下ろして
顔を真っ赤にしながら、絵梨は、一人エッチなことをしていたー

「え…絵梨!」
霧子が思わず顔を赤らめてしまうー

絵梨が胸を晒しながら
霧子の方を見る。

「あぁぁぁ…霧子ぉ~♡
 来ると思ってたよぉ~」
乱れた絵梨がほほ笑むー

絵梨のメイクが昨日よりも濃くなっているー。
耳にはピアスがついてー
髪も茶色に染まっているー

「そんな顔しちゃって~?どうしたの~?」
絵梨がはぁはぁ言いながら立ち上がるー

「あぁぁぁ…昨日からヤリまくって腰がいたたたた…」
絵梨がよろよろとしながら、
台所に置いてあった水を飲むー

水を飲み終えた絵梨は、
部屋を見回すー
部屋が昨日よりも散らかっているー
いつもきれいに整理整頓していた
絵梨らしくないー

「---……絵梨!本当にどうしちゃったの!」
霧子がたまらず叫ぶ。

「えへへ♡」
絵梨はニヤニヤしているだけで答えない。

「だいたいなんでずっとラバースーツ着てるの!?」

牙のネックレスを身に着けた
ラバースーツ姿の絵梨は、まるで別人のように見えるー

部屋にはロックバンドの曲のようなものが
流れ続けていて、
絵梨がガムをくちゃくちゃと噛み始めるー

そして、その場にヤンキー座りをしながら、
霧子の方を見た。

「別に、どうだっていいじゃない」
絵梨らしくない仕草をしながら
霧子の方を見つめる絵梨。

「--で、、でも、
 大学にも来ないなんて!!」
霧子が叫ぶー。

絵梨は「はぁあああああああああ!うっぜぇな」と
イライラを爆発させながら髪をぐしゃぐしゃ掻きむしるー

ボサボサになった髪型のまま
絵梨は、「人が楽しくやってるんだから、
しらけるようなことばっかり言うんじゃねぇよ」と呟くー

しかし、霧子も引き下がらないー
友達として、今の絵梨は見て居られなかった。

「そんな服、早く脱いで、着替えて!!!
 いつまでそんなの着てるの!?」
霧子が叫ぶー

しかしー

「そんな服?」
絵梨が突然舌打ちをした。

「テメェ俺のこと、馬鹿にしてんのかぁ!?」
絵梨が激しい形相で怒鳴り声をあげる。

「ひっ!?!?!?」
霧子が思わず悲鳴を漏らすー

「--調子こいてんじゃねぇぞ?あ?
 この服よりかわいくねぇくせして、
 ごちゃごちゃごちゃごちゃうっせーんだよ」
低い声で脅すように言う絵梨。

ラバースーツ姿の絵梨に胸倉を
掴まれた霧子は、恐怖を感じていたー

「---……な、、、な…ど、、、どういうこと…
 お、、怒らないでよ…」
霧子は涙目になりながら言うと、
絵梨は「俺に謝れ」と吐き捨てるー

”俺”-?

霧子は違和感をさらに強めながら絵梨の方を見るー

「ご、、ご、、ごめんなさい」
絵梨の目を見て、霧子が謝ると、
絵梨は”そろそろタネあかしでもしてやるか”と
笑みを浮かべながら呟くー

「俺のほう見て謝れよ」
絵梨が言う。

「--え?」
霧子が、戸惑うー
絵梨の目の方を見ているー

なのにー
どういう意味ー?

「--”服”を見てるんじゃねぇよ」
絵梨が自分の頭をつんつんとつつきながら言う。

「”俺”を見ろー」
絵梨は黒いラバースーツを指さしながら言った。

「ど、、どういう…!?!?」
霧子が言うと、
絵梨は両手を広げながら叫んだ。

「はっははははは!
 俺が”この女を着ている”んだよ!

 そうだな…お前たち人間から言えば
 服が、人間を着てるんだよ!
 ひっははははははは!」

絵梨がゲラゲラと笑うー

絵梨は、ラバースーツに潜む意志に
完全に乗っ取られてしまっていたー

「え…な、、何言ってるの…?」
霧子が戸惑いながら言うー

「--俺はこの、ラバースーツなんだよ!
 くっふふふふふふ
 この女が俺を身に着けたから
 俺がこの女を乗っ取ってやったんだ!
 ぐへへへへへへぇ」

涎を垂らしながら笑う絵梨ー
完全に正気を失っているー

「う、、、嘘…!?そんなこと…!?」
霧子が叫ぶと、
絵梨は「それがあるんだよなぁ~」と呟いたー。

ラバースーツに何故、自分が宿っていたのかは分からないー。
だがー
気付いたとき、自分はラバースーツだった。
身に着けた女や男を乗っ取っては、
身体を乗り換える日々ー。

”意志を持つラバースーツ”として、
人間を、ファッションのように着こなすー。

彼にとってはー
人間が服を着るのではなく、
服が人間を着るのだ。

「---う、、嘘…!???
 絵梨…しっかりして!!絵梨!」
絵梨の方を見て叫ぶ霧子。

ラバースーツに乗っ取られている?
そんなこと、あるわけが…

「----嘘だと思うかぁ?
 この絵梨とかいう女が、こんなことするのかぁぁ~?」

胸を両手で揉み始める絵梨。
気持ちよさそうに声を出しながら
笑みを浮かべているー

「もう、この女は俺のものなんだぁ!
 へへへ!
 俺の洋服だ!
 俺がこの女を着てるんだぁ!
 ひはははははははは♡」

絵梨が嬉しそうに叫ぶー。

そんなことあるわけがないー
そう思いながらも、
昨日からの絵梨の行動に、
信じるしかなかったー

「え…え…絵梨を返して…!」
霧子が叫ぶ。

「い・や・だ」
絵梨が挑発的なポーズを決めながら言う。

「---この女が勝手に俺を着たから
 いけないんだぜ~?へへへへ♡
 おかげでこのエッチなボディは俺のものだぁ!」

足や胸をラバースーツの上から触る絵梨ー。
その表情は欲望に満ちているー。

「----そんな…」
そう呟きながらも、霧子は頭をフル回転させていたー。

”待ってー”

服を着たままでは、お風呂に入れないはずー。

ラバースーツをずっと身に着けままでは
いることができないはずー。

もし、ラバースーツに乗っ取られているなら、
お風呂に入るタイミングを利用すればーー

霧子はそんな風に考えたー
しかし、それを見透かしたかのように、
絵梨は笑うー

「無駄だぜ…
 確かに、俺自身を脱いじゃうと、
 この女の身体から追い出されちまうんだけどよぉ。
 服を脱いでも、30分ぐらいは
 この女の意識が戻らないから、好きなように
 操ることができるんだよなぁ~

 遠隔操作ってやつ?」
絵梨がゲラゲラと笑うー。

「そんな…!」
霧子が呟くー

30分もあればー
なんとか身体を洗うことはできるだろうー。

それでは、絵梨はずっと乗っ取られたまま…

「安心しろよ!
 俺が飽きたら、この身体は返してやるぜ!
 人間だって、飽きた洋服は捨てたり
 売ったりするだろ?それと同じだぁ!」

絵梨の前はーーー
OLに憑依していたー。
真面目に働いていたOLの身体で
ラバースーツを身にまとい、
夜の街を爆走しまくったー。
やがて、彼女が暴走族として
悪評が立ち始めたころ、
偶然、大学の前で、絵梨を見かけたー

その時、ラバースーツは決めたー。
”次の服”をー。

乗っ取ったOLの身体で、
ラバースーツを絵梨の家に送ると、
そのままOLは意識を失い、
ラバースーツから解放されたー。

そしてー
絵梨の家にラバースーツが届き、
それを身につけてしまった絵梨は
乗っ取られてしまったのだったー

「---絵梨を…絵梨を返して!」
霧子が絵梨にしがみつくー。

「うるせぇ!」
絵梨が、霧子を蹴り飛ばす。

そして、くねくねと歩きながら笑う。

「こんなにいい身体を持ってるのに
 有効活用しないなんてもったいないじゃないかぁ…
 こんなに綺麗なボディ…
 俺のほうがこの女よりよっぽど魅力的に
 使ってやれるぜ」

絵梨は自信満々にそう呟いたー

「---この女は、こんなエロい身体を持っておきながら
 全然有効活用しようとしない…!
 みろよ!身体も喜んでるぜぇ~」

絵梨は、ニヤニヤしながら、自分の濡れたあそこを
いじくりだすー。

「--やめて!!絵梨を返してよ!」
霧子が叫ぶー

「ーーー返さねーよ!
 これは俺の服だ!
 ひゃははははははははは♡」

ラバースーツ姿の絵梨が
両手を広げてゲラゲラ笑っているー

まるで、
別人のような表情だーー

「もっともっと、この女をエッロイ
 性欲まみれの女にしてやるぜぇ!
 ひははははははは♡
 あーひゃはははははははは♡」

絵梨が大声で笑うー

こんな歪んだ絵梨の声ー
聞いたことがないー

絵梨がこんな声を出せるなんて…

そんな風に思いながら、霧子は、
無理やりラバースーツを脱がせようと、
絵梨の方に向かって行くー

ラバースーツに触れると、絵梨が大声で怒鳴る。

「俺に触れるんじゃねぇ!」
絵梨が、グーで霧子を殴りつけるー

「--んっふふふふふ」
ラバースーツの上から胸をいやらしく触って
嬉しそうな絵梨ー

完全に乗っ取られているー

どうにかしないとーー……。

♪~~~

インターホンが鳴り響く。

「ふふふ…は~い!」
ラバースーツ姿のまま、平気で宅配便を受け取りに行く絵梨ー。

宅配便の男が、戸惑うような表情を見せながら
絵梨に荷物を渡す。

「ありがとうございま~す♡」
絵梨はご機嫌そうに荷物を受け取ると、
部屋の中に戻ってきたー

「……返してよ…絵梨の身体…!」

霧子が泣きながら呟くと、
絵梨は、少しだけ考えてから笑ったー

「---…じゃあ………」
絵梨は、突然ラバースーツを脱ぎ始めるー

「え…!?」
霧子が驚くー

ラバースーツを脱ぎ終えて、下着姿になった絵梨は、
とろーん、と虚ろな目になるー

直接的な乗っ取りから解放された絵梨ー。
だが、服を脱いでも、しばらくの間ー
本人が意識を取り戻すまでの間ー
ラバースーツの意識に催眠状態のように
操られているー

「きろ…」
絵梨が虚ろな目のまま呟くー

「それを…きろ」
ラバースーツを指さす絵梨ー。

「え…」
霧子が戸惑うー。

「-この女を助けたければ…
 おまえが…それを…きろ」
絵梨の無感情な言葉ー

「そ…そんな…」
霧子が戸惑うー。

確かに絵梨のことは助けたいー
けれどー…
そうしたらー。

霧子がラバースーツを着れば、
霧子が乗っ取られることになってしまうー

霧子は泣きそうになりながら絵梨の方を見つめるー。

「---………わたしはどうなるの?」
霧子が震えながら言う。

絵梨は答えるー
「おれが、、あきるまで、、、、つかう…
 あんしんしろよ…
 おまえのからだには、あんまきょうみないから
 すぐ…あきるさ」

その言葉を聞いて
霧子は”信用できない”と頭の中で呟くー

けれどー…

絵梨は小さいころから色々苦労してきたー
確か、父親が早くに死んでしまって、
母親を支えようと必死にバイトしながら
大学生活を続けていたはずー。
そんな絵梨がーー…

霧子には、何もないー
適当に生きてきて
適当にヘラヘラしていただけー。
ごく普通の家庭だー。

絵梨を助けたいー

霧子は、友達を助けるためにー
犠牲になる道を選ぶー

「----……絵梨」
霧子は涙を流しながら自分の服を脱ぐと
「もしも…もしもわたしが元に戻れたらーー
 また一緒に遊ぼうねーーー」

と、呟きながらラバースーツを身に着けたーーー

・・・・・・・・・・・・・

「きゃははははははははは♡」

部屋の中に笑い声が響き渡っているー

霧子がラバースーツ姿でポーズを決めるー

「んっふふっふ~♡
 この服もなかなか似合うなぁ~」

霧子はノリノリで挑発的なポーズを決めると、
振り返ったー

そこにはー
チャイナドレス姿の絵梨がいたー

「へへへへへへへ~
 お前の話に乗って正解だったぜぇ~♡」
絵梨が笑うー

ラバースーツが霧子を乗っ取ったあとーー
絵梨は”お届けもの”のチャイナドレスを
着せられて、意志を持つチャイナドレスに乗っ取られてしまったー

先日ー
ラバースーツに乗っ取られた絵梨が、
電話で仲間を呼んでいたー
それが、このチャイナドレスー。

「---へへへ…お前たちは服だ!」
霧子が自分の胸をつつきながら笑うー

「返すわけねぇだろうがよぉ!」
霧子はそう言うと、絵梨の方を見つめるー

「へへへ…この女たちは、俺たちのものだ!」
絵梨を乗っ取ったチャイナドレスが絵梨の身体で叫ぶー

「さ~!女同士で気持ちいいこと、いっぱいしちゃおうぜ…いっひひひひひひ♡」
欲望に支配された霧子が笑うー

服に”着られて”しまった
ふたりの女子大生は、服の意のままに、
激しく喘ぎ始めるのだったー

この世にはー
”意志を持つ服”が紛れ込んでいるー

今日もどこかで
”服に着られて”しまっている人間が
いるかもしれないー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・

コメント

”服に着られてしまう”
憑依小説でした~!

友達が「〇〇、服に着られてる感じ~」と
別の友達に言ってたのを見て、
思いつきました笑
(友達がもしこれを見てたらバレそう笑)

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憑依<服に着られる女>

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