様子がおかしい友達の家を再び訪れると、
そこにはー?
ラバースーツに乗っ取られてしまった
女子大生の運命は…?
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絵梨の様子がおかしいー。
友人の霧子は、そんな風に思いながら、
絵梨のアパートに再び足を運んだー。
「---んあっ♡ えへへ…♡ えへっ♡ えへへへへへっ♡♡♡」
部屋の中に入ると
絵梨の甘い声が聞こえてきたー。
「えへへへ…♡」
ファスナーを下まで下ろして
顔を真っ赤にしながら、絵梨は、一人エッチなことをしていたー
「え…絵梨!」
霧子が思わず顔を赤らめてしまうー
絵梨が胸を晒しながら
霧子の方を見る。
「あぁぁぁ…霧子ぉ~♡
来ると思ってたよぉ~」
乱れた絵梨がほほ笑むー
絵梨のメイクが昨日よりも濃くなっているー。
耳にはピアスがついてー
髪も茶色に染まっているー
「そんな顔しちゃって~?どうしたの~?」
絵梨がはぁはぁ言いながら立ち上がるー
「あぁぁぁ…昨日からヤリまくって腰がいたたたた…」
絵梨がよろよろとしながら、
台所に置いてあった水を飲むー
水を飲み終えた絵梨は、
部屋を見回すー
部屋が昨日よりも散らかっているー
いつもきれいに整理整頓していた
絵梨らしくないー
「---……絵梨!本当にどうしちゃったの!」
霧子がたまらず叫ぶ。
「えへへ♡」
絵梨はニヤニヤしているだけで答えない。
「だいたいなんでずっとラバースーツ着てるの!?」
牙のネックレスを身に着けた
ラバースーツ姿の絵梨は、まるで別人のように見えるー
部屋にはロックバンドの曲のようなものが
流れ続けていて、
絵梨がガムをくちゃくちゃと噛み始めるー
そして、その場にヤンキー座りをしながら、
霧子の方を見た。
「別に、どうだっていいじゃない」
絵梨らしくない仕草をしながら
霧子の方を見つめる絵梨。
「--で、、でも、
大学にも来ないなんて!!」
霧子が叫ぶー。
絵梨は「はぁあああああああああ!うっぜぇな」と
イライラを爆発させながら髪をぐしゃぐしゃ掻きむしるー
ボサボサになった髪型のまま
絵梨は、「人が楽しくやってるんだから、
しらけるようなことばっかり言うんじゃねぇよ」と呟くー
しかし、霧子も引き下がらないー
友達として、今の絵梨は見て居られなかった。
「そんな服、早く脱いで、着替えて!!!
いつまでそんなの着てるの!?」
霧子が叫ぶー
しかしー
「そんな服?」
絵梨が突然舌打ちをした。
「テメェ俺のこと、馬鹿にしてんのかぁ!?」
絵梨が激しい形相で怒鳴り声をあげる。
「ひっ!?!?!?」
霧子が思わず悲鳴を漏らすー
「--調子こいてんじゃねぇぞ?あ?
この服よりかわいくねぇくせして、
ごちゃごちゃごちゃごちゃうっせーんだよ」
低い声で脅すように言う絵梨。
ラバースーツ姿の絵梨に胸倉を
掴まれた霧子は、恐怖を感じていたー
「---……な、、、な…ど、、、どういうこと…
お、、怒らないでよ…」
霧子は涙目になりながら言うと、
絵梨は「俺に謝れ」と吐き捨てるー
”俺”-?
霧子は違和感をさらに強めながら絵梨の方を見るー
「ご、、ご、、ごめんなさい」
絵梨の目を見て、霧子が謝ると、
絵梨は”そろそろタネあかしでもしてやるか”と
笑みを浮かべながら呟くー
「俺のほう見て謝れよ」
絵梨が言う。
「--え?」
霧子が、戸惑うー
絵梨の目の方を見ているー
なのにー
どういう意味ー?
「--”服”を見てるんじゃねぇよ」
絵梨が自分の頭をつんつんとつつきながら言う。
「”俺”を見ろー」
絵梨は黒いラバースーツを指さしながら言った。
「ど、、どういう…!?!?」
霧子が言うと、
絵梨は両手を広げながら叫んだ。
「はっははははは!
俺が”この女を着ている”んだよ!
そうだな…お前たち人間から言えば
服が、人間を着てるんだよ!
ひっははははははは!」
絵梨がゲラゲラと笑うー
絵梨は、ラバースーツに潜む意志に
完全に乗っ取られてしまっていたー
「え…な、、何言ってるの…?」
霧子が戸惑いながら言うー
「--俺はこの、ラバースーツなんだよ!
くっふふふふふふ
この女が俺を身に着けたから
俺がこの女を乗っ取ってやったんだ!
ぐへへへへへへぇ」
涎を垂らしながら笑う絵梨ー
完全に正気を失っているー
「う、、、嘘…!?そんなこと…!?」
霧子が叫ぶと、
絵梨は「それがあるんだよなぁ~」と呟いたー。
ラバースーツに何故、自分が宿っていたのかは分からないー。
だがー
気付いたとき、自分はラバースーツだった。
身に着けた女や男を乗っ取っては、
身体を乗り換える日々ー。
”意志を持つラバースーツ”として、
人間を、ファッションのように着こなすー。
彼にとってはー
人間が服を着るのではなく、
服が人間を着るのだ。
「---う、、嘘…!???
絵梨…しっかりして!!絵梨!」
絵梨の方を見て叫ぶ霧子。
ラバースーツに乗っ取られている?
そんなこと、あるわけが…
「----嘘だと思うかぁ?
この絵梨とかいう女が、こんなことするのかぁぁ~?」
胸を両手で揉み始める絵梨。
気持ちよさそうに声を出しながら
笑みを浮かべているー
「もう、この女は俺のものなんだぁ!
へへへ!
俺の洋服だ!
俺がこの女を着てるんだぁ!
ひはははははははは♡」
絵梨が嬉しそうに叫ぶー。
そんなことあるわけがないー
そう思いながらも、
昨日からの絵梨の行動に、
信じるしかなかったー
「え…え…絵梨を返して…!」
霧子が叫ぶ。
「い・や・だ」
絵梨が挑発的なポーズを決めながら言う。
「---この女が勝手に俺を着たから
いけないんだぜ~?へへへへ♡
おかげでこのエッチなボディは俺のものだぁ!」
足や胸をラバースーツの上から触る絵梨ー。
その表情は欲望に満ちているー。
「----そんな…」
そう呟きながらも、霧子は頭をフル回転させていたー。
”待ってー”
服を着たままでは、お風呂に入れないはずー。
ラバースーツをずっと身に着けままでは
いることができないはずー。
もし、ラバースーツに乗っ取られているなら、
お風呂に入るタイミングを利用すればーー
霧子はそんな風に考えたー
しかし、それを見透かしたかのように、
絵梨は笑うー
「無駄だぜ…
確かに、俺自身を脱いじゃうと、
この女の身体から追い出されちまうんだけどよぉ。
服を脱いでも、30分ぐらいは
この女の意識が戻らないから、好きなように
操ることができるんだよなぁ~
遠隔操作ってやつ?」
絵梨がゲラゲラと笑うー。
「そんな…!」
霧子が呟くー
30分もあればー
なんとか身体を洗うことはできるだろうー。
それでは、絵梨はずっと乗っ取られたまま…
「安心しろよ!
俺が飽きたら、この身体は返してやるぜ!
人間だって、飽きた洋服は捨てたり
売ったりするだろ?それと同じだぁ!」
絵梨の前はーーー
OLに憑依していたー。
真面目に働いていたOLの身体で
ラバースーツを身にまとい、
夜の街を爆走しまくったー。
やがて、彼女が暴走族として
悪評が立ち始めたころ、
偶然、大学の前で、絵梨を見かけたー
その時、ラバースーツは決めたー。
”次の服”をー。
乗っ取ったOLの身体で、
ラバースーツを絵梨の家に送ると、
そのままOLは意識を失い、
ラバースーツから解放されたー。
そしてー
絵梨の家にラバースーツが届き、
それを身につけてしまった絵梨は
乗っ取られてしまったのだったー
「---絵梨を…絵梨を返して!」
霧子が絵梨にしがみつくー。
「うるせぇ!」
絵梨が、霧子を蹴り飛ばす。
そして、くねくねと歩きながら笑う。
「こんなにいい身体を持ってるのに
有効活用しないなんてもったいないじゃないかぁ…
こんなに綺麗なボディ…
俺のほうがこの女よりよっぽど魅力的に
使ってやれるぜ」
絵梨は自信満々にそう呟いたー
「---この女は、こんなエロい身体を持っておきながら
全然有効活用しようとしない…!
みろよ!身体も喜んでるぜぇ~」
絵梨は、ニヤニヤしながら、自分の濡れたあそこを
いじくりだすー。
「--やめて!!絵梨を返してよ!」
霧子が叫ぶー
「ーーー返さねーよ!
これは俺の服だ!
ひゃははははははははは♡」
ラバースーツ姿の絵梨が
両手を広げてゲラゲラ笑っているー
まるで、
別人のような表情だーー
「もっともっと、この女をエッロイ
性欲まみれの女にしてやるぜぇ!
ひははははははは♡
あーひゃはははははははは♡」
絵梨が大声で笑うー
こんな歪んだ絵梨の声ー
聞いたことがないー
絵梨がこんな声を出せるなんて…
そんな風に思いながら、霧子は、
無理やりラバースーツを脱がせようと、
絵梨の方に向かって行くー
ラバースーツに触れると、絵梨が大声で怒鳴る。
「俺に触れるんじゃねぇ!」
絵梨が、グーで霧子を殴りつけるー
「--んっふふふふふ」
ラバースーツの上から胸をいやらしく触って
嬉しそうな絵梨ー
完全に乗っ取られているー
どうにかしないとーー……。
♪~~~
インターホンが鳴り響く。
「ふふふ…は~い!」
ラバースーツ姿のまま、平気で宅配便を受け取りに行く絵梨ー。
宅配便の男が、戸惑うような表情を見せながら
絵梨に荷物を渡す。
「ありがとうございま~す♡」
絵梨はご機嫌そうに荷物を受け取ると、
部屋の中に戻ってきたー
「……返してよ…絵梨の身体…!」
霧子が泣きながら呟くと、
絵梨は、少しだけ考えてから笑ったー
「---…じゃあ………」
絵梨は、突然ラバースーツを脱ぎ始めるー
「え…!?」
霧子が驚くー
ラバースーツを脱ぎ終えて、下着姿になった絵梨は、
とろーん、と虚ろな目になるー
直接的な乗っ取りから解放された絵梨ー。
だが、服を脱いでも、しばらくの間ー
本人が意識を取り戻すまでの間ー
ラバースーツの意識に催眠状態のように
操られているー
「きろ…」
絵梨が虚ろな目のまま呟くー
「それを…きろ」
ラバースーツを指さす絵梨ー。
「え…」
霧子が戸惑うー。
「-この女を助けたければ…
おまえが…それを…きろ」
絵梨の無感情な言葉ー
「そ…そんな…」
霧子が戸惑うー。
確かに絵梨のことは助けたいー
けれどー…
そうしたらー。
霧子がラバースーツを着れば、
霧子が乗っ取られることになってしまうー
霧子は泣きそうになりながら絵梨の方を見つめるー。
「---………わたしはどうなるの?」
霧子が震えながら言う。
絵梨は答えるー
「おれが、、あきるまで、、、、つかう…
あんしんしろよ…
おまえのからだには、あんまきょうみないから
すぐ…あきるさ」
その言葉を聞いて
霧子は”信用できない”と頭の中で呟くー
けれどー…
絵梨は小さいころから色々苦労してきたー
確か、父親が早くに死んでしまって、
母親を支えようと必死にバイトしながら
大学生活を続けていたはずー。
そんな絵梨がーー…
霧子には、何もないー
適当に生きてきて
適当にヘラヘラしていただけー。
ごく普通の家庭だー。
絵梨を助けたいー
霧子は、友達を助けるためにー
犠牲になる道を選ぶー
「----……絵梨」
霧子は涙を流しながら自分の服を脱ぐと
「もしも…もしもわたしが元に戻れたらーー
また一緒に遊ぼうねーーー」
と、呟きながらラバースーツを身に着けたーーー
・・・・・・・・・・・・・
「きゃははははははははは♡」
部屋の中に笑い声が響き渡っているー
霧子がラバースーツ姿でポーズを決めるー
「んっふふっふ~♡
この服もなかなか似合うなぁ~」
霧子はノリノリで挑発的なポーズを決めると、
振り返ったー
そこにはー
チャイナドレス姿の絵梨がいたー
「へへへへへへへ~
お前の話に乗って正解だったぜぇ~♡」
絵梨が笑うー
ラバースーツが霧子を乗っ取ったあとーー
絵梨は”お届けもの”のチャイナドレスを
着せられて、意志を持つチャイナドレスに乗っ取られてしまったー
先日ー
ラバースーツに乗っ取られた絵梨が、
電話で仲間を呼んでいたー
それが、このチャイナドレスー。
「---へへへ…お前たちは服だ!」
霧子が自分の胸をつつきながら笑うー
「返すわけねぇだろうがよぉ!」
霧子はそう言うと、絵梨の方を見つめるー
「へへへ…この女たちは、俺たちのものだ!」
絵梨を乗っ取ったチャイナドレスが絵梨の身体で叫ぶー
「さ~!女同士で気持ちいいこと、いっぱいしちゃおうぜ…いっひひひひひひ♡」
欲望に支配された霧子が笑うー
服に”着られて”しまった
ふたりの女子大生は、服の意のままに、
激しく喘ぎ始めるのだったー
この世にはー
”意志を持つ服”が紛れ込んでいるー
今日もどこかで
”服に着られて”しまっている人間が
いるかもしれないー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・
コメント
”服に着られてしまう”
憑依小説でした~!
友達が「〇〇、服に着られてる感じ~」と
別の友達に言ってたのを見て、
思いつきました笑
(友達がもしこれを見てたらバレそう笑)
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