<憑依>憑依被害者の会

憑依の被害にあった人物たちは
その後、どうしているのかー。

とある場所で開かれた
”憑依被害者の会”の物語…。

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”憑依被害者の会”

そこでは、憑依被害を受けた人間が集まっていたー。

今回、開かれた
憑依被害者の会の参加者は4名ー。

女子大生ー
OL-
主婦ー
そして、男子高校生の4人だー

4人とも”憑依”されて、
乗っ取られたあとに、無事に解放されたという
経緯を持つー。

「---わたしは…気づいたら高校生活3年間が
 無くなっていたんです」
女子大生の夕紀(ゆき)が、悲しそうに呟くー

彼女が憑依されたのは、
高校生活が始まる前日のことー。

「明日から高校生か~!なんて思いながら
 友達とLINEしたり、高校の案内みたり…
 普通に過ごしてたんです…

 でも…なんだか急にゾクって変な感じを
 感じて、そのあと急に寒くなってきて…」

夕紀の言葉に、
主婦のは瑞枝(みずえ)が反応する。

「あ、わたしも、そんな感じだったわ」
30代中盤の瑞枝の言葉に、
他の参加者たちが、瑞枝の方を見るー

「子供…いたんだけど、
 子供のお昼ごはん用意しなくちゃって…
 思ってた時に、急にぶるって身体が震えてーー…
 それから、急に寒くなってきてー」

瑞枝の言葉に、夕紀は「それです!全く同じです!」と叫ぶー。

ふたりは”同じ憑依のされ方”を体験したようだ。

「--わたしは…寝てる間に憑依されたみたいで
 何にも分からないんですよね…
 目が覚めたら胸を揉んでた感じで…」
OLの栄子(えいこ)が呟くー

他の参加者たちが栄子の方を見る。

「わたしは…あの…何と言うか
 自分が何をしていたかは分かっていたんですけど
 身体が動かせないっていうか… 
 そんな感じだったんですよね」
栄子の言葉に、
主婦の瑞枝が言う。

「わたしは、もう、気づいたら滅茶苦茶って感じで…
 まったく意識なかったかなぁ…」

「--わたしもです」
夕紀も同意する。

女子大生の夕紀と、主婦の瑞枝は
”憑依されている間のことを覚えていない”
タイプのようだー。
完全に意識は心の奥底に追いやられていたー

「みんな色々あるんですねぇ」
黙って話を聞いていた男子高校生の平次郎(へいじろう)が
さわやかな笑みを浮かべたー。

「--あなたはどうだったの?」
主婦の瑞枝が尋ねる。

「---僕ですか?
 僕も皆さんと同じようなものです。
 憑依されて、身体を勝手に…って感じですね」
平次郎の言葉に、他の3人が頷くー

憑依被害者の会は進むー。
それぞれが、自分の受けた被害を話していく。

女子大生の夕紀が悲しそうに呟くー

「さっきも言いましたが、わたしは、気が付いたら
 高校生活3年間を奪われててーー……

 ふっと目が覚めたら…
 大学生になってたんです」

夕紀は震えているー。
「目覚めた時…何が起きたのかまったく分からなくて…
 怖くなってその場で泣いてしまって…

 わたしの彼氏…と、言っても乗っ取られてた間に
 勝手に付き合いだしてたみたいなんですけど、
 その人が、わたしの3年間を教えてくれてー」

夕紀の言葉に、
主婦の瑞枝が口を挟む。

「その彼氏の人が、夕紀ちゃんに憑依したんじゃないの?」
瑞枝の言葉に、夕紀は首を振ったー。

「その人は無関係みたいです。
 一緒に写ってる写真や映像も残ってたので…」

夕紀に憑依しているならーーー
魂を分裂でもさせない限り、同時に行動することは
不可能だ。

確かに、関係者である可能性はあったが、
夕紀が目覚めてからの行動的に
夕紀の”彼氏”は本当に何も知らない様子だった。

「--…今は…普通に大学生として
 暮らせていますけど…
 でも……わたしの高校生活は…
 二度と戻ってこないから…」

夕紀が悔しそうに涙する。

高校時代は、うるさい感じで
女子高生ライフをエンジョイしていたのだという。
家に残されていた卒業アルバムには、
JKをエンジョイしている自分の姿があったー。

当然、夕紀にその間の記憶はないー

2年前ー
憑依から解放された時の辛さを思い出しながら
夕紀は語り終える。

「---……わたしは…」
主婦の瑞枝が口を開くー

「--わたしが見たのは、地獄…ね」

他の3人が、瑞枝の方を見る。

「地獄ー」
夕紀が呟くと、瑞枝がうなずくー

「さっきお話したけど、わたしも夕紀ちゃんと同じ…
 急に悪寒がして、意識を失って
 それっきり。
 乗っ取られていた間の記憶は、何にもないの。
 もちろん、意識もね。

 気づいたらー
 5年経ってた」

瑞枝が悲しそうに言う。

「5年ー…」
自分よりも長い年月乗っ取られ続けた瑞枝のことを
思いながら夕紀は呟くー

OLの栄子は、瑞枝の方を見ながら
”そういえば、この人、どこかで見たことあるような…”と
首を傾げるー
だが、それが誰なのかは思い出せないー。

「ーーー気づいたとき、
 どうなってたと思う?」
瑞枝の言葉に、
男子高校生の平次郎が首を傾げる。

「--夫とは離婚してて、
 親権も無くなってて、
 親とは絶縁されてて
 友達はみんな、私の側からいなくなってた。

 何もかも。
 ぜーんぶ、無くなってたの」
自虐的に笑う瑞枝。

夕紀とは違うー
夕紀は、3年間を奪われたが
夕紀を乗っ取った人間は、
”あくまでも普通の生活”を送っていただけー

女子高生ライフをエンジョイしていただけで
夕紀の人生が壊れるようなことは、
されていない。

人生を奪われたが、
壊れはしなかったー

しかし、瑞枝は違う。

瑞枝はー
全てを滅茶苦茶にされたー

乗っ取られた瑞枝は、
男遊びを繰り返し、
浮気して、夫と離婚ー
子供に虐待を繰り返して、
ついに親権も失い、
あまりの欲望に満ちた生活に
友達も離れて行ったー

瑞枝の貯金は全て勝手に使われて、
エッチな服やおもちゃばかりを購入し、
乗っ取られた瑞枝は毎日のように
エッチを繰り返したー。

やがて、瑞枝の身体が30代になり、
憑依していた男が瑞枝に飽きたのか
そのまま瑞枝は解放されたー

「わたしはね…
 意識を取り戻したとき、”自殺”も考えたわ」
瑞枝は呟くー

あまりの絶望に、そのまま衝動的に
自殺することまで考えたー

「---」
他の3人が沈黙する。

「でもーー…
 ”憑依”なんてことは許せないー
 わたしと同じ風になる人を少しでも
 減らすために、わたしは戦うことにしたの」

”主婦”だった瑞枝は、もう主婦ではない。
今は、憑依の情報を集める団体を作り、
活動しているー
憑依被害者の会の運営にも、
瑞枝の団体は関わっていたー

解放されたのは数年前だが、
その時のことは、今でも忘れていないー

「--前向きですね」
OLの栄子が悲しそうにほほ笑むー。

栄子は、他の参加者とは違い
”意識を残されたまま”身体を
使われたー

「わたしは皆さんとは少し違って…
 自分の意識はあったんです。
 わたしが何をさせられているのか。
 今、どこにいるのかー
 そういうことは、分かる状態でした…」

栄子はそう言うと、自分の憑依されたときの
ことを語りだす。
栄子は、寝ている間に憑依された。
だから、憑依されている瞬間のことは分からないー

そしてー

「自分が、何をしているかは
 分かってたんです…
 でも、自分で身体を動かすことができないー…

 口から喋りたくもない言葉が出てきて
 したくもないことを身体が勝手にしてーーー…
 それで…」

栄子は辛そうにしながら言う。

「自分の目で、勝手に動かされている自分を
 まるで映画のように見ている…
 そんな感じでしたー…

 視線の方向も乗っ取られているのでー
 目を逸らすこともできない…」

栄子はそこまで言うと、辛そうに
泣き出してしまったー

どうやら、OL時代に乗っ取られて
今は無職のようだー。
意識は残されたまま乗っ取られ続けて
AVの撮影やメイドカフェ、
夜の仕事など、さまざまな仕事を
させられた挙句、栄子は、解放されたー
2年間ー
他の二人よりは短い期間だが、
乗っ取られ続けていたー。

「--…最後は…急に”ご苦労様”って言われて…
 それで、急に身体を動かせるようになったんです…」
栄子が呟くー。

「---どうして、解放されたのかしら?」
元主婦の瑞枝が呟くー

解放された理由が、わからないー。

だが、
憑依する側の人間にとって、
乗っ取るのも、乗っ取るのをやめるのも
深い意味はないのかもしれないー。

「---」
男子高校生の平次郎が呟くー

「僕はー…」
平次郎は目を瞑って語りだしたー。

「小学生…そう、2年生のときに、あるものを拾ったんですー

 紫色の液体でした。
 それを飲んだら、どうなったと思います?

 僕は…なんと、幽霊みたくなることができちゃったんです!」

平次郎が狂気的な笑みを浮かべるー

女子大生の夕紀ー
主婦の瑞枝ー
OLの栄子が驚くー

「--ふふふふふ…
 幽体離脱なんて信じられますかぁ?
 でも、現実なんですよぉ」

平次郎の言葉に、
瑞枝が表情を歪めながら言うー

「あ、、、あなた…憑依被害者…よね?」
とー。

「ええ!憑依被害者ですよ」
平次郎は真顔で答えたー

”この話には続きがあるんです”

とー。

平次郎が続きを語り始めるー。

幽体離脱の力を手に入れた平次郎はー
手始めにーーー

近所の”主婦”に憑依したー

「最初は、瑞枝さんーー
 あなたです」
平次郎が笑うー

「なんとなく、近所の綺麗なお姉さんに憑依したんですけど、
 あなたに憑依したときに、
 ”大人の記憶”が僕に流れ込んできたー」
平次郎が笑うー

それから5年間ー
瑞枝に憑依し続けてー
好き放題した挙句ー
平次郎は瑞枝の身体から抜け出したー

「そして次は、夕紀さん、あなたですー」
平次郎が笑うー

瑞枝の時とは違い、
ただ単に”普通の女子高生”として
生活をしたー

せっかく何度も憑依するなら
”前と違う憑依”を楽しみたいー
そう思ったからだー

そして、高校卒業のタイミングで
平次郎は夕紀の身体から抜け出したー

「そしてー最後は、栄子さん。あなたです」
平次郎が笑うー

瑞枝、夕紀とは違うシチューー
今度はあえて”栄子の意識”を残したまま憑依したー

その結果、これまでとは違う憑依を楽しむことができたー

「僕はねーーー」
平次郎が笑うー

新聞の記事を見せながらー

そこにはーーー
平次郎が、10年前に行方不明になったことが書かれていたー

霊体になって他人の身体に憑依し続けていた
平次郎は”失踪”扱いで、処理されていたー

「-”憑依”被害者ですよー
 憑依の魅力に取りつかれてーーー
 憑依ナシでは生きられなくなってしまったー

 被害者ですよねぇぇぇぇ!」

平次郎が笑うー

唖然とする3人ー

夕紀・瑞枝・栄子が声をあげるー

「あんたがわたしを…!」
3人とも怒りの形相を浮かべているー

しかしー

「次は、ねー」
平次郎がニヤリと笑うー

「---新しいことを試してみようと思うんだ!」
平次郎が笑みを浮かべたー

悪魔のような笑みー
平次郎が煙のようになって消えていくー

憑依薬の力で、霊体になったー

「ーーひっ!たすけて!」
夕紀が逃げ出そうとするー

もう、失われた高校生活3年間のようなことには
なりたくないー

「--あんたが…わたしたちに!!
 絶対に許さない!」
OLの栄子が叫ぶー

「--何をするつもりなの!」
主婦だった瑞枝が叫ぶー

霊魂のような光が、3つに分離したー

”今度は、君たち3人全員に憑依するんだ!”
平次郎が叫んだー

「やめてぇぇええええ!あっ…」
泣きながら夕紀がビクンと震えるー

「--ひっ…あ…!」
激しくぶるんと震えて、OLの栄子が倒れるー

「うっ!」
瑞枝が首のあたりを苦しそうに抑えるー

そしてー
3人は”同じ笑み”を浮かべたー

「複数人に同時に憑依やってみたかったんだぁ~」
夕紀と栄子と瑞枝が同じ表情を浮かべて
同じ言葉を口にするー

「おっとっと、3人同時は難しいなぁ」
夕紀と瑞枝が同じ言葉を口にするー

夕紀にしゃべらせようとしているのだが
上手くいかないー

「まぁ、いいさ」
3人は同時に呟くと笑みを浮かべたー

「ま・ず・は、同じ憑依被害者同士、、
 お互いの身体を確かめあいましょうねぇ~♡ ふふふふふ」
夕紀・瑞枝・栄子が服を引きちぎるようにして
脱ぎ始めると、
3人は抱き合ってキスをしたり、身体を触ったりし始めて
やがて、憑依被害者の会の3人が集まった家では、
喘ぎ声が響き始めていたー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

憑依被害者の集まりを描いたお話でした~!
また憑依されちゃったみたいですネ!

お読み下さりありがとうございました!!

小説
憑依空間NEO

コメント

  1. 匿名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    平次郎の自分も憑依被害者だという台詞は一見、戯言のようで正論かもしれませんね。確かに憑依能力を手に入れたせいでまともな人生が過ごせなくなってますから。

    ところでこの話って入れ替わり版でもやれそうだと思いません?

    入れ替わり薬か能力で人生を奪われた入れ替わり被害者の会…!

    それはそれでこの作品とは別の面白さが出そうです。

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    コメントありがとうございます~!

    確かに憑依(する側ですが)によって人生を
    狂わされているのは事実かもですネ~!

    入れ替わりや皮、女体化、洗脳…
    色々なジャンルに応用できそうデス…!

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