<憑依>勇者さまご乱心③~暗黒~(完)

憑依薬の力に溺れた勇者ー。

終わらない魔王軍との戦いー。

世界は、暗黒の時代へと向かっていくー。

--------------------–

「--あっ♡ あぁっ♡ あぅぅぅぅ…♡」

勇者・クロウの幼馴染、エレンが
部屋でいつも武器として使っている弓を使いながら
大きな声で喘いでいるー

気の強いエレンも、憑依の力をもってすれば
この通りだー。
エレンはゾクゾクしながら
「あぁぁぁ…クロウさまぁぁぁ♡」と叫ぶー。

憑依しているのはクロウだ。

だが、そう叫ばせることによって
エレンを屈服させたような気がして、
ゾクゾクしていたー

「はぁ…♡ あぁぁ…♡ ……」
エレンは、身体を震わせながら幸せそうな表情を浮かべているー。

今日はエレン、昨日はイリーナ、おとといはエレン…
楽しみ放題の日々を送るクロウ。

いいや、それだけじゃないー
最近は、王宮の侍女に憑依したり、
町娘に憑依したりして、
お楽しみを続けているー。

だがー
クロウは、少しだけ不安に思っていたー

それはー
”憑依薬”の残量が減ってきていることだ。

憑依薬なんて、街には売られていない。
あの時、森の調査に訪れた時に
偶然発見しただけだー。
もし、もしも憑依薬が尽きたら
エレンの身体でもイリーナの身体でも
遊ぶことができなくなるー。

「---ま…」
クロウは呟く。

最後の一滴を使うときはー
”次に憑依薬を手に入れるまで、その身体を乗っ取ればいい”
とー。

エレンか、イリーナか。
どっちの身体を完全に乗っ取れば
いいんだー。
クロウであることをやめて、エレンかイリーナになるー

そして、次の憑依薬を見つけたら、また、遊ぶ。

「ごくろうさま」
エレンの身体でそう呟くと、
疲れ切ったエレンの身体から抜け出す。

エレンは「うぁ…」とうめいて、その場に倒れ込んだー。

「---ふ~」
自分の身体に戻るクロウ。

昼間は、勇者として魔王軍との戦いに赴き、
今でも王宮に客として世話になっているー

王宮騎士団の被害も大きく、
セレス姫にとっても、クロウたちの存在は大きなものなのだろうー

・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

「今日の活躍もお見事でした」
セレス姫が頭を下げる。

「いえ、王国のためですから」
クロウが好青年的な笑みを浮かべる。

何も知らないエレンとイリーナも、
姫に向かって笑みを浮かべる。

「--…」
クロウは、セレス姫のほうを見るー

そうだー
次はーーー姫様に…

妄想しただけで、
身体は震えてくるー
エレンとイリーナも十分可愛いが、
セレス姫を乗っ取るとなると、
さらに話は変わってくるー。

高貴なお姫様が
あんなことやこんなことをして、
乱れる姿を想像するだけで
興奮して叫んでしまいそうになる。

「--どうかしましたか…?」
セレス姫が不思議そうにクロウのほうを見る。

「--あ、いえ」
クロウが我に返って、首を振るー。

姫に憑依しようとしている、なんて
ばれてしまったら、大変だー。

姫との謁見を終えて、
自分たちの部屋に戻るクロウたち。

「最近、なんだか、朝起きても疲れてることが多いのよね~」
幼馴染のエレンが言う。

「え…!?あぁ…疲れてるんじゃないかな」
伝説の剣を携えたクロウがそう呟く。

「--う~ん…ならいいんだけど~」
エレンがあまり納得していない様子で呟く。

「--わたしも…なんだか最近よく眠れてない気がするんですよね…」
巫女見習いのイリーナも眠そうに言う。

「---」
クロウは返事をせずに、自分の部屋に向かうー

”お前たちはーー俺のおもちゃだ”
そんな考えが心の中によぎったー

すぐにクロウは自分の中でその考えを打ち消すー。
仲間のことをおもちゃと思ってしまうなんて…

「--おやすみ」
クロウは笑みを浮かべて自分の部屋に
入っていくー

「---」
残り少なくなった憑依薬を見つめるクロウ。

もっと、もっともっと、
憑依の快感を、快楽を楽しみたいー。
そんな風に思いながら、クロウは今日は、
どんな風に楽しもうかと、考えるのだったー。

それからもー
憑依薬三昧の日々は続くー。
エレンに憑依して、ファッションショーをしたり、
イリーナに憑依して、王宮の兵士を誘惑して
回復魔法エッチをしたりー。
その王宮の兵士をしっかりと処分したりー。

そしてーーー…

憑依薬が最後の一滴になった。

最初はー
魔王フォーティスとの戦いに役立てば、と
憑依薬を使い始めたクロウ。
しかし、今やその使命を完全に忘れていたー

「ふふふふ…最後の一滴は…
 姫に使うーー」
クロウが呟くー

俺が姫になるんだー
俺が、セレス姫だ…

セレス姫になって、
ドレス姿のまま乱れるのを想像するー
喘ぐセレス姫を想像するー
姫の立場を利用してエレンやイリーナを呼びつけて
色々なことをするのもいいー。

「---……」
憑依薬を使って、魔王フォーティスに憑依して
魔王フォーティスを自害させるー
そうすれば、魔物との戦いは終わるかもしれないー

けれど、それでも、
勇者はもうーー
憑依の虜だったー。

「---…ゴクリ」
最後の憑依薬を飲み干すクロウー

そして、クロウは、セレス姫のもとに向かったー。

・・・・・・・・・・・・

セレス姫は、
自分の部屋で、何かを書いていたー。

姫らしく高貴なー
でも、ちょっと可愛らしさもある部屋ー。

「---…姫様」
クロウは、ニヤニヤしながら笑うー

「--失礼します!」
クロウの声はセレス姫には聞こえていないー

そしてー

バシュ!!

「-ー!?」
クロウは表情を歪めるー。

セレス姫に、入れないー?

セレス姫は、何も気づかず、そのまま日記のようなものを
書き続けているー

「な、、なんで!?」
クロウは戸惑いながら、もう一度憑依に挑戦しようとするー。

だがー
セレス姫の身体の中に入ることができないー

「どうして!?」
クロウは慌てるー

「くそっ!」
そして、セレス姫への憑依を諦めたクロウは、
巫女のイリーナに憑依するのだったー。

・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

クロウは”死んだ”
ことになってしまったー。
抜け殻の身体が発見されて、
死んだ扱いになったのだー。
心臓も止まってしまっているー。

長期間、身体から抜け出すと
そうなるのだろうー

だがー

「--ふふふ…わたしはイリーナ…」
イリーナは自分の身体を見つめながら
嬉しそうに呟くー

エレンと迷ったが
回復魔法を直接気持ちいい場所にかけることができる
イリーナを選んだー

「俺がイリーナ…んふふふふふふ♡」
ニヤニヤしながら笑うイリーナ。

「ふふっ♡ ははははっ♡ あはははははっ♡」
錫杖の持つ側の部分で気持ちいい場所を刺激しながら
さらにイリーナの声で状態異常を回復させる魔法を
唱えるー

「んはぁぁぁぁああっ♡」
イリーナの心地よい魔法が、イリーナのアソコを直接刺激する。

「ふぇぇぇぇ…♡ いいよぉ…♡ イリーナぁ…♡」
ニヤニヤしながら、乱れた格好で顔を赤らめるイリーナ。

少しして、身なりを整えると、
彼女はクロウの遺体のところに向かう。

そしてー

「--クロウさんの……剣は、わたしが預かっておきますね…」
伝説の剣を手にするイリーナ。

エレンが「え?」と首を傾げる。
クロウしか使えないはずの剣を、イリーナは軽々と手にしてみせたー。
”選ばれたもの”にしか使えないはずの剣を。

「--くく…くくくく」
イリーナは、その日から豹変したー。

戦場では回復魔法を使わずに
巫女姿で伝説の剣をふるうようになったー

エレンは戸惑いながらも
イリーナを援護しながら戦うようになるー。

魔王軍との戦いをこなしながら、
イリーナとしてのエッチを楽しむー

そんな日々を続けるー。

魔王フォーティスの軍勢との戦いは一進一退。
王国側が、少し押したと思うと、
魔王軍が反撃をしてきて、また押し返されるー

まるで”調整”されているかのように
どっちかが圧倒的に有利になることは、ないー。

そしてーーー

「--」
セレス姫に呼び出されたイリーナは、
セレス姫の待つ謁見の間へと向かうー。

いつもは護衛の兵士がいるが、
今日は広々とした空間にセレス姫が
一人で待っていたー。

「--よく来てくれました」
セレス姫が言う。

「--今日は、どのような御用でしょうか?」
イリーナが頭を下げる。

「--そろそろ、その身体にも飽きたのではありませんか?」
セレス姫は、そう言った。

「--え」
イリーナが驚いて顔を上げる。

「--ふふ、驚かなくていいのですよ。
 勇者・クロウ」
セレス姫がイリーナに近寄りながら言う。

「--…え、、ひ、、姫様、なんのことだか」
とぼけるイリーナ。

「--隠さなくていいのですよ。
 わたしに永遠の忠誠を誓うのであればー…
 あなたに、憑依薬を差し上げましょう」

セレス姫の言葉に、
イリーナは「え!?!?」と叫ぶ。

セレス姫がほほ笑むー

「憑依薬…あれはわたしが作り出した薬です。
 わたしの魔法を液体の中に封じ込めたものー…
 それが、憑依薬の正体」
セレス姫の言葉に、
イリーナは、どう返事していいか分からず、戸惑う。

「--あの時、わたしは、部下に命じて、あなたが発見するよう、
 憑依薬を森に置いたのです。

 あなたならきっと、憑依薬の魅力に取りつかれると思ったからー。
 あならならきっと、わたしの忠実な下僕として
 働いてくれると思ったから」

セレス姫の言葉に、イリーナは「え…???」と言うのが
やっとだったー

「--どうですか?イリーナ、いえ。クロウ。
 わたしの永遠の下僕として、働いてくれますか?

 わたしに忠誠を誓うのならー
 あなたは、これからも憑依三昧することができますよ」
ほほ笑むセレス姫。

「--ちゅ、、忠誠…
 魔王との戦いは、これからももちろん続けます」
イリーナは頭を下げた。

「--魔王フォーティスを必ず倒し、
 姫様のためにー」

「--倒されちゃ、困るんだよ」
セレス姫が、豹変したー。

「--!?」
イリーナが顔を上げると、
セレス姫の目が赤く光っているー

「---ど、、どういう・・・?」
イリーナがおびえながら言うと、
セレス姫は答えたー。

「--”終わらない戦争ー”
 王国が勝っても、魔物が勝ってもいけないー。
 戦乱、恐怖、悲しみー…
 戦いが続くことによって、それらが永遠に続きー
 暗黒時代が続くー

 どちらかが潰れれば、争いは無くなるー。
 それでは、おもしろくないー」

セレス姫が邪悪な笑みを浮かべる。

「--ひ、、、姫様…?」
イリーナは、セレス姫のほうを見ながら震えるー

セレス姫の背後にー
邪悪なシルエットが浮かんでいるー

「--イリーナ…いいえ、勇者クロウ…
 わたしが…
 わたしが、魔王フォーティスです」

セレス姫は、静かにほほ笑んだー

「---!?!?!?!?!?!?」
イリーナが表情を歪めるー。

「--この姫の身体は、とうの昔に、
 我が憑依して、乗っ取っているのだ…
 くくくく…
 我はセレス姫として、
 そして魔王フォーティスとして、
 人間と魔物、両方に命令を下しー

 戦争が永遠に終わらないように
 調整しているー。」

乗っ取ったセレス姫の身体で王国に命令を下し、
特殊な通信で、魔王城に、通信で魔王フォーティスとして命令を下すー。

「……どうです?わたしに忠誠を誓いますか?」
セレス姫が悪い笑みを浮かべているー

「忠誠を使えばー
 憑依の力は、あなたのものー」

セレス姫がイリーナに近づいてくるー

「一緒に…女を楽しみつくしましょう?」
甘い声で耳打ちしてくるセレス姫。

魔王フォーティスが目の前にいるー

イリーナは、”勇者クロウ”としての使命感を思い出すー

けれどー

「----はい」
イリーナは顔を赤らめながらセレス姫に頭を下げたー

もう、使命なんてどうでもいいー
イリーナを乗っ取ったクロウは、堕ちたー。

その日からーー
魔王フォーティスとクロウは”憑依仲間”として
セレス姫、エレン、イリーナ、そして他の人間たちを
日替わりで乗っ取っては楽しんでいた-

「--あぅぅぅぅぅ…♡ うぅぅぅ…♡」
エレンの弓に、イリーナの回復魔法を使って
アソコに直接、回復魔法を撃ちだすー

「あっ♡ んああああっ♡♡♡」

回復魔法が矢のように撃ち出されて
エレンは嬉しそうに、顔を真っ赤にして震えたー

「--んへへへへへ…♡魔王様ってば~♡」
イリーナが嬉しそうに笑いながら
「今度はわたしにエッチな矢を放ってくださいぃぃぃ♡」と
顔を真っ赤にしながら呟いたー

正義感に燃えた勇者はもういないー

憑依の魅力に取りつかれて、乱心してしまった勇者は、
かつての仲間や幼馴染の身体を
弄ぶ日々を送り続けていくー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

ファンタジー世界を舞台としたお話でした~!

今までにも何回かこんな感じの世界観の作品は
書いていますが、
それらとは違う感じのお話にできたと思いますー!

お読み下さりありがとうございました!!

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憑依<勇者さまご乱心>

コメント

  1. 柊菜緒 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    すこ

    魔王と体を交換してセレス姫の身体でイリーナに攻められる話とかも見て見たかった!(血涙)

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > すこ
    >
    > 魔王と体を交換してセレス姫の身体でイリーナに攻められる話とかも見て見たかった!(血涙)

    コメントありがとうございます~!
    続編も楽しみにしていてくださいネ~