魔王を倒すために冒険中の
正義感に溢れる勇者ー
けれど、そんな勇者が憑依薬を手に入れてしまい、
欲望に飲み込まれてしまう。
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クローバー王国。
平和と自愛に満ちたその国は、
今、危機に見舞われていた。
魔王・フォーティス率いる魔王軍の襲撃ー。
2年前に始まったその侵略により
クローバー王国は疲弊していた。
もちろん、人間も必死に戦ってはいる。
けれども、魔王軍との一進一退の戦いは続き、
次第に人間は疲弊していたー。
クローバー王国の王国軍も疲弊が続き、
犠牲者も増えるばかり。
そんな中、立ち上がったのが
クローバー王国の辺境に位置する村の青年・クロウ。
彼は、村の神殿に封印されている
古の勇者が封印されたと言い伝えられていた”伝説の剣”を
引き抜くことに成功して、
勇者として立ち上がったのだったー。
クロウは、村の幼馴染・エレンと、
そして村の親友・ミサワと一緒に旅立った。
その後、数々の場所に赴き、
インテリ学者のフォグ、巫女修行中のイリーナを仲間に加えて、
魔王軍との戦いを続けていたー。
少し前に、敵の罠にはまって、ミサワが犠牲になったため、
今は4人で、冒険を続けているー。
そしてー
クロウは、クローバー王国の城下町にまで到着していたー。
辺境の村で暮らしていたクロウにとって
王国の城下町にやってくるのは初めてだった。
数々の露店が開かれ、宿屋や、道具屋、多彩な店で
賑わっているー。
「-へぇ…やっぱすごいな~」
クロウが言うと、
「クロウは、ここに来るのははじめてですか?」と学者のフォグが尋ねる。
「あぁ!俺はずっと、村の暮らしだったからな」
クロウの言葉に、
「わたしも~!」
と、クロウの幼馴染であるエレンが言う。
「--わたしは小さいころにお父様と一緒に一度だけ来たことがあります」
巫女服のイリーナが言う。
「--ふ~ん」
エレンが、イリーナのほうを見る。
クロウが好きなエレンは、同じ女であるイリーナのことを
一方的にライバル視している。
「ははは…あ、城はあっちですよ」
学者のフォグが言う。
城下町に立ち寄ったクロウ一行は、勇者として
城に呼ばれていた。
城に入るクロウ。
城では、女王・セレス姫が、
待っていたー
とても穏やかそうで、
気品に溢れていて、思った以上に若く、
可愛らしい女性がそこには立っていたー。
いかにも姫、というような格好をしている
セレス姫が、勇者たちに感謝の言葉を述べる。
クロウは、”こんなきれいな人、見たことがない”と
顔を少し赤らめながら、
それを悟られないように、セレス姫からの
感謝の言葉を受け取る。
「---それで…一つお願いがあるのですが…」
セレス姫が申し訳なさそうに言う。
「お願い…ですか?」
クロウが言うと、セレス姫は頷く。
城下町の北側に存在する”ダーク・フォレスト”と呼ばれる
魔の森から、魔物が城下町周辺に現れるようになり、
その対処に困っているのだと。
「--…王国軍でなんとかできないのですか?」
学者のフォグが聞くと
セレス姫は首を振った。
「ザンネンながら…王国軍のほとんどはこの城下町の警備と
魔王軍本隊との戦いで、手が回らない状態です」
セレス姫の言葉に、クロウは少し考えたあとに頷いた。
「俺たちに、任せてください」
とー。
「--感謝いたします」
セレス姫が深々と頭を下げた。
「--あ、いえいえ!そんな、頭を下げないでください!」
クロウが、姫が頭を下げたことに慌てるー
姫と言うと、もっと偉そうなイメージがあったのだが、
セレス姫はとても物腰の低い姫だった。
「-ーーーあなたたちに、女神の導きがありますようにー」
セレス姫は、クローバー王国の神話となっている女神の名前を出して
クロウたちの無事を祈ったー
・・・・・・・・・・・・・
「--出発は明日!」
クロウが宿屋でくつろぎながら言う。
「--ねーねー、クロウ」
幼馴染のエレンがクロウに寄りながら言う。
「--さっき、セレス姫見て、顔、赤くなってなかった?」
エレンの鋭い指摘にクロウは
「え!?!?いやぁ、あははははは」と笑いながら誤魔化す。
「こら~~!この下心!」
エレンがクロウのお腹のあたりを軽くパンチする。
「まったく~!エレンは乱暴だなぁ~!
そんなんじゃ、姫になんかなれないぞ~!」
エレンをからかうクロウ。
「なんだって~!この~!」
男勝りなエレンがクロウを羽交い絞めにしている。
「ふふふ…あの二人、本当に仲良しですね」
巫女見習いのイリーナが笑う。
回復魔法などを使うことができて、
仲間たちにとっては大切な存在だ。
「--ですねぇ」
学者のフォグが言う。
クロウたちの知識の源でもあり、
戦闘では攻撃魔法を使って活躍する。
勇者一行は、まだ知らない。
翌日の”ダークフォレスト”の調査で
勇者であるクロウが”アレ”を手にしてしまうことを。
・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
勇者一行が、ダークフォレストの調査に向かう。
王国第9騎士団長・ユーリスと、
その部下たちも調査に同行してくれたー。
「---……伝説の剣を抜けたからって
思いあがるなよ」
騎士団長・ユーリスが言う。
「--…思いあがってなんか…」
クロウが、森を歩きながら言うと、
ユーリスは馬上からクロウに槍を向ける。
「--田舎の村の出のたかが若者が、
姫と謁見できるなんて、普通はあり得ないことだ。
俺は、お前のようなヘラヘラしたやつを、認めんからな」
そう言うと、騎士団長ユーリスは、
先に進んでいく。
「--はぁ」
クロウはため息をつく。
こういう、嫉妬みたいなやり取りは面倒くさい。
協力して、魔王フォーティスを倒すことは
できないのだろうか。
人間同士で争っている場合じゃないというのに。
「気にしないことですよ」
学者・フォグが言う。
「王国騎士団は出世争いの場でもありますし、
第9騎士団となれば、まぁ…いわば
そんなに上位ではありません。
彼も必死なのでしょう」
フォグの言葉に、クロウは頷いた。
森を進んでいく一行。
魔物たちが出現する。
ゴブリン、スライム、ゾンビー。
よく見かける雑魚たちだ。
クロウが伝説の剣で魔物たちを切り倒すー
エレンが、弓を使って魔物を倒す。
イリーナが回復魔法で援護し、
フォグが攻撃魔法でゴブリンを吹き飛ばすー
第9騎士団のユーリスたちも軽々と
魔物を倒していくー
あっという間に、魔物は全滅したー。
「--…ここには、第11騎士団と第7騎士団が
既に送り込まれているが、
どちらも帰ってくることはなかった…。
こんな雑魚どもにやられるやつらではない…
きっと、この奥にもっと恐ろしいやつが潜んでるはずだ」
騎士団長のユーリスが呟く。
「--どんな奴が出てきたって俺たちが倒す」
クロウはそう言いながら臆することなく、
奥に進んでいくー
魔物が現れるー
それを撃破して、さらに奥に進むー。
次第に霧が深くなってくるー。
「--む」
騎士団長ユーリスが、警戒を呼び掛ける。
しかし、さらに霧が深くなり、
霧に乗じて出現する魔物の攻撃により、
メンバーはバラバラとなったー。
「--くっそ~!みんなとはぐれちまったぜ」
クロウが森の中をさまよっていたその時だったー
「--!」
クロウが大きな宝箱を見つめる。
「お!宝箱はっけ~ん!」
宝箱には武器やアイテム、お金が入っている。
冒険者であるクロウにとっては、
とても大事な存在だ。
「どれどれ?」
クロウが宝箱を開けるー
その中にはー
「--憑依薬…?」
クロウは首を傾げた。
そんな薬、聞いたことがない。
クロウは、添付の文章でアイテムの効果を確認する。
”他人の身体を乗っ取ることができる薬”
「へぇぇ…こんなものあるんだ」
クロウは、特に深く考えずに、憑依薬を手に、
その場を後にしたー。
しばらく森を進むと、
霧が晴れてきたー。
その奥には
魔王軍の将軍・ダガンが待ち構えていたー
魔物の中でも上位に位置する危険な魔物だー
エレンとフォグ、イリーナが既に戦闘中ー。
クロウがそこに駆け付けて援護を始めるー。
「愚かな…」
魔王軍の将軍・ダガンの実力は
圧倒的なものだったー。
先に派遣された騎士団も、こいつに
やられたのだろう。
「---なるほど。最近、森に魔物が増えたのは
貴様の仕業か」
第9騎士団長のユーリスも駆けつける。
馬を走らせて、ダガンのほうに向かう騎士団長ユーリス。
「--お前の首を手柄にしてやる!」
ユーリスがダガンに槍をふるうー
しかしー
「がっ!?!?」
ダガンの居合切りを喰らい、馬ごと一刀両断されたユーリスが倒れる。
「わわわわ…!」
第9騎士団の騎士たちが、団長の死に驚き、そして撤退していくー。
クロウは、騎士団長がやられたことにも
臆せず、仲間たちと立ち向かっていくー。
そして、激闘の末にーー
「これで終わりだ!」
伝説の剣が光輝くー。
その剣で、魔王軍の将軍・ダガンにとどめの攻撃を加えるー。
「ぐおおおおおおおっ!」
ダガンは、そのまま煙のようになって消滅したー。
「さすがクロウ!」
幼馴染のエレンが嬉しそうに言う。
「--みんなのおかげだよ。
さ、街に戻ろう」
クロウたちが城下町に帰還する。
セレス姫に対して、
森に魔物が増えていた理由は魔王軍の将軍・ダガンが
潜んでいたこと、そのダガンを倒すことに成功したこと、
そして、第9騎士団長のユーリスが戦死したことを
それぞれ告げた。
セレス姫は、被害が出てしまったことに心を痛めながらも
クロウたちの働きに感謝したー。
夜ー
今日は王宮の客室がそれぞれ提供されているー
しばらくの間はこの城下町にとどまり、
魔王軍との戦いを続けるつもりだが、
城下町周辺の魔王軍を駆逐したら、
次の場所に向かうつもりだ。
魔王フォーティスを倒すためにー。
「…それにしても」
クロウが、森で手に入れた”憑依薬”という
アイテムを見つめる。
”他人の身体を乗っ取ることができる”
「--本当に、、こんなこと、できるのかなぁ…」
クロウが呟くー。
「---」
いやいや、だめだ!と思いながら
クロウはベットに寝ころぶ。
一瞬、エレンやイリーナの身体で
これを試してみたい、などと思ってしまったが
クロウはすぐに自制した。
「---…でも」
クロウはまた起き上がる。
「--敵に使うにしても、一度効果を
試しておいたほうがいいのは事実だな」
もし、相手の身体を乗っ取ることができるのであれば、
敵の魔物の身体や魔王軍の将軍の身体を乗っ取って
そのまま自滅してしまうこともできるだろう。
戦いが、非常に有利になる。
だがーしかし…
実際に一度使ってみないとリスクが高い。
”相手の身体に憑依している間、自分の身体はどうなるのか”
”そもそも自分の身体に戻ることはできるのか”
”乗っ取られた相手はどうなるのか”
”乗っ取った身体が死んだらどうなるのか”
「--……戦いのためだ」
クロウは自分にそう言い聞かせて、
憑依薬を試してみることにするー。
「う~ん」
本当はエレンに憑依したい気もしたが
幼馴染だし、もしばれたらすごく怒られそうだ。
と、なれば学者のフォグか、巫女のイリーナだ。
「---…イリーナにしよっと」
クロウは、少しだけ下心が出て、
同じ男のフォグではなく、イリーナを憑依対象に選んだー
そして、憑依薬を飲んでみるー
その直後、激しいふらふらを感じてー
気付いた時には、自分は幽霊のようになっていた。
”すごい…この力があれば魔物との戦いは有利になる”
クロウはさっそく、イリーナの部屋に向かう。
巫女服姿のイリーナは、
装備の掃除をしていたー。
”ごめんね”
クロウは内心でそう呟くと、
そのままイリーナの身体に突進した
「あぅっ!?」
イリーナが声をあげて、
掃除中だった装備を落とすー。
「あ…」
イリーナが近くの鏡を見るー
そこには、巫女服姿の自分がー。
「あ…え…ほ、、本当に…」
自分の口から出ているのはイリーナの穏やかな声。
「本当に……人の身体を…
す、、、すげぇ…!」
イリーナはニヤニヤしながら、
普段は浮かべないような笑みを浮かべたー。
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
憑依の部分にたどり着くまでに
時間がかかってしまいました!(汗
明日からタイトルの通り、ご乱心していきます!

コメント
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イリーナの装備でオナニーしたりするのかな
とか妄想しながら2話目待ってます!
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> イリーナの装備でオナニーしたりするのかな
> とか妄想しながら2話目待ってます!
コメントありがとうございます~☆!
2話目は憑依三昧ですネ~