いじめられっ子の弟に
錬金術で生み出した憑依能力を授けた
引きこもりの兄。
彼は弟の復讐の結末を見届けると
錬金術で、”魔界”へと旅立った…!
※過去作品「いじめられっ子の暴走」の番外編です。
本編は”憑依”でしたが、こちらは”女体化”になりますので
ご注意ください~!
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「来たー」
高校でいじめを受けていた弟・信太に
憑依能力を授けて、その復讐の行方末を
見届けた兄・成太(せいた)は、
錬金術により、現世から魔界へと転生したー。
禍々しい雰囲気の
広大な場所に立つ成太ー。
錬金術の勉強を続けて、
ついに”魔界への転生”を実現したのだー
「本当に、魔界に来れたんだ…!」
成太は叫ぶー。
現世に飽きた成太は、
魔界への転生を夢見て
そして、実現させたのだ。
しかしーーーー!!!
「--なんで…」
成太は叫ぶ
「なんで巫女なんだぁぁぁああああああああああ」
広大な魔界の地で、成太は大声で叫んだー。
屈曲な戦士として転生し、
魔王と戦いを繰り広げ、
魔界を征服しようと目論み、
成太は転生したー。
だがー
転生した上に女体化してしまった。
しかもー
”守ってあげたくなるような”タイプの
弱弱しい巫女だ。
「--えいっ」
しゅぽっ…
塵のような悲しい魔法が放たれるー
「---…えいっ!」
むきになって回復魔法を唱えてみるー
ちょっと気持ちいいような感じはするが
回復してなさそうだ。
「--くっそおおおおお!」
成太はその場で膝をついた。
なんでだー?
成太の錬金術は確実に成功していたはず。
屈強な戦士の身体になって、魔界に転生するはずだったのに
このざまはいったい…?
「へへへ」
ー!?
巫女の姿をした可愛らしい成太が振り返ると、
そこには骸骨の騎士のような魔物が3体いた。
「いい女を見つけたぜ」
「ニンゲンか?」
骸骨の騎士たちが言う。
(くそ、転生予定だった戦士の身体だったら
ちゃんと戦えたのにー)
成太はそう思いながら
もっていた杖から魔法を放つ。
「くらえ!」
ぼっ…
ライター以下の貧弱な炎が出たー
「---」
骸骨の騎士たちも呆れた感じで
成太を見ている。
「あ、、え~っと…」
成太は冷や汗をかくー
可愛い女の子になるのは
別にいいのだがーー
弱すぎるー
「ひええええええええええええ!」
成太は猛ダッシュで走り出した。
だがー
巫女服は思いのほか、走りにくいー
しかも
「はぁ…はぁ…」
(くそー!この身体体力もない!)
巫女姿の成太が慌てて
走っていくー
なんとか、なんとか、逃げないとー
けれどー
岩に躓いて転んでしまう成太。
「ひっ…」
弱弱しい顔で振り返る成太。
骸骨騎士3人組が、笑みを浮かべながら
近づいてくるー
「た、、た、たすけ…」
「へへ、いい女だぜ。持ち帰って魔王様に献上するか」
骸骨騎士の一人が言う。
「ひ…や、、やめ…」
成太がなんとか隙をついて逃げようとしたその時だったー
突如、激しい風圧に襲われるー
そしてー
骸骨騎士3人があっという間に
灰のようになって消滅した。
「---!」
成太が驚くと、
そこにはーRPGゲームの主人公のような
イケメン剣士がいた。
「大丈夫かー?」
「-----------!!!!」
成太の脳裏に電撃が走ったー
どきぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!
「---あ、、、はい…」
成太は目に♡を浮かべながら
顔を赤らめたー
成太は
自分を助けに来てくれた
イケメン剣士に恋をしてしまったー
「---きみの名は?」
イケメン剣士が言う。
「--あ、えっと」
(いや、成太はさすがにまずいよな)
「--え~っと」
必死に適当な名前を浮かべようとする成太。
「あ、、え、セリカです」
とっさに口から出てきた名前ー。
「セリカか…
俺はジェイクだ。よろしくな」
イケメン剣士がそう言って
手を差し出した。
「は、、はいっ!」
成太は顔を赤らめながら
その剣士の手を握ったー
やべぇー
あんなイケメンが
助けてくれるなんてー。
これはこれでいいかも…?
成太はそんな風に思い始めていた。
本当は屈強な戦士に転生して
魔王に戦いを挑み、
魔界を征服するつもりだったのだが
何らかの手違いで転生の際に
女体化して巫女になってしまったー
正直、予想外だったがー…
まぁ、これはこれでいい…
「俺たちのアジトに案内するよ」
イケメン剣士・ジェイクが言った。
「俺たち?」
成太が不思議そうに言うと、
ジェイクは答えた。
「あぁ、魔王と戦うために
仲間を集めてるんだ。」
ジェイクの言葉に、
成太は「そうなんですね!」と笑みを浮かべた。
今の自分は巫女だー。
おしとやかにふるまわなければー。
・・・・・・・・・・・・・・
ジェイクがアジトにしている酒場にたどり着いた
ジェイクと成太。
(ふ~、巫女服ってなんとも言えない歩きにくさだな)
成太が苦笑いしながら酒場の中に足を踏み入れる。
「おお!?なんかかわいい子連れてる?」
「どうしたんだよ!ジェイク!」
仲間たちと思われる戦士たちが
イケメン剣士・ジェイクのほうを見ながら声をあげた。
「途中で、魔物たちに襲われていたんだ」
ジェイクはそう言いながら席に座ると
酒を手にして飲み始めた。
「---あ、はじめましてせいた…」
ーーーー
成太は”しまった”と顔を赤らめる。
この姿で”成太”は無理がある。
さっき”セリカ”と適当に名乗ったばかり
だったのに、もう違う名前を口にしてしまった。
「-は、、、はじめましてせいた!」
変なポーズを取りながら成太が言うー
「----…」
ジェイクや仲間たちが唖然としているー
「--わ、、わたしの国の、挨拶です。
あ、名前はセリカと言います」
成太はとっさに
”はじめまして、成太です”と言おうとしてしまったのを
”はじめましてせいた!”という挨拶がある、という
設定にきりかえた。
「あ~…挨拶ね」
ジェイクの仲間が言う。
「そんな挨拶あるんだな~!
どこの国の出だ?」
屈強な男が言う。
「---え、、え~っと…、、に、日本」
成太が言うと、
屈強な男が笑った
「聞いたことない名前だな~!わはははは!」
ジェイクも酒を飲みながら苦笑いしているー
「で、、ですよねぇ~!」
成太は苦笑いしながらそう答えたー。
魔界が本当に存在するなんてー。
こうして、転生できるなんてー。
信太の兄、成太は巫女の姿のまま
驚きを隠せなかった。
だがー
成太は”生ぬるい世の中”に
興味はなかったー
だから引きこもりになって
錬金術の研究を行っていたー
一応、”血のつながった弟”のことは
助けたし、兄としての務めは果たしたつもりだ。
あとは、この、自分にとっての理想の世界ー
この”魔界”で生き抜いていくー
だがー
「こんな身体なんて…」
酒場の鏡を見つめながらふるふると震える成太。
「この身体じゃ…戦いに生きられない!」
成太は悔しそうに呟いたー
本当だったら
魔王と死闘を行ってー
魔界を支配するつもりだったのにー。
「--で、セリカちゃんは
どうしてこの辺りに…?」
屈強な男が尋ねてくる。
「え、、あ、いえ、魔物に襲われて必死に
逃げていたら
気づいたらって感じです」
成太が必死に答えるー
「そっか~」
屈強な男が笑う。
イケメン剣士のジェイクを始め、
その仲間たちはとても
人当たりがよさそうな人たちばかりだ。
”とりあえずこの人たちと一緒に行動しよう”
成太はそう思ったー
巫女の身体で、
しかも魔力がない状態では
さっきのような、おそらく低級の魔物にも
勝つことができないし、
最悪の場合は命を落とす。
そんな風になってしまわないためにも
注意しなくてはいけないー
「これから、セリカはどうする?」
ジェイクが尋ねてくる。
「え、、、あ、、あの…良ければわたしも一緒に
魔王と戦わせてください」
成太がそう言いながら頭を下げると
ジェイクたちはほほ笑んだー。
だがー
ほほ笑んでいるだけではなく
”ニヤニヤしているように”も見えたー
楽しく雑談をしながら
酒場で宴会のようなことを続けるー
成太もすっかりとジェイクやその仲間たちと
打ち解けてー、
時間も遅くなったころには、
ジェイクが”空いている部屋があるから”と
部屋に案内してくれたー
「---ふ~」
成太は、ふかふかのベットに寝ころびながら
天井を見つめるー
髪が自分の首筋に触れるー
「んん…違和感があるなぁ…」
成太は呟く。
今後はどうするべきだろうか。
あのイケメン剣士に助けられたとき、
不覚にもドキッとしてしまったし、
今もイケメン剣士・ジェイクと喋っていると
ドキドキするー
命を助けられると
人間はこんなにも簡単に
恋に落ちてしまうものなのだろうかー。
…でも、この身体じゃー
魔物と一人で戦うことはできない。
弱弱しい巫女に転生してしまうなんてー。
せめて屈強な戦士にでもなれれば
魔王と戦って、魔界を征服して
スリリングな毎日を送ることができたのにー
「---くそっ…
どこで失敗したんだー」
成太は可愛らしい声でぶつぶつと呟くー
自分の転生術は、完璧だったはずー。
魔界に屈強な戦士として転生して
魔王と戦って…
それで…
”へへへ…上玉持ってきてくれてありがとうなぁ”
”ふふふ…だますのは簡単だったぜ”
部屋の外から小さな声がするー
「--!?」
成太が警戒モードに入る。
”俺たち…ただの盗賊なのになぁ”
”くく…嘘はついていないさ、最初は魔王を倒すために
立ち上がったんだ。”
ジェイクの声もするー
「-(ま、、まさか…)」
成太は部屋の窓の方を見つめたー
ジェイクの容姿から
正義の剣士のようなイメージを
勝手に抱いていたがー
違うのかもしれない。
そんな不安に襲われた成太は
窓から逃げ出そうとする。
しかしー
「おい!どこに行く!」
部屋の扉が開いたー
「---ひっ!?」
成太は窓から逃げ出そうとするも、
ジェイクに捕まれてしまう。
「--おおっと、セリカ。聞かれてしまったか。」
ジェイクの力が強いー
いいや、違うー
”この身体の力が弱い”
成太は「くそ、放せ!」と叫ぶー
しかし、なすすべもなく巫女服を
ビリビリに破かれてしまい、
ジェイクと一緒に部屋に入ってきた
屈強な男に押さえつけられてしまう。
「--へへ!久しぶりのいい女だ!
存分にしゃぶりつくしてやるぞ!」
屈強な男が叫ぶ。
「な、、なんで…何をするんですか!」
成太が叫ぶと、ジェイクがほほ笑んだ。
「悪いな。
俺たちは確かに魔王を倒すために
立ち上がったんだが…
無理だったんだ。
魔王軍には勝てない。
現実を知った。
だからーー
略奪して生きることにしたんだ。
くくく…
俺たちを
魔王を倒すことを諦めて盗賊になったんだ…!
くくく」
ジェイクが笑いながら部屋から出ていくー
「いや!!やめろおおおお!」
成太が叫ぶー
力が、、入らないー
なんて、ひ弱な身体なんだ…!!
「あっ♡ あ、、あっ♡ やめて…♡ やめろぉ♡」
成太が必死にもがくー。
しかし、屈強な男は成太を押さえつけて、
成太の身体を弄んだ。
「んあぁっ♡」
「いい声を出すじゃねぇか、へへ」
男が笑うー。
「(くそっ…俺は、、魔王と戦って、魔王を倒して
この世界を支配…ぁ、、きもち、、、いぃ…)」
「---へへへ~!真っ赤になっちゃって~!
かわいいなぁぁ
うへへへ」
「--おい!俺も混ぜろ!」
別の男も乱入してくるー
酒場に成太の大きな喘ぎ声が響き渡るー。
「--へへへ、しばらくは酒のつまみに
退屈しないで済みそうだなぁ!ひひひひひひ!」
「んあぁぁ…♡」
成太は、あまりの気持よさに
もう何も考えられなくなってしまったー
異世界に転生して、
魔王を倒し、自分が魔王になろうと考えていた成太はー
盗賊まがいの男たちの
性欲を満たすためのおもちゃにされてしまったのだったー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
「いじめられっ子の暴走」の番外編でした~!
当時、「番外編を見たい」というコメントを
頂いていたので、今回、書いてみました!
本編とはほとんど関係ない話に
なっちゃってますが、こんな感じになりました!
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