ごく普通の女子高生に魔の手が迫るー。
突如として起きた連れ去り事件ー
しかし…
事件は意外な方向へと向かっていく!!
--------------------–
「--うん!また明日~!」
女子高生・折笠 愛海(おりがさ あいみ)は、
友達と手を振りながら、ほほ笑むー。
高校からの下校中ー
いつものように帰宅して
いつものような日常を過ごすつもりだったー。
しかしー…
”事件”は起きたー
突然、背後からやってきた謎の車ー
その車から飛び出してきた男に
何かを嗅がされ、気絶してしまう愛海。
男は、周囲に悟られることもなく、
愛海を連れ去りしてしまうのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・
「--愛海、遅いわね」
愛海の母親・和江(かずえ)が心配そうに呟く。
帰宅していた父親の昭介(しょうすけ)も心配そうにしているー。
「---……
和江と昭介が時計を見つめる。
いつもなら、愛海が帰宅している時間帯だ。
仮に何か事情があって遅れるような場合でも、
愛海は心配をかけまいと、必ず自分たちに
連絡をしてくるー。
だが、今日はその連絡すらない。
もう少し待ってみて、何の連絡もなければ、
警察に相談してみようー。
両親がそんな風に思ったタイミングだったー。
家の電話に電話がかかってくる。
「--あ、愛海かも!」
母親の和江がそう言いながら電話に出るー
しかし、電話の相手は愛海ではなかったー
”---夫はいるか?”
男の声ー。
明らかに敵意のある声だった。
顔色を悪くしながら和江が、
昭介のほうを振り返る。
和江の表情から、
昭介も”ただ事ではない気配”を感じ取りながら
電話に出るー。
”くくく…お前の娘は預かった。
お前のもっとも大切にしている娘はなー”
「---!!!」
昭介が表情を歪めるー。
”誘拐”
そして、この展開はー。
身代金の要求だろうかー。
ドラマでしか見たことがないような展開が、
現実に起きていることに震える昭介。
「---…お前は、誰だ?」
昭介が呟く。
有名企業に勤務している昭介ー。
だがーとは言え、
完全に金目当てなら、昭介を狙うのは
おかしいー
確かに、年収はそこそこあるものの、
別に”金持ち”というほどではない。
世の中にはもっと金を持っている人間は
たくさんいるし、
身代金を要求するなら、それこそ企業の社長だとか
重役だとかそういう人間を狙ったほうがいいはずだ。
一流企業の一社員でしかない昭介を狙うということはー
”無差別な犯人”か
”昭介に恨みを持つもの”のはずだー。
”くくく…余計なことは聞くんじゃねぇ。
娘を助けたければ…
そうだな…明日までに…5000万を用意しろ”
「ご、、、ごせんまん!?」
昭介が思わず声を上げるー
確かにある程度の貯金はあるが
それを全部集めて、
なんとかして集めてもー
5000万はかなり厳しいー
仮に払ったとしても娘が解放される保証はないし、
そのあとの生活は地獄になるー
”そうだ。それ以外に娘を助ける方法はない
分かっているとは思うが、このことは誰にも
いうんじゃないぞ。
誰かに言えば、娘の命はない。”
電話が切れたー
「--くそっ!」
昭介は電話を握りしめるー。
どうすればー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「…!!た、、たすけて!」
愛海は廃工場のような場所で椅子にしばられていた。
「くくくく…」
男が愛海のほうを見つめるー
「--あの男と、和江ちゃんの娘かぁ…」
男が不気味な笑みを浮かべる。
和江とは、愛海の母親の名前だ。
「--な、、、なんでこんなこと…
なんでこんなこと、するんですか!」
愛海が叫ぶと、
男は笑ったー
「俺はなー
君の母親の和江ちゃんと同じ大学に通ってた同級生だ」
男は、大学のアルバムを愛海に見せながら笑うー。
甲斐 泰治(かい やすはる)-
男は、過去の自分を指さしながら呟いたー
「俺は、和江ちゃんに告白したんだ。
でもさぁ、和江ちゃんには男がいたー
その男が、君の父親・昭介という男だ。」
泰治が怒りの表情で呟く。
「--俺のほうが和江ちゃんを幸せにしてあげられるのに!
--俺のほうが、和江ちゃんのことを想っているのにー!
あの男は!俺から!和江ちゃんを!奪った!!!!」
叫ぶ泰治。
明らかに逆恨みだー。
「---そ、そんなの、、あなたの勝手な逆恨みよ!」
愛海が叫ぶ。
その目を見て泰治が笑う。
「ひひひひ、その目…
和江ちゃんそっくりだぁ…」
ニヤニヤする泰治ー
そして抵抗できない愛海の頬をペロリと舐める。
愛海は、鳥肌が立つような気味の悪さを
感じながら必死に耐えるー。
「あれから20年ぐらいかな。
俺も和江ちゃんのこと、忘れてたんだけどよ。
2年前、偶然、和江ちゃんを見かけたんだー
スーパーで、夫と娘に囲まれて
楽しそうにしてる和江ちゃんをー
俺はそれを見て決めたんだ。
和江ちゃんを俺から奪ったアイツに
復讐するって!」
泰治が叫ぶー
愛海は「お父さんとお母さんは
あなたの脅しになって屈しない!」と叫んだー。
愛海は負けず嫌いな性格で
正義感が強く、縛られているような状態でも
泰治に対して屈することなく
泰治を気丈に睨んでいたー
「ーー…くくく」
泰治は少しだけ笑うと、
愛海の胸を両手でわしづかみにしたー
「口の利き方に気をつけろぉ!不良品!」
「や、、やめ…!あっ♡」
思わず声が出てしまう愛海。
「ひひひひひひひ!
不良品のクセして、いい声でわめきやがる」
泰治は、愛海のほうを見つめるー
「---お前の父親が
金を払おうと、払わなかろうとー
お前はここから生きては帰れない」
「--!?」
愛海が表情を歪める。
「お前は不良品だー
和江ちゃんが生むべきなのは
俺の子供だー。
お前は、あの昭介とかいう男と
和江ちゃんの間に生まれた子供ー
だから、不良品だー。
昭介とかいう男の遺伝子と
和江ちゃんの遺伝子が混じってるって
考えただけで…
うおおおおおおおお!」
一人で怒り出して壁を殴りつける泰治ー
「---(お父さん…お母さん…)」
”この男はやばい”
愛海はそう思って
祈るようにして、助けを求めたー
「---俺と和江ちゃんの子供が生まれれば
君よりもっともっと可愛い子が生まれるさぁ」
そう言いながら愛海のスカートをめくって
下着をべたべた触りだす泰治ー
「やめて!」
愛海が暴れるー
その衝撃で泰治がバランスを崩し、
愛海を縛り付けてある椅子のほうに倒れー
「あっ!?」
愛海が縛り付けられている椅子ごと、
泰治は盛大に転んでしまったー
・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
「う……」
泰治が慌てて起き上がる。
「---あ…」
愛海が椅子ごと倒れた状態のままもがく。
そしてー
叫んだ。
「な、、なんだこれ!?!?」
とー。
「---えっ!?!?」
唖然とする泰治ー
「おおおおおお!?!?!?えっ…!?!?
ちょ、、嘘だろおい!?」
叫ぶ愛海。
口調がおかしいー
どう考えても女子高生が発するような
言葉ではない。
「え…嘘…?」
泰治も唖然としているー
「お、、俺が…目の前に!?」
「わたしが…目の前に!?」
ふたりは同時に叫んだー。
そうー
ふたりは転倒したはずみで
入れ替わってしまったのだったー
「--ちょ!?くそっ!
おい!この鎖をほどけ!」
愛海(泰治)が表情を歪めながら叫ぶ。
「---う、、うそ、、
身体が入れ替わっちゃったの…?」
泰治(愛海)が
さっきとは違う、困ったような表情で呟く。
「おい!早くしろ!」
愛海(泰治)が叫ぶ。
愛海の身体は椅子に鎖で
縛り付けられている。
自分で身動きを取ることはできない。
「----!」
泰治(愛海)はその光景を見つめながら
あることを思いついたー。
「----…」
「----…」
愛海(泰治)と
泰治(愛海)がお互いを見つめる。
「---形勢逆転」
泰治(愛海)が笑みを浮かべたー。
「--ふふふふふふ」
負けず嫌いの泰治(愛海)は、
このまま両親に助けを求めるのではなくー
少し、仕返しをしようと考えたー
仕返ししたあとに、両親に助けを求めて
元に戻ればいい。
「ひっ…!や、、やめろ!」
愛海(泰治)がもがく。
”ま、、まさか、
俺が逆に人質になっちゃったのか!?”
愛海(泰治)は、もがきながら
冷や汗をかき始めていたー
泰治(愛海)はニヤニヤしながら
愛海(泰治)のほうを見るー
「ふふふ…形成逆転…ですね~!!」
怒りの表情を浮かべる泰治(愛海)-
さっきまで、自分が椅子に縛り付けられて
自由を奪われている状態だったが、
今は違うー
今は、誘拐犯のほうが椅子に
縛り付けられている状態だー
愛海(泰治)は叫ぶー
「こ、、この、、この鎖をほどけ!」
愛海の身体でもがく泰治ー
しかし、思った以上に力が出ないー
「くそっ!ひ弱な身体がぁ!」
叫びながらもがく愛海(泰治)
スカートの感覚が落ち着かないー
髪がもがくたびに自分の首筋に触れて落ち着かないー
縛られた感触が落ち着かないー
「---ひ弱でごめんなさい~!」
そう言いながら泰治になった愛海は
自分の身体のほうを見つめるー
「--…女子高生をいきなり拉致するなんて
恥ずかしくないんですか?」
泰治(愛海)が怒った表情で言う。
縛られた愛海(泰治)は
「くそっ!調子に乗るなよ!餓鬼が!」
と叫ぶー
愛海の声で
そういう言葉遣いをされると
なんだか違和感があるー。
「---…わたしの身体でそんな言葉
使わないでください」
泰治(愛海)が言う。
「--へっ!だったらこの鎖を外しやがれ!」
縛られている状態の泰治(愛海)が叫ぶー
「--いやです」
泰治(愛海)は即答した。
「--くっそ~…!
ならお前の身体で卑猥な言葉を叫びまくってやる!!」
卑猥な言葉を大声で叫び出す愛海(泰治)
愛海の身体から放たれる卑猥な言葉の数々ー
普段、絶対にそんなことを口にしない愛海の身体から、
あらゆる卑猥なワードが飛び交う。
女子高生である愛海には
理解できない言葉もたくさんあったー
泰治(愛海)は、
あきれ顔でその様子を見つめるー
「-そんなことしても、無駄ですよ」
泰治(愛海)は、冷たい目で愛海(泰治)を見つめるー。
誘拐犯の身体と入れ替わった今、
外部に助けを求めるのは、簡単だー。
元に戻る方法は分からないけれど
入れ替わったときと同じ状況を作り出せば
元に戻れる可能性は高いー。
昔、テレビドラマとかで、入れ替わるものを
父親が見ていた気がするけど、
そのときも、最初に入れ替わったときと同じようなことを
して、元に戻っていたー
もし、戻れないとしても、自分が愛海だと
証明することはいくらでもできるー
「くそが!」
愛海(泰治)はそう叫ぶと、
縛られた状態ですることのできる必死の抵抗ーーー
唾を吐きかけるという抵抗に出たー
可愛らしい愛海(泰治)が唾を人に吐き捨てるー
泰治(愛海)の足のあたりに唾が付着するー
「---……」
泰治(愛海)は、イラっとしながらも冷静に呟いた。
「--ーー仕返しするから」
とー。
誘拐犯と入れ替わって、
立場が逆転した愛海は、
誘拐犯にささやかな仕返しを始めようとしていたー
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
誘拐犯と人質の入れ替わりのお話しデス~!
明日は、仕返しの時間に…!?
今日もありがとうございましたー!
コメント
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
ワクワクですわ。
予想通りでありますように(
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
> ワクワクですわ。
> 予想通りでありますように(
コメントありがとうございます~☆!
予想通り…かもしれませんネ~笑