元・二重人格者の優香は、
二重人格を克服し、穏やかな日常を送っていた…
そんな、ある日…
※精神崩壊(https://hyouikuukan.blog.fc2.com/blog-category-169.html)の
後日談デス!
二重人格要素は既に解決してしまっていて、
ジャンル違いになるので別サイトでこっそり公開していましたが
こちらでも公開していきます!
※あくまで後日談なので、TSF要素や二重人格要素は、ほぼありません。
※本日の「わるものやっつける力②」はこの後、投稿します!
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私の中には悪魔が居たーー。
その”悪魔”は私の知らないうちに、
勝手なことばかりして、
私の大好きな誠吾を困らせて、
クラスメイトの皆に迷惑をかけてしまった。。
でもーーーーー
彼女は悪魔なんかじゃなかった。
彼女を生み出したのは私自身。
私の、過去から逃げようとしていた弱い心。
彼女は、私を守ってくれていたー。
弱い心の私をーーー。
彼女は”悪魔”なんかじゃなかったーーー。
彼女は、私に大切な事を気付かせてくれたー
最後に彼女と別れるとき、彼女は
「アイツは一生懸命、アンタの事を考えているー
アンタもアイツを悲しませたらダメだからね?」
…と、私に言っていた。
消えた彼女ーー
”もう一人居た私自身”の想いを裏切らない為にも、、
私は、、もう逃げないーーー
6月ー。
歩きなれた道ーーー
僕はいつものように、高校へと向かう道を歩いていた。
「お~い!」
背後から声がする。
すっかり聞きなれた声。
友人の三郎の声だ。
「あれ?今日は一人か?」
三郎が僕に尋ねる。
「うん。今日は手芸部の活動で朝、早いらしいから…」
僕は答えた。
僕の彼女の田内 優香さん。
なんだかんだで親しくなり、
僕と田内さんは付き合うことになった。
でも、その先には困難な道が待ち構えていた。
田内さんは二重人格者だった。
僕は”もう一人の田内さん”と何度もぶつかった。
何度も、何度も心が折れそうになった。
けれどもーー
僕は諦めなかった。
どんなカタチでも、彼女が好きだからー。
だから、あきらめずに向き合うことができたし、
結果的に二つに分離してしまっていた彼女の心を
元通りにすることができた。
「……優香を悲しませたら、
また私が出てきて、、
アンタをぶん殴るから…」
今でも思い出す。
最後に”もう一人の田内さん”と交わした言葉ーー。
「ま、上手くいってるみたいで良かった」
三郎はそう言うと、微笑んだ。
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家庭科室。
私は時計を見た。
「あ、そろそろ教室に行かないとね」
私は後輩たちにそう語りかけた。
もうすぐ登校の時間。
教室に戻らないといけない。。
「そうですね、、じゃあここまでにします」
今年、新入生として入学し、手芸部に入部してくれた
上原 真珠美(うえはら ますみ)さん。
誰にでも愛嬌が良く、成績も優秀、手芸部の活動にも
熱心な、優等生タイプの子だ。
「あ、私が片づけとくから
上原さんは先に戻ってていいよ」
私が優しく言うと、
もう一人、家庭科室に居た生徒が言う。
「いえいえ、田内先輩にだけまかせっきりじゃ
悪いですから、、
僕たちも手伝いますよ」
同じく新入生の依田 雅彦(よだ まさひこ)君。
手芸部に男子が入ってくるのは珍しいことで、
最初は驚いたけれど、
活動にも熱心だし、何より手芸が好きみたい。。
「ありがとう」
私が微笑むと、二人とも、手際よく片づけを進めて、
作業はあっという間に終わりを迎えた。
「あ、そういえば、教室行く前に職員室に
行かないといけないんでした!」
上原さんが手を叩いて言う。
「すみません、田内先輩。これで失礼しますね」
そう言うと、上原さんは慌てて走り去って行った。
「・・・」
ふと横を見ると依田君が、上原さんの走り去って行った方を
じーっと見ている。
「・・・どうしたの?依田君?」
私が不思議そうに問いかけると、
依田君が顔を赤くする
「あ、、すみません。
ちょっと、上原さんの事、いいな~~なんて、
思ってるんです」
顔を真っ赤にして依田君は言う
出会ったころの誠吾みたいだな…
私はそんな風に思いながら微笑んだ
「そう、、頑張ってね、依田君」
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教室につくと、
いつものように、賑やかな風景が広がっていた
「おはよう、優香!」
聞きなれた声で私は振り返る
住崎 誠吾(すみざき せいご)くんー。
私の大切な彼氏…。
去年は私の件で本当にたくさん迷惑をかけてしまって、
謝っても謝りきれない…。
でも、誠吾はそんな私の為に、
必死に、戦ってくれたーー。
本当に、感謝しても感謝しきれない。
どんなにもう一人の私が酷いことをしても、
誠吾は私を見捨てず、立ち向かってくれたー
あそこまで私の事を想ってくれているなんて…
本当に私は嬉しかったし、
私も改めて誠吾とずっと一緒にいたいと
思う事ができた。。
「最近 手芸部大変みたいだね?」
誠吾が私に言う。
「ううん、大丈夫。
心配してくれてありがとう」
私が微笑むと、誠吾も笑い返してくれた。
今年も、私と誠吾は図書委員をしている。
去年と同じように…。
去年は図書室でも色々あったけれど…
「…あ、そうだ 優香!」
誠吾が思い出したように言う。
「今度の土曜日、三郎の誕生日で、
三郎の家に行くんだけど、
優香もぜひ一緒にって、三郎がうるさくて…」
「土曜日?
あ、わたしも行けるよ~?」
私はそう返事をすると、
誠吾は嬉しそうに微笑んでくれたー
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翌日の放課後。
手芸部の活動をしていた私はあることに気づいた。
「依田君、今日は元気ないね?どうかしたの?」
私が問いかけると、依田君は
無理やり作り笑いをして言った
「いえ、大丈夫です」
しかし、その顔は明らかに大丈夫そうじゃなかった。
ふと依田君の手に打撲があることに気づく。
「依田君…その手…」
私が言うと、依田君は
「本当に大丈夫ですから!」と慌てて言った
「ホームルーム長引いて遅れました!」
家庭科室に上原さんが入ってきた。
「あ、依田君、遅れてごめんね」
上原さんが依田君の方に近づいていくと、
一瞬、依田君がビクッとした気がした。。
「あれ~~大丈夫?なんか元気ないよ?」
上原さんが明るく聞くと
「大丈夫だよ…」
と依田君が震える声で答えた。
…一体どうしちゃったんだろう。。。
手の打撲…
何かあったのかな…
私は自分の作業をしながら、依田君の心配をした。
ーーー私はまだ知らなかった
まさか再び”二重人格”にまつわる出来事が
私たちの周りで起きることになるとはーーー。
②へ続く
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コメント
最初にも書きましたが
あくまで後日談デス…笑
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