<憑依>深淵に向かう男②~中毒~

憑依薬の魅力を知ってしまった
男子大学生。

彼は次第に、深淵へと向かっていくー

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「最近、楽しそうだな」
友人の峰雄が言う。

「--へへ、まぁな」
正明はご機嫌そうに返事をする。

ついこの間まで、”何か楽しいことはないかなぁ”などと
言っていた正明だったが、
最近はとても楽しそうだ。

「--何か面白いことでもあったのかよ?
 やっぱ彼女関係?」
峰雄が言うと、正明は首を振った

「彼女なんかよりも、ずっと楽しいことさ」
正明は笑う。

「---くっそ~!うらやましいぜ」
峰雄はそう呟きながら、笑みを浮かべた。

・・・・・・・・・・・・・

「--あ、うん!じゃあ、また明日ね!」
彼女の芳香と雑談をしていた正明。

正明は思うー

”試さなくてはならないー”

正明には
ある夢があった。

それは、彼女の芳香に
コスプレをしてもらうことー…だ。

友人の一人に、コスプレ好きの彼女がいるやつがいて、
その友人から、彼女がコスプレ姿を見せてくれたと聞いて、
正明は心底うらやましいと思ったー。

以前、一度芳香にもお願いしたことがあるのだが
あっさり断られてしまった。

だがー
今の正明には力がある。
芳香に憑依して、コスプレ姿をーーー

「ククク…でも…」
正明は、”先に試しておかないとな”と考えるー

”憑依されている間の記憶があるのかどうか”
をー。

正明はあくまで冷静・冷めているタイプの人間だ。

この前、憑依した花林とかいう女子高生とは
何の面識もない。
あの子があのあとどうしているのかもわからない。

だからー
”憑依されていた人間に、その間の記憶があるのかどうか”
分からないー。

もし、今、2つ目の憑依薬を利用して、彼女の芳香に憑依して
コスプレを楽しんでしまってー
もし、芳香に記憶が残っていたら大変なことになる。

芳香に憑依して、正明の家に駆けこみ、そこで
芳香の身体でコスプレをしたら、
誰が憑依したのか、バレバレだろう。

だからー…
試さなくてはいけない。

憑依されている間の記憶が残るのかどうかー。

正明は帰宅すると
1000円で購入した2つ目の憑依薬を使ったー

そしてー
同じアパートに住む、一人暮らしの若いOLに憑依したー。

「---………さて…」
OLに憑依した正明はOLの身体のまま笑う。

「--憑依されている間の記憶が残っているかどうか
 試すには…」

ブツブツ呟くOL-。

もしも、憑依されている間…
今、この瞬間の記憶があるのだとしたら、
この女は正気を取り戻したあと、
騒ぎ出すはずだー。

「--なぁ、聞こえているか?」
OLは笑みを浮かべながら
一人で呟いた。

もし、乗っ取られている間の記憶があるなら
この女にもこの言葉が聞こえているはずー。

「--俺は久保田だ。」
久保田とは、同じアパートに住む
一人暮らしの男で、中年のフリーターだ。

その名前を勝手に語った。

そしてー
さらに呟く

「今から君のエッチな身体、確かめさせてもらうねぇ」
OLはニヤニヤしながらそう呟き、
胸を触ったり、鏡に向かってキスをしたり、
さらには服を脱いでやりたい放題したり、
最後には、部屋にあったバナナをペロペロ舐めながら
無理やりアソコに突っ込んで盛大にイッテやった。

「ふっふふふふ~
 これが久保田流のエッチだぁ~!」

OLは嬉しそうにそう叫んで、
「久保田参上!」と変なポーズをしながら叫んだー

もしもー
もしもこれで記憶が残っているならー
この女は、隣人の久保田を疑うはずだー。

「---へへへへ…」
OLは笑みを浮かべて、服をとりあえず着ると、
そのままアパートの外に出て、意識を失ったー

60分が経過したのだー

アパートの外に出てから
意識を失ったのには理由があるー。

それはー

「大丈夫ですか?」
外から声が聞こえてくるー

「あれ…?わたし…?」
OLが目を覚まして悲鳴を上げる。

「--わたし…どうして外に?」
パニックになるOL。

倒れていたOLを見つけた管理人も戸惑っているー

部屋の前で、ドアの掃除をしているフリをしながら
正明はその会話を盗み聞きしているー

そして、確信したー

”憑依されている間の記憶はないー”

とー。

結局、OLの女は、久保田に憑依されていた、などと
騒ぐこともなく、久保田も普通に生活しているー

憑依している最中の記憶があれば
”久保田さんに憑依された”だとか
”久保田さんに何かされた”とか騒ぐはずだ。
だが、何も言わないということはー

「よぉし!」
正明は、憑依薬のサイトを開く。

「って…2000円に上がってる」
正明は考えるー

”なんでどんどん値段が上がるんだ?”
とー。

だが、正明は、将来のために高校時代からバイトして
貯金していたお金が数百万ある。

だから、
このぐらいの金額は余裕だ。

「--到着までに2日ぐらいかかるのは不便だな…
 まとめ買いできないのか?」

正明がそう考えながら見つめると、
2個セットが5000円で売られているのに気づいた。

「--ま、憑依できるんだし、5000円ぐらい安いもんさ」
そう呟いて、正明は憑依薬を購入したー

・・・・・・・・・・・・・・・・

憑依のことばっかり考えているー

正明はそう感じた。

それも、無理もない。

人の身体を乗っ取って
自分の思い通りに遊びつくす。
なんという快感。
これまでの人生で一度も感じたことのない
喜びだー。

あの喜びを一度経験してしまったら
病みつきになるのも無理はない。

”お届け物で~す”

「来た来た」

正明は、宅配便を受け取ると笑みを浮かべた。

受け取ったのはー
憑依薬ではない。

コスプレ用の衣装…
芳香が着る服だ。

もちろん、芳香は嫌がるだろう。

だがー。

「--憑依して、芳香を乗っ取ればー
 コスプレし放題だぜ」
正明は笑みを浮かべたー

芳香はコスプレ衣装を持っていない。
当たり前だ。
だから、そのまま憑依したんじゃ、ダメだ。
あらかじめ芳香として着る服を用意する必要がある。

芳香に憑依したら、正明の家にそのまま移動して
コスプレを楽しむしか方法はない、
芳香の家にコスプレ衣装を送ったり、
置いてもらうことは不可能だし、怪しまれるー。

記憶が残らないかどうか確認しておいたから、
憑依している最中に、正明の家に来ることは問題ない。

だがー

「--60分…」
正明は頭の中で考える。
芳香の家と正明の家まで30分ある。

憑依してからすぐに移動しても30分ー。
そして、芳香が正明の家で正気を取り戻したら
怪しまれるから、憑依の時間が終わるまでに、
どこか別の場所に移動しなくてはならない。

出来れば、憑依している間に芳香の家に
戻っておきたいー。
意識が飛んでも、自分の部屋で目を覚ませば
芳香に疑われることはないだろうー

「……」
冷静に考える正明。
往復60分…。
それじゃ、楽しむ時間がない。

「---くそっ・・・」
芳香を事前に正明の家の近くに呼んでおくか?
いや、それもダメだー。
そうしたら、意識が飛んでる間のことを
怪しまれる可能性もあるー。

それに、呼んでも楽しめるのは30分が限度だろうー。

「--時間が、短いな」
正明はそう呟いた。

せめて、2時間は欲しいー。

芳香に着せるためのコスプレ衣装を
手に入れた正明は、
”問題点”に頭を悩ませるのだったー

芳香以外の女でもいいか?
見ず知らずの女でもー。

いいや、ダメだー
やっぱり、彼女のコスプレ姿に異議がある。

「--そうだ」
正明はあることを思いつくー

翌日、憑依薬2本を手に入れた正明は
思い切ってそれを2本飲み干したー

近所の中学生に憑依して、存分に
その身体を遊びつくす正明ー

そして60分が経過するー

自分の部屋で乱れ切った少女が
時計を確認するー

「---58秒…59秒…60秒…」

ちょうど1時間が経過したー

だがーーー

「よっしゃああ!」
少女は、乱れ切った格好でガッツポーズするー。

61分…
憑依薬を2本同時に飲んだことで、
その効果が倍増したのだ。

少女の身体を弄びながら
時間を定期的に確認する正明。

2本飲めばー
120分憑依できることが判明した。

これで、時間は解決だ。

芳香に憑依して、コスプレを楽しめるー。

その日の夜ー
正明は、憑依薬を4本注文した。

1万円、2万円、3万円、5万円…
全部で11万円。

だがー
あの快感には変えられないー。

正明は、そう呟きながら
憑依薬を注文したー。

値段が上がっている理由は
”予測以上の注文を頂いたため、
 原料の不足が生じている”とのことだったー。
元々、何十万円もするものを
セールで売っていたのだとか。

「貯金はたっぷりあるからなー」

正明はそう呟く。

憑依薬を2本飲めば、120分ー。
3本以上同時に飲むのは試していないから
分からないが、とりあえず1時間以上
コスプレできるなら十分だ。

「へへ、到着が楽しみだぜー」

・・・・・・・・・・・・・・・

数日後ー
憑依薬4本が到着する予定日になった。

「ふ~~~」

最近、憑依薬がない日々を物足りなく感じる。
もっともっと憑依薬が欲しい。

できれば、毎日。

毎日憑依薬で遊びたいぐらいだ。

一度、女性の身体の快感をー
いいや、あの”他人の身体を乗っ取る”快感を
覚えてしまったら
もう、忘れられない。

「---…どうしたの?」
彼女の芳香が不思議そうに言う。

「え?」
正明が返事をすると、芳香が
苦笑いした。

「さっきからなんか、一人でニヤニヤしちゃって」

「--いやぁ、なんでもないよ」
正明が言う。

芳香が「何かいいことでもあったの~?」と笑う。

”あぁ、あるよ。”
正明は心の中でそう思った。

芳香は思ってもみないだろうー

今日、自分がコスプレをさせられるなんて。

芳香と別れた正明は
友人の峰雄にも同じことを言われた。

「--な~に、ニヤニヤしてんだよ」

とー。

当然、峰雄にも芳香にも憑依薬のことは教えない。
あんな、夢のような薬、誰にも、教えないー

・・・・・・・・・・・・・・・・

夕方ー
正明は自宅に帰ってすぐに
憑依薬2本を飲み干す。
憑依薬の容器を掴む手が、震えているー

そしてー

「うっ…」

芳香にーー
憑依した。

「えへへへ…ついに…ついに芳香の
 コスプレが見れるぅ♡」

芳香は表情を歪めて自分の身体を見つめると、
そのまま家を飛び出した。

「さ~て、まずは俺の家に移動しなくちゃな」
芳香の声でそう呟く。

芳香の家から、正明の家まで30分ほど。
まずは正明の家まで移動しなくてはならない。

コスプレ衣装は、正明の家のほうにあるからだ。

ゾクゾクしながら移動する芳香。
ドキドキが止まらない。

ようやく正明の家に到着した芳香は、
慌ててコスプレ衣装を取り出し、
そしてーー
メイド服に着替えたー

夢にまで見た芳香のコスプレ姿ー

「--今日はたっぷり
 ご主人様を楽しませてあげるね♡」

嬉しそうにする芳香。

”あぁぁぁ…芳香、いい表情だなぁ…”

正明は、芳香を乗っ取って
コスプレをさせて、
こんなことを言わせている、というこの状況に
興奮を隠せなかったー

「----!」
わずかに開いていた扉が閉まる。

正明は知らないー

偶然ー
正明の家の前を通っていた
友人の峰雄が、
芳香が正明の家に慌てて入っていく姿を
目撃してしまったことをー。

そして、
あまりの慌てように、
心配になった峰雄が、
家の中を覗いてーー
メイド服姿の芳香を目撃してしまったことをー。

③へ続く

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コメント

もし憑依薬を使えるようになっても、
中毒になってしまわないように
注意しましょうネ~(笑

今日もありがとうございました~!

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憑依<深淵に向かう男>

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