<憑依>俺はその日、黒塗りの高級車に追突してしまった①~追突~

デートを終えて家路へ向かう大学生カップル。
疲れからか、不幸にも黒塗りの高級車に追突してしまう。

彼女をかばいすべての責任を負った山田に対し、
車の主・室松が言い渡した示談の条件とは・・・。

※当初2/29でご案内していた「家庭内シャッフル外伝」は、
 3/2に延期(私の構成上の都合デス…)しております!
 申し訳ありませんが、あと数日お待ちください~!

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大学生の山田 将司(やまだ まさし)は、
同じ大学に通う彼女の井滝 真津美(いたき まつみ)と
デートを楽しんでいた。

将司と真津美は、大学で出会い、
同じ趣味を持っていたことや、
どことなく控えめな性格で似たもの同士なことから
次第に接近していき、
付き合い始めたのだった。

「あ~!楽しかった」
真津美が今日の出来事を思い出しながら
満足そうに微笑む。

「--あぁ、俺も楽しかったよ」
車を運転しながら、真津美との残りわずかな
時間を楽しむ将司。

真津美を自宅まで送り届けたら
今日のデートはおわりだ。

「---ふ~」
将司は笑顔を浮かべながらも、
少しだけ疲れていた。

昨日の夜は、男友達とボーリングをしたりして
遊んでいたために、夜が遅かった。

2日連続で楽しいことが続き、
将司自身も十分に楽しみはしたものの
さすがに身体は疲れてきていた。

「---…!」

その時だったー

「え?」
助手席に乗っている真津美も驚くー

前方にふいに現れた黒い色をした高級車ー。

疲れからか、それに気づくのに
わずかに遅れてしまった将司は
驚きの表情を浮かべて、慌てて急ブレーキを
踏んだー。

しかしー
その黒塗りの高級車に、将司の車は、
軽く追突してしまったー。

「--す、すみません」
慌てて車の外に飛び出し、将司が
謝るー。

見たところ、黒塗りの車には
ダメージはなかったように見える…。

が、いかにも高級そうな車ということもあり
将司は”どうしようか…”と内心で
焦りを見せていたー

ガチャー

黒塗りの高級車の中から、
スーツを着た男が出てくるー

スーツの雰囲気から、
将司は”やばい”と直感したー。

一般人ではないー
そんな気がしたのだー。

人通りのほとんどない田舎の道で、
不幸にも黒塗りの高級車に追突してしまった
将司はゴクリと唾を飲み込む。

「いてててててて…」
男は最初にそう口にした。

真津美は不安そうに車の中から
将司の姿を見ているー

「--あ、、あの…すみませんでした」
将司が謝ると、
その男は「いや、いや、いいよいいよ」と
胡散臭い笑みを浮かべた。

「--あ~~~~」
男は車の追突された箇所を見ながら
男はニヤニヤしながら言う。

「ま、このぐらい全然問題ないから。
 気にしなくていいよ」

男は、将司の肩をポンポンと叩くと、
笑みを浮かべる。

「--でもなぁ…いててててててて」
首のあたりをわざとらしく抑える男。

「--助手席に乗ってるの、彼女さん?」
男がニヤニヤしながら指をさす。

明らかに、そっち系の人だと将司は
不安に思いながら「そ、、そうです…
でも、、、前方不注意だったのは
全部、俺の責任ですから!」
と、真津美をかばう発言をする。

「--へへ、分かってるって」
男はそういいながら、
スーツについたバッジのようなものを
チラ店した。

”魔王”と書かれたバッジー

「---!!」
将司はそれを見てさらにイヤな予感を覚える。

これが、代紋ってやつかー?

男がつけているバッジのようなものは
男が裏社会で生きる人間であることを
示していたー

「俺は、室松(むろまつ)ってモンだけどよぉ。
 車は良くても、俺の肩が痛くなっちまった。

 …なんつ~か、こう、どうする?」

室松が、将司のほうを睨む。

「え…、、っと、あの、治療費なら
 お支払いしますので」

将司がそう言うと、室松は「あ~いやいや」と
手を出した。

「そういうのはいいよ。
 俺も、学生から示談金を取り上げたり
 治療費を取り上げたりするつもりはねぇ」

室松がそう言うと、
「代わりと言っちゃなんだけどよ」
と、ニヤニヤしながら続けた。

「--俺からの示談の条件、
 聞いてくれるか?」

その言葉に、将司は不安そうに
「じ、、条件とは…?」と返事をする。

「--お~い!」
室松は、助手席から不安そうに成り行きを
見守っていた真津美に声をかける。

声をかけられた真津美が不安そうに
将司のほうを見る。

「ほぅら、こっちに来な!
 なぁに、暴力ふるったり、性的なことしたり
 しないから大丈夫だよ」

室松の言葉に、真津美は不安そうに
助手席から降りて、将司の横に立った。

「--そうだなぁ…
 さっき追突されたときに、
 俺の肩、壊れちまったからさぁ」

室松が肩を触りながら言う。
どう見ても、ケガをしているようには見えないー。

そんな風に将司は思いながらも
男の言葉の続きを待つ。

「----ちょ~っと、お願いがあるんだよ」
室松は、真津美のほうを見ながら言う。

「--お、、お願い…ですか?」
怯える真津美。

将司が、真津美の前に出て
室松の前に立つ。

正直、将司もびびっていたが、
真津美を守るために必死だったー

「彼女には、手出ししないでください」
将司が言うと、
室松は笑った。

「あ~、いやいや、慌てんなって。
 彼女に暴力ふるう気もないし、
 乱暴するつもりもないし、
 誘拐するつもりもないから、
 安心しろって」

わざとらしい口調で言う室松。

「---…じ、、じゃあ…」

将司は思うー

”あぁ、、、真津美の前で見せしめに
 ボコされるのか…俺…”

とー。

だがーー

「あ、安心しなよ!
 俺はあんたにも暴力をふるう気は一切ない。
 約束するぜー」

室松が笑いながら言った。

「--…そ、、そうですか」
将司は不安に思いながらそう口にした
次の瞬間ー

ドサッーーー

「---!?」
「--えっ?」

将司と真津美が、同時に驚きの表情を浮かべるー

目の前にいた、黒塗りの高級車の主・室松が
突然倒れたのだー

「え…???な、、どうしたのこの人?」
真津美が言う。

「--わ、、わからないーー」
将司は、「あの~」などと呼びかけてみたが
返事がないー

「と、、とりあえず救急車を…呼んだ方がいいな」

将司はそう言うと、
スマホを取り出したーーー

「うっ…」

スマホで、救急車を呼ぼうと夢中な将司は
真津美がうめき声のようなものを
あげたことに気づかなかった。

「---」
スマホのロックを解除して、
スマホで救急車を呼ぼうとする将司ー。

しかしー

「--っらぁ!!」
背後から、突然、将司は顔面を殴られたー

「--ぐあっ!?」
将司の持っていたスマホが、
吹き飛ぶー。

将司も路上に吹き飛ばされて、
驚きの表情を浮かべるー

「--うっ…」
将司が慌てて顔をあげると、
そこには、握りこぶしを作った彼女の
真津美の姿があった。

「え…、、ま、、真津美…?」

将司は、
真津美に殴られたのだったー

「--ったく、舐めた真似しやがってよぉ」
荒い口調と表情で将司を睨む真津美ー

普段の穏やかな表情が嘘のように
鬼のような形相を浮かべている。

「え…え…??」
将司が戸惑うー

「--おい、人の車にぶつかっておいて
 ただで済むと思ってんのか?あぁ?」

真津美が、低い声で脅すようにして言うと
将司の胸倉をつかんで顔を近づけた。

「--ま、、真津美…ちょ、、ど、、どうしたんだよ?」
将司は冷や汗をかきながら言う。

「--舐めてんじゃねーぞ!クソガキ!」
真津美は大声で怒鳴ると、
将司の顔面を殴りつけたー

人を殴ったことなんて一度もないであろう
綺麗な手で、彼氏を殴りつける真津美ー

将司は痛みをこらえながら
唖然とするー

何が起きているのかわからない。

「--ーーーや、、やめてくれ!
 急に、、急にどうしたんだ!」
叫ぶ将司。

「おらぁ!!!おらぁ!!!」
真津美が倒れた将司を
その足で蹴り飛ばす。

とどめの攻撃を加えるかのように、
1回、2回、3回とー。

スカートが乱れて下着がちらちらと
見えてしまうー。

見たこともないような
悪魔のような形相で将司を見つめる真津美。

「はぁ…はぁ…」
激しい暴行を加えていた真津美が
息を荒げて黒塗りの高級車に背中をつけて
寄りかかる。

イライラした様子で髪の毛を
ぐしゃぐしゃにすると
「はぁ~、この女、体力ねぇな~
 はぁ…はぁ…」と
呟いた。

「--な、、急に…どうしたんだよ…」
将司はよろよろと立ち上がりながら
真津美のほうを見る。

すると、真津美が再びこちらによってきて、
「偉そうな口きくんじゃねぇよ!」と
怒鳴り散らして将司を殴りつけた。

真津美の手には、将司の血が
少し付着している。

真津美はそれに気づくと
ヘラヘラ笑いながら自分の手の甲を
ペロリと舐めたー

「んっん~」

真津美は疲れた様子で
近くにしゃがみ込む。

コンビニでたむろしている若者のような
ヤンキー座りをすると
真津美は、倒れている
室松のポケットから、たばこを
取り出してそれを口に咥えたー

「--な、真津美…?」
将司は苦しそうに路上に
うつぶせになりながら
信じられない光景を見るー

真津美は、たばこを吸わないし、
むしろいつも嫌がっていたはずだー

「---はぁぁぁ~」

その真津美がたばこを咥えて
嬉しそうにしている。

そしてー
黒塗りの高級車の中に身体を
突っ込むと、中からスマホを取り出して
それを操作する。

「--あ、もしもし、俺だ」

ー!?

将司は表情を歪める。

真津美はいったい何をしてるんだ?
俺ってー???

「--え?声?あぁぁ…
 バカップルの女の身体を頂いてやったのさ。

 あ??
 へへ、戻ったらたっぷりエッチさせてやるよ」

真津美が電話相手にそう話している。

身体を頂いたー?
将司の表情が青ざめる。

「あぁ。あぁ。じゃあな」
真津美は電話を終えると、
スマホを車の中に置き、
将司のほうを見た。

「--ま、、真津美…?」
将司は嫌な予感を覚えながら
恐る恐る、その”嫌な予感”について
聞いてみたー

「---真津美…なのか?」

「---ははは…
 この女がこんなことすると思うかぁ?
 彼氏に意味もなく暴力ふるう女だと思ってのかぁ?」
真津美が挑発的な仕草を加えながら
ニヤニヤしている。

「ま…まさか…」
真津美の行動やー
”俺”という発言、
”身体を頂いた”という発言ー

「--ま、、真津美に…何かしたのか!?」
将司が叫ぶー

「何かしたっていうか…
 くくく…
 この女に、憑依して、身体も心も奪ってやったのさ!
 はははははははっ!」

真津美は嬉しそうに大笑いしたー

「--憑依!?そ、そんな…」
将司が表情を曇らせる。

真津美が将司に近づいてきて
将司の胸倉をつかむー。
真津美の可愛い顔が、将司の顔の
すぐそばに近づいてきて、
真津美が将司を睨むー。

「--さっきの約束はちゃーんと守るぜ。
 あんたにも、彼女にも、
 暴力は振るわないし、彼女さんにも
 性的なことはしないっていう約束…

 ”俺”は、しないって約束したからな…

 でもよぉ…
 あんたの彼女があんたに暴力振るっちゃうのは、
 俺にはどうしようもねぇからなぁ?」

真津美が脅すような口調でそう呟いたー

青ざめる将司ー

真津美は、将司をグーで殴りつけたー。

「--この女は、俺のものだー!!!

 これが、示談の条件だ!
 ははははははは!」

真津美は大声でそう言い放ったー

②へ続く

・・・・・・・・・・・・・

コメント

ツイッターでよく見かける黒塗りの高級車を
ネタにしてみましたー!
原作は知らないのですが、人を選ぶジャンル
みたいですネー(ここでは深くは説明しません!汗
検索すれば出てくると思いますー)

ちなみに、
内容自体は
追突する以外は、全部オリジナルデス~!

コメント

  1. ステン より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    さすがにネタがサムいです

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > さすがにネタがサムいです

    コメントありがとうございます~!
    以前、これで憑依モノ書いてみて~というお話を
    頂いたことがあったのですが、中身まで知らなかったので
    題名だけ、ご要望にお応えした感じですネ~汗

  3. AKB48グループオタク より:

    SECRET: 0
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    どうやらスケジュールでは今日はリクエスト作品みたいだったのですがどうやら1日間違えてアップしてしまってませんか?僕は何もないですがリクエスト作品なんでリクエストした人からしたら…と思うのでお知らせしときます

  4. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ありがとうございますー!

    家庭内シャッフルのほうの事前準備がまだで
    2/29⇒3/2に延期に
    ずらそうと決めていたのですが、
    その告知を忘れて、スケジュールも変えてないまま
    今日を迎えてしまっていました汗

    今からでも、スケジュール表のほうを
    修正しておきますネ!

    ご指摘ありがとうございます!
    以後告知忘れに注意します!!