バレンタインデー当日。
突然、チョコをあげる側になってしまった
彼の運命はー?
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バレンタインデー前日ー
「へっへっへ…明日はバレンタインデーだぜ」
お調子者の男子高校生・
喜田 清五郎(きだ せいごろう)は笑みを浮かべていたー
ニヤニヤしながら、水筒のお茶を飲む。
「ニヤニヤしすぎ」
幼馴染の女子高生・佐山 麗子(さやま れいこ)が
ため息をつきながら言う。
「--女子が、男子にチョコを渡すのは義務だぜー!」
ニヤニヤしながら清五郎が叫ぶと
麗子はため息を大きくついた。
「あんたさぁ…
チョコを渡す、渡さないなんて自由でしょ…」
あきれた様子の麗子に、
全く話を聞く様子もなく、清五郎が言う。
「麗子も俺にチョコくれるんだよな?
バレンタインはチョコの日だもんな!
チョコ、チョコ、こちょこちょこちょ~!」
突然、麗子のことをくすぐりだす清五郎ー
「調子に乗るな!」
麗子が清五郎をビンタしたー
清五郎は「いってぇ」と叫びながらも
ニヤニヤしている。
幼馴染ゆえのじゃれ合いー…
2人にとってはいつもの光景だった。
清五郎は、お調子者で
バレンタインデーの前になると
いつもこんな調子だ。
他の女子たちにも、平気で
バレンタインデーにチョコを配るのは義務だー!
などとニヤニヤしながら叫んでいる。
本人に悪気はないのだが、
女子の一部からは、少し避けられているー
「---バレンタインなんて、興味ないね」
クラスメイトの男子の一人・猪口 嫌尾(ちょこ きらお)が呟く。
「--はは、猪口!名前がチョコのくせに
バレンタインに興味ねーのか?」
清五郎がゲラゲラ笑いながら言う。
「バレンタインなんて、お菓子屋の陰謀だよ。
それに、女子からチョコなんて貰って何がうれしいんだ?
チョコなんて、お店に行けば10円のものだってあるだろ?」
真顔で言う猪口。
彼は、モテないー。
そのせいか、それとももともとか、
バレンタインデーを嫌悪している。
「僕には、チョコなんて必要ないし、
チョコを貰ったとしても、ごみ箱に捨てるし」
猪口の言葉に、
清五郎はなおもゲラゲラ笑いながら叫ぶ。
「俺がもしも女子だったら、
お前に何個でもチョコやるんだけどな~」
「--いらないって」
「はは、遠慮するなよ~!
それともひがんでるのか~?
チョコ貰えないからって!
チョコ欲しいんだろ~!?
うりうり~!」
猪口の頬をつんつんする清五郎。
「--うっさいなぁ」
猪口は嫌悪感を丸出しにしている。
「いいか?僕はそもそもチョコなんていう
甘いものが大嫌いだ。
だいたいバレンタインデーなんて
くだらない行事で浮かれるなんて、
僕には絶対できないね。
バレンタインデーでいちいち浮かれるなんて
クソみたいな人生送りたくないね!」
猪口が怒りをあらわにして叫んだ。
「お、、、おう…」
猪口からにじみ出る負のオーラを前に
清五郎も、さすがにまずいと感じたのか
それ以上は何も言わなかったー
そんな彼がー
翌朝ー
女体化した。
「--のあああああああああああああ!?!?」
目を覚ました清五郎が叫ぶー。
胸があるー
髪が長いー
肌が白いー
「ど、、、どなたですか~~~!?!?!?」
洗面台の鏡に映る可愛らしい少女ー
女体化してしまった清五郎が唖然としていたー
「---清五郎~!?起きてるの~?」
母親の声が聞こえてくるー
「えっ!?」
母親と女体化した清五郎の目が合うー。
「---え…あんた…」
母親が唖然としながら言う。
「じょ、、女装趣味あったの…?」
「違う!」
清五郎は可愛い声で叫んだー
・・・・・・・・・・・・・・・
”あ、、あのさ…朝起きたら女になってたんだけど?”
LINEで幼馴染の麗子にメッセージを送る
清五郎ー。
”え?”
さすがの麗子も混乱しているようだ。
”いや、マジだって”
清五郎は自撮りを送る。
”は……???”
麗子も戸惑っている
だがー
すぐに、麗子がメッセージを
追加で送ってきた。
”今からそっち行くから”
とー。
「は???」
清五郎は困惑した、
あさおんー…
朝、目が覚めたら女になっていたことを
報告した返事が
”今からそっち行くから”とは
いったいどういうことなのか。
わけがわからない。
「ダメだこの展開…早くなんとかしないと」
清五郎は股間に息子がいなくなっていることを
落ち着かないと感じながら、ひとり、もじもじするー。
「--……あぁぁぁ…
自分の子供がいなくなる両親の気持ちって
こんな気持ちなのか」
一人、涙を流しながら清五郎は、
麗子の到着を待った。
そもそも、こんな状況じゃ、
学校に登校することもできないー
「--待てよ…」
清五郎が、笑みを浮かべる。
「--今の俺って…
エッチし放題じゃね?」
可愛い声で、邪悪な笑みを浮かべる清五郎ー
「そうだ!!そうだ!!!
せっかくのチャンスだ!
女の子として、エッチエッチエッチ!」
嬉しそうに、男物の服を脱ぎ飛ばしてー
裸になるとそのままバンザイする清五郎ー
「----」
「---あ」
満面の笑みで服を脱いで万歳していた清五郎を、
麗子が冷ややかな目で見つめていた
「こ、、これは、違うんですぅ!」
清五郎が顔を真っ赤にしながら呟く。
「ふ~ん」
麗子の冷たい反応が、清五郎の心に突き刺さったー
・・・・・・・・・・・・・
「--ふぅん…本当に女の子になっちゃったんだ」
麗子が呟く。
「し、信じてくれるのか?」
清五郎が言うと、麗子は苦笑いしながら言う。
「だって…
さすがに…そんな身体見せられたら
認めるしかないっていうか」
麗子は顔を
赤らめながら言う。
「---どうすりゃいいと思う?」
清五郎の言葉に
麗子は即答した。
「-普通にしてるしかないでしょ。」
「は?」
「-は?じゃないわよ。学校に行くの」
「え?」
清五郎は唖然とした。
女体化したこの状態で学校に
行けというのか?
とー。
「-いやいやいや、まずは元に戻る方法を…」
清五郎はすぐに反論した。
しかし、麗子もすぐに反論する。
「元に戻れるかどうかも分からないのに、
元に戻る方法を、とか言ってる場合じゃないでしょ?
もしかしたらずっと女の子かもしれないし、
学校行くしかないでしょ?」
麗子の言葉に
清五郎は、さらに反論しようとする。
だがー
「返事は?」
麗子が清五郎を睨みつける。
「は、、はい!」
清五郎は、麗子に気圧されてそう叫んでしまったー
学校に女体化したまま行くことになった清五郎。
そんな清五郎に、麗子はニヤニヤしながら
何かを手渡した。
「へ?」
手渡されたものはー
大量のチョコ
「俺にくれるの?」
清五郎が可愛い声で言うと、
麗子はふっふっふ…と悪い笑みを浮かべている。
「--女子が、男子にチョコを渡すのは義務だぜー!」
麗子が言う。
清五郎のセリフをー。
「--え……」
清五郎は冷や汗をかきながら呟く。
「ーー……チョコ、、、配るのは義務なんでしょ?」
麗子から殺気を感じるー
「え…お、、俺がチョコを配るの?」
清五郎が冷や汗をかきながら言うと、
麗子は冷たい声で即答した「配れ」と。
「--は、はひっ!?」
清五郎は、女の子として
チョコを配ることになってしまったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
♪~~~
チャイムが鳴り響く。
「しっかし、君が女子になっちゃうなんてな」
校長先生がニヤニヤしながら言う。
「-----」
顔を真っ赤にしている清五郎。
学校にやってきた清五郎は、
まず校長室に行った。
登校するまでの時間に、
清五郎の両親と麗子が、
学校に事情を説明して、
清五郎は転入生扱いで
今日、クラスに入ることになった。
”どういう強引な展開だよ…”と
清五郎は苦笑いしながらも、
制服に着替えるー
そう、女子の制服にー
「ほほ、似合ってるぞ」
校長が言う。
隣には麗子。
「---に、、に、、似合ってません!」
清五郎は顔を真っ赤にしながら言う。
鏡がない状態で、
女子の制服を着ていると、
なんだか、自分が女装しているような
気分になるー
女装はしたことがないけれど、
これが女装の気持ちか…
などと清五郎は思いながら
ため息をつく。
”どうして、こんなことに…”
そして、教室に向かうー
クラスメイトたちが騒然とするー。
そんなクラスメイトたちの前で自己紹介したー
「--き、、岸本 星奈…です」
ぷるぷる震えながら言う清五郎。
偽名は、適当に決めた。
「かわいいじゃん!」
「俺にチョコをくれー!」
「よろしくー!」
色々な声が聞こえてくる。
屈辱だー。
清五郎はそう思ったー
まさか、俺がチョコを配ることになるなんて…
ぷるぷる震えながら
星奈として、座席に座る。
隣の座席はー
幼馴染の麗子ー。
「--昼休み、チョコを配るのよ」
小声で言う麗子。
なぜか殺気立っている。
今まで散々、毎年のように
チョコチョコ騒いでいた
仕返しだろうか。
「--で、でも俺、男だし…」
小声で呟く清五郎。
「--口答えしない!」
麗子が威圧感たっぷりで言う。
「はひっ…」
清五郎は、慌てた様子でそう答えたー
・・・・・・・・・・・・・・・
休み時間ー
なんだか緊張してトイレに行きたくなった
清五郎は、トイレに駆け込んだ。
「--はぁぁ…疲れたぁ」
呟く清五郎。
その声は、かわいらしい声に変わっている。
しかもなぜだか、学校側が
女子の制服を用意していたので
慣れないスカートで、学校を歩いているものだから
とても疲れる。
「--スースーするなぁ…
ってか、なんだか、こう…
足りない感じ…
鎧を身につけずに冒険に出てしまった
勇者みたいな気分だな…」
清五郎は苦笑いしながらそう呟くと、
トイレの前に立つー
横にいる男子が顔を真っ赤にしている。
「え」
「あ」
ふたりそろって唖然とする。
「や、、やばっ!おれ、、いや、わたし、
女子だった!
ま、、ま、、間違えちゃった!てへっ!」
必死にごまかそうとしてトイレの外に向かって走る清五郎ー
うっかり男子トイレに入ってしまったー
「も、、もう、元に戻りてぇ」
清五郎はそう思いながら、女子トイレのほうに
駆け込み、慣れないトイレで失敗しそうになりながら
なんとか無事に用を済ませたのだったー。
そして、昼休みがやってくるー
「--お、、お、俺がチョコを配ることになるなんて」
清五郎はぷるぷると震えている。
「-チョコを配るのは女子の義務なんでしょ?」
麗子が言う。
「--お、、お、、お前…俺の不幸を
喜んでいないか?」
清五郎が震えながら言う。
「--別に~?」
麗子は、顔を背けながら言う。
こいつ…絶対喜んでいる!
清五郎はそう思いながら
教室にいる男子たちに
「あ、、あの、良ければ…」
と、チョコを手にしながら
言うのだったー
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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明日がバレンタインデー!ということで、
バレンタインをテーマにした
女体化モノを書いてみました~!
毎年バレンタイン関連のお話は
用意していますが、
女体化モノを書いたのは初めてですネ~
続きは明日デス!
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