<憑依>綺麗な手を愛でる男②~欲~(完)

女子大生・里緒菜に憑依して
その手を愛でる男。

里緒菜として、欲望を満たす中、
”訪問者”がやってくるー。

---------------—-

「はぁっ…♡ はぁっ♡… はぁっ♡」
里緒菜の甘い声が部屋中に響き渡るー

可愛らしい女子大生の里緒菜は、
大学への通学中、
新之助に憑依されてしまい、
そのまま新之助の家に入り込んだ。

そしてー
手フェチの新之助は、
里緒菜の手を愛でていたー。

新之助に完全に乗っ取られてしまった里緒菜は、
自分の手をひたすら愛でて、
そして、興奮しているー

顔を赤らめて息を荒くしながら、
里緒菜の身体は火照り、
濡れ始めていたー

「んふふふふ♡ んふふふふふふふっ♡」
手を何度も何度もペロペロと舐めるー

床に転がりながら、
夢中に、犬のように手を舐める里緒菜ー

自分のスカートがめくれあがって
下着が見えてしまっている状態も
全く気にするそぶりを見せず、
里緒菜は、ペロペロと手を舐めているー

既に、里緒菜が憑依されてから数時間が
経過しているー

が、里緒菜はその間
飽きることなく、ずっと自分の手を
舐め続けていたー

「ふふふ…ふぅぅぅ…」
ぐしょぐしょになった手を見つめながら
満足そうに微笑む里緒菜ー

「きれいだなぁ…」
うっとりとした声を出すー

スマホが何度かなっているが、
最初の電話以外はすべて無視をしているー

「--うるさい!わたし、今、とっても気持ちいいの!」
里緒菜はいたずらっぽくそう呟くと
再び手を舐め始めたー

ようやく手を舐めることに飽きてくると
今度は自分の手をあわせて
ひたすらすりすりとこすり始めたー

綺麗な色白の手を何度も何度も
こすりあわせる。

「んふふふふふ~綺麗…」
うっとりとその様子を見つめながら
唾液まみれの手をこすり合わせていくー

「あむ…!」
にぎりこぶしを作って
大口を開けてそれを咥えるー。

「きれい…きれい…きれい…!
 これが、これがわたしの手…!
 うふふふふふふふふっ!」

あまりのうれしさにその場で
足をバタバタさせる。

まるで子供のようにはしゃぎまわりながら
再び手を見ては興奮して
嬉しそうに笑う里緒菜ー

その時だったー

玄関のインターホンが鳴る。

「--…!」
里緒菜は息をひそめた。

里緒菜に憑依している新之助は思うー

ここは、新之助の家だ。
そこに女子大生の里緒菜がいるとなれば
何か勘違いされる可能性はある。

今は、自分自身が里緒菜だから
何とでも言い訳できるー

だが、里緒菜から抜け出したあとに
本人が憑依されている間のことを
疑問に思って、
その間”里緒菜がここにいた”となれば
俺が疑われるかもしれないー

新之助はそう思って息をひそめた。

静かにしながら自分の指を見つめて
笑みを浮かべるー。

やがてー
人の気配が去っていった。

「---邪魔すんじゃねーよ!」
小声でつぶやき、
中指を突き立てる里緒菜。

可愛い手にこんな
ことをさせちゃうなんて…

と、また興奮しながら笑みを浮かべるー

今度は、手で自分の身体のいろいろな
場所を触っていくー

「ふふふふふ… 
 すりすり…すりすりぃ~♡」
甘い声を出す里緒菜ー。

大学をさぼって、見ず知らずの男の家で
自分の手をひたすらに愛でている里緒菜。

里緒菜はくすくす笑いながら、
自分の手の写真を、新之助のスマホで
撮影し始めたー

「綺麗な手を、写真に収めておかなくちゃ!」

嬉しそうに、何枚も、何十枚も、
何百枚も自分の手の撮影を進めていく里緒菜。

その時だったー

ガチャー

ー!?!?

さっき、新之助の家に来た人物が、
大家からカギを借りて、
部屋に入ってきたのだー

「---な、なんだお前は!」
里緒菜は声を荒げたー

「---…やはりー…
 そんなやつなんだな」

里緒菜も、新之助も知らない男が
部屋に入ってきたー

男は、新之助の部屋に里緒菜が
入っていくのを見張っていた人物だー

「---け、警察呼ぶぞ!」
里緒菜が叫ぶー
女の子として振舞うことを忘れて
男言葉でー。

「--安心しろ。私も似たようなものだー」

そう呟くと、男は手帳のようなものを見せたー

”新捜査推進特捜部”と書かれているー
警察ではないー?

「--まだ、表ざたにはなっていないがー
 私は”犯罪を未然に阻止する秘密捜査を行っている組織”の
 一員だ」

男はそう呟いた。

ミニスカート姿の里緒菜は、
服装を乱したまま男のほうを睨む。

「---私が担当しているのは、痴漢や性的な犯罪行為の
 事前処理だー。
 
 君の会社の同僚から
 ”君が毎日のように性的な目で見てくる”という
 相談があってな…
 私が捜査をすることになったー」

その言葉に里緒菜はカッとなったが、
すぐに冷静さを取り戻す。

「--か、会社…
 わ、、わた、わたしは大学生ですよ?」
里緒菜っぽいふるまいをしてみせるー

”憑依”のことは、この男は知らないはずだー

「--臭い芝居はいらないよ」
男が失笑した。

「--憑依薬を君のポストに入れたのは、わたしだ」

「--!?」
里緒菜は表情を歪めるー。

「--私は、”犯罪を未然に阻止するため”、
 将来犯罪をしそうだと判断した人間に
 憑依薬を渡しているんだー。

 これまでに12人、渡したかな…。

 そして…
 君のように悪用したのは、
 君で”4人目”だー。

 残りの8人は憑依薬を使わず、
 そのまま破棄した

 これがどういう意味だか分かるか?」

男の言葉に
里緒菜は「どういう意味だよ?」と呟く。

「---将来犯罪を起こすような人間は
 憑依薬を手にすれば、君のように悪用するー

 つまり、憑依薬を渡すことで
 そいつが危険因子かどうか、見極められるのだよ」

男が言ったー

「憑依薬を悪用したら、犯罪者予備軍だと、
 そう言いたいのか?」

里緒菜が言うと、
男は頷いたー

無言で睨む合う里緒菜と
秘密捜査官ー。

だがー
里緒菜は笑ったー

「くくく…あはははははははははははは!」

「何がおかしい!」
男が言う。

里緒菜は手のにおいをかぎながら笑う。

「つまり、この女子大生は、お前らの勝手な捜査の
 せいで、俺に憑依されてしまったってことだ~…へへへ」

下品な笑みを浮かべる里緒菜。

「そ…それは」
男が戸惑うー

「憑依されている間の記憶はその子には残らないし、
 犯罪者を逮捕するためならー…」

捜査官の言葉を、里緒菜が遮る。

「---俺はさ…
 ちゃんと分別を持って生きてきたー。

 憑依薬なんてものを手にいれなければ、
 こういうことをすることもなかったし
 俺は何もしないまま人生を終えただろうさ」

里緒菜は可愛い声で、
新之助の言葉を口にする。

「---…」
捜査官は里緒菜を睨んでいる。

「---憑依薬を渡して、
 何かしたら犯罪者だぁ?
 ふざけるな!

 力を手に入れれば
 人間、俺みたいに道を踏み外すやつだっているんだよ!

 へへ…
 つ・ま・り!
 わたしが乗っ取られちゃったのは、
 あんたが、憑依薬を提供したからなのよ~!
 うっふふふふ~♡」

女言葉で捜査官を煽るー。

「--ち、違う!
 これは、未来の犯罪を阻止するための近未来捜査だ!」

捜査官が叫ぶー。

「--憑依薬を渡した、あんたに、
 責任があるんじゃない~?
 わたし、こんなことさせられちゃってるのは~?」

里緒菜本人がどう思うかは知らないー
だが、新之助は里緒菜として煽っていくー

「--く…と、とにかく、お前を逮捕する!」
捜査官は手錠を出したー。

憑依薬の効果を解除する薬が、
本部にはあるー
それで、里緒菜から新之助を追い出し、
新之助を逮捕するー

「---燃えてきたぜ」
里緒菜が呟くー

「--?」
捜査官は首を傾げた。

「そうやって、人から
 決めつけられたりすると、
 俺、むかついてくるんだよなぁ~」
里緒菜は綺麗な手で
イライラした様子を隠そうともせずに
頭を掻きむしった。

「--お、おとなしくしろ!
 お前は、放っておけば何か犯罪を起こす!
 憑依薬が、それを証明した!」

里緒菜はぼさぼさになった髪から
手を離すと、鼻で捜査官を笑った。

「---お前が犯罪を引き起こさせたんだろ?」
里緒菜が言う。

「俺はさ、憑依薬なんてものが手元になければ、
 ずっと普通に生きてくつもりだったんだ。
 何もする気はない。
 俺だって、その辺の分別はついてるからな。

 それにー
 今だって、お前が来なけりゃ、
 この女も解放するつもりだったー

 でもー
 そういう風に人を犯罪者扱いされて
 事前阻止なんて言われちゃうと、
 むっかつくよなぁ」

里緒菜は手をペロペロ舐めながら言ったー

そしてー

「お前のせいで気が変わったよ」

「-!?」
捜査官が表情を歪める。

里緒菜は自分の手を撫でながら笑った。

「今日から、この手は俺のものだ♡」
ほほ笑む里緒菜ー。

捜査官のほうにモノを投げつけると、
ひるんだ捜査官を突き飛ばして
里緒菜はそのまま玄関のほうに向かった。

「あんたのせいでわたし、身体を一生奪われちゃう!
 あっははははははは♡」

捨て台詞を残して里緒菜は
アパートから飛び出す。

「待て!待つんだ!」
捜査官が叫ぶ。

しかしー
里緒菜はそのまま姿を消してしまったー

「くっ…」
捜査官が困惑するー

捜査官が戸惑っていると
新之助の部屋に残されたスマホに
連絡が入ったー

捜査官は、それに出るー。

「もしもし…?」

”憑依薬のことー
 ばらされたくなかったら
 おとなしくしてろー。

 あんたらが、人に憑依薬を渡して
 それをどう使うかで、人を勝手に
 犯罪者扱いしてることー
 憑依される人間がいることを理解しながら
 そういう捜査をしてることー

 俺を探そうとするなら、
 それを世間に公表してやるー”

「---!!」
捜査官は困惑する。

彼らは、秘密裏に組織された
事前に犯罪者を特定し逮捕するチーム。

まだ、憑依薬に関しても、
その存在も表にすることはできない

「くっ…」

捜査官は、完敗だ、と唇をかみしめる。

”んふふふふ♡ 今日から俺が里緒菜だ!”

そしてー
電話が切れたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

里緒菜は姿を消したー

同時に、少し離れた地方の
夜の繁華街にー
若い女が現れたー

”男のことをまるで知り尽くしているかのような”
行動とー
自分の手に対する異様なまでの執着ー

彼女が、里緒菜なのかどうかは
分からないー

けれどー、
偶然、その繁華街を訪れた
里緒菜と同じ大学に通っていた
現役女子大生は、
”あれ?里緒菜じゃない?”と
首をかしげていたというー。

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

手が大好きな男性の憑依モノでした!

ちなみに
以前、私が書いたものの中に「綺麗な足を~」というお話がありましたが
これは、それの続編ではありません~

なんとなく題名を似せただけデス!

お読み下さりありがとうございましたー!

コメント

  1. 匿名 より:

    SECRET: 0
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    吉良吉影がモデルですか?

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 吉良吉影がモデルですか?

    コメントありがとうございます~!
    名前と最初のほうの描写だけモデルにしてます!☆