女性の手に興奮する男がいた。
そんな男が、憑依能力を手にした。
するべきことは、
もう、言うまでもなかったー
--------------------—
彼はー
女性の手を見ると興奮するー。
吉良 新之助(きら しんのすけ)-。
会社勤めの、ごく普通のサラリーマンだ。
だが、それは、表向きの姿ー。
彼はー
女性の手が好きだったー
会社でも、同僚の手を見ては、
内心で興奮しているし、
通勤中に女子高生や女子大生の手を見ると
彼はゾクゾクしながら、内心で興奮しているー
しかしー
彼は、愚かではない。
道端で女性の手を握れば、
それはもう、痴漢だ。
会社で女性の手を舐めれば、
豚箱行きだ。
そこのところの分別はついている。
彼は、愚かではない。
心という名の
プライベートオアシスで、
何を想像しようが自由だ。
何人たりとも、
自分の心の中の考えまで
縛ることはできない。
そう、会社の上司であっても
総理大臣であってもだ。
心は、自由だー。
「----(いいなぁ)」
会社から帰る途中ー
手の綺麗な女子高生を見つめながら
新之助は笑みを浮かべたー
もしも、もしも自分が女子高生だったら
毎日のように、その綺麗な手を
愛でているだろうー
帰宅すると、
彼は女性のマネキンの手を握ると
すりすりすりすりとこすりはじめた。
「んはぁ~♡」
彼は恍惚の表情を浮かべるー
その表情は、とても幸せそうだ。
そしてー
彼は部屋に飾ってあるモナ・リザの絵を見つめると、
その手に視線を合わせて
「んふふふふふふ♡」と笑みを浮かべた。
美しいー
実に美しいー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
郵便受けに得体のしれない小包が入っていたー
「なんだ?俺は尼存ではなにも頼んでいないけどな?」
尼存とは、この世界の大手
ネットショップのことだ。
ダンボールを開ける新之助ー
その中には、謎の液体が入った小さなビン。
ますます、新之助の頭の上に「?」のマークが出てくる。
なんだこれは?
意味が、わからない。
”憑依薬”と書かれている用紙が
入っている。
説明書を読んでみる新之助。
”あなたは人間の身体を所有することができ、
所有した人間の身体は、あなたのために
あなたの幸せを演出します”
「---翻訳ちゃんとしろよ」
新之助はその説明書を放り投げた。
いかにも怪しい。
エーサイト翻訳にでもかけたのだろうか。
「--憑依薬…」
新之助は、怪しい液体の入った容器を
もう一度見つめる。
そして、説明書の
怪文書のような文章を思い出す。
「もしかして…
これを飲んだら他人に憑依できるなんてこと…」
新之助はそこまで思いついて
”いやいやいやねぇよ”と呟いたー。
そんなこと、あるはずがない。
他人に、憑依できるなんて、あり得ないー。
そんなことは、非現実的だ。
それに、こんな得体のしれないクスリを飲んで
もしも死にでもしたらー
それこそ、馬鹿だ。
彼はそう思い、憑依薬をしまうと、
そのまま仕事に行く準備を始めたー
「------」
仕事に向かう彼を、人影が静かに見つめていたー
・・・・・・・・・・・
会社に行っても、
”憑依薬”のことが
頭から離れず、落ち着かないー。
もしも、他人に憑依することが
できるのであればー
同僚のきれいな手を見つめながら
彼は興奮するー
綺麗な手がー
自分のものになるかもしれないー。
仕事を終えても、彼は落ち着かなかった。
綺麗な手を愛でたいー
綺麗な手を自分のものにしたいー
翌日ー。
新之助は、
もう一度憑依薬を見つめる。
「く…くくくくくくくく…
そうだ、人生はチャレンジだ」
新之助は呟く。
「------」
そして、憑依薬をしばらく見つめると
深呼吸をしてー
その容器をひと思いに飲み干した。
「うっ!」
彼は苦しそうに胸を押さえるー
今までに感じたことのない刺激ー
”これが、心臓発作なのか?”と
一瞬思ったのと同時に
新之助の意識は途切れた。
・・・
・・・・・。
ーー!?
新之助が気付くと、
彼は宙に浮いていたー
「--ゆ、幽霊?俺、死んだ!?」
新之助が呟くー
下にはー横たわっている自分の姿。
だがー
「--!?」
新之助はあることに気づくー
自分の身体は呼吸をしているー
つまり、死んではいないー
「俺は幽霊じゃない?
じゃあ、これは?」
新之助はそう呟いて、すぐに思いついたー
「---!まさか、憑依薬!」
新之助は、満面の笑みを浮かべたー
幽体離脱をしたということはー
他人に憑依することができる!?
「ひゃっはー!」
新之助は思わず叫んだー
そして、幽体のまま家から飛び出すー
しばらく家の前で漂ってみるー。
近所のおばさんがいたので、
あえて周囲を飛び回ってみたが
特におばさんが反応する様子はないー
つまりー
完全に”他人からは見えていない”状態ということだー。
「やったぜ!」
そう呟くと、近くの通りに出るー
ちょうど今の時間は通勤通学の時間だー。
彼の好みの子がいるかもしれないー。
女子高生ー
OL-
女子大生ー
彼にとっての”獲物”が、
何も知らない顔で街を歩いているー
「へへへへへ…」
思わず笑みを浮かべてしまう。
そしてー
「--!」
とても手の綺麗な、女子大生らしき子が
歩いてきたー
顔も、かわいらしいー
大学でミスコンのようなものがあれば
選ばれてそうな感じの子だー
「へへへへ…きれいな手じゃねぇか」
女子大生の真横を浮遊する新之助。
だが、女子大生は反応しない。
やはり、新之助のことが、見えていないようだー。
綺麗な手をじーっと見つめる新之助。
「んん~いい手だ。
この手が、俺のものになるのか…
くくくくくく」
不気味に笑う新之助。
もしも、彼女に
新之助の姿が見えているのだとしたら
今頃、彼女はパニックになっているだろう。
しかし、彼女は反応しない。
新之助のことが見えていないから
反応しようがないのだ。
「-ーーお邪魔しますぅ」
新之助がニヤニヤしながら、
彼女に身体を重ねてみる。
するとー
「ひぅっ!?」
女子大生がビクンと震えたー
「あ…」
急速に身体の感覚が変わるー
幽体の感覚から、
生身の人間の感覚にー
「あ…え…えへへへへ…」
女子大生は驚いていた表情を歪めー
不気味な笑みを浮かべ始めた。
「くふ…ふふふふ…きひひひひひひひひひっ♡
あっははははははは~」
スカートがふわふわすることも気にせずに
蟹股で走り始める女子大生。
そのまま、新之助のアパートに駆け込み、
部屋の中に飛び込んだ。
「よっしゃあ!」
可愛い声を張り上げてガッツポーズする女子大生。
鞄をあさるー
やはり、新之助の予想通り
女子大生のようで、学生証が出てきたー
真鍋 里緒菜(まなべ りおな)かー。
新之助はそう思いながら
里緒菜の手を見つめる。
「ああぁぁぁ…きれい…」
里緒菜は自分の手を見つめながら顔を赤らめたー
里緒菜は、はぁはぁ言いながら
自分の手のにおいをかぎ始める。
「んんんんっ♡」
知らない男の家に上がり込んで
自分の手のにおいを嬉しそうに
かいでいる里緒菜の姿はー
異様な光景だった。
「はぁ…♡ はぁ…♡」
右手を嗅いでは、
続いて左手を嗅ぐ。
何度も何度も繰り返し手のにおいを
嗅いでいく里緒菜。
やがて、その行為に飽きると、
自分の手を、うっとりとした表情で見つめて
それを撫で始めた。
「んふふふふ…
わたしの手…
きれいな手…」
ゾクゾクしながら里緒菜は
自分の手をいとおしそうに
撫でていくー。
指を1本1本じっくり見つめて、
綺麗な爪をニヤニヤしながら
眺め続けるー。
「---へへ…くふ…ふふふふ♡」
里緒菜は、思わず笑いだした。
身体中が興奮して火照っているー
綺麗な手を持つ女子大生が、
自分の手を見て興奮しているー
いや、興奮させているー
そう思うだけでさらにゾクゾクしたー
「-ふふふふ…」
人差し指を口の近くに持っていくとー
今度は、その指をしゃぶり始めたー
くちゅくちゅと音を立てながら
人差し指を口に入れたり、出したりを繰り返す。
「あぁぁあ…♡ おいしい…」
実際には、おいしい味なんて
していないのにも関わらず、里緒菜は
嬉しそうに自分の指をぺろぺろぺろぺろと
舐め続けているー。
指を出したりー
入れたりー
指は里緒菜の唾液まみれになり、
唾液が時々、床に落ちていくー
人差し指を散々しゃぶりまわすと、
今度は中指を咥えて
嬉しそうに舐め始めたー
独身男性の部屋の中で、
見ず知らずの女子大生が
自分の指をしゃぶって満面の笑みを
浮かべているー。
何も事情を知らない人が見たら
驚くだろうー。
中指を舐め終えて、
薬指をぺろぺろと舐め始める里緒菜ー
里緒菜のスマホが鳴るー。
「---あ…?なんだようっせぇな」
可愛い声でそう言いながら、
里緒菜は仕方がなくスマホを見つめる。
唾液まみれの指でスマホを掴んで
画面を見ると
友達らしき名前がそこには表示されていた。
「なに?」
里緒菜という子が普段どんな風に
喋っているのかは分からない。
電話を無視しても良かったのだが、
なんとなく”女子大生の手でスマホを握りしめて
電話に出る自分”を経験してみたかった。
”里緒菜?
どうしたの?大学にも来ないで?
何かあったの?”
里緒菜が大学に来ないことを心配して
友達が電話をかけてきたようだ。
「---……」
里緒菜はどう返事をしようか迷ったー
だが、今、自分は里緒菜だ。
ここで変な返事をしたところで、
新之助が憑依しているなんてこと、
誰も気づかないだろうー
恥ずかしい思いをするのはー
里緒菜だ。
自分には関係ない。
「--自分の手を見てたら興奮しちゃって♡」
甘い声で返事をする里緒菜。
”へ…?”
電話の相手の友達が困惑するような声を出した。
まぁ、当然と言えば当然の反応だろう。
「--んふふふふ…わたしの手、すっごく綺麗だし
エッチなんだもん!」
里緒菜は、いつもとは違う口調で言う。
”あ、、、あの…里緒菜だよね?”
「-ふふふ…そうだよ~?里緒菜だよ~!
わたしねー、実は手フェチなの!
自分の手を見て興奮しちゃう女なの!」
”ふ…ふ~ん”
友達は明らかに動揺している。
「そうだ!今度、そっちの手もしゃぶらせてよ!」
相手の名前を把握していない憑依された里緒菜は
そう言い放った。
”---え…あ、、、も、もう切るね!”
電話が切れたー
「あっはははは♡さいこう!」
里緒菜はそう言うと、スマホを乱暴に放り投げた。
そしてー
再び自分の手を見つめると
今度はぺろぺろと全体を舐め始めたー
②へ続く
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コメント
過去作品の
「タイツ狂い」ではタイツ大好きな男性の憑依
「髪~KAMI~」では髪が大好きな男性の憑依を書いたので
今度は手!ということで
この作品を書いてみました~!
続きは明日デス!
コメント
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女の手の匂いって最高です[絵文字:v-10]
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> 女の手の匂いって最高です[絵文字:v-10]
コメントありがとうございます~!
お楽しみいただけて何よりデス
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