<入れ替わり>俺がミニスカサンタ③~聖夜~(完)

ミニスカサンタのバイトを
なんとか乗り越えたと思っていたら…?

無事にバイトを乗り切って
元に戻ることはできるのか…。

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「---ここからは性夜だよ~?真鈴ちゃん!うへへ」
係員の男が言うー。

「--ひっ!?」
真鈴(洋一)は思わず声を出してしまう。
係員の男に胸を触られた。

「--ちょ…や、、やめてください!」
真鈴(洋一)が叫ぶー

”おいおい、女の子として
 乱暴までされるのか俺?勘弁してくれよ”
洋一は心の中でそう思う。

「えへへへへ…
 そう言うなよ…
 今日、ここにバイトに来てるってことは
 君もクリぼっちなんだろ~?」

係員の男がグヘグへ言いながら笑う。
「君のクリ、満足させてあげるからさぁ~えへへ」

”何て気持ち悪い男なんだ”

真鈴(洋一)はそう思ったー

「---い、、いえ、彼女いますから」
真鈴(洋一)はそう呟いたー

”あ…間違えた…”

洋一は思うー
この場合、彼氏というべきだった。
自分が真鈴の身体であることにまだ慣れていない。

「--ふぅ!彼女!
 百合ップルってやつぅ? いいね~!」
係員の男がニヤニヤしながら言う。

そして、真鈴(洋一)の身体を無理矢理
触ると、そのまま胸をわしづかみにしてくる。

「やめてください!通報しますよ!」
真鈴(洋一)が叫ぶ。

”できれば、何事もなく早く帰りたいー
 日雇いのバイトだし、真鈴にも
 ここに近づかないように言えば
 穏便に解決できるだろう”

「---えっへへへ、や~めない!
 おじさんには分かるんだぞ~!
 君には彼女なんていないって
 えへへへへ」

係員の男は、真鈴(洋一)の首筋を
ぺろぺろと舐めはじめる。

「--……く…」
真鈴(洋一)はぷるぷると震えていたー

恐怖ー

ではない。

自分の彼女に手を出そうとしている
この係員の男が許せなかった。

「--えっへへへへへ~
 サンタさん~!
 おつかれさまぁ~!
 おじさんのミルクはいかが~?」
おじさんが真鈴の手を掴んで
ニヤニヤしながら呟いているー

ブチっ

キレたー。

「おい!」
真鈴(洋一)は、真鈴の声とは思えないような
低い声を出した。

「--へ?」
係員の男から笑みが消える。

真鈴(洋一)は係員の男の手を引っ張ると、
壁に叩きつけた。

「--あひっ!?」
壁に叩きつけられた係員の男は
一転して弱気な表情になるー。

真鈴(洋一)は怒りに震えながら
係員の男を睨んだ。

「俺の彼女によくも手を出そうとしてくれたな?」
口から出ているのは確かに真鈴の声ー

”真鈴、こんな声も出るんだ…”と
洋一はドキドキしながら
係員の男を睨む。

「お、、俺!?
 彼女!?!?
 ま、まさか君はぁ!?」
係員の男がビビりながら叫ぶ。

明らかに小物の仕草だ。

(やべっ)
洋一は思うー
もしかして入れ替わっているのがばれたのか?

とー

だがー。
係員の男が叫んだのは
別の言葉だったー。

「ま、、ま、、まさか…男の娘だったのかぁ!?」
係員の男は絶望的な表情を
浮かべながら叫ぶ。

「はぁ?」
真鈴(洋一)は思わず叫ぶ。

「ち、ちがっ…ちゃんと女だよ!
 ほら!胸も本物だし、
 アレもないだろ?!」
真鈴(洋一)は真鈴として振る舞うことも
忘れて男言葉で叫ぶ。

「--な、、な、、なら、、証拠を見せてみろ!」
係員の男が叫ぶ。

「--証拠?」
真鈴(洋一)は一瞬、それに乗りそうになったが
すぐに叫んだ。

「って、見せるか!変態野郎!」
真鈴(洋一)は、そう言うと係員の男を掴んで
更衣室の外に無理やり押し出そうとしたー

「--ま、待ってくれ!
 よ、、良ければお母さんと呼ばせてくれ!」

係員の男が何やらわめいている。

「うるせー!とっとと出てけ!」
真鈴(洋一)は、係員の男のお尻を
蹴り飛ばすと、「ぐえっ!」と悲鳴を上げながら
係員の男は廊下に突き飛ばされた。

「まったく…」
真鈴(洋一)はそう呟くと、
更衣室の扉を閉めて、鍵をかけた。

「---はぅ…疲れた…」
鏡を見るー。

真鈴(洋一)の表情が
いつも見ないような怒りに満ちた表情になっているー

「へー…こんな怖い顔も出来るんだな…」
真鈴(洋一)の顔を見ながらそう呟く。

”俺も、怒らせないようにしないとな”

そう呟きながら真鈴(洋一)は
ドキドキしながら私服へと着替えていくー

”なるべく目を瞑って”
”みないようにしながらー”

真鈴(洋一)はなんとか着替え終えると、
更衣室の出口に向かうー

更衣室から出ると、
係員の男が待ち構えていた。

冷や汗をかきながら、
封筒を持っているー

「あ、、あの…さっきはつい出来心で」
封筒を差し出す男。

「--さっきのことは、誰にも言わないで頂けると
 助かりますー…
 ゆ、諭吉さん5人で手を打ちましょう…」

パシッ!

真鈴(洋一)は係員の封筒をはたき落した。

係員が驚いて真鈴(洋一)の方を見るー
真鈴(洋一)は、自分に出来る限界まで
怖い声を出したー

「テメェ…ふざけてんじゃねぇぞ」

真鈴(洋一)の声とは思えないー

恐ろしい声が出たー

それほどまでに洋一は怒っていたのだろうー。

係員の男はへなへなとその場に座り込んで
失禁したー。

「--失礼します」
真鈴(洋一)は不機嫌そうに
係員の男を放置して、
事務所から立ち去ったー

名札には”栗巣(くりす)”と書かれていたー。
もし、あいつが今後も真鈴に近づくようなら、
手を打とうー。

真鈴(洋一)はそう思いながら
遊園地を後にしたー。

遊園地から帰る2人ー。
洋一(真鈴)は、
”まさか、クリスマス当日も2人で過ごすことになるなんて”と笑うー

そうー
元々は
クリスマスイブを過ごし、クリスマス当日は
真鈴がバイトをするため、
別れる予定だったのだが、
結局二日間とも一緒になってしまったー

「--そういやさ、あの遊園地の係員
 俺に乱暴しようとしたぞ?」
真鈴(洋一)が苦笑いしながら言う。

「え~!?」
洋一(真鈴)が驚く-

「いやぁ、ある意味入れ替わって良かったのかもな
 真鈴を守ることができて」
真鈴(洋一)が言うと、洋一(真鈴)は
「ふふ、そうかも」と微笑んだー

真鈴(洋一)が鞄から封筒を取り出す。

「--あ、これ、バイト代」
真鈴(洋一)が遊園地のバイト代を
手渡そうとすると洋一(真鈴)は首を振った

「ううん、いいよ」
洋一(真鈴)は笑うー

「働いたのは洋一でしょ。
 だから、そのバイト代は洋一のもの」
それだけ言うと、洋一(真鈴)は、
”さ、帰って元に戻ろ!”と呟いたー

入れ替わった時のように
手を繋いで寝れば元に戻れるーはずだ。

真鈴(洋一)は微笑みながら
「あぁ…」と答えた。

ぐるるるるる…

「-!?」

真鈴(洋一)のお腹が鳴った。

「ふふ、お腹すいちゃったのね~…!
 そういえばわたしも!」
洋一(真鈴)が微笑むー

「何か買って帰ろ!」
洋一(真鈴)の言葉に
真鈴(洋一)は頷いたー

「ねぇねぇ、何買って帰る~?」

「そうだなぁ…昨日ケーキは食べたからなぁ~」

「じゃあ今日はチキンかな!
 クリスマスと言えばチキンでしょ!」

「--いや、チキンじゃなくてシャケだろ」

「へ?シャケ?なんで?」

「--いや、最近はチキンの代わりにシャケらしいぜ」

「ふ~ん」

二人は、楽しそうに会話しながら
自宅へと戻るのだったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夜ー
真鈴(洋一)と洋一(真鈴)は
シャケを食べ終えると、
元に戻るための準備を始めたー

「本当に戻れるのかな?」
洋一(真鈴)が不安そうに言うー

「だいじょうぶ」
真鈴(洋一)が言う。

大丈夫な保証はどこにもないー。

けれどー
自分まで不安がっていたら
真鈴はもっと不安になってしまう。

「大丈夫。心配するなよ」
真鈴(洋一)が改めて言うと、
洋一(真鈴)は「うん…」と優しく微笑んだ。

布団を用意して、
二人で寝る準備をする。

「そういえばさ…」
洋一(真鈴)が呟く。

「洋一、わたしの身体になっても
 エッチなことしようとか思わなかったの?」
洋一(真鈴)の突然の質問に、
真鈴(洋一)は顔を真っ赤にした

「な、な、なんだよ!いきなり!?」
真鈴(洋一)が言うと、
洋一(真鈴)は微笑んだ。

「---ふふ、ホラ、
 こういう時って、エッチなことするお話とか
 多いじゃない?
 洋一もわたしの見てないところで
 隠れてしたのかなぁ~?って」

洋一(真鈴)の言葉に
真鈴(洋一)は
「し、し、し、し、してない!」と叫んだー

「ふふふ…真っ赤になっちゃって…かわいい」
洋一(真鈴)はからかうようにして
そう言うと、にこにこしながら
布団に入るー。

「ほ、、ほら…だってさ…
 真鈴のことは本当に大事にしてるし…その…」
真鈴(洋一)が戸惑いながら言うと、
洋一(真鈴)はにっこりとほほ笑む。

「ふふ…大丈夫。分かってる…ありがとう」
そう言うと、手を差し伸べる洋一(真鈴)

「さ、元に戻ろ!」
洋一(真鈴)の言葉に、
真鈴(洋一)は頷いて、手を繋いだー。

二人は、穏やかな笑みを浮かべて
眠りについたー

・・・・・・・・・・・・・・・・

翌朝ー。

目を覚ますー。

いつもの、穏やかな朝ー

目を覚ました洋一は、
ふと隣を見るー。

すると、隣には、真鈴の姿。

「----…ほっ」
洋一は、ほっとして、
立ち上がった。

真鈴は、穏やかな寝息を立てている。

無事に、元に戻ることができたー。

どうして、入れ替わってしまったのかは
結局、謎のままだけれど、
結果的に、遊園地の変態係員から
真鈴を守ることができたし、
よかったのかもしれないー

洋一は、何気なく鏡を見るー

・・・

ちゃんとー自分の姿だった。

「----」
真鈴が目を覚ます。

そしてー
真鈴が悲鳴をあげた。

「--!?!?」
洋一が驚いて真鈴の方に向かうと、
真鈴が叫んだ。

「あ…あれ!?おれ、、元に戻ってねぇ!?」
とー

身体をベタベタ触りながら
叫ぶ真鈴。

「---え???えっ?」
洋一から血の気が引いていくー

どういうことだー?
自分は確かに元の身体に戻っている。

なのにー
目の前にいる真鈴は
元に戻れていないー

それじゃ、真鈴は…

洋一が真っ青になっていると
真鈴はにっこりとほほ笑んだ。

「なんちゃって~」

とー。

「----…」
洋一は脱力感を感じると共に、
苦笑いしながら叫んだ。

「なんだよ~!驚かすなよ~!」

二人の笑い声が
家の中に響き渡ったー

・・・・・・・・・・・・・・・

数年後ー
二人は結婚し、
幸せな日々を送っていたー

そんなある日ー

「ええええええええっ!?」
「うわああああああああああっ!?」

朝、目を覚ました2人は驚くー。

”あの時”と同じように
手を繋いで眠っていた2人ー

目を覚まして、気が付くと
二人は入れ替わっていた。

あの時と同じようにー

「ま、、またこうなるのかよぉ…!?」
真鈴(洋一)が叫ぶ。

洋一(真鈴)は苦笑いしながら
「いいじゃん!せっかくなんだし
 今度は色々やってみようよ!」
と嬉しそうに提案したー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

平和な入れ替わりモノでした~☆!
2度目の入れ替わりは、
色々なHなこともしちゃうのかも…
しれませんネ(笑)

お読み下さりありがとうございました~☆

明日は”憑依”のクリスマスモノですよ~!

コメント

  1. 飛龍 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    襲われちゃうのかと思ったら、見事撃退できて良かった~
    こういうほのぼのな話も好きです~

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 襲われちゃうのかと思ったら、見事撃退できて良かった~
    > こういうほのぼのな話も好きです~

    コメントありがとうございます~☆
    いつもはダーク系クリスマスが多い気がしたので
    今年はほのぼのにしました~!