<入れ替わり>見下すわたしと見下される俺

とある不良生徒ー

先生からも、同級生からも
”腫物”として扱われて
そして、見下されてきたー

しかし、ある日…?

※リクエスト作品デス

---------------—-

「-----……」

不良男子・裕輔(ゆうすけ)は、
いつもと全く違う、弱弱しい表情で、
一人、廊下を歩いていたー

廊下の鏡を見つめる裕輔ー

派手な茶髪に、
だらしなく着こなした制服ー

先生たちからは
”どうしようもないクズ”と言われることもあるー。

どうしてだろうかー。
どうして”こうなって”しまったのかー

ことの始まりは1時間前ー。

女性教師の北里 功恵(きたざと いさえ)は、
まだ若い事もあって、
裕輔に舐められていた。

そんな裕輔のことを
功恵は、なんとか立ち直らせようと、
他の先生が”あいつはどうしようもない
そのうち退学するだろう”という流れに
なっている状況でも
諦めずに、親身になって接していたー

だがー
功恵も仏ではない。
心のどこかでは裕輔のことを
”どうしようもないコ”と思っていたー

そんな裕輔と功恵がー
”入れ替わって”しまったのは
昼休みのことだったー。

昼休み、非常階段で煙草を吸っていた
裕輔を見つけて、注意したところ、
裕輔が慌てて逃げようとしたため、
功恵とぶつかってしまい、
そのまま階段から転落し、
入れ替わってしまったのだー

そして、功恵になった裕輔は
知ってしまったー。

功恵が、心のどこかで、
裕輔のことを”どうしようもない子”だと
考えていたことを、
功恵の身体になったことで、知ってしまったのだ。

裕輔になってしまった功恵は
困惑していたー
目を覚ました時には、功恵の姿はなかったー
自分が裕輔になっているということは、
功恵の身体には裕輔がいる可能性が高いー

「…こんな、漫画とかアニメみたいなことが
 起きるなんて…」

裕輔になったことで、功恵は
裕輔の想いを知ってしまったー

自分を嫌悪していてー
他人を嫌悪しているー
世の中のすべてを憎み、憎悪しているー。

他人から見下されていると
思っているー
いや、思い込んでいるー。

裕輔(功恵)は、
ひとまず裕輔として教室に戻ることにしたー。
ちょうど、次は功恵がやるはずだった授業の時間だー。

功恵になった裕輔がどこに行ったのか
分からない以上ー、
教室で待っている方がいいかもしれないー

裕輔(功恵)が教室に入ると
クラスメイトたちがひそひそと
裕輔(功恵)の方を見て、何かを話しはじめた。

裕輔は素行が悪いために
クラスで孤立しているーー

周囲は、そんな裕輔に怯えて、
いつも気を使っていたが、
実際に裕輔になってみて
功恵は思うー

”周囲のクラスメイトは、内心
 裕輔のことを見下している”

そのことが、ひしひしと伝わってくるのだ。

ビビられているー
けど、同時に、”腫物”として
見下されているー。

「---裕輔くんは、
 こんな気持ちだったのかしらー」

裕輔(功恵)がふとつぶやくー

もちろん、素行不良の裕輔自身が
招いた環境であることは確かだ。

けれどー。
こんな環境では、
立ち直ることは難しいかもしれない。
どんどん、どんどん、闇に向かって
歩んで行ってしまうかもしれないー

そんな風に、裕輔になった功恵は感じた。

ガラッー。

教室の扉が開くー
入り口からはーー
功恵になった裕輔が入ってきた。

功恵(裕輔)は
裕輔(功恵)の方を見つめると
鼻で笑ったー

”今まで俺を見下していた罰だー
 今度は、俺がお前たちを見下してやる”

そんな風に思っている顔ー

に、見えたー

授業が始まる。

功恵になった裕輔は、
功恵の記憶を探りながら
授業をしていくー
功恵の美貌を手に入れたー
功恵の頭脳を手に入れたー
怖いものなんて、ない。

「---これ、分かる?」
功恵(裕輔)が、クラスの気の強い女子に言う。

裕輔のことを毛嫌いしていた女子だ。

「----え、、え~っと」
その女子が答えに戸惑っていると
功恵(裕輔)は答えた。

「あら…?
 そんなことも分からないのかしら…
 他の子のことを見下しているのに
 あなたも大したことないのね」
功恵(裕輔)は
嫌味っぽく言う。

他の生徒たちが、功恵のいつもと違う
態度に静まりかえる。

「-こら!そんな言い方…!」
裕輔(功恵)が立ち上がる。

とにかく身体をなんとかして
元通りにしないといけないー

しかしー

「---授業中は静かにしてなさい!」
功恵(裕輔)が大声を出した。

「---!」
裕輔(功恵)が驚いて言葉を止めてしまうー

「---いっつも、先生を困らせて…
 なんなら、してあげてもいいのよ???」

功恵(裕輔)は見下すような目つきで
裕輔(功恵)を見たー

まるで、ゴミを見るような目でー
憎悪をにじませながらー

「---……」
裕輔(功恵)は、ここで騒ぐのは
得策ではないと判断して
黙って着席したー。

自分が裕輔の記憶を引き出せるということは
裕輔も功恵の記憶を引き出すことができる、
ということを意味している。

と、なれば功恵に成りすますことも容易だろう。

”身体が入れ替わってしまった”なんてことを
叫んでも、普通は誰も信じない。
今、この状況は、功恵にとって
とても不利な状況なのだー。

高圧的な先生の態度に
他のクラスメイトたちは
違和感を感じながらそのまま授業を受けー
授業の時間は終わってしまうー

「---あ~あ!いい気味」
ボソッと功恵(裕輔)がそう呟くと
颯爽と教室から立ち去って行くー

”周囲のクラスメイトたちを見下すことができた”という
充実感ー
そんな表情を浮かべながらー

「待ちなさい!」
廊下で裕輔(功恵)は功恵(裕輔)に声をかけたー

「---あらぁ~?
 落ちこぼれの裕輔くぅん~?

功恵(裕輔)はニヤニヤしながら言う。
功恵が普段絶対にしないような、
歪んだ笑みー。

「--こ、これ以上好き放題はさせないわ!
 まず、二人で元通りになる方法を探しましょ!」
裕輔(功恵)が言うと、
功恵(裕輔)はニヤニヤしながら答えたー

「いやだね」
とー。

「--!!」
裕輔(功恵)が唖然とする。

功恵(裕輔)はニヤニヤしながら
自分の胸を触り始めた。

「んふふふ~お前の身体って
 エロいよなぁ~」
ニヤニヤしながら胸を触る功恵(裕輔)

「なっ!やめなさい!」
裕輔(功恵)が叫ぶー。

しかしー
功恵(裕輔)は
「頭も悪くて人望もなくて
 正直、顔もあまり良くない裕輔く~ん?
 あはは!
 これからはお前が裕輔だ!」
功恵(裕輔)が勝ち誇った表情で言うー

まさか、現実で入れ替わりが起きるなんてー
そんなこと、思ってもみなかったー。
だが、こうして入れ替わることができたのは
ラッキーだった。

功恵の身体を手に入れることができただけではない。
その美貌も、地位も、頭脳も
すべてを手にすることができた。

今までー
自分を見下してきたやつらを、
逆に見下してやるー。

そうだ、これは復讐なんだー。

功恵(祐輔)は笑みを浮かべたー

「いいの?この身体を立場を使えば
 お前を退学にすることは
 とっても簡単なことだ」

功恵(祐輔)が低い声で脅すようにして言う。

祐輔(功恵)は
”自分がこんな声を出すことができるなんて”と
半分驚きながら、
「そ…そんな…」とつぶやく。

どうすることもできないー。
この、悪夢のような状況をー

・・・・・・・・・・・・・・・

その日からー
功恵になった祐輔は
女の身体で快感を
存分に味わった。

夫とは、毎晩のようにやりまくったー。
自分の子供をしかりつけて快感を覚える

”功恵、最近変わったな…”

そんな風に夫から言われた。

だがー
そんなことは関係ない。

それにー
エッチをしたり
誘惑してやれば、
夫は快感に負けて、
メロメロになってしまうー

「くくく…この身体があれば…」
功恵(祐輔)は自分の部屋で
太ももを撫でまわしながら笑うー

「この身体があれば
 なんでも思い通りだぜぇ!
 いっひひひひひひひひ~♡」

ベロをべろべろさせながら大笑いする
功恵(祐輔)-

かつての面影は、そこにはもう、なかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・

功恵(祐輔)は派手な格好で
学校に出てくるようになったー
胸元を強調して、
男を誘惑するかのような格好。

「ねぇ…校長先生…?
 うるさい親たちのクレームから
 わたしを守って…?」

誘惑するような仕草で功恵(祐輔)は
校長先生をも手ごまにしたー。

保護者からのクレームも
怖くなどなかった。

”わたしみたいに美貌を手にすることのできなかった
 ババアどもが、負け惜しみを…”

わめく保護者たちを見つめながら
功恵(祐輔)は笑みを浮かべる。

「ふふふ…きれいで頭もいいわたしに、
 お前たちが勝てるわけないのよ」

功恵(祐輔)は満面の笑みを浮かべたー

”このまま好きにさせるわけにはいかないー”
祐輔の身体になってしまった功恵は、
もとに戻る方法ー
周囲にこの状況を伝える方法を
必死に考えていたー

なんとかして、元に戻らなくてはいけないー
このままじゃ…わたしは…

だがー
そうは思いながらも、
今、祐輔(功恵)がしていることは
まったく関係のないことだったー

「あぁぁ…祐輔ぇ…♡」
赤い髪をした、派手な女が
うっとりとした目で祐輔(功恵)を見つめている。

「はぁ…♡ はぁ…♡
 女とヤるのって、気持ちいいぜ…」

祐輔(功恵)は荒い息をしながら
そうつぶやいたー

”こんなことしてる場合じゃないのに”
心の中では、そうわかっていても
やめられないー

気持ちいいのだ。

とにかくー
気持ちがいいー

祐輔(功恵)は、
赤い髪の女の胸を狂ったように触ると
「今日も、、、ゾクゾクしようぜぇ…♡」と
はぁはぁ言いながら呟いた…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

ある日ー

功恵(祐輔)は目を覚ますー

「---…ふふ…
 今日も馬鹿どもの指導ね」

功恵(祐輔)は
もともとの功恵よりも
色っぽく、妖艶になっていたー

性格もキツくなり、
子供たちを見下すようなそんな性格に変わった。

夫とのエッチも増えたー
夫は喜んでいるがー
どことなく”違和感”も感じていたー

けれどまさかー
”功恵が入れ替わった”などと
誰も思うはずがなかったー…。

「----…あれ?」
功恵(祐輔)は呟くー

”何か、大事なことを忘れているような…”

けれどー
それを思い出すことはできなかった。

「まぁ、いっか♪」
功恵(祐輔)はそう呟くと
今日も学校に向かう準備を始めたー

ーー功恵はーー
自分が”入れ替わった”ことを
忘れてしまったー
功恵の身体に完全に取り込まれてー
祐輔の性格を反映したままー
完全に功恵になってしまったー

・・・・・・・・・・・・・

功恵も、同じー。

祐輔になった功恵はー
”もとに戻らなくちゃ”という感情を
完全に失っていたー

地元のワルたちとつるむ日々ー。

もうー
彼女は、いや、彼はー
自分が功恵であったことを思い出せないー

そう、永遠にー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

リクエストを題材とした作品でした!

原文は

”④、3とよく似ていますが、不良、
ヤンキー男子中学生か高生生が女性担任教師から成績や
行動について怒られ担任と入れ替わり担任の人生を乗っ取ります。
と同じように教師を叱りつけ頭が悪かった自分が自分を見下げていた
同級生に授業を行い成績をつける事、女性としてオナニーやセックスをする事、
夫や子どもに教師になりすまして接する事に快感を覚えていきます。
一方で教師は不良、ヤンキーをする事男子としてオナニーやセックスをする事に快感を覚えていきます。”

というものでした!

以前に書いたお話に似ているものも
あった気がするので、
今回は少し変わるように書いてみましたが
同じような感じになってしまった気もします…(汗)
今後も練習あるのみですネ…!

お読み下さりありがとうございました~!

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コメント

  1. 匿名 より:

    SECRET: 1
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    今回のリクエスト作品非常に良かったです。特に元に戻らなくて良かったです。リクエスト作品の自信を失わないで下さい。
    追伸
    誤字がありました。女の身体で開館を
    存分に味わった。は快感では?
    生活もキツくなり、
    子供たちを見下すようなそんな性格に変わった。
    は性格もキツくなりでは?

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    コメントありがとうございます~!
    励ましの言葉も暖かい気持ちで受け取りました~☆

    誤字のご指摘もありがとうございます!
    どちらもご指摘の通りです!
    修正しておきますネ~!