<憑依>繁華街に消えたお母さん①~憑依~

幸せな家庭ー
心優しい母親ー。

そんな平穏が、”憑依”によって
壊される…

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「お母さん行って来ます~!」
長男の伸介(しんすけ)が、
元気よくランドセルを背負って家から
飛び出して行くー。

「いってらっしゃい~!」
母親の美香(みか)は、笑顔で
伸介を送り出した。

藤村家ー。
ごく普通の家庭で、
美香と夫の五郎(ごろう)、
そして長男の伸介ー
3人で幸せに暮らしていた。

まだ小学校低学年の伸介は
何かと手がかかることも多いが、
美香も五郎も、そんな伸介を
優しく見守りつつ、育てている。

「--さて、俺も行くかな」
五郎が立ち上がる。

「--行ってらっしゃい」
五郎を見送る美香。

20代後半の美香は、
まだまだ若々しく、
とても綺麗な女性だった。
五郎とは高校時代からの付き合いで
早い段階で結婚し、そのあとに
子供にも恵まれた。

五郎も、美香も、
幸せな時を過ごしていたー。

そう、この時まではー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「--ありがとうございました~」

美香は、週に2回ほど
スーパーでパートとして働いている。

パート先に一人だけ陰険なおばさんが
いるものの、それ以外は特に悩みもなかったし
パートも順調と言えた。
陰険なおばさんの一人やふたり、どこの
職場でもいるし、
そこまで気にしていても、仕方がないーと、
美香は前向きだったー。

「------」

ドン!

やってきた客が
レジにカゴを放り投げるようにして、
乱暴に置くー

美香は、”なんでそんなに乱暴にするのかなぁ”と
内心では思いながらも接客業ではよくあること。
作り笑いを浮かべてそのまま
いつも通りレジ打ちをするのだったー。

「---……」
いかにもチャラそうな男が美香の方を
ずっと見つめているー。

「---…あ、、あの…すみません」
美香が言う。

だが、男は反応しない。
ずっと美香のほうをじーっと見つめている。

「あの…お会計…よろしいでしょうか?」
美香が呟く。

既にレジ打ちは終わり、
2880円になります、と伝えて
その金額もレジに表示されているのだが
男が反応しない。

「ーーー」
男は、美香をじーっと見つめる。

「--あ、、あの…2880円になりますが…?」
美香が言うと、
ようやく男は「ん?あぁ?」と呟き、
そのまま会計を終えて、そのままスーパーから
出て行った。

”なんだったんだろう…?”
美香はそんなことを思いながら
次のお客さんのレジ打ちを始めるー。

美香が、スーパーのパートを終える時間に
なったころにはー、
もう、そのことは忘れていたー
1日に大勢のお客さんを捌くし、
変な人もたくさんいるー。
そのぐらいのことは、すぐに忘れてしまうのだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夜ー
繁華街のとあるバーを根城にしている
若者の集団が、大笑いしていたー。

「おいおい、そのぐらいにしておけよ」
金髪のバーのマスター、坂倉(さかくら)が言う。

「いいじゃねぇか、坂倉よぉ、
 もうちっと飲ませろや」
いかにもゴツイ男…
チンピラ集団を束ねる・賀助(がすけ)がニヤニヤしながら言う。

その周辺には3人の柄の悪い男たちー。

「---そういえば今日さ、すっげぇ
 綺麗な女がいたんだよ!」
男の一人が言う。

「へぇ…どんな?」
リーダー格の賀助が言うと、
男は答えた。

「昼間、酒をスーパーに買いにいったんだけどさ、
 超綺麗な女でさ~!
 いやぁ…あの女とヤリてぇなぁ~」

男がゲラゲラ笑いながら言う。

男は、昼間、美香がパートで働いている
スーパーで買い物をした客だ。
ずっと美香を見つめていたのは、
美香に一目惚れをしたからだった。

「---へへ…女好きのお前らしいぜ」
別の男が言う。

「---…じゃあよ…ちょっとおもしれぇことしてみねぇか?」
リーダー格の賀助が言う。

「-?」
スーパーで買い物した男が首をかしげる。

「--新次郎(しんじろう)、明日、その女をここに連れてこい。
 乱暴な方法になっても構わねぇ」
賀助が言うと、
スーパーで買い物したチンピラ・新次郎が言いかえした

「え、でも?それはやばくないっすか?
 警察沙汰に…」

新次郎の言葉に
賀助は笑う。

「大丈夫だよ…
 ちょっと友人から手に入れた”これ”を試してみようと思ってな…」

そう言うと、賀助は
小さな容器に入った紫色の液体を
新次郎に見せつけた…。

・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー。

「---ただいま~!」
長男の伸介が帰宅する。

「-おかえいなさい」
美香が優しく微笑む。

美香は、昔から落ち着いた格好が好きで、
子供が出来た今も、それは変わらない。ほんわかした、
優しさを感じるようなそんな服装を好んでいる。

服装がー
美香自身の穏やかな性格を
表しているかのようだった。

「あ、そうだ、お母さん、ちょっと買い物に行ってくるね」

美香がそう言うと、
伸介が「うん!お留守番してる~!」と答えた。

「あ、お母さん!カレーが食べたい!」
伸介がそう言うと、
美香は「ふふ、じゃあカレーにしよっかな」と笑顔で
答えて、そのまま外へと出かけて行った。

・・・・・・・・・・・・・

スーパーでカレーの食材や、
その他、食料品を購入する美香。
夫である五郎が好きそうなものも
購入していくー

「ふぅ…こんな感じかな」
買い物を終えて、スーパーを出る美香。

いつも通り、普通にそのまま帰宅するつもりだった。

しかしー

「ヒャッハー!」
突然、トンガリ頭の男が目の前に現れた。

「--!?」
どう考えてもまともではなさそうなその男を見て
美香は驚いた表情を浮かべる。

「---まさか人妻だったなんてなぁ~!
 えっへへへへ」

背後から別の男が現れる。
耳と鼻と口にピアスをつけた
いかにも危険そうな風貌の男だ。
美香からは見えないが、へそにもピアスがついている。

「---…な、何ですかあなたたちは!」
美香が言うと、
横からもう一人男が現れるー

その男はー
昨日、スーパーでお会計中に
ずっと美香を見つめていた男・新次郎だった。

「--へへへ…俺達と遊びましょ?」
新次郎が下心丸出しで言う。

新次郎は、Hなことばかりを考えているような男で、
仲間内からは「桃太郎」というあだ名で呼ばれてしまっている。

「---お、、、お断りします!」
美香ははっきりとそう言うと、3人を無視して
立ち去ろうとする。

しかしー

「ヒャッハー!」
トンガリ頭の男が、背後から美香を抱きしめる。

「きゃあああああっ!」
叫ぶ美香ー

だが、不運なことにちょうどここは
人通りのない通り道だったー。

新次郎たちが、人通りのない場所を
狙ったのだー

無理矢理近くに止まっていた車に
押し込められてしまう美香。
美香は必死に抵抗するー。

美香がもがきー
トンガリ頭の男の頭が少し潰れたがー
結局、美香は連れ去られてしまったー

・・・・・・・・・・・・・・・

夜ー

男たちが集うバーに
連れてこられた美香ー

「け…警察を呼びますよ!」
美香が叫ぶ。

けれどー
賀助たちはニヤニヤしている。

「---」
バーのマスターである坂倉は
「ほどほどにしとけよ」と苦笑いをしているが
特に止める様子はない。

「--だ、大丈夫なんですか?」
ピアスだらけの男が言う。

人妻を拉致してきたなんて
明らかに犯罪だ。

だがー
賀助は笑う。

「なぁに。心配ねぇよ。
 お前、見た目のわりに案外小心者なんだな。
 ピアース山村。」

賀助が言うと、
ピアース山村と呼ばれたピアスだらけの男は
「そ、そんなことないっすよ」と呟く。

「-さて、新次郎。お前、この女とヤリてぇって
 言ってたよな」

賀助が言うと、
新次郎は、怯えた表情を浮かべる美香の方を見ながら
頷いた。

「--じゃあ、これを飲め」
怪しげな紫色の液体をコップに入れて手渡す賀助。

「こ、これは…?」
新次郎が戸惑っていると
賀助は”いいから飲め”と呟いた。

新次郎は「へい」と呟き、それを飲み干すー。

だが、何も起きないー

「こ、これは…一体?」
不気味な液体を飲まされた新次郎が狼狽えている。

賀助はそんな新次郎に笑いながら告げた。

「--そこの女に、触れてみろ」

「へ?」

新次郎が首をかしげる。

美香は「や…やめて…」と怖がっているー

時間を稼げば、夫の五郎が
異変に気付いて警察を呼んでくれるだろうー
けれどー…

「いいから触れるんだ!」
賀助がそう言うと、
新次郎は息をのみこんで、美香の方に手を向ける。

ピアスだらけの男・ピアース山村と、
トンガリ頭の男・本田 次郎三郎(ほんだ じろうさぶろう)が
見守る中、新次郎はー美香に手を触れた。

するとー

ズブッ…!

「--!?」
新次郎と美香が驚くー。

「え…」
美香が声を上げるー

新次郎の手が、
美香に食い込んでいるー
まるで、液体のようにー

「--ひっ!?」
美香が驚くー

「お前が飲んだのは”憑依薬”だ!
 今のお前なら、その女の身体を奪うことができる!」

賀助の言葉に新次郎は
「まじっすか?」と答えるー

「あぁ、マジだ。
 お前がその女を乗っ取れば
 誘拐でもなんでもねぇ!
 自分の意思でその女がここに来たことにだって
 できるんだぜ?」

賀助の言葉を聞くと、
新次郎は「うおおおおお!」と嬉しそうに叫びー。

美香にズブズブと自分の身体を押し込んでいく。

「いやぁ…!?やめて…はいって…こないでぇ!」
美香が悲鳴をあげる。

それを無視してー
新次郎は美香の身体にさらに
自分の身体を潜り込ませていく。

「あ…はいって…あ…ぁ…やめ…」
美香の目の輝きが失われていくー。

新次郎は、もうほとんど美香の身体の中に
入り込んでいた。

リーダー格の賀助も、バーのマスター・坂倉も、
賀助の仲間のピアース山村と次郎三郎も
その様子をニヤニヤとしながら見つめている。

やがてー
新次郎が、美香の身体の中に
完全に入り込んだ。

「う…あ…」
美香がぶるぶると震えながら
天井を見つめているー
目からは涙―。

激しい震えが止まってくるとー
美香の表情には笑みが浮かべはじめた。

「う…ひ、、ひひひひひっ…」

美香が不気味な声で笑い出す。

「ひひ…あは…あははははははは~っ♡」
美香は狂ったように笑いながら
勢いよく、両胸をわしづかみにして
揉み始めた。

「---えへへへ…えへへへ…
 お母さんの身体は俺のものですよぉ~♡」
美香の乗っ取りが完了した。

賀助たちはその様子をニヤニヤしながら見つめる。

「---お母さん…お母さん…
 はぁはぁ♡ ままぁ…♡」
美香に憑依した新次郎は、
顔を真っ赤にしながらそう呟き、
身体中をベタベタと触っている。

「---へへっ」
その様子を見ていた賀助が、
突然、美香の身体を押さえて
キスをするー

「えっ!?ちょ、賀助さん」
美香がびっくりしながら言う。

「お前、その女とヤリてぇ、って言ってたよな?」
賀助がニヤニヤしながら笑う。

「え?あ、、はい、、で、、でも
 今は俺の身体っすから…」
美香が、普段は絶対に言わないであろう
口調で喋りながら
賀助の方を見ると、
賀助は、悪い笑みを浮かべて呟いた。

「何のために、お前をその女に憑依させてやったと
 思っている?」
賀助が言うー。

「え…な、何のって…」
美香が苦笑いしながら言うと、
賀助は叫んだ
「お前が女として、俺達を楽しませるんだよ!」
とー。

美香の返事を待たずに、賀助は
美香に強烈なキスをするー。

「うぉっほ!」
トンガリ頭の次郎三郎も嬉しそうに
美香の近くにやってくるー

「おい!山村!」
賀助が仲間のピアース山村に向かって叫ぶと、
山村はバーの奥からメイド服を持ってきた。

「--ほら!着ろ」
賀助が美香に向かって言う。

「え…ちょ、ちょっといきなりは恥ずかしいかも…」
美香が顔を真っ赤にしながら言う。

「いいから着るんだよぉ!」
賀助が叫ぶー。

美香に憑依したばっかりの新次郎は
顔を真っ赤にしながらメイド服に着替えてー…
他の3人の仲間とバーのマスターに対して
”たっぷりとご奉仕”することになってしまったー

「あぐっ…♡ はぁぁ…♡」

深夜-
ヤリまくった美香は、気持ちよさそうな表情で
放心状態になっていたー

家族が、心配していることも知らずにー…

②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

母親が憑依される系の
憑依モノです~☆

導入部分が長かったので
今日は憑依されたあとの部分は
短めになっちゃいました!

お読み下さりありがとうございました~!

コメント

  1. 匂いフェチくん より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    そういう融合みたいな憑依はとてもいいですね[絵文字:v-238]

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > そういう融合みたいな憑依はとてもいいですね[絵文字:v-238]

    コメントありがとうございます~!
    ずぶずぶ、な感じですネ~!