妹をいじめる兄と
兄にいじめられる妹ー
二人は、入れ替わってしまい、
その立場は”逆転”したー…。
--------------------–
「--う…うぅぅぅぅぅ…」
スカートを恥ずかしそうに押さえながら
赤いランドセルを背負う美穂(弦太)
「よ~く、似合ってるじゃん!」
弦太(美穂)は、にやにやしながらその姿を見つめる。
「あとは髪ね~!」
弦太(美穂)はそう言うと、
美穂になった弦太の髪をいじって何かをし始める。
「くそっ!やめろ!お前…あとで覚えてろよ!」
可愛い声でわめく美穂(弦太)。
「--できた~!」
わめく美穂(弦太)を無視して完成したのはー
ツインテールだった。
「くそっ…!くそっ…!」
美穂(弦太)は真っ赤になりながら
鏡を見つめる。
そこにはツインテール姿の
スカートを履いた可愛らしい女の子ーー
今の自分の姿が写っていた
「あぁぁ……」
顔を真っ赤にして手で覆ってしまう美穂(弦太)。
「お兄ちゃん~!ふふふ、似合会ってるよ~!」
からかうようにして言う弦太(美穂)。
「--ふざけ…」
美穂(弦太)がそう叫ぼうとすると、
突然弦太(美穂)に力強く髪の毛を引っ張られた。
「あ、、いたたたたたたたたたた!やめ、、やめろ!」
美穂(弦太)が顔を真っ赤にして叫ぶ。
「---妹の癖に、生意気だー」
弦太(美穂)はそう呟いた。
これまで散々、兄である弦太に言われてきた言葉ー
それを、そっくりそのまま返してやった。
「く…くぅ…」
美穂(弦太)は唇を
力強く噛みしめながら震えるー
屈辱ー
怒りー
恐怖ー
色々な感情が混ざっていたー。
その日からー
美穂になった弦太は、暗くなってしまったー。
弦太になった美穂は、明るくなり、
今までされたことを”仕返し”として
どんどん美穂になった弦太に対してやっていた。
”お兄ちゃんも懲りたかな~”
弦太になった美穂は、
そう思いはじめていた。
もう二度と、自分をいじめることができないように
懲らしめたら、
弦太(美穂)は元に戻るつもりだー。
弦太の身体で過ごしてみて、
やっぱり、自分の身体の方が最終的にはいいかなぁ、と
そう思ったからだー。
美穂の身体になって、弦太もすっかり
大人しくなったー。
今日も、ワンピース姿で
大人しく、妹として振る舞っているー
・・・・・・・・・・・・
「はい、今月のお小遣い」
お父さんとお母さんからの毎月のお小遣いを
受け取る弦太(美穂)と美穂(弦太)。
”そうだー”
弦太(美穂)は笑うー
これまで散々、お兄ちゃんに
お金を貸してくれ、と言われて盗られてきたー。
その仕返しもしないと気が済まないー。
弦太(美穂)はそんなことを思いながら、
静かに微笑んだー
一方―、
美穂(弦太)も不気味な笑みを浮かべていたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
「---なぁ~明日友達と遊びに行くから
お金を貸してくれよ~」
弦太になった美穂が、
前に言われた台詞をそっくりそのまま言い放つー
「え…、、だ、、だめだよ!」
美穂になった弦太が言うー。
入れ替わって数日は、男言葉で反抗してきていたが
最近はそれもなくなって
本当に妹のようになってきているー
なんだかー
弦太が、美穂になりきってしまっているようなー
そんな感じだー。
「--うるさい!」
弦太(美穂)はゴツンと美穂(弦太)の頭を叩くー。
「いたいよぅ…」
美穂(弦太)が涙を流す。
”なんか、反応まで弱弱しくなっちゃって”
弦太になった美穂はそんな風に思いながら、
お金を出すように要求したー。
「---やだ!やめて!」
美穂(弦太)が言う。
「--生意気だぞ!金を出せ!」
弦太(美穂)が言う。
今までこうやって
散々痛めつけられてきたんだー。
これは、お兄ちゃんへの復讐よー。
今、美穂は弦太になっている。
負ける要素は、何もない。
美穂になった弦太の髪を
引っ張りながら、弦太(美穂)は
無理矢理お金を取り上げて
「いつか返すよ~!」と
笑いながら部屋から飛び出して行った。
「いい気味!最高!」
弦太(美穂)は
お兄ちゃんに仕返しすることに成功して
ガッツポーズをするー。
泣きじゃくっている美穂(弦太)を
残して、弦太(美穂)は
自分の部屋に戻るのだったー
・・・。
一人、部屋に残された美穂(弦太)は
笑みを浮かべていたー。
その手には”ボイスレコーダー”
今の、”いじめ”を美穂(弦太)は
録音していたー。
お小遣いの日まで
大人しくしていたのはー
”こうする”ためだー。
美穂(弦太)は
ボイスレコーダーを持ったまま、
母親のところに向かうのだった。
「--ちょっと来なさい」
20分後。
母親の佐津子に呼び出された弦太(美穂)は
首をかしげながら母親のところに向かう。
”まさか?お母さんに言いつけたの?”
弦太になった美穂は一瞬不安に思うー
だが、それはないはずだー
散々脅してあるし、
ぶたれたりは、したくないはず。
それに、万が一何かを言われていたとしても、
とぼければいいー。
今までもそうされてきた。
両親に言っても
両親はたすけてくれない。
兄の弦太が上手く言い訳をするからだー。
だからー
もし、何かを言われたのだとしても
”言い訳”をすればいいー
「---…美穂を苛めたって本当?」
母の佐津子が言う。
美穂(弦太)が母親の背後に隠れながら
怯えているー
「---何言ってんだよ~
そんなことしてるわけないだろ~?」
弦太(美穂)は弦太として振る舞いながら
そう呟いた。
だがー。
「じゃあこれは何?」
佐津子が言うー。
「--生意気だぞ!金を出せ!」
机にはボイスレコーダー。
弦太(美穂)が美穂(弦太)から
お金を奪うまでの音声が
再生されたー。
「--!!」
弦太(美穂)はハッとして
美穂(弦太)の方を見るー
美穂(弦太)はーー
悪そうな笑みを浮かべていたー
「--美穂、あなたにいじめられていたのを
ずっと我慢してお小遣いを貯めて
これを買ったみたいなの。
わたし、びっくりしちゃった…
どうして、妹をいじめるの?」
母の佐津子に言われて、
弦太(美穂)は思わず叫びそうになった。
”いじめられているのはわたしのほうよ!”とー
だが、入れ替わっているなんて
信じてもらえないー
そもそも入れ替わり薬は友達から勝手に
盗んだものだから、言うこともできないー
その夜、帰宅した父の一夫も加わり、
弦太(美穂)はたっぷりと叱られてしまったー
両親の説教が終わりー
弦太(美穂)は怒りの形相で
階段を駆け上がるー。
「--お兄ちゃん!」
弦太(美穂)は叫んだ。
「---へへへ…
女の身体って便利だなぁ…!
この身体を俺にくれたことを
お前に後悔させてやる」
美穂(弦太)は挑発的に言ったー
今までずっと大人しくしていたのは
ボイスレコーダーを買うためのお金ー
お小遣いが手に入るのを待っていたからだったー
「---許さない!生意気だ!」
弦太(美穂)が、美穂(弦太)を殴ろうとするー
男の子の身体になった美穂のほうが
今は力では上ー
だがー。
「---お兄ちゃん~!やめて~!」
わざとらしく叫ぶ美穂(弦太)
そう叫びながらも、
顔は笑っている。
そして、その手にはボイスレコーダー。
「--うっ」
弦太(美穂)が手を止める。
それを確認した美穂(弦太)は
ボイスレコーダーを停止して笑うー。
そしてー、
スカートから覗く足で、弦太(美穂)の急所を
膝蹴りした。
「うっ…あ…ああああああああ!?」
急所を蹴られた弦太(美穂)は
あまりの苦痛に部屋の上で
転がりまわる。
「あっはははははは!
美穂~!ざんねんだったな~!
お前が何をしても、
お兄ちゃんには勝てない!」
美穂(弦太)が勝ち誇った表情で言う。
「うぅぅ…あ…うぅぅううううううう…」
急所を蹴られた苦しみで
もだえ苦しむ弦太(美穂)。
「ゆるさない…ゆるさない…!」
弦太(美穂)は冷や汗をかきながら
そう呟くー
「あっはははは!
お兄ちゃん~!
これからもよろしくぅ~!」
美穂(弦太)はバカにしたような
表情で、そう言い放ったー。
立場は再び、逆転してしまったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
弦太になった美穂は
美穂になった弦太に
”妹”という立場を逆に利用されてしまい、
再び嫌がらせを受けるようになっていたー
身体と立場が入れ替わったとしても、
中身ー
悪知恵の部分は本人たちのまま。
美穂になった弦太は、
持ち前の悪知恵で、”妹”という立場と
身体を利用し始めたのだった。
「-ーーへへへっ!」
悪そうな笑みを浮かべた美穂(弦太)が
弦太(美穂)を叩くー。
「--いたっ…!や、、やめてよ!」
弦太(美穂)が必死に反論する。
力ならー
弦太の身体のほうが上だー。
そう思いながら弦太(美穂)は
美穂(弦太)に仕返しをする。
しかしー
「いたいよぉ~!?」
美穂(弦太)が突然大声で叫んだ。
「--どうしたの!?」
母親の佐津子が駆けつける。
「お兄ちゃんがわたしを叩いた~…」
ウソ泣きをしながら言う美穂(弦太)。
「ち、、ちが…!」
弦太(美穂)は、戸惑うー
だがー
母親の佐津子は、弦太(美穂)の
言い訳を聞いてはくれなかったー。
「最近どうしたの!?
美穂のことばかりいじめて!」
母が怒りの形相で言う。
”ちがうー!
わたしはずっとこうされてきたの!
最近始まったわけじゃない!”
弦太の姿をした美穂は
心の中でそう叫ぶー
自分だって、ずっといじめられてきたー
なのに、誰も気付いてくれなかったー
「----」
美穂(弦太)が、母親に見えないように
ニヤニヤと笑っているー
勝ち誇った表情ー。
「うあああああああ!」
弦太(美穂)は感情を爆発させて
美穂(弦太)に襲い掛かろうとするー
しかしー
母親にとめられて、
「いい加減にしなさい!」と
怒鳴られてしまったー
・・・・・・・・・・・・・・・
夜ー
部屋で弦太(美穂)は落ち込んでいたー。
兄の身体と自分の身体を入れ替えればー
仕返しができると思っていたー。
でも…
仕返しできたのは最初だけだったー。
身体や立場がどうなろうとー
結局は、中身なのかもしれないー。
いじめっ子である兄はー
どんな身体になっても…
その身体と立場を利用して、
いじめに利用するのだろうー
「---へへへ…ざまあみろ!」
美穂の姿をした弦太が部屋に入ってくる。
「妹の癖に、身体を入れ替えるなんて
びっくりしたけど、
もうゆるさねぇからな!」
可愛い声で美穂(弦太)は言うー。
「--覚悟しておけよー」
美穂(弦太)が脅すような口調で言うー。
「-----…」
弦太(美穂)は落ち込んだ表情ー
自分はー
兄にいじめられるしか道はないのだろうかー…
「ふふ…はははは…」
弦太(美穂)が突然笑いだす。
「--!?」
美穂(弦太)は、表情を少しだけ歪めた。
「もう、なんだかどうでもよくなっちゃった!」
弦太(美穂)は自暴自棄な様子で叫ぶ。
「どうせお兄ちゃんにいじめられ続けるなら、
もうどうにでもなれって感じ!あははは」
弦太(美穂)はそう言うと、自暴自棄な様子で
部屋のものを乱暴に片づけると、
自分のベットに潜り込んだ。
美穂が壊れたー
そう思った美穂(弦太)は笑うー
「ま、お前の体はお兄ちゃんが使ってやるから
安心しろよ!へへへ」
笑いながら美穂(弦太)は
部屋から立ち去って行くー。
兄と妹の”戦争”は、
兄の勝利で幕を下ろしたのだったー
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
リクエストによる作品でした~!
原文は
> 兄妹をネタとした小説をリクエストします。
>
> 表面的には仲のいい兄妹にみえるけど実は
兄はいつも妹を苛めています。妹は親に言い付けたら
もっと酷い目に遭うとおもって苦労しますが偶然手に入れた
特殊な薬で兄と体を入れ替えることに成功します。
>
> そして妹は戸惑ってる兄に仕返しします。元自分の体を
弄ることが最初は嫌だったけど弱い女の子になって反撃の
できない元兄への復讐に捕らわれて寧ろ快感を感じるようになります。
元妹は元兄に女言葉で喋るよう強制したりジーンズを捨てて
スカートやワンピースだけを着るよう強要します。
>
> でも元兄は元妹に苛められることを録音して親に知らせます。
そのおかげで親に散々叱られた元妹はまた元兄を苛めようとしますが
逆に男の急所を蹴られてしまいます。これいらい元妹は元兄を苛める
ことができなくなりあそこを蹴られたことがトラウマになってしまいます。
それを利用して元兄は再び元妹より優越な位置になります。
最後には元兄が元妹の耳へ”これからもよろしくね。お兄ちゃん。
”と邪悪な笑顔で言います。
(追記)
ちょっと具体的な設定(?)をしようと思います。
たいしたことではありませんが妹になった元兄が
元妹に苛めの録音とかで反撃する前に”女の子である方がもっと楽だな。
この体を俺にくれたことを後悔させてやる。
”と思いながら反撃することを描写してほしいです。
あとこれで頭にきた元妹が自分を殴ろうとする時”ママ!
お兄ちゃんがまた私を苛めてる!”と言うシーンもあったらいいと思います。w
と、いうものでした~!
↑を元にこんな感じになりましたが
どうでしたか~?
…
…。
終わりみたいな書き方をしましたが、
実は、③もあるのデス~笑
明日をお楽しみに~!
コメント
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お~! 入れ替わって立場逆転かと思いきやまた逆転、という面白さがありましたが、更に続くのですね。どういう終わり方になるのか楽しみです!
SECRET: 0
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> お~! 入れ替わって立場逆転かと思いきやまた逆転、という面白さがありましたが、更に続くのですね。どういう終わり方になるのか楽しみです!
コメントありがとうございます~!
ふふふ~
続きはお楽しみデス~☆笑