<憑依>彼氏の選択肢③~選択~(完)

”元のわたし”と
”今のわたし”

どっちが好きなのー?

目を逸らさないで、
ちゃんと、答えて…?ね?

--------------------–

孝が紗友莉の家に到着すると、
紗友莉が、チャイナドレス姿で
孝を出迎えたー

「ぶふーっ!?」
孝はおもわず驚いて、
その美脚にノックアウトされたー

「さ…紗友莉…なんて格好を…!?」
孝が叫ぶと、
紗友莉はにっこりとほほ笑む。

「どう?わたしの脚…?
 きれいでしょ~?」
甘い声で言う紗友莉。

紗友莉が近くにあったイスに
足を乗せて、孝に見せつける。

「----!!」
孝はあまりの興奮に
言葉にならなかったー

そして、呟いた。

「あぁ…土曜日が待ち遠しかったよ…」

とー

「いつものわたしじゃ、物足りない?」
紗友莉が挑発的に言う。

「---あぁ、物足りないよ…
 土曜日が楽しみで仕方がないよ…」
孝は言ったー

紗友莉が、足を撫でながら
ニヤァと笑みを浮かべる

”ほら…?土曜日の”わたし”の方が好きだってさ”

紗友莉の脳内ー

”本当の紗友莉”は必死に叫んでいたー

”孝!それはわたしじゃない!気付いて…!”

とー。
けれどー
その言葉は、孝には届かない。

「--んふふふふ…
 孝が望むなら
 ず~っと、”わたし”でもいいんだよ?」
紗友莉が孝に密着しながら微笑む。

チャイナドレス姿の紗友莉に身体を
くっつけられて、孝はドキドキしながら答える。

「ず…ず~っと・・・?」
孝がゴクリと唾を飲み込む。

「そう。
 孝が望むなら、毎日大学終わったら
 孝を気持ちよくしてあげる…
 んふふふふ…♡」

紗友莉が、
紗友莉とは思えないような表情で呟く。

「---」
孝はドキドキしながらも、一瞬
”お前、誰だ?”と呟きそうになったー

紗友莉はこの前”憑依”と言っていたー
それに、先日は、”信じてる”とも言われたー

もしかしたら、本当に憑依されてるんじゃないかー?

そう、思ったー

「----ふふふふ…
 じゃあ、約束通り、今日はもっと
 気持ちよくしてあげるからね…♡」
紗友莉が小声で色っぽく、そう囁いたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

週明けー

紗友莉の元気がないことに気付いた孝は、
紗友莉に声をかける。

「----……」
紗友莉は、何かに怒っているようだー。

「さ、、紗友莉…?どうかしたのか…?
 悩みがあるなら…」
孝が紗友莉にそう言うと、
紗友莉は、悲しそうに呟いた。

「孝…
 孝って…わたしの身体目的なの?」
紗友莉が呟く。

紗友莉は”憑依している何者か”に
土曜日だけ乗っ取られているー
土曜日だけなのは、憑依しているモノの
エネルギーが足りず、限られた時間しか
完全に支配することができないためだー。
そのために、紗友莉本人の精神を
破壊しようと、憑依しているモノは企んでいるー

そして、紗友莉は憑依体に脅されている。
”憑依のこと”を紗友莉の口から言えば、
”全裸で大学中を走り回ると”
そんなことをさせられれば、例え孝が
助けてくれたとしても、
自分の人生はもう、終わりだろうー。

「--そ、そんなことないよ」
孝は言うー。

嘘ではない。
身体目的なんかじゃないし、
お互いにエッチとか、そういうことがなくても
全然いいと思っていたー

けどー
最近は、土曜日の紗友莉に誘惑されて
その誘惑に負けつつあった。

普段の紗友莉は物足りない、とまで
思うようになってしまっていたー。

「---……お願いだから…」
紗友莉が小さく呟いた。

孝の手をきゅっと掴んで
涙ぐんだ目で言う。

「お願いだからーわたしを捨てないで…」
紗友莉が悲しそうに呟くー

「--さ、、紗友莉…」
孝は紗友莉の方を見て困惑するー

まるで、自分が浮気しているかのような
罪悪感に襲われるー

浮気などしていないー
紗友莉は、紗友莉のはず。

けどー
弱弱しく、悲しそうにしている紗友莉を見て、
孝はギュッと手を握りしめた。

「ーー捨てるわけないだろ…。
 俺は、紗友莉が大好き、、だから」
少し恥ずかしそうに言う孝。

紗友莉は「ありがとう…信じてる」
と、嬉しそうに呟いたー

”ケッ”
紗友莉に憑依している何かは
紗友莉の中で呟いた。

”紗友莉の精神力”が回復したー
このままじゃ、逆にこっちが
消されてしまうー。

完全に乗っ取るためには、
紗友莉の精神を破壊しなければならないー。

”命を賭けたんだ”
負けるわけにはいかないー。
紗友莉の身体を絶対に乗っ取ってやるー。
完全にー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

土曜日ー。

紗友莉に呼ばれた孝ー。

やっぱりー
土曜日を心待ちにしている自分がいるー。

孝は、意気揚々と
紗友莉の家に向かうと、
そこには、メイド姿の紗友莉がいた。

「ごしゅじんさま~♡」
家に入るなり、紗友莉が可愛らしく抱き着いてくる。

「わわ!紗友莉~!大胆だな~」
孝が顔を真っ赤にしながら言う。

「--んふふふ♡ だって嬉しいんだもん♪」
嬉しそうにしている紗友莉。

か、、かわいい…

孝は顔を真っ赤にする。

やっぱりー
土曜日は最高だー。

とー。

紗友莉が嬉しそうに、
孝に背を向けて
部屋の奥へと進んでいく。

孝は、そんな紗友莉の姿を見ながら
既に少し興奮して
アソコを大きくしつつあったー。

けどー

「お願いだからーわたしを捨てないで…」

”普段の紗友莉”の言葉を思い出す。

もしかして、ほんとうに
紗友莉は憑依されているのではないかー

そうだとしたらー
あの紗友莉の言葉はー
”助けて”という意味かもしれないー

紗友莉とのこれまでの思い出を頭に
浮かべる孝ー。

紗友莉は、大事な幼馴染で、
そして、大事な彼女だー

もしもー
もしも紗友莉が困っているのならー

「---紗友莉!」
孝は叫んだ。

メイド服姿の紗友莉が振り返る。

「----いや…」
孝は、意を決して叫んだ。

「--きみは…君は誰なんだ!?」

とー。

”いつもの紗友莉”と
”土曜日の紗友莉”

明らかに様子が違うー

そしてー
”土曜日の紗友莉”が
”いつもの紗友莉”を乗っ取ろうとしているー

そう、感じるー

「----…何を言ってるの?」
紗友莉が微笑む。

「わたしは紗友莉よ…
 どこからどう見ても、紗友莉でしょ?」
甘い声を出す紗友莉ー

二重人格ー?
憑依ー?

なんだ、これは?

孝は、戸惑いを隠すことができない。

「---わたしは…わ・た・し♡」
紗友莉の背後から黒い何かが噴出しているー。

「---さ、、さゆ…」
孝はゾクッとするー

紗友莉の身に、
やはり、何かが起きているー

紗友莉の声が
一瞬ノイズがかるー

そして、紗友莉の横に、
”紗友莉と同じ笑みを浮かべた男子”の顔が
一瞬、幽霊のように浮かび上がった。

「---!!」

”憑依”

その言葉が、孝の脳裏をよぎった。

「--さ、紗友莉から、、で、、出て行け!」
孝は大声で叫んだー

しかしー

「----…いいの?」
紗友莉が悲しそうに呟く。

「---え?」
孝は唖然としたー

「---もう、気持ちいいこと、
 できなくなっちゃうよ・・・?」

紗友莉が誘惑するような仕草をしながら言うー

「---…そ、そんなこと…」
孝が呟く。

「--ほら…わたしの胸…
 今ならいくらでも触らせてあげる」
紗友莉が近づいてきて、孝の手を掴む。
そして、その手を胸に当てたー。

孝は、紗友莉の胸の感触を味わいながら
顔を真っ赤にした。

「そ、、、そ、、、そういうこと、、紗友莉は、、しないから!」
孝はやっとの思いで叫ぶー。

「そう。しないよね?
 でも、わたしならしてあげられる…ふふ」
紗友莉が色っぽく呟くー

「わたしなら、孝の好きな服を着て
 孝を気持ちよくしてあげられるー。
 わたしならーーー」

これまでの土曜日の快感を思い出しながら孝は
首を振るー

「で、、でも、、紗友莉は…
 紗友莉は…!
 き、、君は誰なんだ!?紗友莉に憑依してーー」

「---わたしはわたし」
紗友莉は微笑む。

「孝が、望めば、わたしは、紗友莉…ふふ」

紗友莉の言葉に、
孝は、誘惑を振り切って叫ぶ。

「--に、、偽物は出て行け!」

とー。

”孝…”
憑依されている紗友莉の意識は
嬉しそうに涙しながら呟く。

「--偽物?」
紗友莉が鼻で笑う。

「わたしが、ホンモノじゃないという証拠は?
 わたしのほうが、ホンモノで、
 普段のつまらない紗友莉が偽物だったら?」
紗友莉が言う。

孝は「え…」と呟くー

確かに、大学時代に再会するまでは
紗友莉とは離れ離れだったー

自分は小学校時代の紗友莉しか
知らないー

「わたしが、憑依されてるとしたら…?」
紗友莉が甘い声で言う。

「--そ、、そんなこと…」
孝は何を信じていいのか分からなくなって
困惑する。

その隙にー
紗友莉は孝を押し倒した。

「はぁ…はぁ…
 ほら…気持ちいいこと…
 わたしなら、いくらでもできるのよ…?♡」
紗友莉が言うー

「ち、、違う…やめてくれ…!
 お、、俺は、、、紗友莉が…」

「--”元のわたし”と
 ”今のわたし”

 どっちが好きなのー?

 目を逸らさないで、
 ちゃんと、答えて…?ね?」

紗友莉が甘い声で言う。

メイド服姿の紗友莉を見て
孝は興奮してしまうー

「お、、俺は…俺は…」

紗友莉が、孝の身体を
焦らすように触りながら微笑むー

「ふふ…どうする?孝…
 孝に決めさせてあげる」

紗友莉が、孝の方を見て微笑む。

「今のわたしと元のわたし…
 孝はどっちが好き?」

紗友莉が、誘惑するようにして微笑んだー。

最近は、”土曜日”の事ばかり考えている。
普段の紗友莉では、刺激が足りないー
そんな風に思ってしまったこともあるー。

「---ほら…こんなに興奮しちゃって…♡」
紗友莉が、孝の大きくなったアソコを
指でなぞるー。

「あぅぁ…や、、やめろぉ…」

ドキドキが止まらないー
ゾクゾクが止まらないー。

「わたしを選べば、毎日エッチなことも
 してあげられるし、
 毎日、孝を気持ちよくしてあげられる。

 普段の紗友莉じゃつまらないでしょ?
 うふふふふふ♡

 ほら…わたしの胸…気持ちイイでしょ?」

紗友莉が孝の手を掴んでさらに誘惑する。

顔を真っ赤にする孝ー。

落ちたー。
紗友莉に憑依している”男”は笑みを浮かべたー。

何故、紗友莉に憑依したのかー
どのような方法を用いたのかー
それは、憑依している本人にしか分からないー

だが、彼は紗友莉を完全に乗っ取って
自分自身が紗友莉になり変わろうと企んでいたー

「---俺は…俺は…」
孝がそう呟くと、
獣のような表情を浮かべてー
紗友莉を逆に押し倒した。

「ふふ…♡」
紗友莉がうっとりとした目で孝を見つめる。

孝は、我慢できなかったー。
紗友莉の方を見て、荒い息をする孝。

「ふふふふ…♡
 わたしといっぱい、楽しみましょ?」
メイド服姿の紗友莉が微笑むー。

孝が、顔を赤らめながら、
紗友莉にキスをーーーー

いやーーー
紗友莉の真横に拳を叩きつけた。

「---!?!?」
紗友莉が目を見開く。

「---俺は、、紗友莉が好きだ。
 好きなのは、、、お前じゃない…!
 紗友莉の身体で誘惑されても、、
 俺は、、俺は、、負けない…!
 紗友莉から…紗友莉から出て行け!」

孝はそう叫んだー

紗友莉の表情が歪むー

「な、、、なんだって…?
 わ、、わたしなら、あんたをいくらでも気持ちよく…」

「--うるさい!俺は紗友莉が好きなんだーー…
 お、、お前じゃない!」

孝は叫ぶー。

土曜日の紗友莉のことばかり頭に浮かぶー
誘惑に負けかけていたのも事実ー

でも、
それでもー
紗友莉を捨てることはできないー

「----……」
茫然としている紗友莉。

紗友莉に憑依している男は
紗友莉本人の意識が急激に強まって行くのに気付くー

「---孝…」
紗友莉の目から涙がこぼれた。

メイド服を着たままの紗友莉が呟くー

「わたし…何かに身体を好き勝手にされて…」
紗友莉が泣きながら
そう呟いた。

孝は、紗友莉を座らせると、
「だいじょうぶ…俺が守るから」と
優しく呟いたー。

”もう脅しには屈しないー”

憑依されていることを言えば
全裸で大学内を歩き回るー

そう脅されていた紗友莉ー。
でも、もう誰だか知らない人に
身体を好き放題させないー。

「--わたしの身体はわたしのものー…」

孝の思いを知って
それが支えとなり、強い精神力を手にした紗友莉はー
”自分に憑依していた男”を完全に押し込めて、
自分の身体を取り戻したのだったー

誘惑に負けかけていた孝ー
それでも、最後に孝が選んだのはー
紗友莉だったー

”彼氏の選択肢”が、
彼女の紗友莉を救ったのだった。

「--紗友莉…そんな格好してると、
 また俺、誘惑されちゃうぞ‥・?」

赤い顔をしながら孝が笑うと、
紗友莉は恥ずかしそうに、

「え?あ…うん、は、早く着替えなきゃ」と
照れ笑いを浮かべたー

孝と紗友莉の絆は取り戻された。

紗友莉は”もう、絶対に好きにはさせない”と
憑依に打ち勝ったのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌週ー

大学内に笑い声が響き渡るー

孝は、「なんだ?」と思いながら
騒ぎになっている方向に向かったー

そこにはー

「あっははははははははは~♡
 あ~~ははははははははははっ♡」

全裸になってー
大声で笑っている紗友莉の姿があったー

唖然とする孝ー

紗友莉は、そのままエッチを始めて
大声で喘ぎ始めるー

「--さ、、、ゆ…り?」
孝はその場に立ち尽くすー

狂ったように笑い続ける紗友莉ー

紗友莉はー
再び乗っ取られてしまっていたー。

”憑依されてることを言ったら
 こうするって言ったよなー?”

紗友莉に憑依している男は
静かにそう呟いたー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

勝ったと思ったら
勝ってなかった…結末でした(ひっ…)
誘惑には勝てましたけどネ…

皆様が彼氏の立場だったら
どちらを選択しましたか~?(笑)

お読み下さりありがとうございましたー!

PR
憑依<彼氏の選択肢>

コメント