大好きな彼女が憑依されたー。
けれど、
”憑依された彼女”と接しているうちに
彼氏の心境に変化が…。
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「--来週の土曜日だけどさ、
この前言っていた通りで大丈夫かな?」
男子大学生の江藤 孝(えとう たかし)が
呟く。
孝と一緒に歩いていた女子大生の
川本 紗友莉(かわもと さゆり)は
「うん。大丈夫!」と優しく微笑んだー。
孝と紗友莉は、
小さいときに近所に住んでいた”幼馴染”の
間柄だったが小学校低学年の頃に、
紗友莉が家庭の事情で地方に引越しして、
それ以降は疎遠になっていたー。
しかしー
大学入学のために紗友莉が上京してきて
たまたま大学で再会。
話をしているうちに親密になり、
付き合いだすことになったのだった。
付き合いだしてから1年ー。
二人は、今もとても仲良しだ。
「それにしても…
まさかこんな風になるとは思わなかったなぁ~」
紗友莉が微笑む。
「え?こんな風って?」
孝が言うと、
紗友莉が微笑んだ。
「ほら!恋人同士になるなんて!
大学に来るまで、わたし、孝のことも
忘れかけてたし」
その言葉に、孝も笑う。
「俺だって最初に声をかけられた時は
誰かと思ったよ~
こんなカワイイ知り合い、いねぇぞ、みたいなさ」
孝がそう言うと、
「かわいい~?」と紗友莉が茶化すようにして言う。
「か、、、か、、、いや…」
照れ屋の孝は、つい可愛いと口にしたことで
顔を真っ赤にして目を逸らす。
「ふふ…孝のそういう照れ屋さんなところ、かわいい!」
紗友莉が笑う。
「か、、からかうなよ」
目を逸らしたまま、孝は
恥ずかしそうに、顔を真っ赤に染めるのだったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
土曜日ー
紗友莉が、新作の映画を見たがっていたので
一緒に行く約束を以前からしていた日が
やってきたー。
孝は、紗友莉との待ち合わせ場所に向かう。
「ふ~…」
先に到着していた孝は、深呼吸を何度も
繰り返すー。
孝は、友達は多い方だが
恋愛には全く縁が無かった。
容姿にも性格にも問題はないのだが、
彼自身が、恋愛にあまり興味がなかったこと、
そして、彼自身が極度の照れ屋であったことから
彼女という存在には、今まで縁が無かったのだー
だからー
デートをするという行為が、未だに慣れないー。
「おまたせ~!」
背後から声がする。
振り返ると、落ち着いた雰囲気の
ロングスカートの女性…
紗友莉がいた。
「--あ、紗友莉!」
孝がそう言うと、
紗友莉が嬉しそうに手を振ったー。
紗友莉は、落ち着いた服装を好み、
生足を晒したり胸元を強調したり
そういうことはしないー
髪も黒髪でー
化粧も程よい感じー。
孝にとっては、
そんな紗友莉は一緒にいて
居心地の良い存在だったしー
安心できる存在だったー
「---じゃあ、行こうか」
孝が微笑むと、紗友莉も頷くー
二人は、
楽しい時間を過ごしたー。
見たかった映画を見終えて
満足そうな紗友莉。
昼食を食べ終えたふたりは、
あまり人通りのない通りを歩いていたー。
「---たのしかった~!」
紗友莉が嬉しそうに微笑む。
「ならよかった~!
俺も思ったより楽しめたよ~」
孝が言う。
幸せだー。
あまり表には出ないが
孝は、飛び跳ねたくなるぐらいに
紗友莉とデートしている
この瞬間が楽しかったー
「--うっ…」
だからー
こんな時間がこれからも
ずっと続ければ良い。
そう思っていたー
「あ…あっ…あぁ♡」
将来的には、紗友莉と結婚したい。
たぶん、紗友莉と別れれば
自分はまた女性に縁のない人生を
送ることになるだろうし、
結婚もしない気がするー。
「ふふ…ふふふふふ…」
一生エッチなこともしないまま
独身として生きて行くだろうー。
別に、紗友莉がいなければ、孝に
とってはそれでも全然構わないのだがー
紗友莉がー
「----く…くくくく…
可愛い女の身体、げっと~!」
!?
一人、空想にふけっていた
孝が、紗友莉の言葉で我に返った。
「え…?今、なんて?」
孝が言うと、
目の前にいる紗友莉が、
自分の胸を揉んでいたー。
「--さ、紗友莉…
な、何してんの?」
孝が唖然として言う。
急に、彼女が目の前で胸を
揉み始めたらー
誰だって驚くだろう。
「なにって?
胸を揉んでるんだよ~?ふふふ
わたしの身体をどうしようと
わたしの勝手でしょ?」
ー!?
孝は戸惑うー
確かに紗友莉の声だが、
いつもと発音が違う気がするー
なんとなく、媚を売っているようなー
そんな発音に聞こえた。
「--さ、さゆり…?」
「紗友莉?んふふ…
いい名前じゃん」
紗友莉は、そう言うと、
続けて、孝の方を見て微笑んだ。
「あ、そうだ。お、、いや、わたしの家に来ない?」
紗友莉が笑う。
「--は?え、、えぇっ?」
孝は戸惑うー
お互いの家を行き来したことは、まだない。
お互い一人暮らしだが
孝も紗友莉も恋愛には奥手で、
相手の家に行ったりすることは控えていたー
紗友莉も
「わたしも、孝も、
相手の家に行くまで何年もかかりそう!」
などと笑っていたー
その紗友莉がー
自分から…
「--ふふふふふ…
わたしと、遊びましょ?」
紗友莉が、孝に身体を密着させながら言う。
「さ、、さゆり…?」
孝はドキドキしてしまい
顔を真っ赤にしてしまうー
知らないうちに、アソコまで
勃起しているー
外で―
しかも彼女の目の前で勃起とか、
やばすぎるー
孝がそう思っていると、
紗友莉は躊躇なく、そこを、
綺麗な手でなでた。
「うふふ…どう?彼女のなでなでは?」
紗友莉が挑発的に言う。
「さ、、紗友莉…
きゅ、急にどうしたんだ?」
孝がそう呟くと、
紗友莉は「べつに~?」とニヤニヤ
しながら微笑んだ。
困惑する孝ー。
だが、断る理由もなかった孝は、
そのまま紗友莉の家にお邪魔することになったー。
紗友莉が、スマホを開いて
指紋認証を終えると、
住所をスマホで調べている。
「--?」
孝は、紗友莉と一緒に歩きながら
少し違和感を感じるー
まるでー
”自分の家なのに、
初めて行く場所に向かっている”ように
見えたからだー。
「あ、ここここ」
アパートに到着すると
紗友莉が嬉しそうに指をさしたー。
そして、玄関の扉を苦戦しながら
開けると、
そこにはー”落ち着いた女子大生”という感じの
心地の良さそうな部屋が
広がっていた。
「お、、お邪魔しま~す」
孝が、気まずそうに紗友莉の部屋に入るー。
紗友莉は、孝が
部屋に入ってきたのを確認すると、
にっこり微笑んだー。
「--ふふー
エッチなこと…しちゃう?」
紗友莉が甘い声を出すー
「はっ!?!?え、、、えっ!?」
孝は困惑するー
急にそんな話になるなんてー
とー
だがー
「!?」
妖艶な笑みを浮かべていた紗友莉の表情が
突然、戸惑った表情に戻るー
「---さ、さゆり…?」
孝は不安になって
紗友莉の名前を呼ぶー。
紗友莉はキョロキョロしながら答えたー
「--あ、、あれ…孝…?
ど、、どうしてわたしの家に…?」
戸惑っている紗友莉ー。
「-ーーえっ!?!?
ど、どうしてって、、
紗友莉から誘ってくれたんじゃないか…」
孝が言うと、
紗友莉は、「え、、嘘っ?」と答えるー
紗友莉の瞳が震えているー
「わ、、、わたし…あれ…?」
孝は、そんな紗友莉の様子を見て
”疲れてるんだな”と判断したー。
優しく微笑むと
「きっと紗友莉は疲れてたんだよ」と
呟くー。
孝は、それだけ言うと、
「今日はもうゆっくり休んだ方がいいよ」と
呟くー
まだ夕方になるかならないかぐらいの時間だが
疲れている彼女を今日は休ませることにして、
孝はそのまま「俺は帰るから、
ゆっくり休んで」と呟いたー。
紗友莉は、少し不安に思いながらも
「うん、ありがとうー」と返事をするー。
”記憶が飛んでいる”
何故なのかー。
孝の言うとおり、疲れているだけなのだろうかー。
・・・・・・・・・・・・・・・
月曜日―。
紗友莉は、いつも通りだったー。
孝もほっとひと安心しながら、
いつも通りの日常を過ごしていくー。
紗友莉は、先週の土曜日の記憶が
飛んでいることを不安がっていたものの、
特に変化はないし、
あの時だけだから、大丈夫じゃないかな?と
紗友莉本人も孝も、次第に
先週土曜日の出来事を
忘れて行った。
そしてー
再び”土曜日”がやってきたー。
「ふ~…」
今週は、予定はない。
孝は自宅でのんびり休みながら、
少し前に購入した漫画を読んだり、
友達とLINEをしたりしながら、
ゆっくり過ごしていたー。
”ねぇ、今からわたしの家に来ないー?”
紗友莉から、そうLINEが届いた。
「え…?」
孝は、そのメッセージを見て、首をかしげる。
今まで、お互いの家への行き来がなかったのに、
先週に続いて、また誘いがあるなんて…。
”いいけど、体調は大丈夫?”
孝がそう返事を送ると、
すぐに”大丈夫大丈夫”と返ってきた。
まぁ、断る理由もないし…
と、孝は思いながら、
”1時間後ぐらいに行くよ”と
返事を送った―。
すると、
”待ってるー”と
返事が返ってきて、
セーラー服姿の紗友莉の自撮り写真が
送られてきた。
「--!?」
孝は、思わず、ノックアウトされそうになった。
かわいいー。
あざといポーズのJK姿で微笑む紗友莉ー。
こんな写真を送ってくるなんてー
孝はドキドキしながらも、
紗友莉の家に向かう準備をするー。
かわいいし、
彼女のこういう姿を見ることができるのは、嬉しいー
でも…
”何かー”
”何か、違和感を感じるー”
孝は、その”違和感”を払しょくできずにいたー。
・・・・・・・・・・・・・・・
「---ふふふふふ」
高校時代の自分の制服を身に着けた
紗友莉が笑う。
「あ~!今頃彼氏、戸惑ってるんだろうなぁ~!」
ベットの上にあぐらをかいて、
ゲラゲラと笑う紗友莉ー。
「--この子がかわいそうだから
土曜日以外は好きにさせてやってるけどさ…へへ」
紗友莉が鼻のあたりをこすりながら
笑った。
あぐらをかいている自分の脚を
手ですりすりとこする紗友莉―。
紗友莉の表情には、
イヤらしい笑みが浮かんでいる。
「それにしてもまさか
”他人に憑依”できるなんてな…へへへ」
太もものあたりを指でなぞりながら
んふふ…♡と声をもらす紗友莉ー。
普段の紗友莉とはまったく違う
不気味な笑みを浮かべながら
彼女は、孝の到着を待った…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
孝が到着したー
「お邪魔しま~す…」
孝が家の中に入ると、
そこには女子高生姿の紗友莉がいた。
「待ってたよ~!」
突然、まるで兄を出迎える妹かのように
抱き着いてくる紗友莉。
「うわっ!?ど、どうしたんだ!?」
孝が言うと、
紗友莉はにっこり微笑んだ。
「--んふふふ~孝のこと
待ちきれなくて~!」
そう言う紗友莉を見て
孝は、ものすごい違和感を覚える。
いつもと違う髪型ー。
ツインテールの紗友莉なんて初めてみた。
ドキドキしてしまう孝を、
部屋の中に連れ込んだ紗友莉は
突然、信じられない発言をした。
「ねぇ、孝…。
フェラ、してあげよっか?」
とー。
ーー!?
孝はドキッとして、返事に困ってしまうのだったー
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
今日は導入部分でした~!
だんだんと”憑依されている状態の彼女”に
魅力を感じるようになってしまって…
というお話ですネ!
続きは明日デスー!
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