<入れ替わり>成りすまし結婚・後編

大好きなお兄ちゃんを奪った
憎き柚葉ー。

そんな柚葉と身体を入れ替えることに成功した咲江は
”お兄ちゃんの妻”になるー…。

※リクエスト作品の後編デス

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「んあぁっ♡ あっ♡ あぁぁ♡っ!」
柚葉(咲江)が激しく喘ぎ声を上げている。

竜二郎は、そんな柚葉(咲江)との
エッチを終えると、余韻に浸りながら
呟いた。

「今日は、、なんだかすごく積極的だな…?
 何かいいことでもあったのか?」
竜二郎が言う。

「うふ…♡ ふふふふふふ♡」

”お兄ちゃん”とシテしまった。
柚葉(咲江)は興奮しきって
何も考えられないほどに
幸せを感じていた。

イヤらしすぎるー。
そう表現するべきだろうか。
柚葉(咲江)の表情は、
これまで見たことがないぐらいに
欲に溺れているー。
そんな、感じだった。

「ゆ、柚葉…?」
竜二郎が声をかけると
柚葉(咲江)が
イヤらしい笑みを浮かべたまま
竜二郎の方を見た。

「--んふふふ…♡
 だって、、結婚できて、幸せなんだもん…♡」
甘い声ー

いいや、
甘すぎる声で柚葉(咲江)はそう呟いた。

”結婚できて幸せ”

柚葉と入れ替わった咲江が言いたいのは
”お兄ちゃんと結婚できて幸せ”
という意味ー。

しかし、柚葉の夫になった竜二郎は
”結婚式と婚姻届を出し終えたこと”で、
柚葉がいつも以上に積極的に、
幸せを感じているのだと、
そう、判断した。

「ーーお兄ちゃん…大好き」
柚葉(咲江)は興奮のあまり
そう呟いた。

「お兄ちゃん…?」
竜二郎が、首をかしげる。

「--うん…
 はぁ…♡ これから、、エッチするときは、
 おに、、竜二郎のこと、
 お兄ちゃんって呼んでもいい??
 んふふ…♡ んふふふふふふ」
柚葉(咲江)が
性欲にまみれた笑顔を浮かべる。

「あ、、あぁ、、べ、別にいいけど」
竜二郎は少し戸惑った。

そして、冗談を口にする。

「何だか、咲江みたいだな。
 あいつにずっと
 ”お兄ちゃん”って呼ばれ続けてたから」

竜二郎がそう言うと、
柚葉(咲江)はにっこりとほほ笑んだ。

”お兄ちゃん…んふふふふふ”
柚葉の中にいる咲江は、
興奮を隠しきれなかったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

数日後ー。

警察から厳重注意を受けて
咲江(柚葉)は解放された。

「---これから…どうしよう」
咲江(柚葉)は戸惑ったまま
街を歩く。

咲江は一人暮らしだ。
住所は身分証明書で確認したから
とりあえず、その家に帰ることはできる。

けれどー…

このままでは、竜二郎の妹・
全てを奪われてしまう…

「どうして…」
咲江(柚葉)は呟いた。

自分は咲江に何か悪い事をしただろうか…?
決して偉そうなことをしたつもりもないし、
咲江の悪口を言ったこともない。
むしろ、咲江のことを、柚葉は気に入っていた。
本当に自分に妹が出来たみたいで、嬉しかった。

けどー、
咲江はそれが気に入らなかったのかもしれない。

「---…どうしよう」
咲江(柚葉)は呟く。

このまま自分の家に帰宅しても、
柚葉(咲江)がまた警察に通報したら
今度こそ出てこれないかもしれない。
そうなってしまってはいけない。

「--りゅ…竜二郎に何とか
 連絡しなくちゃ」

咲江(柚葉)は、
竜二郎へ連絡を入れる。

”もしもし?咲江?
 どうしたんだ?”

竜二郎はすぐに電話に出てくれた。

「もしもし…
 あ、あのね…
 竜二郎、落ち着いて聞いて」

咲江(柚葉)はどうにか
竜二郎に信用してもらおうと、
電話を続ける。

「あのね…わ、、わたし…柚葉なの。
 信じられないと思うケド、
 わたしが、柚葉なの」
何度も繰り返す咲江(柚葉)

その言葉に、竜二郎は笑う。

”ははっ、急に電話かけてきたと思ったら
 何だよそれ?
 ドラマじゃないんだからさ~”

竜二郎の言葉に
咲江の身体になってしまった柚葉は
頭をフル回転させる。

なんとか…
なんとか信じてもらわないと。

今、ここで竜二郎に信じてもらえなかったら
全てが終わる。

その覚悟で、
咲江(柚葉)は慎重に言葉を選ぶ。

「お願い…信じて…
 最近…違和感を感じたことはない?
 よく考えてみて」

咲江(柚葉)の言葉に
竜二郎は

”え?なんだよ~?う~ん…”と
考え始めた。

竜二郎は、思い当たる風景が
何個か浮かぶー。

最近は妙に積極的になった柚葉。
夜もとても積極的だし、
最近は妙にゴキゲンだ。

それにー

 はぁ…♡ これから、、エッチするときは、
 おに、、竜二郎のこと、
 お兄ちゃんって呼んでもいい??
 んふふ…♡ んふふふふふふ

「……」
竜二郎は真剣な表情を浮かべた。

「---その話、本当なのか?」

竜二郎が言うと、
電話相手の咲江(柚葉)の声に
希望が満ちはじめた。

「--じゃあ…俺と柚葉しか知らないこと
 今から聞くけど…
 答えられるか…?」

”うん…”

竜二郎は、その言葉を聞いて
柚葉と自分しか知らないはずのことを聞いていく。

咲江(柚葉)は完璧に全て答えて見せた。

”…竜二郎…
 今、そっちにいる”わたしの姿をした咲江ちゃんに
 同じ質問をしてみて

 そうすれば…わかるはずだから”

「--わかった」

竜二郎は静かに呟いて電話を切った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その夜ー。

柚葉(咲江)は、
竜二郎の妻になれたことを満足していた。

”---気をつけなさい”

背後から、声がした。

柚葉(咲江)は驚いて振り返る。

「-!?!?」
そこにはーー
自分に”入れ替わりの力”を
授けてくれた黒い人影がいたー。

「あ…あなたは…」
柚葉(咲江)が呟く。

黒くシルエットー
姿の全容は分からない
けれどもやはり、
どこか、柚葉に似ている気がするー

”気をつけなさい…”

黒いシルエットが呟くー。

「--ど、どういうこと?」
柚葉(咲江)が表情を歪める。

そしてー
黒い人影は何かを呟いた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「柚葉、ちょっといいか?」
竜二郎が部屋に入ってくる。

「おに、、え、、あ、うん。竜二郎、どうしたの?」
柚葉(咲江)が微笑むと、
竜二郎は、「俺がさ、去年誕生日にプレゼントしたものって
何だったっけ?」と苦笑いしながら言う。

柚葉(咲江)は表情を歪めるー

そんなこと知るわけーーーー

…と、でも言うと思った?
ふふ…

柚葉の身体を支配している咲江は
笑みを浮かべる。

”あの黒い人の言ってた通り”

彼氏の竜二郎が、
あれこれ聞きに来るからって、
答えを教えてくれた。

「--なにって…
 そんなの決まってるじゃないー」
柚葉(咲江)はすべての質問に答えた。

・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

柚葉(咲江)は
咲江(柚葉)から呼び出された。

お兄ちゃんーいいえ、夫は仕事に向かった。

あの女ー
あの泥棒猫はどこまでしつこいのか。

そう思いながら
柚葉(咲江)は、咲江(柚葉)に指定された
今はほとんど人の来ない神社へと向かうー。

「----……」

神社に到着した柚葉(咲江)は
周囲を見渡す。

すると、咲江(柚葉)が姿を現した。

「……もう、十分でしょ?」
咲江(柚葉)が言う。

柚葉(咲江)は、元・自分の身体を睨みつける。

「十分ー?
 お兄ちゃんはわたしのものよ。
 あんたになんか、渡さない」
柚葉(咲江)が憎しみを込めて呟く。

「--……咲江ちゃんが
 お兄ちゃんのことが好きなのは十分わかったけど…
 でも、、やっぱりこんなことするなんてひどいよ!」

咲江(柚葉)が叫ぶ。

柚葉(咲江)はイライラした様子で呟く。

「泥棒猫…!
 いつまでわたしの邪魔をすれば気が住むの?」

柚葉(咲江)は怒りの感情に身を任せて叫ぶ。

「--お兄ちゃんは、わたしのもの!
 あんたの身体も、わたしのもの!
 わたしがお兄ちゃんの妻なの!!!!
 ジャマしないで!」

その時だったー

「----…咲江」

物陰から兄の竜二郎が
姿を現した。

「え…」
柚葉(咲江)はあっけに取られる。

「---お、、おに、、い、、竜二郎…
 どうして、ここに?」
柚葉(咲江)がそう言うと、
竜二郎は悲しそうな目で首を横に振った。

「もう…いいよ」
竜二郎の冷たい言葉。

「--咲江、お前なんだろ?
 今のやり取りを見てて分かった」

その言葉に、柚葉(咲江)は
絶望の表情を浮かべる。

そんなー。

「----…ち、ちがう…!」
柚葉(咲江)は悪あがきをしたー。

もう、聞かれていたのなら
逃げ道はないのにー

「違うちがうちがうちがうちがうちがう!!!
 わたしが柚葉よ!そいつは、、!
 その女は泥棒猫よ!」

普段穏やかな柚葉の表情を
鬼のような形相に変えて
大声で叫ぶ柚葉(咲江)。

竜二郎は首を振った。

「---その反応…
 完全に咲江…お前の反応だよ」
竜二郎は溜息をついた。

昔から妹の咲江は
パニックになって
ヒステリックになることがある。

「咲江…とにかく、まずは柚葉に
 身体を返すんだ。
 ゆっくり話をしよう」
竜二郎の提案に柚葉(咲江)は叫ぶ。

「お兄ちゃん…!その泥棒猫の味方をするの?
 そんな女ー」

「--そういう言い方はやめろ!」
普段温厚な竜二郎が怒鳴り声をあげた。

「--!!」
柚葉(咲江)は、驚いた表情を浮かべる。

「---…咲江ちゃん…お願い…
 ゆっくり話し合いましょう?」
咲江(柚葉)が言う。

身体を勝手に入れえられて
こんなに酷いことをされているのに、
咲江に対して怒っていないようなー
そんな、表情だ。

その態度が、柚葉(咲江)をさらに怒らせた。

「うるさい!あんたなんか消えてしまえ!」
柚葉(咲江)が咲江(柚葉)に襲い掛かる。

「きゃあ!や、、やめて!」
咲江(柚葉)が叫ぶ。

「おい!咲江!やめろ!」
竜二郎が叫ぶー

しかし2人は
そのまま神社の階段から
転落してーーー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「----……わたし…」

数日後ー
病院では咲江が病院の窓の外を
見つめていた。

「--わたし…咲江ちゃんの思いに
 気付いてあげられなかった」

咲江が言うー。
階段から転落したふたりー。

ふたりは、転落したー。

そして
柚葉(咲江)は、目を覚ますことなくー
そのままーーー

「--悪いのは、柚葉じゃない…。
 俺の方こそ、咲江のことで
 辛い思いさせてごめんなー」

竜二郎が悲しそうにそう呟くと、
咲江(柚葉)は涙を流しながら頷いた。

「姿は咲江でも、
 俺は、柚葉のことを愛してるからー」

”おのれ…”

咲江は死んだ-
柚葉の身体を奪ったまま

しかし…
彼女の怨念は、
残留思念となって残った。

黒い思念体となってー
彼女は”今度こそお兄ちゃんを自分のものにするため”
過去の自分に接触する

”力、欲しいー?”

死んで、怨念に支配された彼女には
人外の力が宿った。

入れ替わりの力を
過去の咲江ー
自分自身に与える―。

今度は失敗させない。

”神社には、行くな”

自分がしてもらえなかったアドバイスを
過去の自分にするー

今度こそ、負けないー

黒き思念体と化した柚葉(咲江)は
不気味な笑みを浮かべたー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

リクエストを元にしたお話でした~!

失敗して次、を
咲江は並行世界(?)で繰り返しているので
いずれ柚葉が負けてしまう世界…も
出来てしまうかもしれませんネ…!

お読み下さり、ありがとうございました!

入れ替わり<成りすまし結婚>
憑依空間NEO

コメント

  1. 匿名 より:

    SECRET: 1
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    リクエストした者です。
    ありがとうございました。
    改めてリクエストします。理由は今回のは残念過ぎだからです、リクエストの通りにいかない事、改変しなければならない事は理解していますが、それでも非常に残念でした。
    リクエストの意図は、結婚してからなりすますのではなくお兄さんと何度かデートをし結婚するものでした。また、1番残念なのはお兄さんにバレる事なく一生過ごすと言う物でしたがバレた事です。また、妹さんが亡くなるのも暗くなりすぎるので意図してませんでした。最初は嫌がっていた彼女が妹ととし生活していくうちに彼女がその立場を受けいれるという流れで再度リクエストします。

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    コメントありがとうございます~!

    リクエストを受取しました!!
    次回も満足いただける内容にできるかどうかは
    分かりませんが、頑張ります!!

    時期については気長にお待ちいただけると幸いです!!

  3. 飛龍 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    黒い人影の正体が予想外で面白いオチでした!
    生き残った2人も、体は兄妹になってしまったわけですが、これからどうなるやら……。

  4. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 黒い人影の正体が予想外で面白いオチでした!
    > 生き残った2人も、体は兄妹になってしまったわけですが、これからどうなるやら……。

    ありがとうございます~☆
    描かれたお話以前にも、何度も何度も同じことが
    並行次元?で繰り返されていて、
    少しずつ妹の勝利(?)が近づいているようデス~笑

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