<皮>皮まみれの王宮①~着られる姫~

とある平和な王国ー。

ある出来事をきっかけに
姫が、家臣が、王宮中が
”皮”にされてしまう…

※リクエスト作品デス

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「えいっ!」
姫が、弓で狩りをしている。

とある王国ー
100年以上の繁栄が続くこの王国は
今日も平和だった。

周辺諸国との関係も良好、
モンスターたちとのトラブルは
時々あるものの、
大きな戦争やトラブルはなく、
平和な時が流れていた。

この王国の姫・
サラ姫は、弓の心得があり、
時々こうして狩りに出かけていた。

女性騎士や魔導士を引き連れており
護衛の面もカンペキだった。

「---あっ!」
サラ姫が狙ったウサギが、
弓が当たる直前にぴょんと飛び跳ねて
森の奥へと向かう。

「あ、姫様!深追いは禁物ですよ!」
女性騎士を束ねる騎士長・メリアがそう呟く。

「--そ、そうね」
サラ姫はメリアの静止を受けて
名残惜しそうにウサギが
逃げた方を見つめる。

「---森の奥にはオークをはじめとする
 モンスターもたくさんいますから」
メリアがそう言うと、サラ姫は分かったわ…と
返事をした。

魔導士部隊のリーダーである
女魔導士のマリーも、
姫のことを心配そうに見つめていた。

その時だった。

「きゃああああああ!」
サラ姫が悲鳴を上げる。

咄嗟に振り返る
メリアとマリー。

しかしー
そこには何もいない。

「はっ!?」
メリアが慌てて振り返ると、
そこにはサラ姫の姿はなかった。

おてんばな気質を持つサラ姫は、
よくある手を使って
メリアやマリーの目を盗み、
そのままウサギを追うために
森の奥へと進んだのだった。

「ひ、姫様!」
騎士長のメリアが叫ぶ。

「姫様を探すんだ!早く!」
メリアとマリーがそう叫ぶと、
他の護衛たちも慌てて姫を探すために
森の奥へと飛び込んで行った。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「あ!いた!」
森の奥へと進んだサラ姫は
先ほど自分が逃がしてしまった
ウサギを見つけると、
夢で狙いを定めた。

しかしー
ウサギは、弓を華麗に交わした。

「もー!」
サラ姫はさらにウサギを追いかけて行く。

すると、森の奥にある
ダンジョンのような場所に
ウサギが駆け込んで行った。

「待ちなさいー!」
サラ姫がそのウサギを追う。

しかしー
サラ姫は何かとぶつかった。

「---ナンダ?」
ぶつかった相手はーー
森の奥に住む”オーク”と呼ばれる種族だった。

人間とは離れた距離で生活しており
オークを嫌う人間も多いため、
こうして隠れ家で暮らしていたのだった。

「人間…カ?」
オークはそう呟いた。

「ひっ!?」
サラ姫は驚いて尻もちをついてしまう。

”オーク”の存在は知っていたのだが、
サラ姫がオークを見るのはこれが初めてだった。

「我々の隠れ家を知ったからには
 生かしてはおけヌ…」

オークはそう呟くと、サラ姫を
乱暴にかつぎあげて
ダンジョンの奥へと向かって行く。

「い、、いや!た、、助けて!助けてください!」
サラ姫がじたばたしながら叫ぶ。

やがて、ダンジョンの奥に連れて行かれると、
そこには、玉座に座ったオークがいた。

「王。人間ダ」
サラ姫を捕まえたオークが
サラ姫を放り投げながら言う。

すると、オークの王が立ち上がって呟いた。

「---我々の隠れ家を見たからには
 生かしてはおけヌ」
王もそう言うと、
他のオークが槍のようなものを構えて
姫へと向けた。

「--ひっ…た、助けて…命だけは!」
サラ姫が泣きながら嘆願する。

普段は、おてんばなところがありながらも
おしとやかな一面も持つ姫だったが、
命の危機になって
パニックになっていた。

泣きながら命乞いするサラ姫。

「お願いします…助けて下さい
 お願いします…お願いします」

あまりに必死にサラ姫が
嘆願するために、オークたちも
戸惑っている様子だった。

「ふむぅ…」
オークの王が、考える仕草をする。

すると、王の側近であり、魔法使いでもあるオークが
呟いた。

「王…この者、恐らくは王国の姫でしょウ…。
 ここで命を奪えば、人間どもと戦争に
 なる可能性がありまス」

側近が言う。

するとオークの王は答えた。

「だが、この者を解放して
 この場所を知られれば、人間の賞金稼ぎや
 我々を嫌うものが、必ずここに攻め込んでくル…」

オークの王の言葉も、まさにその通りだった。

「--お任せ下さイ」

オークの側近はそう言うと、
何やら呪文を唱え始めた。

彼は、オークの中では特殊な魔法を
使うことのできる、貴重な存在だった。

「助けて…助けて…!」
まだ命乞いを続けているサラ姫。

そんなサラ姫を衝撃が襲う。

「きゃっ!?」
サラ姫が自分の身体に異変を感じて
自分の身体を見つめる。

すると、信じられないことに
全身が、まるで、自分が着ぐるみに
なったかのように、薄っぺらに
なってしまう。

「え…あ、、、ふぁ…?」
サラ姫が困惑した様子で
力なく床に横たわる。

「--人間よ。
 命ばかりは助けてやる。
 だが、俺たちも命がけだ。
 お前には”皮”になってもらう」

オークの王は、そう宣言した。

そして、近くにいた別のオークに合図を送ると、
そのオークが、着ぐるみのようになった
姫を身に着け始めた。

「あ、、いや、、やめ、、やめて…」
苦痛に表情を歪めるサラ姫。

しかし、中にオークが入り込み、
オークがサラ姫を完全に着用しようとしてー
サラ姫は「たすけて…」と言う言葉を
呟いたのを最後にその意識が途切れてしまった。

「---王…」
サラ姫を着込んだオークは呟いた。

目に涙を浮かべてはいるが
先ほどまでと違い、真剣な表情で
どこか愛想の無さそうな表情に
変わっている。

「---お前はその姿で城へと戻り、
 ”姫”として暮らせ」

オークの王が言う。

側近の魔法使いの能力は、
”人間を皮にする能力”

それを着ることで、
記憶をも読み取り
完全に成りすますことができる。

「---はは」
サラ姫が王に頭を下げると、
「ん」と呟いた。

「どうした?」
オークの王が聞き返す。

「--この人間、王国の姫です
 護衛が近くに何人もいます」

サラ姫の言葉に、
オークの王は、考える仕草をする。

「---むぅ」
護衛が周囲に何人もいるとなると
行方不明になった姫を必死で
探しているだろう。

そうなれば、ここが
見つかる可能性は高い。

「---仕方がありませんナ」
側近が呟いた。

「---姫のふりをして
 護衛たちをここに誘い込んでください。
 全員、姫と同じように、皮になって頂きましょう」

王の側近がそう言うと、
「ははっ」とサラ姫は呟き、
出口の方に向かって行く。

オークのような粗雑な歩き方をしながら
ダンジョンの外に向かうサラ姫。

「---…必要以上の人間への介入は…」
オークの王が言う。

人を皮にできる力の利用を
オークの王はできる限り避けたいと
考えていた。

理由は、こちらから何かを仕掛ければ
人間が報復に出る可能性も
髙かったからだ。

王としては、姫を皮にして
姫になりすましたオークが王国に
戻る、それだけで解決させたかった。

しかしー

「ここを人間に知られては、
 人間は必ず我々を滅ぼそうとしますゾ?」

王の側近は笑みを浮かべた。

「周囲にいる護衛も含めて
 全員、皮にするしか道はないのでス…」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「姫様!」
騎士長のメリアが叫ぶ。

姫の姿を見つけて
一安心した様子だ。

「よかった。ご無事でしたか」
メリアがそう言うと、
サラ姫は変な笑みを浮かべた。

「どうかしましたか?」
メリアが言う。

サラ姫の皮を着こんで
サラ姫になっているオークは
オークたちの中でも、それほど地位の
髙いものではなかった。

だから、こんな風に心配されてしまうと、
どこかくすぐったいような、
そんな不思議な気持ちになってしまう。

「あ、、いえ、な、なんでもありませんぜ」
サラ姫はそう答えた。

姫の記憶は読み取れるのだが、
記憶を読み取れても、
それを上手く扱えなければ意味がない。

(え~っと、こいつらを
 ダンジョンの中に引き込めば良かったんだよな)

サラ姫は、頭をフル回転させる。

このオークは考えるのが、苦手だった。

「姫様!ご無事で!」
女魔導士のマリーも合流する。

他の騎士や部下も合流し、
姫の無事を喜んだ。

「姫様。あまり一人で森の奥に行くとキケンです。
 このあたりにはオークも出没します。
 あの者たちは、野蛮な行為も平気でしますから
 姫様だって襲われる可能性が…」

メリアがそう言い放った。

「野蛮ー?」

その言葉に腹を立てたサラ姫が
鋭い目つきでメリアを睨んだ。

「---!」
いつも優しい姫に睨まれたメリアが
少し驚いた表情を浮かべる。

「-(おっと、いけねぇいけねぇ)」
サラ姫の中にいるオークは
慌てて心の中でそう呟くと、
咳払いをして呟いた。

「--そのような言い方、
 よくありませんわよ?
 オークたちだって必死に生きているのです」

サラ姫は、諭すように、メリアに対して
そう言い放った。

「は…申し訳ありませんでした」
メリアは即座に謝罪の言葉を口にする。

姫は心優しい性格だ。
確かに、その姫の前で
オークのことを野蛮だと断じるのは、
良くなかった。

「---それより」
サラ姫が悪い笑みを浮かべた。

「この先に、素敵なものを見つけたの。
 あなたたちも、来て下さる?」

サラ姫はそう言うと、メリアやマリーたちの
返事も聞かずに、オークたちの隠れ家である
ダンジョンの方に向かって行く。

「--姫様?」
メリアが驚いて姫のあとを追う。

「----(なんだか、少し様子が変だ)」
騎士長のメリアは、サラ姫と幼少のころから
付き合いがあった。

サラ姫の違和感に、メリアはすぐに
気付いたのだった。

「---気をつけろ」
メリアがボソッと、隣を歩く女魔導士のマリーに
対して呟く。

マリーは、訳が分からず、
少し戸惑った様子で頷いた。

「----ふふふふふ」
サラ姫が笑いながら前を歩く。

(こいつらも、もうじき、俺と同じになるのカ…)

サラ姫の中にいるオークは
そう考えながら歩いていた。

人間は無駄に服を着こんでいて動きにくい。
特にサラ姫は、動きにくい格好だ。
オークとしては、この場で下着姿に
なってしまいたいぐらいだったが、
それをぐっとこらえて、
メリアやマリーたちをおびき寄せた。
2人の背後には、十数名の騎士や
護衛がついている。

「--ここよ」
サラ姫が笑みを浮かべながら
奥の部屋を指し示した。

「こ、、ここは?」
メリアが驚いたような表情で言う。

そこにー
オークたちが現れてサラ姫やメリア、マリーたちを
取り囲んだ。

「なっ!?」
メリアが驚いて剣に手をかける。

女魔導士のマリーも戦闘態勢に入る。

「--野蛮なオークどもめ!」
メリアが姫をかばうようにして、
オークたちの方を見つめる。

「---やれ」
オークの王の側近である、大参謀が、
オークたちに指示を送る。

”捕えて、皮にして、着込め”
とー。

隠れ家の存在を知られた以上、
全員皮にして、
成りすますしかない。

生かして帰せば、
人間たちの中にはオークを嫌うものも多いから
この隠れ家が、根絶やしにされるかもしれない。

誘拐したり、捕えたままだと
”行方不明になった姫”たちを探しに
人間たちがやってくる。

オークたちにとって、安寧を維持するためには
皮にして、着込み、
その人間に成りすまして王宮に帰るしかないのだ。

「---姫様!危ない!お下がりください」
メリアが姫をかばうようにして言う。

しかしー
その姫が、メリアに容赦ない攻撃を加えた。

「ぐあっ!?」
メリアが剣を手放し、吹き飛ばされる。

「あはははははは!」
狂ったように笑うサラ姫。

「ひ…姫?」
倒れたメリアが驚いてサラ姫の方を見る。

サラ姫は、剣を拾おうとする
メリアの手を踏みにじった。

「--お前、俺達を野蛮だと言ったナ?」
サラ姫が低い声で脅すようにして言う。

「--お前は、これから、俺達の
 着ぐるみになるんだ」

サラ姫は不気味な笑みを浮かべながら
メリアにそう言い放った。

「--ひ、姫様に何を!?」
メリアが叫ぶ。

だがー
別のオークに背後から殴られて
メリアは意識を失ってしまったー

②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

リクエストによる
ファンタジー世界を舞台とした皮モノデス~!

皮モノで3話モノを書くのは
久しぶりですネ…

オークのセリフは最初は全部カタカナ(片言っぽい感じで)に
しようとしたのですが、
逆に読みにくくなると思ったので、
やめました笑

明日もお楽しみに~!

皮<皮まみれの王宮>
憑依空間NEO

コメント

  1. 柊菜緒 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    皮モノすこ( ˘ω˘ )b

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 皮モノすこ( ˘ω˘ )b

    ありがとうございます~☆
    皮モノも時々書いていきますネ~!

  3. 匿名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    とてもいい作品ですねえ!こう言う作品もっと読みたいです。

  4. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > とてもいい作品ですねえ!こう言う作品もっと読みたいです。

    ありがとうございます~☆
    来月(11月)にも皮モノがありますよー!

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