<憑依>悪意に染まる日常③~よくぼう~(完)

クラスメイトたちが憑依されていく恐怖から
学校に登校できなくなってしまった那奈。

そんな那奈の元に親友の琴音が
心配して尋ねてきてくれた…。

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「---最近、那奈ちゃん来ないね」

あれから1週間ー
那奈は学校にやって来なくなってしまった。

そしてー
大五郎もー。

クラスメイトたちは噂した。
昨年、大五郎をいじめていた実乃里が
学校に来れなくなり、今も入院しているのと同じで、
那奈も大五郎に何かされたのではないかー、と。

実乃里がおかしな行動をとり始めて
学校に来なくなったときも
大五郎はしばらく休んでいたー。

「--う~ん、確かに心配」
親友の琴音が言う。

純玲や比沙子先生は、すでに
大五郎に一度憑依されて
記憶を都合の良いように書き換えられている。

純玲にも、比沙子先生にも
他の一部の女子生徒にも男性器が生えてきているが
本人たちは全く気にしていなかった。

中には、大五郎の思うが儘に
行動させられている子もいる。

比沙子先生が、帰りの学活を終えるー。

教室にいる女子生徒の一人が
ぐふ… 、と小声で笑みを浮かべたー

那奈と同時期に学校に来なくなった
大五郎は、
”学校に来ていないわけではない”

女子生徒に憑依して
ちゃんと登校し続けているー。

「---わたし、那奈ちゃんの様子を見て来ようかな」
琴音が呟く。

「--え?」
一緒に下校していた純玲が琴音の方を見る。

純玲のアレは今は勃起していないから
一緒にいる琴音からはアレが生えていることに
気付けないー。

「---那奈ちゃん、大五郎くんに告白されてから
 来なくなっちゃったし、
 何かあったのかな~って…ネ」

琴音が言うと、
純玲も「たしかに心配」と、呟いたー

琴音は笑みを浮かべた。

「ここは、親友のわたしの出番でしょ!」

とー。

親友のためにー
そんな風に言う琴音を見て
”女の友情”に少しドキッとした純玲は
かすかにアレを勃起させ始めていたー

・・・・・・・・・・・・・・・・

「---……」
自宅に引きこもってから1週間ー。

那奈は、学校での出来事を思い出していた。

大五郎に告白されたことー
純玲が空き教室で自分を襲ったことー
比沙子先生や他のクラスメイトたちの豹変ー
学校内だけではなく、近所の祥子ちゃんまで憑依されたことー。

思い出すだけで、
那奈は震えを隠せないでいたー。

母や父は、
特におかしな様子はないから
今のところは大丈夫だと思うー。

けど、
大五郎がいつ、家族にまで
手を出すか分からない。

「---助けて…」
那奈は恐怖してそう呟いた。

ふと、家のインターホンの音が聞こえた。

母親が応対する。

聞き覚えのある声ー。

「琴音…?」
那奈はそう呟いた。

親友の琴音の声がした。
那奈は、出迎えに行こうとしたー。

だが、すぐに大五郎のことが頭に浮かぶ。

琴音も、
勃起しながら自分に迫って来るのではないかー

と…。

そう悩んでいるうちに
階段を上ってくる音が聞こえてくるー。

「ひっ!?!?」

母が心配して見に来てくれた
琴音を招き入れたのだ。

「--那奈~?
 琴音ちゃんが心配して、会いに来てくれたわよ~!」

母親がそう言いながら
那奈の部屋の扉を開いた。

「--ひっ!?」
那奈は怯えた表情で琴音の方を見る。

「--心配して見に来ちゃった」
微笑む琴音ー。

那奈は、琴音のスカートを見る。

けどー
アレは”なさそう”だったー。
勃起していないだけかもしれないー
そう思いながらも那奈は少し警戒を解いた。

母親が下の階に降りて行く。

すると、琴音は口を開いた。

「--大丈夫?
 学校に来ないし、LINEの返事もないから
 心配したんだよ」

琴音が優しく言う。

「--ご、ごめん」
那奈はそう言いながらも、琴音のスカートの方を見る。

「---何があったの?
 いつも平和そうにしてたのに…。

 やっぱり…アレ?
 大五郎くんに告白されたこと?」

琴音が言うー。
タイミング的に、確かに琴音が
そう判断するのは正しいー。

「---…う、、うん…」
那奈は近くまでやってきた琴音のスカートを見つめる。

わざとバランスを崩して、琴音のスカートを触る那奈。

「--ちょ、ちょっと?大丈夫!?」
琴音の言葉に、那奈は「ちょっとめまいがしてて…」と
苦笑いしながら答えたー

”大丈夫ー”
那奈は確信した。

琴音にはアレは生えていないー。
例え勃起してなくても、今、スカートを触った時に、
あれがあればその感触がするはずだ。

それが無かったということは、
琴音は”大丈夫”だー。

「--…みんな、元気にしてる?」
那奈が呟くと、琴音は頷いた。

「みんな元気だよ。
 純玲ちゃんも心配してる」

琴音の言葉に、
那奈は純玲に襲われた時のことを思い出す。

普段大人しい純玲が、
恐ろしく歪んだ笑みを浮かべていたー

あのカオが、頭から離れない。

「---あ、、あのさ…
 熊山くんが、みんなに憑依してね…
 みんな、わたしに迫って来るの…」

那奈が泣きそうになりながら言った。

「---…大五郎くんが…?
 憑依って…?」

琴音は苦笑いした。

”憑依”なんて信じてもらえなくても
当然かな…と、那奈は気を落す。

「---だいじょうぶよ…だいじょうぶ」
琴音が那奈を優しく抱きしめた。

「---きっと、大五郎くんに
 告白されて、戸惑ってるんだよ」
琴音が言うー

確かに、憑依なんてありえないー
もしかしたら、那奈は幻覚かなんかでも
見たのかもしれないー

一瞬、そんな風に思った。

「--那奈、だいじょうぶ…
 安心して。
 何かあっても、わたしが守ってあげるから」

琴音の言葉に
那奈は頷いた。

琴音が優しく那奈を抱きしめているー

「---ありがとう」
那奈の不安が消えていくー

琴音がいれば、
なんとかなるような、そんな気がしたー

「---那奈」
琴音が那奈の名前を呼ぶ。

那奈の身体をゆっくりと味わうようにして
触っている琴音。

那奈は少し違和感を感じながらも、
琴音にあることを尋ねた。

「そういえば、熊山くんは、学校に来てるの?」

まだ誰かに憑依してるなら
大五郎は学校には来ていないはずだ。

そう思った那奈は尋ねた。
大五郎が学校に来ているのであればー。
もう、憑依はやめたのかもしれないー

琴音は、那奈の首筋を指で触りながら
微笑んだ。

「大五郎くんは、最近休んでるよ。」
とー。

「そっか…」
那奈は少しだけ不安を覚えるー

ーー!?

「---え…」
ふと、那奈はあることに気付いてしまった。

”大五郎くん?”

那奈は琴音の方を見る。

琴音は、
大五郎のことを”大五郎くん”なんて呼ばない。

いつも”アイツきもい”とそう言っていた。

そうー
琴音は大五郎のことをいつも
”アイツ”と呼んでいるー

「---こ、こと…」

そう言いかけた那奈を琴音は乱暴に押し倒した。

「んふふっふ…♡
 那奈ちゃんって可愛いよね~♡」

琴音が甘い表情を浮かべているー

明らかに友達を見る目じゃない。

「こ…琴音…?ど、、どうしたの…?」
那奈は怯えた表情で琴音を見る。

琴音にアレはないー
勃起していないー

大五郎であるはずがー

「--ねぇ、”僕”と付き合ってよー」
琴音が表情を歪めた。

「--!!」
那奈は恐怖したー

そしてー
琴音のスカートが膨らみ始めたー

「いひひひひひひっ!
 琴音ちゃんのフリするの楽しかった~♡」

琴音が笑う。

「こ…琴音…?う、、嘘…!ウソでしょ!?」
那奈は怯えながら言う。

琴音まで、大五郎にー?

「ふふふふ…」
琴音はスカートを脱ぎ捨てると、
男性器を見せびらかしながら言った。

そして、それをイヤらしく撫でる琴音。

「これね…
 出し入れできるんだよ…くふふふ♡」
琴音はそう言うと、
男性器を目の前で小さくしていきー
やがて、消して見せた。

「--そ、、、そんな…」

油断していたー
アレが無ければ正気だとー

「--ま、、、興奮しまくっちゃうと…
 僕でも、抑えられなくなるけどねぇ♡」
琴音はそう言いながら
再びアレを出現させて勃起させ始めた。

「---んふふふふふう…
 学校中の女子で遊んでたケド
 やっぱもう飽きちゃってさ~

 やっぱ僕は、那奈ちゃんが好きだ!」

琴音の声で
とんでもない発言をする大五郎ー。

1週間、
ひきこもった那奈に何もしてこなかったのは、
他の女子たちに憑依して
遊んでいたからだー。

「--ひっ!やめて!琴音を返して!」
那奈が言うー。

けれど、その言葉は
もう琴音には届かないー。

琴音は、大五郎と同じ笑い声を
出しながら、
那奈に襲い掛かった。

そして、那奈を乱暴につかむと、
無理やり、勃起したアソコを
那奈の口に押し込もうとした。

「--んんん…いや…!いや!」
那奈は必死に抵抗する。

男のアレを咥えたりしたくないし、
何より相手は友達の琴音。
しかも、琴音の意思ではなく操られているー

そんなことするわけにはいかない。

「ほらぁ!わたしの咥えなさいよぉ~♡
 いひ、ひひひひひひひひ」

琴音は那奈をビンタしながら
無理やり口をこじ開けようとする。

しかしー
那奈が抵抗するので、
口をあきらめたのか、
今度は無理やり抱き着いてキスをし始めた。

「ぐふぅぅ♡
 抵抗されるとぉ、興奮しちゃうなぁ♡」
琴音は顔を真っ赤にして喜んでいる。

いつも琴音が浮かべる表情などではないー

まるで別人のようだー

「やめ…やめて!」
部屋の中で逃げようとする那奈。

琴音はゾンビのように追ってきて
はぁはぁ言いながら那奈の服を
無理やり脱がせようとする。

「女の子同士なんだから、
 いいじゃ~ん♡」

琴音は、激しく興奮した様子で言う。

そしてー

「あぁぁあああ…♡
 もぅ…我慢できなぁぁ~い♡」

そう叫ぶと、琴音から変な音が聞こえたー

「--!?」
那奈が琴音の方を見る。

琴音の太もものあたりからー
”2本目の男性器”が生えてきていたー

「んふぅぅぅぅぅぅ♡
 ある程度は自分でもコントロールできるんだけどさぁ…
 あんまり興奮しちゃうと…もう、、だめぇ♡」

琴音は、太腿から出現したそれを手で触ると
それは激しく勃起したー

「あぁは♡ ふひ♡ ひひひひひひ♡」
狂ったように笑いだす琴音。

「きゃああああああああああ!」
那奈は叫んだー

自分の興奮を抑えきれなくなった琴音からー
3本、4本と肉棒が出現し、
まるで怪物のようになっていく。

「-あぁあ…那奈ちゃんが、
 僕をじらすから、、
 我慢できなくなっちゃぐふぅぅっ♡」

言葉の途中で口から変な液体を吐きだしながら
苦しみ出す琴音。

琴音の口からもそれが出現してー
化け物のような姿になった琴音は、
それぞれの棒から、白い液体を放出して、
そのまま苦しそうに床に倒れた。

「ふひっ…
 この身体…だめになっちゃったぁ♡

 こ、うふんも、、、ほどほどに、、しとかなくちゃなぁ♡」

琴音は喋りにくそうに言う。

乗っ取った身体で”男として”興奮しすぎると
こうなってしまうー。

ある程度コントロールすることはできるし
乗っ取った身体で”女として”興奮するなら
問題はないのだがー。

まぁ、身体がダメになっても問題ないー

琴音は
うめき声のような不気味な笑い声を出すと、
そのまま痙攣しながら気絶してしまった。

「こ、、琴音…!」
那奈は焦った様子で琴音に近づくー

しかしー

「こと… ねぇぁああぅっ!?」

言葉の途中で、大五郎に憑依されてしまった那奈。

「んふふふふふふ…
 ついに、、ついに、、僕が那奈だ…
 僕が、、那奈と、ひとつに…
 んふふふふふふふ♡」

那奈は目に涙を浮かべたまま
不気味な笑みを浮かべたー

その笑みは、大五郎の浮かべていた笑みと同じものだったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

3日後ー

那奈は学校への登校を再開していたー。

琴音は、病気で退学ー
お見舞いも面会謝絶になってしまっていた。

那奈はその理由をよく知っているが
他のクラスメイトたちは、知らない。

「---おはよ~!」
友人の純玲が笑う。

純玲の身体にはアレがついているが
本人は違和感を感じていないー

「おはよ~…ふふ」
那奈が純玲に返事をするー

那奈の股間にもー
男性器が出現していたー

それをスカートの上から撫でると
那奈はスケッチブックに何かを
描きながら静かに微笑んだー

スケッチブックにはー
自分自身ー
那奈のイヤらしい姿が
たくさん描かれていたー

昨日、鏡で那奈の姿を見ながら
描いたものだ

「ぐふふふふふ…
 僕は那奈…
 んふふ…ふふふふふふふふ」

那奈は身体を震わせながら
不気味な笑みを浮かべるのだったー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

リクエストによる作品でした~!

リクエスト原文は

”主人公の女の子はクラスの男子に告白されるが、暗くて怖い印象があり断る。
その男子が気味の悪い顔で笑いだし、怖くなり逃げる。
それ以降主人公の周りの子がおかしくなる。
その子たちに共通しているもの。
男子と同じ気味の悪い笑いと股間に男性器がついていた。
告白した男子は憑依能力を持っており。憑依すると男性器が生えてしまう。
周りの人たちに助けを求めるも、先回りされてしまい。
男性器をいじりながら、俺と付き合えと迫ってくる。
怖くなり引きこもりになってしまうが、親友の女の子がお見舞いにくる。
なんとか股間を確認するも男性器は生えておらず、安心するが
男子のそれは出し入れ可能だったのだ。
必ず生えてるものと勘違いした主人公は親友に犯され・・・。
その後、主人公になった男が男性器をいじりながら喘ぐ・・・。”

というものでした!

ふたなり要素がある作品は
ほとんど書いたことがありませんでしたが
こんな感じになりました!

少しでも楽しんで頂ければ嬉しいデス~
ありがとうございました!

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