素行不良で担任の先生から
叱られていた女子高生…。
彼女はある力を手に入れて
担任と入れ替わることにする…
※リクエスト作品デス。
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「全く、桜木(さくらぎ)は…」
女子高生の
桜木 柚香(さくらぎ ゆずか)は
担任の男性教師・毛利(もうり)から
呼び出されて、
職員室で叱られていた。
「うっさいなぁ~
あたしだって頑張ってるもん」
柚香が言う。
髪を茶色に染めて
化粧やネイルが目立つ柚香ー。
そして短いスカート丈。
典型的な”ギャル”
それが、柚香だった。
「頑張ってるって…お前なぁ」
毛利先生がため息をつく。
机の上には
8点の数学のテストー
19点の英語のテストー
3点の国語のテストが
並んでいる。
しかも、国語のテストの
解答欄には、
わかりませ~ん♡♡などと
ふざけたことが書かれており、
問題になっていた。
「--大学、いけないぞ?」
毛利先生が言う。
「あたしだって頑張ってるの!
ホント、うっさいなぁ」
柚香が髪をいじりながら言う。
「--桜木!少しは態度を改めろ!
先週もいろいろあっただろ」
毛利先生の言葉に
柚香は笑う。
「エッチのこと~?」
職員室で平然と言う柚香。
柚香はエッチが大好きな女子だった。
「こら!」
毛利先生は”ここで言うな”という
表情を浮かべた。
男子生徒と空き教室で放課後に
エッチしているのが見つかって
問題になっているのだー
「--全く…
これから」
毛利先生は嫌悪感を露わにしながら
呟いた。
「---」
柚香は職員室から出る。
「あたしのこと、見下して…
ほんとうざい!」
職員室から出た柚香はそう呟いた。
不機嫌そうに廊下を歩く柚香。
「あ~つまんね~!」
思わずそう叫ぶー。
周囲にいた生徒がビクッとする。
柚香は、素行も悪く
気弱な生徒を中心に、恐れられている存在ー。
柚香がイライラしながら
ふと、視線を近くのゴミ箱にやるとー
ゴミ箱のすぐ下に
”入れ替わり”と書かれた謎の容器が置かれていた。
「あ?」
柚香は不機嫌そうにそれを拾う。
そこにはー
”男女の入れ替わり”と書かれていた。
この薬を飲んだもの同士が入れ替わる…と。
「はぁ…ばっかみたい」
そう呟いてその容器を再びあった場所に置き、
柚香は立ち去ろうとしたー
しかしー
担任の毛利先生に腹を立てていた柚香は
ふと考えた。
”もしもこれを使ってあいつと入れ替わったらー?”
ちょっとした復讐になるのではないか。
そう感じた柚香は、再びその容器を拾った。
”毒かもしれない”
柚香は一瞬そう思ったが
”死にはしないでしょ”と短絡的な考えで
その薬を放課後に使ってやろうと決めたのだった。
・・・・・・・・・・・・
放課後ー
自販機でお茶を購入した柚香。
ペットボトルのお茶を2本購入するー。
そして、その2つを開けて
”入れ替わり薬”を入れるー
ニヤニヤしながら職員室に向かう柚香。
”あいつをびびらせてやろっと”
柚香は笑うー
あわよくば、アイツが首になるような
行動をして、この学校から追放してやるー
柚香はそんなことを考えながら
職員室に辿り着いた。
”元に戻れるのか”だとか、
そういう細かいことを考えるようなタイプではない
柚香は、ただただ”担任に復讐したい”という
想いから、担任と入れ替わることにした。
そのあとのことなんて、まったく考えていない。
”考えてから行動する”
それはー
柚香がもっとも苦手としていること。
「せんせー!」
柚香は毛利先生を呼んだ。
毛利先生は一瞬嫌そうな顔をしたが、
職員室の入り口までやってきて
「どうかしたのか?」と呟いた。
「--間違えてお茶2本
買っちゃったんですケドぉ~
先生1本飲まない~?」
先生にお茶を差し出す柚香。
「---どういう風の吹き回しだ?」
毛利先生が表情を歪めた。
素行不良の柚香からの差し入れ?
「あ、だいじょうぶだいじょうぶ!
毒なんて入れてないし、
開けてあるけど口はつけてないから!
ホントに間違えて買っちゃっただけ!」
笑う柚香。
疑う毛利先生。
柚香は”うぜー!こんなに信用ねーのかよ”と
内心で思いながら
お茶を2本、両手に持って
「そんなに疑うなら先生に選ばせてあげる」と
呟いた。
これなら、先生が毒入りを疑っていても
飲んでくれるだろうし、
自分がお茶をここで飲む口実にもなる。
先生と柚香が”入れ替わり薬入り”のお茶を
飲めば、あの薬がホンモノなら入れ替わるはずだー。
仮にー
嘘だとしても、
まぁ、特に問題はない。
毛利先生はようやく左手のお茶を指さすと
「なんか気味悪いな」と呟いた。
残ったお茶を手に
柚香は「あたしが先に飲むから」と言って
お茶を一口飲んで見せた。
「ほら!大丈夫でしょ~!」
そんな柚香を見て、ようやく警戒を
解いたのか、毛利先生も
お茶を口にしたー
「--!?!?!?」
柚香は突然激しいめまいを覚えた。
「えっ…なにこれ…やば…?」
柚香はまっすぐ立っていられなくなり、
そのままふらふらと職員室の中の棚に激突し、その場に
ひっくり返ってしまう。
「え…あ…あああ…」
倒れた柚香は天井を見上げる。
見上げた天井は
信じられないほどにぐるぐると
廻りつづけていたー
”毒…?”
柚香は薄れゆく意識の中、
そう思った。
”そう…入れ替わり薬なんて
あるはずがなかったんだ”
そう思いながらー
柚香はそのまま目を閉じるのだった。
・・・・
・・・・・・
・・・・・・・・
「-----!!」
柚香が目を覚ますと、
そこは、保健室だった。
「--あら?お目覚めですか?」
保健室の先生が言う。
「--え、、あ、、うん」
柚香はそう返事をした。
まだ、意識がもうろうとしているー。
だがー
なんとか助かったようだ。
”入れ替わり薬”なんて
おふざけを信じたせいで、
大変な目にあってしまった。
あやうく、死ぬところだったと
柚香は思いながら保健室の先生の方を
見つめるー。
「大丈夫ですか~?」
保健室の先生が不思議そうに柚香の方を見る。
そんな保健室の先生の仕草に、
柚香は逆に不思議そうに首をかしげた。
”どうして、敬語なのか?”
柚香はそう思っていた。
保健室の先生は、気さくな性格で
生徒に敬語を使うような先生ではない。
そのため、柚香は疑問を感じずには
いられなかったのだー。
「あの…先生」
柚香が先生に声をかけた。
その時だったー
柚香は、初めて自分の異変に気付く。
自分の口から出た声はー
自分の声ではなくー
男の声だった。
「---えっ!?」
柚香は思わず
自分の口を手で塞いだ。
「どうか、しましたか?」
保健室の先生は、そんな柚香を
とても不思議そうな表情で見つめている。
柚香は、やっとの思いで口を開いた。
「あ…あの…先生…」
柚香の言葉に、保健室の先生は
「はい?」と返事をする。
「か…鏡…
鏡を頂いても良いですか?」
やはり自分の口から出るのは
男の声ー。
しかも、どこかで聞いたことのある声だ。
保健室の先生から鏡を
手渡された柚香は叫んだー
「きゃああああああああああ!」
男の声でー
そう、柚香は
毛利先生になっていたのだったー
「うわああああああああああ!?!?」
保健室の隣のベットから
可愛らしい悲鳴が聞こえた。
女子高生ががに股で
ベットから飛び出してくる
「こ、、これは、どういうことだっ!」
そう叫ぶのは、柚香ー
そう、二人は入れ替わったのだったー
首をかしげる保健室の先生。
「--ち、ちょっと来なさい!」
柚香(先生)はそう叫ぶと
先生(柚香)を引っ張りながら廊下へと飛び出した。
ざわつく廊下。
ギャルの柚香が、
毛利先生を力強く引っ張っているー。
入れ替わっていることを知らない周囲からは
そうとしか見えない。
”ついに、柚香は先生にまで
喧嘩を売るようになったのか”と
周囲は憐みの目で柚香たちを見つめる。
そんな視線を気にしてる余裕もなく
人目のないところのに先生(柚香)を連れてきた
柚香(先生)は叫んだ
「ど、どういうことだこれは!?」
ギャルの身体になってしまった先生は
焦った様子で叫ぶ。
「きゃはははははは!」
先生(柚香)が笑う。
大の男が、きゃはははと笑っている
異様な光景。
「-ーー先生とあたし、
入れ替わったんですぅ~!」
先生(柚香)が言う。
男がそう口にしていると
どうしてもオカマのように見えてしまう。
「い…入れ替わったって…」
柚香(先生)は戸惑っている。
「いっつも、先生、あたしのこと
バカにするから
仕返ししてやったの!きゃはははは!」
笑う先生(柚香)
柚香(先生)は戸惑っているー
だがー同時に、
”ちょっとエッチな気持ち”になっていたー。
毛利先生にそんな趣味はないが
無性にこの身体で快感に
溺れたくなってきていた。
「---」
先生(柚香)がちらっと背後から
他の先生がやってきていることに
気付く。
先生(柚香)は笑みを浮かべて叫んだ。
「こら!桜木!
先生に暴力を振るうとはどういうつもりだ?」
先生(柚香)は
アリもしないことをわざと口にした。
「なっ…
わ、、私が先生だぞ!」
柚香(先生)が咄嗟に反論するー。
しかし、先生(柚香)は笑みを浮かべると
さらに続けた。
「--トイレで煙草を吸っていたのも見たんだぞ!」
とー。
たまたま通りがかった他の先生も
「なんだって?」と近づいてくる。
先生(柚香)は小声で囁く。
「いっつもバカにされるあたしの気持ち、
分からせてあげる」
とー。
柚香(先生)は叫んだ。
「ち、ちょっと待ってくれ!
わたしが毛利だ!
身体を入れ替えられて…!」
しかしー
その場に居合わせた他の先生は
当然、信じてくれない。
「何をバカなことを言っているんだ?」
先生になった柚香が先生のふりをして言う。
「ち、、違う…
あたしは…!」
そこまで言って柚香(先生)が
表情を歪めた。
”今、無意識に「あたし」って…?”
「--生徒指導室に来なさい」
毛利先生になった柚香と
その場に居合わせた先生に連れられて
暴力を振るった生徒として、
指導を受けることになってしまったー
「---あ…あたしの身体…
取り戻さないと…」
柚香になった先生は、
自分が柚香なのか、先生なのか
次第に境界線が揺らいでいることに
不安を感じながら、
早く身体を取り戻さなくてはー…
と、焦り始めていたー
続く
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コメント
リクエストが原作の作品デス!
1話で収めようと思ったのですが
相当駆け足になっちゃいそうなので、
2話になっちゃいました(汗)
続きは来週の火曜日に~!
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