女子高生に憑依した友人から
憑依薬を手にした男は、
会社に復讐しようとする。
「いつまでも大人しくしていると思うなよー」
--------------------—-
陽吉は、憑依薬を忍ばせて出勤した。
さて、憑依薬を使ってどんな風に復讐しようか。
陽吉は、そんな風に思いながら
仕事を進める。
卓が亜津奈とかいう少女に憑依したように、
自分も、このあとは女子高生に憑依して
陽吉としての人生を捨てるつもりだ。
卓によれば、永遠に乗っ取ることも可能だし、
途中で出て行くことも可能だという。
だからー
もうこの会社には用はない。
「--身体しか魅力のないおっぱい星人だなお前は~!」
女子社員の晴美の頭をポンポン叩きながら
笑う薗部部長。
晴美がミスをしたと知り、
またセクハラ発言をしているー
”やはり、薗部部長に憑依して、
滅茶苦茶にするのがいいか”
陽吉は思う。
本当は晴美や、他の女子社員に
憑依したいところだが、
小さな会社だし、晴美を含めて女子社員は4人しかいない。
うち2人はおばさんだし、もう一人は若いが、
陽吉としては、憑依したくない。
「---あの人は、被害者だからな」
陽吉は呟く。
晴美は、自分と同じように
会社に酷使されている側の人間だ。
つまり、被害者。
それにー
晴美は、自分に優しくしてくれたこともあるー
そんな人に迷惑をかけるつもりはない。
「--憑依対象は、お前だー」
陽吉は小さな声で呟いた。
憑依薬と言う力を手に入れた陽吉は、
有頂天になっていたー。
「---」
”ちょうど明日は会議だ”
陽吉は笑みを浮かべたー
明日は会社の社長がやってきて
会議を行う日ー
そのタイミングで、薗部部長に
憑依して滅茶苦茶にしてやるー。
それが、いい。
陽吉は、”お楽しみは明日だ”と
呟きながら、
仕事に集中しようとした。
「おい!デブ!」
薗部部長が叫ぶ。
「え?あ、はい!」
陽吉が返事をする。
薗部部長は太っている陽吉のことを
よく「デブ」という。
これも問題発言だ。
陽吉は無意識のうちに
デブと呼ばれて返事をしてしまうように
なっている自分を呪った。
「--何ニヤニヤしてんだお前は!
またオタク妄想でもしてやがんのかぁ?
あぁ~?」
薗部部長が陽吉に近づいてきて
容赦ない言葉を浴びせる。
「キモオタって言葉は
お前みたいなやつのために
あるのかもな!
あはははははは!」
薗部部長が笑う。
”くそ野郎が”
陽吉は心の中で叫んだ。
「--デブ!おっぱい星人!もやし!
童顔!ババア!ブス!」
大声で叫ぶ薗部部長。
もやしとは、30代のひょろひょろな男の社員のこと。
童顔とは、童顔を気にしている30代男性社員、
ババアとは50代のおばさん社員
ブスとは、陽吉が憑依したくない女性社員。
薗部部長はセクハラ・パワハラまみれの
あだ名を叫ぶと、
「お前ら、今日も帰れると思うなよ!」と叫んだ。
・・・・・・
残業を終えて
ロッカーに憑依薬を入れて
帰宅する陽吉。
陽吉は自宅につくと、
アニメグッズをすりすりしながら微笑んだ。
「薗部部長をやっつける…!
会社の上層部をやっつける…!」
パワハラ上司である薗部部長…
そしてブラック体質である会社上層部…
それを、憑依薬で叩き潰してやる!
陽吉は、明日、どのように薗部部長を
破壊してやろうかとほくそ笑むのだったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
「おはようございます」
陽吉が出勤する。
薗部部長の姿はない。
「朝から会議の準備か…
ご苦労なことだな」
陽吉はボソッと呟く。
さて、そろそろ憑依薬を飲んでおかないといけない。
ロッカールームに入って笑みを浮かべる陽吉。
ガチャー。
ロッカーを開いた陽吉は
表情を歪める。
「---!?!?」
ロッカーの中に、あるはずの憑依薬の容器がない。
しかもー
ロッカーの鍵はいつも閉めているはずなのに、
鍵が開いているー。
「--おっぱい星人でぇ~す♡」
背後から女の声がした。
「--!?」
陽吉が驚いて振り返ると、
まるで、AVでエッチしている最中のような
怪しい格好をした晴美の姿があった。
身体には、謎の♡マークがペイント
されている。
大きな胸を強調した格好で
微笑みながら歩いてくる晴美。
「え…あ、、、あの…」
陽吉はパニックを起こす。
一体、晴美は何をしているのだろうか。
その格好は一体。
惜しげもなく晒された
太ももが眩しすぎる。
「---ふふふふふふ…」
晴美が妖艶な笑みを浮かべながら近づいてくると、
そのまま陽吉に壁ドンして、
陽吉を睨みつけた。
「憑依薬…いい薬だね?」
晴美が囁くようにして言う。
晴美の甘い息がかかって、
陽吉はさらに戸惑ってしまう。
「--え、、あ、、、え、、??」
陽吉は目を泳がせながら
混乱する。
どうして晴美が憑依薬のことを
知っているー?
陽吉は戸惑いを隠せないー。
そしてー
はっとするー。
開いていたロッカー、
消えた憑依薬…
まさか…!
「ーーおい!デブ~?
これで何をしようとしてたんだぁ?」
妖艶な格好をした晴美が
脅すような口調で言う。
「--ま、、ま、、まさか、、」
晴美の胸が間近にあることに
ドキドキしながら
陽吉はようやく声を振り絞った。
「--そ、、そ、、薗部部長!?」
陽吉の言葉に、晴美は
イヤらしい笑みを浮かべた。
「ピンポ~ン!くくくく…」
晴美が邪悪な笑みを浮かべながら
陽吉を睨みつけた。
「人の身体を奪える薬…
そんな薬で、俺に何をしようとしてたんだぁ?」
晴美が色っぽくロッカールームを
歩き回りながら言う。
普段おだやかで真面目なイメージの晴美が、
まるで別人のようだー。
自分の肌を大胆に見せつけながら
陽吉を誘惑しているー
「---そ、、それは、、その…」
陽吉は目を逸らす。
すると、晴美は陽吉の方を見つめた。
「--昨日、やけにニヤニヤしてるから
おかしいと思ったんだよ。
それでお前の休憩中に
お前のスマホを覗いたらさ~
憑依薬のことが書いてあってな…。」
晴美が、自分の肌をペタペタ
触りながら言う。
「--くっ…」
陽吉は歯を食いしばった。
うかつだったー
まさか憑依薬が盗まれてしまって
こんな風に使われてしまうとは。
「---くくく…
まぁいいよ。
こうして俺が、この女の身体、
手に入れられたからなぁ~」
モデルのようなポーズを取り、
笑う晴美。
「どうだ?おっぱい星人の身体!
うふふふふふふ♡」
晴美は顔を真っ赤にしながら笑う。
こんな格好で、どうやってここまで来たのかー
そんな風に思いながらも、陽吉は叫んだ。
「--ぶ、、部長…!
か、、彼女は無関係です!
か、、身体を返してやってください」
陽吉はとっさに土下座した。
会社への復讐を終えたら
無関係の女子高生の身体を奪おうとしていた陽吉ー。
”人のことを言えたもんじゃない”と思いながらも
目の前でAVのような格好をさせられて
微笑む晴美を見て、
”助けないと”と、そう思ったー。
「--ぶ、部長…
お願いです!
俺はどうなっても、、どうなっても、、、いいですから…!」
陽吉が土下座しながら言う。
自分は何で晴美のために
こんなにムキになっているのだろう。
別に晴美と親しいわけでもなんでもないのにー。
自分が憑依薬を持ちこんだという
罪悪感からだろうか。
「----ふふふふふ
うるせぇよ」
晴美は笑いながら
自分の太ももを
両手で触り始めたー。
「--この身体は俺のものだ!
うへへへへへへへへっ♡」
飢えた獣のような表情をしている
晴美がそう言いながら表情をい歪める。
お腹のあたりに刻まれた
♡マークを撫でながら晴美は笑うー
「--この女は、俺のものだ~!
はははははははは!」
陽吉は土下座を続けながら言うー。
「部長!もうやめてください!」
と。
晴美を巻き込んでしまって
申し訳ないという気持ちと、
自分が憑依薬を持ちこんだ以上
騒ぎになると大変なことになってしまうのではないかという
恐怖心があったー。
「---部長じゃない。晴美よ♡」
晴美はイヤらしく微笑んだー
セクハラパワハラ部長が
晴美の身体をこのまま乗っ取りつづけたら
大変なことになるー
それに、
このままじゃ、友人の卓との約束も果たせない。
陽吉の計画は粉々に崩れ去ってしまった。
憑依薬を使って
薗部部長に憑依し、復讐を果たした後は
卓が憑依した亜津奈という女子高生の
同級生からひとり選んで
その人生を奪うつもりだったー
けどー
このままじゃー…
「--知ってる?」
戸惑う陽吉に、晴美が声をかける。
「このおっぱい女、
病弱な妹のために、毎日毎日
必死に働いてたのよ~?
うふふ…
それが、あんたが持ってきた憑依薬のおかげで~
部長に身体を奪われちゃった~
可哀想なわたし~!
うふふふふふふっ♡」
晴美は完全に乗っ取られているー。
憑依薬の力は恐ろしいー。
陽吉はどうすればいいのか
分からず、晴美の方を
悔しそうな表情で
見ることしかできなかったー
その時だったー
「うわっ!?
な、何を…!?」
他の男性社員がロッカールームに入ってきた。
AVのような格好をした晴美を見て
男性社員は戸惑う。
「あら…みつかっちゃった」
晴美は笑う。
全然困っている様子ではない。
「--ま、いっか」
そう言うと、晴美はロッカールームから飛び出して、
他の社員が仕事をしている場所に向かった。
「あっ!」
陽吉が慌てて後を追う。
しかしー
もう手遅れだった。
晴美は、他の社員たちの前で
胸を揉み始めて、
そのまま角オナを始めると、
一人でイッてしまったー。
「---あはは…はは♡」
恍惚の表情を浮かべて崩れ落ちる晴美。
騒然とする社内。
ほどなくして、晴美は目を覚まし、
悲鳴を上げて泣き崩れるのだったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
陽吉は、仕事を終えると
ただちに友人の卓に連絡を入れた。
”え~?塾なんだけど~!”
と、亜津奈に憑依した卓から返事が来る。
卓は女子高生ライフを満喫中のようだ。
しかしー
陽吉はすぐに”憑依薬を盗まれてしまった”と
告げると、卓は、塾を休んで
会いに来てくれることになったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カラオケボックスにやってきた亜津奈は
ため息をついた。
今日もツインテール姿で、
とても可愛らしい服装をしているー。
「---盗まれたって、ありねぇんだけど」
亜津奈は怒りをあらわにして言った。
「ご…ごめん」
陽吉は、悲しそうな顔で呟く。
「---ふつうさ、ちゃんと管理するよな?
あれ盗まれたってどういうことか分かってんのかよ!?」
女子高生を演じることも忘れて
亜津奈は声を荒げる。
「--俺だって、憑依してることが
ばれるかもしれないし、
お前から憑依薬を盗んだその部長が
今、どこにいるかもわからない。」
亜津奈はイライラした様子で髪を
掻き毟ると言った。
「ホント、余計なことしてくれたな!」
「ご…ごめん…」
晴美から抜け出した薗部部長は
行方不明だー。
亜津奈に憑依している卓によれば、
憑依薬を飲めば、
霊体のような状態になり、
そのまま移動することも可能なのだという。
薗部部長は今、どこにいるのだろうか。
「--本当に、すまない」
陽吉は土下座した。
亜津奈は腕を組みながら
うんざりした様子で
陽吉を見下しているー。
その時だったー。
「やっほ~!亜津奈ちゃん!」
カラオケボックスの扉が開いて、
眼鏡をかけた可愛らしい女子高生が入ってきた。
「--え?恵理ちゃん?」
亜津奈がそう言うと、
眼鏡をかけた女子高生・恵理はにっこりとほほ笑んだー。
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
復讐どころじゃなくなってしまってますが、
ちゃんと復讐できるのでしょうか~?
続きは明日デス!
コメント