<他者変身>変身おじさん③~欲望~(完)

他人に変身する力を持ったおじさん。

彼は、欲望の日々を送っていた。

学校で好き放題し、
アイドルの人生を壊した彼の、次なる遊びは…?

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「んふっふっふっふ~♪」

俺は満面の笑みで街中をスキップしていた。

もちろん、俺みたいなおっさんが満面の
笑みで街中をスキップしていたら
色々な意味で注目を集めてしまうし、
誰も、笑顔でスキップするおっさんなんて
見たくはないだろう。

だがー
今の俺は、俺の姿ではない。

別の人間の姿に、変身している。

その辺を歩いていた女子大生に変身し、
予め用意していたチャイナドレスを着て
俺はスキップしている。

周囲の注目を集める俺。

とても、心地がいい。

この女子大生が誰だかは知らないが、
そんなことは関係ない。

今日も、俺の欲望のために、
見ず知らずの女の人生が狂っていくのだー

俺はスキップするのに疲れて
綺麗な足を大胆に見せつけながら
街を歩くー。

何か。

何か、面白いターゲットはいないかどうか。

俺はそう思いながら周囲を見渡す。

学校で、滅茶苦茶に遊んだし、
この前は、アイドルの梨音のことも滅茶苦茶にしてやった。

いやー
今はもう、”元”アイドルか。
梨音はあのあと、俺が成りすまして出演した番組での
行為で大炎上して、そのまま引退したー。
今頃、あの子の精神状態はボロボロだろうー。

「---お」

俺は、ふと、近くの民家に目をやったー

母親と父親、そして娘だろうかー

満面の笑みを浮かべる家族。

「家族…か」
俺は笑みを浮かべた。

家族を壊すのも、面白いかもしれないな。

俺は、そう思いながら、
その家の方を見つめる。

中学の制服を身に着けた娘が
笑顔で学校の方に歩いていく。

俺はーその娘を見つめながら
”変身”能力を使ったー

チャイナドレスが地面に落ちるー

そして、俺の身体は女子大生の身体から
娘の身体に変わった。

「---んふっ
 中途半端に発達した子の身体ってのも
 悪くないよな」

俺はそう呟きながら
自分の未発達の胸を少し触ると、
自宅の方を見つめたー

「---じゃあ、行って来るよ」
父親らしき人物が会社に向かう。

「くへへへ…」
俺は笑みを浮かべた。

父親と娘が出かけたということは
あの家には、母親一人か。

「ふへへへへへへへ…」
俺はニヤニヤしながらその家の方に向かう。

貞野…

俺は表札を見ながら
名前の方に目を向ける。

美鈴…(みすず)
一番下に書かれているから、
たぶんこの娘の名前だろう。

「さぁ~て…」
俺はあくびをしながら
自宅の扉を開けるー

さっき学校に向かったはずの娘が
急に帰ってきたら
どう思うだろうな?

くくく…

ガチャー

俺は扉を開けて中に入る。

「--あら?」
母親が俺の方を見て驚いた表情を浮かべる。

「どうしたの?忘れ物?」

母親は、俺にそう尋ねた。

まぁ、当然の答えだな。
俺はそう思いながら、母親を無視して、
キッチンの方へと向かっていくー

そしてー
俺はテーブルの上に飛び乗って
母親の方を見つめた。

明るく、元気に育っていたであろう
娘が、突然おかしな行動をとりだしたら、
母親はどんな顔をするだろうな?

俺は、それが見たかったー

「---ちょっと、美鈴、どうしたの?」

この女の母親は俺の方を見て唖然としている。

あぁ、お母さん、その気持ちは分かりますよぉ~くくく。
可愛い娘が学校に行くべき時間に
家に帰ってきて、机に飛び乗った挙句
ヤンキーみたいな座り方をしてるんですからねぇ~ぐへへ

「--どうしたって?
 わたし~学校飽きちゃった!んへへ!」

俺は鼻で笑ってみせた。

母親の表情が青ざめて行く。

「--な、、何を言ってるの!?」

美鈴に向かって叫ぶ母親。

俺は耳をほじりながら、
母親に挑発的な態度を取ってみせた。

おらぁ、どうだ?娘の突然の反抗期ぃ~?

「-ーーみ、美鈴、何かあったの?」

母親が俺に尋ねる。

「別にな~にも!
 ただ、学校に行くとかウザいし~
 もう、どうでもよくなっちゃった~
 えへへへへ!」

俺はそう言うと、
母親の方を見て、つばを吐きかけた。

ビチャ。

母親の顔面に娘の、いや、俺の唾が飛ぶ。

母親はプルプル身体を震わせている。

優しそうなお母さんも、
そろそろキレるころだろう。

「お?キレちゃった?
 お?やるのか?ん?」

俺は挑発的な口調で母親を
挑発した。

大事に育ててきた娘に
唾を吐きかけられた気分はどうだー

俺は、母親にビンタをされるのか、
それとも怒鳴られるのか、
そんなことを考えながら
ニヤニヤしてみせた。

しかしー

「--!?」
母親は、俺のことをー…
娘に成りすましている俺を抱きしめた。

「--美鈴…
 何か辛い事があったんだね…」
俺の頭を撫でる母親。

「----!?!?!?!」

俺は激しく動揺したー

人間は醜く、汚い。
俺はそう思っている。

この母親も、そのはずだー

今まで、俺が見てきた人間はみんなそうだった。
信じていた人間、大切にしていた人間が相手でも
俺が成りすまして酷いことをしてやれば
すぐに手のひら返し。

アイドルの梨音もそう。
あれだけちやほやしていた周囲は
今や梨音のことをゴミのように袋叩きにしているー。

学校の時もそうー
慕われていた女子生徒も、
少し奇行をしただけでー
本人が”やってない”と叫んでも
弁明を聞くこともせずに、
罵り、叩き、潰しにかかる。

人間は、愚かだー

俺は、ずっと、そう思っている。

「--何か辛いことがあったなら、
 お母さんに話してみて?」

母親は、俺を抱きしめながらなおもいう。

くそっ!
娘が反抗的な態度を取っているんだぞ?
唾を吐きかけたんだぞ?

怒れ!憎め!

「----お母さん、美鈴の味方だから」
母が、心からの言葉を俺に向かって告げた。

お母さん…

俺は思わず
感動したー

泣きそうにーーー

なるわけねぇだろうがぁああああ!

俺は母親のみぞおちを綺麗な手で
殴ると驚いた表情で、咳き込む母親を見て、
笑みを浮かべた。

そしてー
家の中を見回した俺は、
床下収納を見つけたー

母親を無理やり
引っ張って、俺はその床下収納の近くまで持っていくー

”殺しはしない”

人の命を奪うことは、俺の美学に反する。

泣きわめく母親ー
娘に乱暴された挙句、
床下収納に突き落とされた母親は
絶望の表情で俺を見つめた。

「み…美鈴…何があったの…!?
 お願い…話して!」

母親はなおも、娘を信じている顔だ。

俺は、舌打ちして唾を吐きかけると、
床下収納の扉を閉めた。

床下の外にも繋がっているように見えたから
酸素は問題ないだろう。

床下を閉めた俺は、上に適当な家具を
移動し、下からでは開けられないようにしてみせた。

そしてー
俺は娘から、母親の姿に変身したー。

「--お前が家族を信じていても
 他の家族はそうとは限らないぜ」

俺はそう呟くと、
慌てて家から飛び出して、
この女の娘と夫が帰ってくる前に、
あるものを用意するのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

俺は、微笑んでいたー

母親の姿に変身した俺は、
ドSな格好をして鞭を振るいながら、
お尻や胸元を露出してー
家族の帰りを待った。

「んふふふふ…」

真面目な母親なのだろう。
だが、俺はその姿を借りて
妖艶な格好をしているー

この、俺にとって何の関係もない
家族の幸せを、粉々に打ち砕くために…

しばらくしてー

娘が帰ってきた。

「--ただい…」
娘の美鈴は
俺のー
一人エッチをしている母親の姿を見て
笑顔のまま凍りついた。

「お母…さん?」
美鈴はその場で固まってしまう。

「あらぁ、美鈴、おかえりなさい~♡」

ぐへへ、どうだ!
過激なエロ衣装で一人エッチしている
母親の姿は~!

俺は喘ぎ声を出しながら美鈴の方を見つめた。

「ちょ…お、、お母さん!何やってるの!?」

「--なにって?お母さん欲求不満になっちゃったの!
 うふふふふ♡」

ダメだ、甘い声しか出ねぇ。
しかも、このお母さんの声、エロいな。

俺はそんな風に思いながら、
娘の美鈴の方に歩いていく。

「---ねぇ、美鈴。
 お義母さんとエッチしましょ?」

美鈴は恐怖に震えて
俺の方を見ている。

くくく…
そんな目で母親を見るなよ。
おじさん、興奮しちゃうじゃないか。

俺は、はぁはぁ言いながら
娘の美鈴を押し倒すと、
美鈴のことを徹底的に
遊びつくしてやった。

「あ…あ…♡」
美鈴は信じられないという様子で
目から涙をこぼしている。

「んふふふふ…♡」
時計を見る俺。

こいつの夫は何時ぐらいに
帰って来るのだろうか。

俺は、机の上に用意した離婚届を
見つけながら笑みを浮かべた。

「--さて…
 まだこいつの夫が帰ってくるまで
 時間がありそうだし…
 もう1ラウンド行くか」

俺は泣きじゃくっている美鈴を襲い、
さらに激しい行為を繰り広げたー

この娘の精神ー?
そんなものは知らんー。

それからー
どのぐらい時間が経っただろうか。

散々遊びつくした俺は、
部屋の隅で泣き続けている美鈴を見て笑うー

ガチャー

夫が帰ってきた。

「---うふふふふ!
 お帰りなさい~!」

俺は妖艶な格好のまま
夫を出迎えると、
唖然とした表情の夫に
離婚届を叩きつけてやったー。

驚く夫。

もう、この家族は滅茶苦茶だ。

そう確信した俺は
夫と娘が見ていない隙に
床下収納に閉じ込めた母親を
解放し、俺自身は、変身を解除して姿を消した。

明日にでも、この家がどうなったか、
見に来ようー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それからも、俺は
変身して悪事の限りを尽くした。

特に理由はない。
ただ、俺が楽しみたいから、
見ず知らずのやつらに
犠牲になってもらっているだけだー

この変身能力があれば、
俺は誰にも捕まらない。

今日もー
俺は見ず知らずの女子大生に変身して、
街中をご機嫌にスキップしている。

予め用意していた
バニーガールの格好に着替えて…

「むふふふふふふふ~!」

通行人が、
バニーガール姿の女子大生を見て
驚いたように俺の方を見る。

くふふふ…
あとでこの女のホンモノがどう思われようと俺には関係ない。

変身能力がある限りー
俺には、怖いものー

ゴッ…

ーーー!?

俺の身体に謎の衝撃が走った。

なんだ…!?

気付けば、俺は宙を舞っていたー
俺がスキップしていた場所から、
何十メートルか先に飛ばされた俺は、
そのまま、道路にうつ伏せになっていた。

「な…に?」

俺は慌てて起き上がろうとする。

何が起きた?
いや、まずは変身を解除して…?

しかしー
身体に力が入らないー

俺は、どうしたー?

俺は、自分で自分に何が起きたか分からないまま、
網タイツから、血が流れているのに気付く。

ーーーー!!!

歩行者用の信号が赤ー

近くには急停車した乗用車。

まさか、俺はーー

「---ぐぐ」
俺はーー
浮かれるあまりー
無意識のうちに信号を無視してー

「---う、、嘘だ…」

他人に変身してー
好き放題できるー

それを繰り返すうちに、俺はー
”何をしても、変身を解除すればいいー”
そんな風に、思いはじめていたー

自分の身体に対する、慎重さを
失っていたー

「---い…いやだ…変身を…変身を…」

俺は慌てて、近くの通行人の女性の方を見つめて
その姿に変身する。

「---あ…あぁぁ…」

変身してもー
俺の身体であることに変わりはないー

傷は、消えない…

「ああ……」

俺は、動けなくなったー

これが、他人の人生を、、
踏みにじってきた人間の、、末路なのか…?

薄れ行く意識の中ー
俺が最後に見たのはー

あの日、変身能力を手にするきっかけとなった、
俺が食べたカメレオンだったー。

カメレオンが、俺をあざ笑うようにして
四つんばいで立ち去って行くー

「---あ…」

俺は最後に思ったー

俺は、カメレオンに遊ばれていたのかもしれないー
変身という力を手にした人間が
どうなるのかー

それを見て、あのカメレオンは…

俺の意識は、そこで途切れたー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

お読み下さりありがとうございました~!
変身モノはあまり書いたことがないので、
まだまだ練習途上ですネ!

また機会があれば書けたらと思います!

コメント

  1. 龍渦 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    中途半端に発達した子に変身するのすごくいいなぁ
    書きたいしもっと見たいなぁ
    その他にも母親の優しさに感動したりしました

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 中途半端に発達した子に変身するのすごくいいなぁ
    > 書きたいしもっと見たいなぁ
    > その他にも母親の優しさに感動したりしました

    コメントありがとうございま~す☆!
    リーフ様でしょうか~?(違ったらごめんなさい~!

    私もまた機会があれば書いてみたいデスー!

  3. 龍渦 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    >コメントありがとうございま~す☆!
    >リーフ様でしょうか~?(違ったらごめんなさい~!

    その通りです!
    私がリーフです!

    >私もまた機会があれば書いてみたいデスー!

    どうぞどうぞ!是非お願いします!

  4. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > >コメントありがとうございま~す☆!
    > >リーフ様でしょうか~?(違ったらごめんなさい~!
    >
    > その通りです!
    > 私がリーフです!
    >
    > >私もまた機会があれば書いてみたいデスー!
    >
    > どうぞどうぞ!是非お願いします!

    笑~
    お返事ありがとうございます~☆

  5. 匿名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    最後の母親に変身を解除した後に
    今日もー
    俺は見ず知らずの女子大生に変身して、
    街中をご機嫌にスキップしている。てありますが、ここで終わりにしてれば良かったです。これ以降のくだりは蛇足でした。 
    良い作品がこれでガタ落ちな気がします。テンションが下がりました。あとのくだりをするのなら、後日談として別にして欲しかったです。

  6. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    コメントありがとうございます~!

    確かにそのあとの場面は
    意見が分かれそうな感じの展開になってしまってますね…!

    入れるか入れないか迷いつつ、
    入れたり、入れなかったり、作品ごとに色々ですが、
    これからも、色々考えながら書いていきます!

    貴重なご意見、ありがとうございました!!