あるところに、他人に変身できるおじさんがいた。
おじさんは、一つの高校に目をつけて、
女子高生に変身して、
好き放題やり始める―。
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俺は冴えないおじさんだ。
少なくとも、周りからはそう思われているだろう。
そして俺は今、
近所の高校の前に来ているー。
偏差値の高い高校だー。
何のためにここに来ているのか?
別に、JKを襲うためではないー。
「--ごめんなさいーー」
真面目そうな女子生徒が、茶髪のチャラそうな男に
校舎裏で告白されていて、
それを断っているのが、ちょうど俺の目に入る。
(はは、振られてやがる)
俺は心の中で、チャラい男子生徒を嘲笑うと、
恥ずかしそうに校舎裏から飛び出して
そのまま下校する、真面目そうな女子生徒を見つめた。
「むふふふふ…」
俺はその少女をじーっと目で追った。
そしてー
”いつもの”が始まった。
俺の胸が膨らんでいくー
俺の髪が伸びて行くー
服がー変わって行く。
体型も声も何もかもが変って行くー。
俺は、一瞬にして、
”今、振られた少女”に変身したのだったー
「変身」
俺は小声で呟いた。
別に、呟く必要はないのだが、
なんとなくいつも呟くことにしているー
「♪~」
あぁ、女子高生の身体は
身軽でいい。
小太りな俺とはちがって
動きやすいし、
何よりエッロエロだ。
さてー
「--ねぇ」
俺は、女子高生の姿と声…
誰から見ても、さっき立ち去った少女にしか
見えない姿で、
先ほど振られたばかりの男に声をかけた。
「あ?」
茶髪の不良生徒と思われる生徒は
不愉快そうに返事をするー
「--やっぱり、わたしと付き合わない?」
俺は小悪魔のような笑みを浮かべて
その男子生徒を誘惑したー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「--あぁ~馬上さんが、そんな積極的なんて
しらなかったよ~」
「ふふふ…学校では真面目なふりしてるの♡」
甘い声で俺はそう囁く。
女子高生を演じるのには、もう慣れている。
可愛らしく振る舞うことにもー。
俺が本来の姿のままそれをしたら、
気持ち悪がられるだけだが、
女子高生の姿でそれをすれば
男はすぐに引っかかるー
「--ねぇ…」
カラオケボックスの中で
甘い声を出して、顔を男子生徒に近づける。
「---あ、、え…?」
チャラそうな男子生徒が顔を赤らめて
俺の方を見ている。
くふふ…バカなやつだ!
おっさんが変身しているだけとは知らずに
顔を赤らめちゃって。
「--私と、、キスしよ?」
囁くようにして言うと、
男子生徒は顔を真っ赤にして
頷いたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「は~!」
自宅へと戻った俺は、
”馬上さん”の姿で、
鏡の前に立つ。
「くふふふふ…」
俺にはー
”変身”能力があるー。
信じられないかもしれないが
その名の通り、他人に変身することのできる能力だー。
俺は小さい頃から、友達がおらず、
両親は離婚しー、学校ではいじめを受けるような
人生を送ってきた。
就職もうまく行かず、フリーターとして
やっとの思いで生計を立てるー
もちろん、彼女なんていないし、
恋愛経験もない。
筋金入りの童貞と言ってもいいだろう。
いや、ここまで来ると童帝を名乗るべきだろうか。
まぁ、そんなことはどうでもいい。
そんな俺に、37のとき、転機がやってきた。
人間、いつかは幸せなことやってくる、とか
ほざいていた奴がいたが
それは嘘ではなかったー
ある日ー。
俺の家にカメレオンが迷い込んでいたー
自分でも何故そうしたのか分からないが、
俺はそのカメレオンを生のまま喰ったー。
その日からだー。
俺は、”その人になりたい”と念じながら
他人を見つめていると、
その人に変身することができるようになったのだったー
姿かたちはもちろん、
声や身体の感じ方までー
完璧にその人間に変身できるー
この能力を手に入れて、
俺の人生は変わったー。
今では、”変身”を使って
裏の仕事を引き受けながら
生計を立てているー
「---はぁ♡…はぁ♡」
そんなことを考えながら、
俺はまじめそうな少女の身体を担当したー
厳密に言えば俺が変身しているだけだが
感度も何もかも、その本人のものを
コピーできるようだ。
「んふぅぅぅ…♡」
俺はスマホで、イヤらしい笑みを浮かべた
少女を自撮りするー
そして、それをネットに流したー
「くふふふふふ…♡」
満足した俺は、変身を解除するー
変身を解除すると、またその子を見つめないと
変身はできないのだが、
それはそれで仕方がない。
冴えないおっさんに逆戻りだ。
ちなみに、変身は、服装も一緒に模すことができるー
ただ、変身を解除するときには、その服も一緒に消える。
だからー、変身を解除すれば
女子高生の制服姿ではなく、俺本来の服装に戻る。
途中で服を脱いでいたりした場合、
変身を解除した時点で、その服も消える。
「はぁ…」
可愛い女子高生から、自分の姿に戻ったあとは
半端ない脱力感を感じる。
言うならば賢者タイムの強化版のようだ。
しにてぇとすら思う。
だがー
それでも変身はやめられない。
俺にとっては、最高の楽しみだからだー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
俺は、その辺の女子生徒に変身して、
昼休みの高校に潜り込んだー。
「--なぁ、馬上さん、昨日はありがとな」
「--え?」
昨日、俺が変身していた女子生徒が、
不良男子に声をかけられている。
「---え…ほら?カラオケで
色々したじゃんか」
不良生徒が言うと、
馬上さんは、怯えた表情を浮かべる。
「な、、なんのこと・・・?」
馬上さんが震えている。
「ぷっ…」
俺は、名前も分からない女子生徒の姿で、
それを見て吹き出しそうになってしまった。
”馬上さん”からしてみれば
何の覚えもないことだから怖いだろうなー
と、思いながら俺は成り行きを見守る。
「--またエッチしようぜ~?」
不良男子が言うと、
馬上さんは「な、、何言ってるの!?」と
怯えた表情で言い放って、そのまま
涙目で走り去ってしまった。
不良男子が「お?学校ではそういうプレイなのか?」と
笑いながら言っている。
くふふ…
この2人が今後、どうなってしまうかー
俺の知ったことではないー
俺は、時々、
意味もなく、遊ぶー。
いや、遊ぶことに、意味なんてない。
楽しいから、遊ぶ。
それだけだー。
俺の今の遊びはー
”変身能力でこの高校を滅茶苦茶にすること”だー。
この高校に恨みはないー
ただ、俺がそうしたいから、するだけだ。
俺は今までにも、色々な場所で遊んで、壊してきた―。
幸せそうな夫婦を変身能力で
ズタズタに引き裂いたこともあるし、
病院の看護師たちに変身して
病院をエロ病棟にしてやったこともあるー
人は、いとも簡単に壊れるー
”変身”能力だけで、
絆も、信頼も簡単に壊すことができるー
たとえばー。
「----お、、おい!?」
周囲の生徒たちが”俺”を見ている。
突然、制服を脱ぎ捨てて
腰を振りながら
歩き出した俺を見ている。
「んふふふふふ~♡
どう?わたしのボディ~」
スタイルの良い身体を見せつけながら
下着姿で、学校の廊下をモデル歩きする俺。
「(くくく…みんな俺にくぎ付けだな)」
「--成瀬さん、何やってんだ?」
「ちょ、ちょっと、成瀬さん?」
他の生徒がざわついているー。
そして、俺は、近くにいた別の女子生徒を見つめると、
そのまま女子トイレに入ったー
女子トイレに誰もいないことを確認すると、
俺は”変身”と呟くー
”成瀬さん”から、
ちょっと小太りな女子生徒に変身した俺。
少し時間をおいて、廊下に出る。
廊下は騒然としていた。
突然下着姿で廊下を歩いた成瀬さんについての
話題で、もちきりになっていたのだ。
「--むふふふふふ」
俺は小太りな女子生徒の姿のまま笑う。
「--あ、成瀬さん!もうエッチタイムは終わりか~?」
男子生徒の一人が”ホンモノの成瀬さん”を見つけて声をかけている。
「え?は?何言ってるの?」
さっきの下着姿の成瀬さんは俺が変身していた姿だ。
当然、成瀬さん本人は何も知らないし、
自分の姿をした何かが下着姿で廊下を
歩いていたなど、夢にも思わないだろう。
「--とぼけるなよ~!」
茶化す男子生徒。
周囲の女子生徒は気持ち悪いものを見る目で
成瀬さんを見ている。
「ちょ…ちょっと…何??」
戸惑う成瀬さんに
別の男子生徒が、スマホで撮影した動画を
見せつけるー。
「--えっ…
きっ、、きゃああああああ!」
成瀬さんは、自分が下着姿で廊下を
歩いている動画を見て、悲鳴を上げた。
「ぐふふふ…ば~か!」
小太りな女子生徒の姿のまま、
俺はそう呟いて、後ろを振り向いた。
そこにはー
俺が今、変身している小太りな女子生徒がいたー
「---ぎゃあああああああ!」
俺と目が合うなり、
”目の前に自分がいる”ことに
驚いたそいつはそのまま気絶してしまった。
俺は倒れたそいつをそのままにして歩き去る。
そしてー
他の生徒に囲まれている”成瀬さん”の方を
見ると、俺は再び成瀬さんの姿に変身したー。
「--みんな~?げんき~?♡」
服を再び脱ぎ捨てて
下着姿になって、俺は成瀬さん本人を含む
ガキたちの前に姿を見せる。
「--え?成瀬がふたり?」
「-ちょ…な、、、何これ…?」
騒ぎ出すガキたち。
「---うふふふふふ…
どう、わたしの身体…?綺麗でしょ?」
俺は腰に手を当ててモデルのようなポーズを取って
ガキたちの前に立った。
「ちょ…あ、、あんた誰よ!」
本物の成瀬さんが叫ぶ。
俺は迷わず答えてやった。
「誰って?成瀬よ~?ふふふふ」
と。
下の名前は知らない。
変身しても、記憶までは盗めない。
だがー
そんなことはどうでもいい
「ちょ…ふざけないで!
ど、、どういうこと!?」
本物の成瀬さんがパニックになって喚き散らす。
くくく、目の前に”もう一人自分”が現れた。
驚くのも当然か。
「ねぇ!あんた誰!?」
本物の成瀬さんが俺の腕をつかむ。
ーーーー。
俺がイラッとした。
俺は、自分の身体に許可なく
触られることが嫌いだ。
「---……気安く触れるんじゃねぇ!」
俺は成瀬さんの姿、声のままそう叫ぶ。
周囲にいたガキどもがビクッとする。
一部の男子生徒は、普段見れない
成瀬さんの姿に興奮しているようだが…
「--よし、決めた」
俺は微笑む。
「--お前の人生、壊してやるよ」
俺は、腹が立ったやつの人生を
”壊す”ことに決めている。
今日は、この子の人生を壊してあげよう。
俺はそう決めると
下着姿のまま、大笑いして
校舎内をスキップし始めた。
美貌を持つ成瀬さんが、下着姿で
校内をスキップしている。
すれ違う生徒たちが、
唖然として成瀬さんの方を見つめる。
「あはははははは~~~☆」
俺は大笑いしながら
職員室を目指す。
ぐへへ…この女はもう終わりだぜ~!
「--ちょっと!やめて!」
背後から、ホンモノの成瀬さんが追ってきているー。
だがー
俺には追いつけないー
何故ならー
本物の成瀬さんは全力疾走しないからだー
スカートを気にしたりー
可愛らしさを気にしたりして―
でも、俺は違うー
下着姿だし、
この女がどう見られようと関係ない。
可愛らしさなんて考える必要はない。
下着姿で顔を歪めて全力疾走だー。
やがてー
本物の成瀬が見えなくなったところで
俺は、下着をも脱ぎ捨てて
そのまま職員室に入った。
「失礼しま~す♡」
わざと、ふざけた声を出す俺。
職員室にいた先生たちが唖然とするー
「---んへぇ」
俺は自分のできうる限りの変な顔を
成瀬さんにさせて、
そのまま職員室の真ん中に歩いていき、
その場で放尿してみせた
「んへっへっへっへ」
女子生徒が全裸で職員室に入って来て
ヤンキー座りをしながら放尿するー。
異様な光景に
教師たちは固まっていた。
「---いひっ!」
俺は放尿し終えると、そのまま職員室を飛び出した。
捕まっちまったらおわりだからな。
俺は近くの女子トイレに駆け込む。
女子トイレに入り込む直前、
廊下を歩いていた他の女子を見つめながら
変身を開始し、
トイレに入った時点で、変身を終える。
「---♪~」
廊下は騒ぎになっていた。
先生たちが、全裸で走り去った成瀬さんを探している。
俺は何食わぬ顔で、
そばかすが目立つ女子生徒の姿で廊下を歩きはじめる。
「--ち、違います!それはわたしじゃないです!」
廊下の反対側から先生と、ホンモノの成瀬さんの姿が見えた。
「--くく」
職員室で放尿した成瀬さんはもう終わりだ。
こうしてー
俺はその女子生徒の姿のまま、
高校を後にした。
独特な顔立ちであまり可愛くないが、
この姿のまま、今日は帰宅しようー。
俺はー
今日も、一人の少女の人生を壊したー
そう、意味もなくー。
だが、そんなことは関係ない。
人生なんて、意味のないことの連続だ。
ただ、壊したいから壊した
それだけのことー。
俺は、女子高生の姿のまま
自分が変身していることも忘れて
コンビニでエロ雑誌を購入しー
(店員が何故売ってくれたのかは分からない)
そのまま家へと帰るのだったー
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
他者変身モノを書くのは
珍しいので、あまりうまく?行って無いような気もしますが
何事も経験が大事ですネ!
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