ごく普通の生活を送るOL。
そんな彼女は、小さな異変に気付く。
寝ているのに、疲れが取れないー
朝起きると、部屋に違和感を感じる。
果たして、その真相は…?
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「なんか、最近、疲れてない?」
先輩の松恵(まつえ)が
2年目のOL・花帆(かほ)に
お茶を差し出しながら言う。
花帆は、ありがとうございます、と
お礼を言いながら
そのお茶を口に運ぶ。
去年入社した花帆は、
まだ20代前半ー。
要領が良く、まじめなことから
先輩たちからも可愛がられていたー
「最近、なんだか疲れが取れなくて…」
花帆が苦笑いする。
「--ふぅん…ちゃんと寝てる?」
先輩の松恵が言うと、
花帆は頷く。
「8時間は寝ているので、
睡眠不足ってことはないと思いますけど…」
その言葉に、
松恵は、「たしかに、わたしなんか4時間しか寝てない!」と
笑いながら言ったー。
「--何か悩みでもあるの?」
松恵は、再び真面目な話に戻すと、
今度は花帆にそう尋ねた。
新入社員時代、夏帆はこの松恵に
指導を受けたこともあり、
松恵と親しいー
松恵は30代中盤の
頼れる女性、という感じの先輩だー
「--う~ん、あんまり、悩んでることも
ないんですけどね」
「そっか」
松恵は安心したように立ち上がる。
「まぁ、あんまり無理しないでね」
「--はい」
この時はまだ、
それほど重いことだとは考えていなかったー
ただ単に、”最近疲れているなぁ”と
感じることは、人間、誰にでもある。
そうー、
あくまでも一時的なことだろうー
花帆は、そう思っていたー
夜ー
一人暮らしの花帆ー
しかし、
今日は、一人ではなかったー。
「--お!お疲れ~!」
花帆の部屋に、男が入ってくるー
大学時代からの彼氏・竜一(りゅういち)だ。
竜一とは、お互いが社会人になった今も親しい。
竜一が美味しそうなケーキを花帆に手渡す。
「わ~!美味しそう!」
花帆が嬉しそうに言うと
竜一も満足そうに微笑んだ。
「--最近、あまり会えてないからさ」
竜一は笑う。
お互い、仕事が忙しくて
最近はそんなに頻繁に会えてはいないー
いつかは結婚を、
などとも思ってはいるが、
それは、まだ先の話だ。
「--ありがとう」
花帆がケーキのお礼を言うー
忙しいけれどもー
こうして時々会える時間が
二人にとって、とても幸せだった。
「--じゃ、また」
竜一が笑いながら言う。
竜一も、夏帆も、
明日の朝、早いために
竜一は泊まることなく、
そのまま帰って行った。
「ふぅ~」
花帆は楽しかった~、という笑みを
浮かべながら部屋の中へと戻る。
もう、時間も遅いー
「明日も早いし…」
花帆は、シャワーに入って、
少ししたら寝よう、などと思いながら
後片付けを始めるのだった
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌朝ー
「う~ん…」
目覚まし代わりに使っている
スマホが音を立てる。
それを止めて、時計を確認する花帆ー
「--はぁ、、もう朝かぁ…」
ーーー!?
花帆は、違和感を感じるー
やはり、身体が異様に疲れているー
それに、なんだか少しゾクゾク…
そんな感じがする。
まるで、自分が興奮していたかのようなー
「…」
花帆は周囲を見渡す。
特に、おかしなところはないー
「はぁぁぁ…寝たのに寝てない気分」
花帆は、そう呟きながら
仕事へと向かうのだったー
それからもー
そんな日々は続いた。
いやーー
悪化した。
寝ても寝ても疲れが取れないどころか
どんどん悪化している気がする。
これは一体何なのか。
寝てもー
寝てもー
疲れが取れるどころか
疲れていくー
やがて、夏帆は不安に思い、
近所の病院を訪れた。
「--…最近、寝ても寝ても疲れが取れないんです」
花帆がそう相談すると、
医師は”睡眠の環境改善”を提案したー
また、眠りが浅いのかもしれない、ということで
不安を取り除く薬などを処方してくれたー
しかしー
それでも、夏帆の疲れが取れることはなかったー。
「---だいじょうぶ?」
先輩の松恵が言うー。
「---あ、、はい…」
花帆は、すっかり疲れ果てていたー
花帆の尋常じゃない疲れっぷりに、
周囲も困惑していたー
「あのさ…」
松恵が、難しい顔をしながら言う。
「寝ても、寝たような気がしないってことはさ、
寝てないんじゃない?」
松恵が冗談めいて言う。
「そ、そんな…!わたしちゃんと!」
花帆がムキになって反論すると、
松恵は「まぁまぁ、最後まで聞いて」と
花帆の言葉を止めたー
「つまり、寝てる間に
何かしてるんじゃない?ってこと」
松恵の言葉に
花帆は考えるー
そういえばー
ひとつ、疑問があるー
花帆は、寝ている間に、
一度ぐらい、目を覚ますことが多いのだー
風の音だったり
近所に大きなトラックが通ったり、
なんとなく目を覚ましたりー
思えば、最近、それが全くない。
夜、眠ると、すぐに朝。
確かに、疲れているということで
説明はつくかもしれないー
ただ、なんだか不気味だ。
「夢遊病…?」
花帆がそう呟く。
「--そういうことも、あるかもね」
松恵がそう言うと、
鞄から何かを取り出した。
松恵が取り出したのは、カメラ。
「---これを、、部屋につけて、
自分がちゃんと寝ているか、
確認してみたらどう?」
松恵は、後輩が疲れ果てているのを心配して
部屋で使える小型のカメラを
花帆のために買ってきてくれたのだった
「あ…ありがとうございます」
花帆はそれを受け取りながら
”夢遊病だったらどうしよう”と
不安に思うのだったー
夜ー
花帆は帰宅するとすぐに、自分のベットが見えるように
そのカメラを設置した。
もしも夢遊病なら、
自分でカメラをどかしてしまったりすると
まずい、ということで、
カメラを見えにくい場所に設置するー
「--これで、よし」
花帆はそう呟くと、
布団に入り、眠りについたー
翌朝―。
「はぁ~もう朝かぁ…」
花帆は呟く。
やっぱり、身体が疲れているー。
「…あれ?」
花帆は、ふとあることに気付くー。
ペン立てのボールペンが
1本減っている気がするー
友達から貰った大事なボールペンが、ないー。
「---…」
花帆は違和感を感じる。
昨日の夜、書き物をした際に
使ったはずだ。
その時、確かにペン立てに戻したハズ。
なのに、なぜー?
「あ…そうだ…」
花帆は、カメラの映像を確認しようとする。
これで、自分が夢遊病なのか、
ちゃんと寝ているのかどうか、
確認できるはずだー。
花帆は、映像を部屋にあった
ノートパソコンで再生したー
真夜中の花帆は、
ぐっすりと眠っているようだー
ベットの上で穏やかな寝息を立てている。
「---ふつうね…」
花帆はそう呟いた。
映像に変化はない。
「---」
花帆は”ずっと見ていたら日が暮れちゃう”と、
早送りで再生を始めるー。
もしも変化があれば
自分が動き出すだろうからー
早送りでも気付くはずだー。
23時ー
0時ー
時間はどんどん経過していく。
寝てから2時間分の映像には
特に何も問題がないように見える。
しかしー
それは、起きた。
「-----!!!??」
花帆は、早送りの映像を見ながら驚くー。
「--えっ!?」
自分が起きあがったのだー
そして、鏡の前で胸を触っているように見える。
花帆は、慌てて映像を止めたー。
それまで、普通に寝ていた花帆は、
急に起き上がったー
そして、
「今日も楽しませてもらうよー」
と、花帆が呟いたのだった。
「--!?」
花帆は、その映像を見ながら驚く。
”今日も楽しむ”とは何? とー…。
明らかに何かがおかしい気がする。
夢遊病ー?
しかし…
花帆はベットで身体を起こすと、
自分の指を口の中に入れて
味わうようにして舐めはじめた。
「ん~っ♡」
甘い声を出して嬉しそうに微笑む花帆。
録画映像を見ながら花帆は叫ぶ
「ちょ、、ちょっと!何これ…!?」
深夜に起きて、
自分の指をクチュクチュと舐めている花帆。
明らかにおかしいー。
しかも、当の本人には
こんな記憶はない。
そして、花帆は立ち上がると、
設置していたカメラの映る範囲の外に
出て行ってしまった。
しっかりとした足取り。
とても、夢遊病の人間のそれとは思えないー
何がー
いったい、何が起きているのか。
さっぱり、分からないー
花帆は、ただひたすらに困惑したー。
いったい、これは、何なのかー。
とー。
「---………」
「あっ♡ あぁぁああ♡ あぁぁ♡」
自分のイヤらしい声が聞こえてきた。
「---えっ…」
映像を見ながら花帆は驚く。
明らかに何かエッチなことをしている声だ。
自分は、深夜に一体何をしているというのか。
「んぁぁぁああ♡
角オナぁぁ…きもぢいいいいいぃ♡♡」
激しく喘ぐ声が聞こえてくるー
その映像を見ながら
花帆は唖然とすることしかできなかった。
自分はー
深夜にこんなことをしているのかー
これじゃ、疲れが取れるはずがないー
自分は寝ているつもりなのに、
真夜中のわたしは、エッチなことをしているのだからー。
疲れが取れるわけがないのだー…。
「---……はぁ♡ はぁ♡ はぁ♡」
行為は、4時まで続いていた。
ようやく深夜の花帆が戻ってくると
花帆は丁寧に汚したものや、
ずらしたものを整えていく。
「今日も、ごちそうさまでした」
映像の中の花帆は礼儀正しくそう呟くと、
微笑んだー。
1時間ほどかけて、片づけを終えると、
花帆は、カメラの方に目を向けたー
「あーーー!」
映像の中の花帆が笑う
「--ひっ!?」
映像を見ていた花帆がびくっとする。
深夜の映像を録画していることに
気付かれていたー。
そしてー
映像の中の花帆は笑うー
「ふふふ…はじめまして~!
”真夜中のわたし”です~
な~んちゃって!」
それだけ言うと、
映像の中の花帆は、
続けた。
「--びっくりしちゃったかな?
こうやってカメラを置いてるってことは
何か異変に気付いたってことだよね。
でも大丈夫。
危害を加える気はないから
どうしても、女の人の身体を
楽しみたくて、
こうして憑依させてもらってるだけだから」
その映像を見ながら花帆は思うー
”憑依”?と。
そしてー
”憑依させてもらってるだけ”とは
何て図々しいの!?
とー。
「--あ、そろそろ時間なんで、
失礼しますね」
映像の中の花帆はそういうと、
そのまま微笑んで、ベットへと戻ったー
その後はー
目覚ましが鳴る時間まで、
花帆はぐっすりで、特に異変はなかった-
「・・・・・・・・・・」
映像が終わるー
花帆は唖然とする。
寝ても寝ても疲れが取れないー
その理由は分かった。
深夜に誰かが自分の身体を
使っているからだ…。
「---わたし、、どうすれば…」
花帆は、唖然とすることしかできなかったー
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
寝ているはずなのに疲れがとれない!?
そんな皆様は花帆のように
夜中に憑依されているのかも…?笑
続きは明日デス~!
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