染谷の意のままになってしまった寧音。
あくまでもそれは自分の意思だと思いながら
寧音は、道を踏み外していくー
そして、染谷の身にも、危機が…?
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寧音は、学校に登校していたー
スカート丈は短くなり、
化粧が濃くなりー
三つ編みだった黒髪は、
派手な茶髪の髪に変わっていたー
周囲も、寧音の異変に驚いている。
「寧音…?最近どうしたの?」
友達の一人が聞く。
すると、寧音は笑いながら答えた。
「好きな人が出来たの!」
とー。
友達は、困ったような表情を浮かべる。
「ね、、寧音さ、、
その好きな人って悪い人だったりしないよね?」
友達が言うと、
寧音が途端に不愉快そうな表情を浮かべる。
「--あ、、、え、、、えっと…」
寧音に、睨みつけられている友達は
言葉に詰まってしまう。
寧音は、こんな目で人を見るような子では
なかったはずだ。
「--ね、、寧音!どうしちゃったの!?」
友達は思わず叫んだ。
寧音は鬱陶しそうに
「どうもしてないけど?」とそっけなく言う。
しかし、友達は食い下がった。
「彼氏が出来てから、
寧音、おかしいよ?
どうしちゃったの!?
悪い彼氏さんなんじゃないの?」
パチン!
寧音が、友達をビンタしたー。
教室が静まり返るー
「--わたしの大切な人を
悪く言うやつは、絶対に許さないー」
寧音の口調にも、
表情にも怒りがにじみ出ているー。
「---あ、もしかして、
わたしに嫉妬してるの?」
寧音は意地悪な笑みを浮かべて言う
「可愛くて、きれいなわたしに
嫉妬してるんでしょ?
そうよね~?
わたし、すっごいかわいいもん!」
寧音は自分の唇を指で
なぞりながら笑う。
「--な、何を言ってるの…!?」
友達は唖然とする。
寧音は”豹変”したー。
一体、どうしてしまったと言うのかー。
♪~
寧音のスマホが鳴る。
「--あ~♡ もしもし~!」
寧音が途端に甘い声で電話に出る。
「--え?今、学校だけど~?
え、、うん、うん、わかった!」
そう言うと、
寧音は嬉しそうに電話を終えた。
「彼氏からラブホに呼ばれちゃった~♡」
寧音は嬉しそうに飛び跳ねる。
「は…?」
友達は、もはやわけが分からない、という様子で
唖然とする。
「--学校なんて、どうでもいいし!」
そう言うと寧音は、授業が始まる前だと言うのに
そのまま染谷の待つラブホに向かおうとした。
「-ちょっと!寧音!」
廊下に飛び出した寧音を呼び止める友人。
「自分が何をしてるか、分かってるの!?」
必死に呼び止めようとするー。
この子にとって、寧音は親友ー
その寧音の様子がおかしいー
どうにかしなくてはならないー
けれどー
「---・・・・・」
寧音は、一瞬、ぼ~っとした雰囲気で
宙を見つめる。
”なにをしている…?”
”わたしは…”
寧音は、染谷本体に憑依されて
乗っ取られているわけではないー
あくまでも、染谷の魂の一部に
憑依されて、思考を変えられているだけー。
そのためー
今も、寧音自身が考え、
自分の意思で行動している
”わたしはーー…”
将来の夢やー
今までの自分のことを思い浮かべて
一瞬動揺する寧音ー。
しかしー
”すきすきすきすきすきすきすき”
”そめやせんせぇ…”
すぐに、染谷への思いで
頭が塗りつぶされる。
「---ふふふふ…
わたしは、、先生のものぉ~♡」
そう言うと、
寧音はそのまま学校から立ち去ってしまった。
「--せんせい?」
寧音の友達は、その言葉に
首をかしげた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「--染谷先生~♡!」
ホテルにやってきた寧音は
嬉しそうに染谷に飛びついた。
染谷も寧音を抱きしめる。
「--そうだ、寧音ちゃん…
いや、寧音」
染谷は微笑む。
「今日は、これを着てみてよ」
イヤらしい雰囲気の
バニーガール衣装を取り出す染谷。
もはや、寧音は恥ずかしいとも思っていなかったー。
すぐに頷くと、躊躇なく染谷の目の前で服を
脱ぎだす寧音ー
「ふふ…きれいだよ、寧音」
染谷の言葉に
寧音は、ゾクゾクしながら
バニーガールの衣装に着替えたー
「くくく…いいねぇ」
染谷が笑う。
寧音は嬉しそうに笑みを浮かべたー
「よし。
じゃあ、色々とエッチなポーズを
してもらおうか」
染谷がスマホのカメラを向けながら
寧音に言う。
寧音は躊躇なく
染谷が喜びそうな
ポーズを次々としていく。
「--ははははは!いいぞぉ!」
染谷が嬉しそうに笑うー
寧音も、満面の笑みを浮かべているー
「--(くくく…これは高く売れるぞ)」
染谷は内心で、そう笑った。
「さ…寧音、その格好のまま
俺を気持ちよくしてもらおうか」
染谷が言うと、
寧音は嬉しそうにうなずく。
「--はぁぁぁ♡~せんせい~!」
染谷に近づく寧音。
「--それと、二人でいるときは
先生じゃなくて、ご主人様だ。
いいね?寧音。
いいや…俺のしもべ」
そう言うと、寧音は
「はい、ごしゅじんさま!」と嬉しそうに叫んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それからもー
寧音は毎日のように染谷との
時間を楽しんだー
学校の成績は下落ー
それどころか単位すら怪しくなってきた
高校は留年になるかもしれないー
困惑する両親ー
家庭仲も最悪になったー
バイトも辞めー
貯金はほぼ使い果たしー
それでも、染谷に尽くす日々ー。
やがてー
染谷とのデート代が
無くなるー。
寧音は、染谷と会う時は、
全額、自分が負担していたのだったー
今日は、染谷の自宅にやってきていたー。
次の”デート”の話題になったときに、
寧音が申し訳なさそうに
顔を赤らめながら呟いた。
「--ごしゅじんさまぁ…
あの…」
チャイナドレス姿の寧音が言う。
染谷は、寧音の太ももを触りながら「ん?」と呟く。
「--お金が…もう、、なくって…」
染谷が、バイトを辞めるように指示をしたー
染谷がご奉仕するように指示をした。
お金が無くなるのは当然だった。
しかしー
染谷は深いため息をついた。
「--じゃあ、君はもう、いらないな」
染谷が突然、愛想を尽かしたかのように言う。
染谷はー
自分の魂の一部を憑依させて、
ゆっくりとその子を染め上げてー
自分の忠実な駒になったところで、
毎日のように遊ぶ日々を始めるー
そしてー
その子のお金が無くなった時ー
染谷は、その子を”捨てる”
「---ごみは、いらない」
染谷はチャイナドレス姿の寧音を
ごみのように蹴り飛ばすと
立ち上がった。
「---もう、ごみとは会わない。じゃあな」
染谷が鬼のような言葉を
吐き捨てると、
寧音は「ご、、ごしゅじんさま!」と叫んだ。
「---黙れ。
お前に呼ばれる筋合いはない」
染谷はそれだけ言うと
部屋から立ち去ろうとする。
しかし、
寧音はなおも食い下がったー
「--お、、お願い、、わたしを、、捨てないで…!」
寧音は泣きながら叫ぶ。
今の寧音には、もう染谷先生しか
残されていない。
その染谷先生に捨てられてしまったら、寧音は…
「--消えろ、ごみ」
染谷は、残酷な一言を言い放った。
泣きじゃくる寧音。
もう、寧音など必要ない。
また、新しい女を見つけるー
それだけのことだー。
「---うぁぁあああぁぁ…」
寧音は狂ったように
頭をかきむしりながら
その場にうずくまっている。
染谷の魂の一部を
憑依させて、散々、染谷に対する愛を
刻み付けてきたー
今の寧音にはもう何も残っていない。
「--楽にしてやるよ」
染谷は自分の右手を光らせる。
自分の魂の一部を、
他人に憑依させる力ー
これでー
寧音から染谷の記憶を奪い取りー
最後にー”もう、どうもでいい”と
刻み付けるー
前に捨てた女と同じように
夜の街で自暴自棄な
人生でも送るだろうー
「---ククク
寧音ちゃん、最後の授業だ」
染谷が口元を歪めた。
まじめな少女を
魂の憑依で、自分色に染め上げて
その子のお金が無くなるまで遊びつくしー
用が無くなったら捨てるー
「子供と、同じじゃないかー」
染谷は笑う。
そうー、
同じだ。
おもちゃを欲しいとねだりー
手に入れたおもちゃを大喜びで楽しみー
飽きてきたおもちゃはー
どうだ?
まるで、ごみのように、
その存在を忘れ去るー
こどもは、残酷だー。
自分は、何も変わっていないー
欲しいものを手に入れー
たのしみー
そして、捨てるー
「君の身体は、エッチだったよ」
染谷が笑いながら寧音の方を見たー
「----!!」
染谷が表情を歪める。
「---が…あぁっ!?」
信じられないことが起きたー
寧音がーーー
キッチンにあった包丁を手に染谷に
突進したのだったー
「わたしを…捨てないで下さい…
ごしゅじんさま…ごしゅじんさまぁ…!」
寧音が狂ったように
笑いながら、染谷に刺した包丁を
さらに深く押し込んでいく。
「うぁ…あああああああ…」
染谷はあまりの痛みにその場に倒れ込む。
「--だいすき…だいすき…だいすき…!」
寧音が泣きながら大笑いしている―
染谷のことが好きすぎてー
その染谷にごみと言われたことで
狂ってしまったー
「あ…あぁぁあ…」
染谷は慌てて右手から
自分の魂の一部を寧音に憑依させて
自分を忘れさせようとするー
しかしー
「---ぐえええええええ!」
間に合わないー
魂を憑依させて
染めるまでには、
時間をかけて呟かないといけないー
1秒、2秒では
寧音の思考を変えられないー
”染谷はどうでもいい”
”染谷はどうでm
「ぐふっぅ!」
寧音に再び刺される染谷。
身体から赤い液体を拭きだしながら
染谷は転がりまわる。
イケメンだった顔立ちが
醜悪に歪んでいる。
「うぇぇぇ…え…」
染谷はさらに自分の魂の一部を寧音に放ったー
だが、
もう、間に合わないー
「せんせぇい…!ごしゅじんさまっぁぁぁ」
寧音は笑いながら、染谷にトドメを刺したー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
とあるマンションに警察が駆けつけた。
男女のもつれから
事件が起きたのだと言う―。
「---酷い有様だー」
家庭教師・染谷が
救急車に運ばれていくー
だがー
誰の目から見ても、
染谷はもう死んでいるー
そしてー
「ふふふふふふふふふ…」
染谷の部屋には、
少し前まで普通の女子高生だった少女・寧音が
返り血を浴びた状態で笑っていたー
深紅のチャイナドレス姿の寧音は、
その綺麗な肌まで、深紅に染めていた。
「---現行犯で逮捕する」
警察が、寧音に手錠をかける。
連行されていく寧音ー
寧音は微笑むー
”この女はまだ高校生だー
そのうち、警察からは出れるはずだー
くくくくく”
寧音は口元を歪めたー
”まさかー…
この女になれてしまうとはな…
計画外だが
これは、これで、楽しそうだ”
死ぬ間際に、
寧音に、魂の一部を憑依させていた染谷は、
自分が死んだ直後、
寧音の身体を乗っ取ることができてしまったー
「--これからは、俺が寧音だーくくく」
捨てようとしていた女ー
まさか、そのものになってしまうとはー
だがー
「---今日から、わたしが寧音よ…うふ♡」
連行されながら、
寧音は小さな声でそう囁いたー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
家庭教師モノのお話でした~!
第3話には家庭教師要素は
何もありませんでしたケド…笑
お読み下さりありがとうございました!!
コメント
SECRET: 1
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
ありゃりゃ自業自得ですな
結果的に寧音のカラダを乗っ取れた?ようなので良かったのか
そして遂に最新コメ欄も無名さんに染められてしまった。こちらの方が恐ろしいヒイイイイイイイ
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
コメントありがとうございます~☆
今後は家庭教師は廃業ですネ~笑
コメント欄…
鍵コメントを下さる皆様も多いので、
全部「無名」に染まっちゃいました~笑