イケメン大学生の染谷 兼春(そめや かねはる)
彼は、イケメン家庭教師として人気の存在だった。
しかしー
ある噂も存在する。
それはー彼から指導を受けた子が、豹変するという噂ー。
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「---先生…ここはどうすればいいんですか…?」
眼鏡をかけた女子高生・寧音(ねね)が
部屋にいる男に聞くー
「ん?どれどれ…?」
さわやかな笑顔を浮かべる好青年ー
まるで、少女漫画に登場するかのような
絵に描いたようなイケメンが、
微笑みながら、寧音の指をさした個所を見るー
彼はー
現役の大学生であり
家庭教師のアルバイトもしている
染谷 兼春(そめや かねはる)
そのルックスと優しい指導から、
指導を受ける女子高生の中には
メロメロになってしまう者も、少なくない。
「ほら、こうすると、どうかな?」
染谷が優しく微笑むと、
寧音は顔を赤らめて「ありがとうございます!」と微笑んだー
「---…どういたしまして」
ニコっと微笑んでみせる染谷。
寧音は顔を赤らめるー。
三つ編みが特徴的な寧音は
小さい頃から勉強に打ち込み、
真面目に学校生活を送ってきた。
学校でも友達はいるものの、
大人しい性格であるために
男子との交流はあまりなく、
恋愛も経験したことがなかった。
しかしー
寧音は、生まれて初めて味わう
感覚を味わっていたー
ドキドキ…
寧音は、それを隠すのに必死だった。
そう、寧音は
家庭教師である染谷に
恋をしてしまったのだった。
「--はい、よくできました~!偉いね」
染谷が微笑む。
「あ、ありがとうございます~」
寧音が嬉しそうに微笑む。
「--さて」
染谷は、時計を見つめた。
「--今日は、ここまでにしようか。
そろそろ時間だ」
その言葉に、寧音は少しだけ、
ザンネンそうにな表情を浮かべる。
「ははは…どうしたんだい?
そんな表情をして。」
染谷がイタズラっぽく聞くと
寧音は「あ、、い、、いえ…」と
顔を赤らめた。
寧音の服装は、
地味な感じの服装だー。
シンプルなセーターに
普通のズボンー
「(…)」
染谷は思うー
この子は、もっと可愛くなれるー
と。
いや…
もっと”エロく”なれるー
と。
染谷は笑みを浮かべた。
”もっと染谷先生のためにかわいくなる”
”わたしは、染谷先生が大好き”
”染谷先生のために、おしゃれをする”
「---」
寧音の”中”で何かが
そう囁いた。
「じゃ、これで失礼するよ」
染谷がそう言うと、
寧音の耳から、白い魂のような物体が飛び出した。
寧音には、それは、見えていない。
染谷は、寧音に背を向けながら
それを手に取ると
”おかえり”と囁いたー
そして、その白い魂のような物体を握り潰し、
吸収したー。
染谷 兼春ー。
彼は、生まれつき、特殊な力を持っていたー。
それは、他人に、自分の魂の一部を
憑依させる能力ー
そして、憑依させた魂を通じて、
色々なことを念じー、
相手の思考を染め上げてしまうことができるのだー
「--寧音ちゃん…
きみも、もうすぐ、僕のものになるんだー
僕の好みのーー
いいや、僕のためだけの女に…ね?」
染谷は、寧音の両親に挨拶を済ませると、
寧音の家から外に出たー
そもそもー
寧音が、染谷を好きになったのは、
染谷の魂に憑依されて
内面から”先生…好き”と
ずっと念じ続けられていたからだー。
染谷はこうして、
教え子を自分色に染めてしまうー。
そしてー
その子を楽しみつくした後にー
用済みになったらーーー
「---ふふ」
染谷はかつて”用済み”にした
教え子のことを思いだす。
あの子も、真面目な子だったー。
魂を憑依させて、ゆっくり、ゆっくりと
染め上げて、最終的にはエッチもしたー。
だがー
飽きた。
染谷は、飽きっぽい男でもあった。
飽きた女は、必要ない。
抱いて、愛を確かめ合い、
必要なくなったら捨てるー
あの子は、そうー
どうしたっけな…?
「---ふん」
染谷は鼻で笑った。
過去の女など、どうでもいいことだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
数日後ー
染谷は再び寧音の家を訪れていた。
「おや?」
部屋に入った染谷が微笑む。
普段は地味な格好で、
ズボンばかりの寧音が
スカート姿で、可愛らしい格好をしていたー
「---今日は、なんだか可愛いね」
染谷がそう言うと、
寧音は顔を真っ赤にした。
「あ、、ありがとうございます」
とー
少し、化粧もしているように見える。
「---ふふふふ…」
染谷は笑いながら、
何食わぬ顔で授業を始める。
寧音は、自分がドキドキしていて
勉強どころじゃない状態に
なっていることに気付く。
「---」
染谷は横目でソワソワしている寧音を見ながら
手から白い魂のような球体を出したー
そして、それを寧音に飛ばす。
寧音に憑依した魂は、
染谷本体の意思に従って
寧音に向かって囁き始めるー
”もっと染谷先生に好かれたい”
”染谷先生のためなら、何でもするー”
「---…(そ、、染谷先生~顔が近いよ~)」
寧音は勉強しながら
そう思っていたー
染谷の魂に憑依されて
少しずつ染められているとも気づかずに。
「--そういえばさ、寧音ちゃん、
コスプレとかするの?」
染谷が何食わぬ顔で聞く。
「えっ!?コ…コスプレ…ですか!?」
寧音が顔を真っ赤にする。
恥ずかしがり屋の寧音が
そんなことをするわけはない。
「--ふふ、ごめんごめん。
なんとなく聞いて見たかったんだ」
染谷は優しい笑みを浮かべると、
続けてこう呟いた。
「僕さ…
最近発売日が発表されたゲームの
ヒロインが好きでさ…
寧音ちゃんがそのコスプレしてくれたら
すっごく似合うだろうなぁ、って思ってさ」
染谷が、
色っぽいキャラクターの姿を
思い浮かべながら笑うー
寧音は、結構大きな胸を持っているー
寧音が、あのキャラのコスプレをしたらー
「せ…先生~」
恥ずかしそうに顔を赤らめる寧音。
「--ほら、このキャラなんだけど」
スマホで、染谷が好きなキャラクターの
映像を見せるー
「---わわわ…!?」
寧音は、
その大胆な格好のキャラを見て
顔を赤らめた。
「--こんな格好されたら、僕は、
寧音ちゃんのこと、好きになっちゃうだろうなぁ~」
染谷はわざとらしくそう呟いた。
”染谷先生のために”
”染谷先生のために”
”染谷先生がだいすき”
寧音に憑依している染谷の魂が
寧音を染めていく。
「--おっと、ごめんごめん
勉強の時間だったね」
染谷はそう言うと、
優しく微笑んで、家庭教師としての
授業を再開したー。
しかしー
寧音の中では、
染谷の魂が、
ゆっくり、着実に寧音を染め上げていたー
「--ここは、こうして…」
染谷は家庭教師としての務めを
果たしながら、
内心で笑みを浮かべたー
”君は、僕の思いのままだー”
・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
「-----」
高校で、寧音はずーっと、
染谷先生のことを考えていた。
染谷先生のことが、
どうしても頭から抜けない。
とにかく、染谷先生のことばかりが
頭に浮かんでくるー
「--こんな格好されたら、僕は、
寧音ちゃんのこと、好きになっちゃうだろうなぁ~」
昨日の染谷先生の言葉を思い出す。
「--染谷先生…」
うっとりとした表情で呟く寧音。
「--寧音?」
友達の一人が不思議そうに
寧音の方を見つめるー
なんだか、様子がおかしい気がする。
「---最近、なんか
ぼーっとしてること多くない?」
友達が寧音に声をかけると
寧音はハッと我に返ったかのような
表情を浮かべた。
「あ、、え、、う、、ううん…
なんでもないよ」
寧音はそう言いながらも、
昨日、染谷に言われた
キャラクターのコスプレ衣装を
スマホで
見つめていたー
結構な金額だー
「---あぁぁ…」
寧音は、近くにいる友人のことなど
見向きもせずに、染谷先生の
ことで頭がいっぱいになっていた。
だがー
寧音は、コスプレ衣装を買うことはなかったー。
自分のキャラクターじゃないし、
寧音は、大学に進学するために
バイトしてお金を貯めているー
お金を無駄に使うわけにはいかないー
そしてー
また、染谷先生がやってくる火を迎えたー
寧音は、染谷先生に
喜んでもらおうと、
一生懸命自分なりに
おしゃれをした。
「--こんばんは」
部屋に入ってくる染谷先生。
しかし、染谷先生は
表情を歪めた。
「----」
「--せ、先生?」
寧音は戸惑いながら
先生の反応を見るー
「--いや、今日も”地味な格好”だなってね」
染谷はわざとそう言い放った。
寧音は決して、
地味な格好などではない。
充分おしゃれで可愛らしいー
けれど、染谷にとっては気に入らなかった。
この前、お願いしたキャラの
コスプレをして待っていると思っていたからだ
「--寧音ちゃんはいい子だけど、
プライベートで彼女にするには
地味すぎるよなぁ」
染谷はぼそぼそと呟いた。
「えっ…」
寧音は激しくショックを受けた。
染谷は横目でその様子を見つめるー
憑依による染め上げには
成功しているー
だが、まだ足りないということかー。
染谷はそう思うと、
再び右手から、自分の魂の一部を放ち、
寧音に憑依させた。
「ごめんごめん。
関係ない話だったね」
染谷はそう言って微笑むと
いつものように授業をはじめた。
”大好き大好き大好き大好き大好き大好き
大好き大好き大好き大好き大好き大好き
大好き大好き大好き大好き大好き大好き
大好き大好き大好き大好き大好き大好き”
憑依した染谷の魂の一部は
寧音の中で、いつも以上に激しく、
好きの感情を塗りつけた。
寧音に憑依した
”染谷の魂の一部”は
寧音の脳を使って思考するー
それを利用して、
寧音の脳に、都合の良い記憶や感情、
思考を刻み付けていきー、
そして、支配する-
「---あぁ…あ…」
寧音は、自分の中で好きの感情が
さらに高まって行くのを感じるー
どうして、こんなに染谷先生のことが
好きなんだろう?
と思いながらも、染谷の魂が
発するシグナルによって
さらに、染谷の事を好きになっていく。
「--さて、今日はここまでだ…」
染谷が言う。
染谷に夢中で、全然
教えられていることが
頭に入らなかった。
「---さて…」
”染谷先生の前では、何でも見せちゃう…”
そう、刻み付けると、
染谷は、寧音に憑依させた自分の魂を
回収したー
「--次は来週の火曜日かな。
少し間が空くね。
…そのときは、寧音ちゃんの
コスプレ姿、見てみたいな」
染谷はそう微笑むと、
そのまま、寧音の部屋を後にした。
「せ…先生…」
寧音は顔を真っ赤にしたー
そして、ネットで、
染谷の言っていたキャラクターの
コスプレ衣装のページを開き、
「----…」
寧音は思うー
だ、、、だめ、、大学に行くためのお金…
とー
でもーー
「そ、、染谷先生のためだもん…!
喜んでもらいたいんだもん…!」
寧音はそう呟くと、
顔を真っ赤にしながら、
その衣装を注文してしまったーーー
ドキドキドキドキー
寧音は顔を真っ赤にしながら、
染谷先生のことを思い浮かべるのだったー
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
家庭教師に次第に染められていく
三つ編み女子高生のお話デス~
次回もお楽しみに~!
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