妹の奈津代の様子がおかしいー
姉の頭の中に浮かぶ
”皮にされていく女性”たちー。
妹も、それに巻き込まれているー
そう確信した涼花はー。
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「---ふふふふふ♡」
奈津代が、制服姿のまま
自分の胸を触って
妖艶な笑みを浮かべていたー
「---な、、、なつよ…?」
思わず凍りつく涼花ー
やっぱり、おかしいー
「---奈津代!」
涼花が慌てて奈津代の部屋に飛び込むと、
奈津代は、驚いた表情で涼花の方を見たー
「---お、、お姉ちゃ…」
胸から手を放す奈津代。
「奈津代…!何に巻き込まれてるの…!?」
涼花は叫んだー
重い空気が流れるー
「……ま、、巻き込まれてる…?」
奈津代が焦った様子で言う。
「最近、奈津代、様子がおかしいよ?
今だって…何をしてたの!?」
涼花が叫ぶ。
すると、奈津代は顔を赤らめたー
「---わ…わたしだって、、、
その、、、そういう年齢だから…」
目を逸らす奈津代。
最近、エッチなことに少し目覚めたのだと
奈津代は言うー
「お、、お姉ちゃんだって…その、、
自分でしたり、、、触ったりすること…
あるでしょ…?」
奈津代は顔を真っ赤にしながら言った。
「--た、、確かに、そ、それはあるけど…」
涼花は戸惑うー
妹の奈津代の様子がおかしいのはー
あの事件とは関係はないのか…? と。
「--こ、、この前も、わたしのこと
こっそり部屋の外から覗いてたよね…?」
涼花が思い切って言うー
「--あ、、あの”皮”の事件ー。
皮にされた人が、行方不明になる前に、
みんな、必ず様子がおかしくなるって、
そう言われてるの、奈津代も知ってるよね?」
涼花が早口で言うと、
奈津代も頷く。
「--奈津代も最近変だから、
わたし、、心配で…!」
「---」
涼花は目から涙をこぼしながら言うー
「奈津代…!何かに巻き込まれてるなら
わたしに…」
”そうだよ…”
男の声が響くー
「---!?」
涼花は目を見開いた。
”巻き込まれてる…
ククク…
その通りだ…
女どもが、皮になって見つかる事件の
犯人は、この俺だ…
俺はな…
ヒトを皮にする力を手に入れたー。
そして、その力で、気に入った女を皮にして
それを俺が着て、
その女の中に潜み、身体を堪能したあと、
俺が、飽きたら捨てるー”
不気味な男の声ー
涼花ははっとするー
皮にされて、着られるー?
その身体を、堪能するー?
飽きたら、捨てるー?
涼花は、事件の全貌が分かった気がしたー
行方不明になる前に様子がおかしくなるのは、
その子が、既に”皮”とやらにされて
中に潜む男に操られているからー
つまり、友人の陽香が、SNSでエッチな写真を上げているころには
既に陽香は、男に皮にされて、身体を奪われていたー?
消息を絶って行方不明になるのはー
”男”が飽きて”皮にした女性を捨てる”からー
そして、男はまた別の女を皮にするー
「---そうだったのね…」
涼花は奈津代の方を見た。
「--奈津代をかえしーーー」
バリっ…
「---!?」
叫びかけた涼花の言葉が止まる。
「--お、、お姉ちゃん!」
奈津代が叫ぶ。
「----!?はぅ…!?」
涼花は思わず変な声を出す。
”--ザンネンだったなぁ…
乗っ取られてるのは、
妹さんじゃなくて、おまえだよ…くくく”
涼花は、自分の後頭部がぱっくり
割れたのを感じるー
「---あ……え?」
そしてー
ぱっくりと身体が割れてー
中からー”男”が姿を現したー
「---くくくくくく…」
響き渡る男の声。
奈津代は「お、、ねえ…ちゃん…」と
身体を震わせているー
「--おまえ、気づいてただろ?」
男が笑うー
姉の部屋をこっそり見張っていたのはー
最近、姉の様子がおかしいと気付いていたからー
姉に皮事件のことを聞かれて
慌てて逃げるようにして学校に向かったのはー
姉を探っていることで、自分の身の危険を感じたからー
そうーー
”おかしい”のは
妹の奈津代ではなく、姉の涼花ー。
「--きもちいいんだよ…」
男は笑った。
「--こうして、女の中に潜んで
その女が普通に日常生活を送っているのを
眺めるのはなぁ…。
で…時々、身体ごと乗っ取って、エッチを楽しむー」
”あ…あ…”
涼花は、薄れそうな意識の中ー
皮のようにただれて力の入らない身体を
なんとかしようとしながら思うー
ふと、時計を見る涼花。
最近、この事件について考える時間が多くなっている。
ふと、三〇分以上経過していることも
珍しくはない。
最近、時間が飛んでいることが多かったー
特にここ数日は、妹のことが
心配すぎて、寝ても寝ても
なかなか疲れがとれないぐらいだ。
寝ているはずなのに、疲れが取れないことも
多かったー
「--そう…
お前が寝ている間、俺はお前の身体で
いっぱいエッチしたぜ…くくく…
時々昼間も楽しませてもらったけどな」
”…で、、、でも…”
涼花は思うー
いつの間に、自分が皮にされた?
いつの間に…?
「--前に、陽香って女を乗っ取ってたとき、
お前とLINEでやりとりしただろ?
その時、お前のアイコン見て
可愛いなぁ、って思ってよ。
お前を皮にして乗っ取ることに決めたんだよ」
涼花の皮をつつきながら笑う男。
「記憶をちょ~っと、いじることなんて
簡単なことだ。
お前を皮にしたときの記憶だけ、
消したのさ」
そしてー
「さて…」
男は涼花の皮を再び被ると、
涼花の姿になった。
「--お姉ちゃんのひみつ…
知っちゃった…ね?」
涼花は笑う。
”や…やめ…”
身体の自由を完全に男に
奪われた涼花は、
どうすることもできないー
「お…お姉ちゃん…や、、やめて…!」
狂気的な笑みを浮かべながら
奈津代に迫って行く涼花。
奈津代は壁際に追い込まれる。
「ふふふふふ…
どうせなら、わたしと、エッチなことしましょ?」
涼花は甘い声を出す。
本当の涼花は、泣き叫びながら
身体を取り戻そうと喚いている。
しかしー
どうすることもできず、
涼花は奈津代を押し倒して
熱いキスを始めてしまうー
「やめ…やめて…!目を覚まして…お姉ちゃん!」
泣き叫ぶ奈津代。
「--うふふ♡ うふふ…お姉ちゃん…興奮してきちゃったぁ♡」
そう言いながら、涼花は奈津代の服を
無理やり脱がしていく。
「あぁぁぁ…いいふくらみ…♡」
涎を垂らしながら、奈津代の胸をしゃぶり始める涼花。
「えへへへへ…お前のおっぱい…最高じゃん…!」
涼花のカオは、
完全に飢えた獣のカオになっていたー
もがく奈津代。
そんな奈津代をグーで殴りつける涼花。
「ほら…お姉ちゃんに逆らっちゃダメでしょ?」
高圧的に、
脅迫するように言う涼花ー
”やめて…もう…やめて…”
本当の涼花は、心の中で泣き叫ぶー
けれど、
もうどうすることもできないー
自分と、奈津代の喘ぐ声が
響き渡るー
奈津代がもがく
涼花が乱暴に奈津代を抑える。
涼花の身体のゾクゾクが、
心の奥底に幽閉されている涼花本人に
まで伝わってくる
”んあああああ♡ あっ♡”
「--ごちそうさま…」
涼花はそう呟くと、
妹の首に手をかけた。
真っ青になってもがく奈津代。
”やめて~~~~~!!!”
涼花は叫ぶ。
けれどー
「--秘密を知ったものは、生かしておけないー
妹を手にかけるお姉ちゃんになっちゃう…
くふふふふふ♡」
指についた液体を舐めながら、
妹の首にかけた手に、さらに力をこめるー
やがて、
妹は動かなくなってしまった。
「--さぁ~て…騒ぎになる前に」
涼花は笑いながら立ち上がった。
家から飛び出す涼花。
涼花は大笑いしながら
スキップしているー
涼花の方を驚いてみる通行人たちー
”やめ…て…”
涼花は泣き叫んでいる
しかしー
身体は男に乗っ取られていて、
大笑いしながら、
街中をスキップしているー
「--うふふふふふふ~!
この身体にももう飽きちゃった~!」
笑いながら
山奥に入って行く涼花。
”な…なにを…?”
涼花は薄れゆく意識の中で
呟く。
身体をどんなに取り戻そうとしても、
身体の自由がきかないー。
完全に男に乗っ取られているー
今まで豹変した女性たちも
きっとー。
「---もう、お前の身体も飽きちまった」
涼花の身体で、そう呟く男。
”え…”
「--お前も知ってるだろ?」
涼花はうんざりした様子で腰に
手を当てると、
可愛らしい声のまま、男口調で
話し始めた。
「--最初に様子がおかしくなってー
その次に、その人間が行方不明になりー
最後に、皮になって発見されるー」
涼花は満面の笑みで微笑んだ。
「--俺はな、身体に飽きたら
こうやって人の目だたないところに
やってきて、”皮”を脱ぐんだ。
そう、要らなくなった皮を脱ぎ捨てる
昆虫のようにな」
涼花は胸を触りながら笑う
「ーーふふふふ…
ま、ここで俺がお前を脱ぎ捨てたら、
何日かは発見されないだろうー。
お前も、これまでの女たちと同じ。
急におかしくなって、妹をその手に
かけたあと、
行方不明になって、
数日後、いや、数週間かもな?
した後に、皮のような状態になって
発見されるんだ」
”いや…やめ…”
「--あ、そうそう、
俺が皮にした人間は、
脱ぎ捨てられた時点で、
人間としての役割を終えるー。
お前は、ただの皮になってー
そうだな…
死ぬんだ。くくく」
”や…だ…”
そこまで言うと、涼花は
「わたし、脱いじゃま~す!」と
嬉しそうに宣言して、
自分の後頭部に手をかけた。
ぱっくりと割れる涼花の皮。
中から、男が出てくる。
男は笑う。
「なかなかいい着心地だったぜ。
それに、いい身体だった
ぐへへへへ…」
涼花の皮を、脱ぎ捨てていく男
”う…そ…
わたし…きえ…ちゃう…の?”
涼花の意識が次第に
薄れていく。
男はニヤニヤしながら
皮を脱いでいく。
「--くくく…
この脱がれる瞬間、
絶望する女の声をこれまで
何回も聞いてきたけどよー」
涼花の皮、地面に滑り落ちる。
土の上に、
力なく、横たわる涼花の皮。
”や…だ…”
涼花の意識が薄れていくー
皮にされた人間は、
男から脱がれた時点で、
意識を失い、自我を失いー
そしてー
消えていくー
人ではなくなりー
ただの、皮になるー。
「-ーーゾクゾクしちゃうよな…
理不尽に身体を奪われて、
理不尽に捨てられる…
ふぅぅぅぅぅぅ~
世間は誰も俺に気付かない」
皮になった涼花は、
涙を流すこともできないー
薄れゆく意識ー
どうして…
まだやりたいこと、たくさんあるのに…
いやだ…
涼花は悲痛な叫びをあげるー。
しかしー
それは、もう声にはならないー
自分の心の中で、叫びは膨れ上がり、
そして、消えていくー。
「---」
男は、皮になった涼花に近づいて微笑んだ。
「--おやすみーーー」
と。
それがーー
涼花が聞いた、最後の言葉だったー
おわり
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コメント
ダークな皮モノでした…
何の救いもありますせんネ。。
今度はホワイトな皮モノも書いてみたいデス!
お読み下さりありがとうございました~!
コメント
SECRET: 1
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うーん、ダークとはいえオカルトじゃないから殺害はないですね。せっかく話で興奮しても、殺害で一気に興奮や気持ちが萎えちゃいます。
ダークは、人生を乗っ取り続けるさめちゃくちゃにして体をもどすかでおわりが良いですね。
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
コメントありがとうございます~!
今回みたいな展開は好みが分かれちゃいますネ…!
今後もいろいろなかたちの
考えていきます~!