<憑依>お父様への復讐②~奈落~

次々と起きる異変ー。

順調な人生を送っていた祐司は、
次第に追い詰められていくー

娘が、憑依されているとも知らずにー

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「聡美!!」
祐司が慌てて指定された廃工場に踏み込むー

すると、そこには、乱れた格好で
椅子に縛られている聡美の姿があった。

「…た、、助けて…」
聡美は涙を流しながら、
父に助けを求める。

「--い、、今助けるからな!」
祐司はそう叫びながら、聡美を縛り付けている
縄をほどくと、聡美に「怪我はないか?」と尋ねる。

「お父様…」
聡美は涙をこぼしながら頷いた。

”--娘を助けたければ、
 1000万を指定のコインロッカーに入れろ…
 確認次第、娘の居場所を連絡する”

電話で、謎の機械音声にそう指示された
祐司は、指示通りにし、娘の居場所を
教えてもらい、こうして娘を助けに来たのだったー。

「---すまない…俺のせいでこんな目に…」

「ううん…いいの」

聡美は、乱れた制服を整えながら微笑む。

「--ひとまず帰ろう。
 あとのことは俺に任せておけ」

祐司は、犯人捜しはあとにし、
娘の聡美を安全な場所に
送ろうと、乗ってきた車に聡美を
乗せて、家へと向かい始めた。

祐司は気づいていないー

娘の聡美が、数か月前に横領した末に自殺した茶谷に
乗っ取られていることにー

そして、誘拐の電話をかけてきたのは憑依された
聡美自身であることにー

「----」
聡美は後部座席から父の背中を睨みながら
興奮していたー

「(お父様が大好きなこの娘に、
 こうして復讐をさせているー
 ゾクゾクしちゃう…ククク)」

聡美は、アソコが濡れてきていることを
感じながら、不気味な笑みを浮かべたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日、聡美から、
”わたしを誘拐したのは、赤い帽子をかぶった髭のおじさんだった”と
聞かされた祐司は、
怒りの形相で、企業仲間の眞理夫の元に乗り込んでいたー

企業したころからの付き合いで、
眞理夫は、配管工の会社を経営しているー。

先日、不倫を求めてきた秘書の優子を紹介したのもこの眞理夫だ。

最近の一連の事態は全て、
この眞理夫が、裏で糸をひいているとみて間違いない。

そう思った祐司は、
眞理夫の元に乗り込んだのだ。

オーバーオール姿の眞理夫が出てくる。

「--お前…!」
祐司は怒りの形相で、眞理夫の胸倉をつかんだ。

「な、、なんのことだ!?」
眞理夫は必死に弁明するー。

確かに、秘書の優子を紹介したのは自分だと。

だが、祐司の娘の聡美に手出しなんかしていないしー、
優子が週刊誌と組んでいたなんて話も知らないー。

しかしー
頭に血が上っている祐司は、眞理夫も言葉を信じずに
怒りの叫び声をあげたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---ご苦労様」

祐司の娘・聡美が、
胸元を強調した網タイツ姿で微笑む。

「---こ、、これで…聡美ちゃんを解放してくれるんですか…?」
祐司の秘書の優子は、
脅されていたー

祐司の娘・聡美が憑依されて乗っ取られていることを
告げられたうえでー
聡美を助けてほしければ協力しろ、と。

「---ふふふふ…俺さぁ、この身体気に入ったんだよなぁ」
自分の網タイツを触る聡美。

「--そ、、そんな」
優子は絶望の表情を浮かべるー

優子は、本当に祐司のことは好きだった。
だがー聡明な優子は、そんな感情は表に出さず、
祐司が妻子持ちであることも理解し、
日々秘書として、彼を支えていたー

しかしー
ある日、聡美に呼び出されて、
自分は茶谷であることを告げられてー
復讐への加担を強要されたー

先日、祐司に迫ったのも、
その情報を週刊誌記者に流したのも、
全て、憑依された聡美の指示ー。

「--まだ協力してもらおっかな~!」
聡美が笑う。

「--そ、、そんな…!聡美ちゃんを何だと思ってるの!!」
優子が叫ぶ。

しかし、聡美は自分の胸を
触りながら笑う。

「お・も・ち・ゃ♡」

とー。

「--わたしに協力できないなら~」

聡美はナイフを手に、
それを舐めながら笑った

「自分の身体、めっちゃくちゃに刺しちゃおうかな~!」

聡美が自分の手をつつきながら笑う。

「や…やめて!」
優子は悲鳴をあげた。

”誰かに言ったらこの身体を滅茶苦茶に壊す”
そう脅されている優子に、なすすべはなかったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「--なんだって…?」

翌日、祐司は唖然とするー。

「---もう…どうすればいいの」
妻の好恵が頭を抱えていた。

好恵のフラワーショップが放火されー
全てが、炎に消えてしまったのだと言うー。

「---と、、とにかく、犯人をー」

祐司は、好恵にそう告げるー

しかしー
ほどなくして逮捕されたのはー

秘書の優子だった。

優子は何かに脅されてるかのように、
固く口を閉ざし、何の供述もしなかった。

そしてー

「----!!!!」

その数日後ー
妻の好恵は、首を吊って
命を絶ったー

その様子はー
横領で自殺した茶谷と、全く同じような光景だったー

「くそっ…」
祐司は奈落の底に突き落とされていたー

どうして、こうも立て続けにー。

先日の、秘書の優子との不倫疑惑が
週刊誌でついに報じられたー。

辞めていく執事ー。

使用人も居なくなった。

「--お父様…」
娘の聡美が心配そうに父の方を見る。

「--だいじょうぶだ…」
祐司は娘を心配させまいと、
気丈に振る舞うー

だが、その顔は疲れ果てていたー

立ち去って行く父を見ながら、聡美は微笑んだ。

「あぁぁぁ…いい顔…
 ゾクゾクする…」

聡美が、茶谷に憑依されていることに
父はまだ気づくことができていなかったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「・・・・・・・・・・」

会社で、祐司はひとり、頭を抱えていた。

こんな、悪い事が続くことなんてあるのだろうかー。

そう思いながらー

「--社長…」
馬原部長が、気まずそうな表情をして入ってくる。

「---キノコ産業の眞理夫社長が、
 わが社を告訴すると…」

馬原部長の言葉に、祐司は耳を塞いだ。

「--聞きたくない!聞きたくない!」

子供のように騒ぐ祐司。

もう、何も聞きたくないー。

「--お前も、辞めたければ辞めてもいいんだぞ?
 この前、ストライキしたということは
 俺に不満があるのだろう?」

「---・・・社長」
馬原部長が言う。

「-----」
祐司は頭を抱えながら話を聞く。

「---我々がストライキをしたのは
 社長の娘さん…聡美お嬢様から
 ”そうすればお父様は必ず給料を上げる”って
 勧められたからでして…」

馬原部長の言葉に、
祐司は顔を上げる

「なんだと…!?」

祐司は、そのまま馬原部長の方を見つめる。

「--すまんが、ちょっと付き合ってくれ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

祐司は帰宅した。

馬原部長を引き連れてー。

父である祐司の会社の社員に
ストライキを勧めるなんて
どういうつもりなのか。

娘の聡美に、どういうつもりか
聞かなくてはならないー

聡美の部屋の前に辿り着いたところで、
祐司は立ち止まった。

「くはははははっ…!
 祐司のやつ、娘が俺に憑依されてるなんて
 知りもしないだろうな…!」

聡美の可愛らしい声が部屋から響き渡る。

独り言だろうかー。

「ーー社長?」
馬原部長が不思議そうに首をかしげる。

祐司は「静かに」と小声で呟いた。

「--くくくく…お父様~!なんて言ってたわたしが
 お父様の人生壊しちゃうなんて…

 いいえ、壊させられちゃうなんて…
 あぁ…興奮する…うふふふふ、うふふふふふふ!

 わたしはお父様を地獄に送ります

 な~んちゃって!きゃはははははは!」

部屋の中から聞こえる聡美の声ー

父である祐司は愕然としていた。
聡美は、何を言っているのかー

「まだまだ、も~っと、追いつめなくちゃ…ね!
 さ・と・みちゃん!くく」

聡美が自分のことを他人のように言う。

そしてー
衝撃の言葉を口にしたー

「娘が自殺した俺ー
 茶谷に憑依されてるなんて思わないだろうなぁ
 祐司のやつ」

「--!?」
部屋の外から会話を聞いていた祐司は
開いた口が塞がらない…という状態に
陥っていた。

ガチャー

聡美が部屋から出てくる。

聡美は一瞬ドキッとした表情を浮かべた。

「聡美ー」
祐司は、それを口にするのがやっとだった。

「あら?お父様。今日は早いのね」
聡美が微笑む。

祐司は、思わず、今の言葉を聞かなかったことにして
そのまま微笑み返しそうになった。

だがー

「----お前、茶谷なのか?」
祐司が言う。

企業時からの戦友とも言える存在で、
業務上横領により、決別ー
その後に自宅で首を吊った茶谷ー

「----」
聡美はイライラした様子で綺麗な髪を
掻き毟ると微笑んだ。

「あぁ、そうさ!俺は茶谷だよ!」

可愛い声で、聡美はそう叫んだー

「--自殺した俺はなぁ、
 お前への恨みで成仏できなかったんだ」

聡美が歩きながら言う。

祐司と馬原部長は唖然としながら
聡美の様子を見つめているー

「で…お前を滅茶苦茶にしてやろうと思って
 お前の可愛い可愛い娘に憑依したんだよ!

 今じゃ、俺が聡美ちゃんだ!
 いいや、わたしが聡美よ!」

笑いながら叫ぶ聡美。

「ふ…ふざけるな!お前が会社のお金を横領して
 勝手に自殺したんじゃないか!
 逆恨みもいいとこだ!

 娘を返せ!」

祐司が叫ぶ。

聡美は笑うー

「秘書の優子を利用して、お前を苦しめたのも
 従業員のストライキも、
 企業仲間のひげのおっさんも、
 週刊誌も、優子にお前の妻のフラワーショップを放火させたのも
 ぜ~んぶわたしよ!ふふふふ

 どう?娘が悪い子になっちゃった感想は~?」

聡美が挑発的に告げるー

「--く…」
祐司は拳を握りしめた。

「おっと~!態度に注意しなよ!
 わたしを怒らせると、わたし、首を吊っちゃうよ?うふふふ」

聡美の言葉に、祐司は
拳を開いた。

「くそっ…ちゃ、、茶谷…
 わかった」

祐司は降参の態度を示す。

「娘だけは、返してくれ…
 俺はどうなっても、構わない。
 俺を殺したってイイ。

 だが、娘だけはー」

祐司がそこまで言うと、
聡美は自分の部屋の方に戻りー
ナイフを取り出した。

「--!?」
祐司は目を見開くー

そしてー

聡美は、祐司の横にいた
馬原部長に突進したー

ナイフを、持ったままー

「が…!」
驚きの表情を浮かべる馬原部長。

「---あはははははははは!」

笑う聡美ー

馬原部長は、そのまま倒れてしまうー

そしてー
聡美は血のついたナイフをペロリと舐めると祐司の方を見た。

「わたし、殺人犯になっちゃった~?
 どうする、お・と・う・さ・ま♡」

無邪気に微笑む聡美ー

祐司は、唖然としてその場に立ち尽くすことしか
できなかったー

③へ続く

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憑依された娘を取り戻せるのでしょうか~?
続きは明日デス!

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