<憑依>校長先生

とある少女は、
自分の願いをかなえるために、
校長先生に憑依することを決める…。

※リクエスト作品デス
(男性への憑依リクエストになります)

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「またこんな成績~?」

美知恵(みちえ)の、
両親は、娘の成績の悪さに頭を抱えていた。

可愛らしく、元気で、クラスでも人気者の美知恵だが、
勉強は全然ダメだったー

本人も勉強は嫌いだし、努力しようともしないので、
当然、成績は上がらないー

そんな美知恵の成績を見て
母親と父親は頭を抱えているのだったー。

そしてー
2学期の成績もこのままなら、
お小遣いを減らす、とい宣言されてしまったのだったー。

あの約束から数か月ー
美知恵は自分なりに努力してみようとしたがー
やはり、ダメだった。
勉強は続かないし、
どうしても遊んでしまう。

このままだと、たぶん成績は1学期と同じー
いや…2学期の方がもっとひどいかも。

美知恵は困惑していた。
成績を上げるのはたぶん、無理だ。

でも、お小遣い減額は、もっと無理だ。

「はぁ~あ…
 校長先生に言って、成績上げて貰えたり
 しないのかなぁ~」

4年生の美知恵が呟く。

たまたま遊びに来ていた祖父は苦笑いしながら
「美知恵ちゃんは、勉強、頑張らないのかい?」と尋ねた。

祖父は、美知恵のことをとても可愛がっている。

「勉強は頑張ってもできな~い!」
美知恵が言う。

本当は頑張りが足りないのだが
本人なりには頑張ったつもりでいる。

「ははは…」
祖父も笑いながら、内心では
”参ったなぁ”と思っているー。

「校長先生が私のお願い聞いてくれれば
 いいのになぁ~!」

美知恵は無邪気な表情でつぶやく。

美知恵は、まだ小学4年生。
学校の成績は全て、学校で一番偉い人である
校長先生がつけていると思っている。

現実はそんなに簡単なものじゃないし、
そんなに単純なものでもない。

けれどー
まだ子供の美知恵はそう思っていた。

「----…」

祖父は、美知恵のあまりにも無邪気なところを
少し心配していたー。

そこでー
祖父はあることを思いついた。

「美知恵…
 校長先生を思い通りにして、
 良い成績をつけてもらいたいのかい?」

祖父が聞く。

すると、美知恵は迷うことなく「うん!」とうなずいた。

「じゃあ、これを美知恵にあげよう」
祖父が美知恵に手渡したものー

それは”憑依薬”だった。

祖父は、とある研究所の所長で、
新薬の研究を行っていた。
その過程で、研究段階の薬が、この憑依薬だ。

本当は渡すべきではないとは思ったが、
美知恵の姿を見て、祖父はこの憑依薬を手渡した。

「なぁに、これ?」
美知恵が言う。

祖父は、
”美知恵が校長先生になれる薬だよ”と呟き、
憑依薬の使い方を美知恵に教えるのだった。

「—・・」
憑依薬を受け取って喜ぶ美知恵を見ながら
祖父は静かに微笑んだ。

校長先生に憑依して、
美知恵は、大人の難しい現実を思い知るだろうー

そんな経験が、成長に繋がればいいー

祖父はそう思った。

校長先生には申し訳ないが、
憑依薬の実験テストもできるし、
孫の美知恵は、大人の現実を知り、
一歩成長できるし、
お互いにとって良い話だと、祖父はそう思ったのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

美知恵は、校長先生の姿を見かけて
早速、憑依薬を使うことにした。

”のんだら、オバケになれるから
 それで校長先生の身体に入れるようになる”

子供にも分かりやすいように説明した祖父。
その説明を思い出しながら、
美知恵は憑依薬を飲んで、微笑んだ。

「校長先生…!わたしのお小遣いのために!
 成績あげてもらうからね!」

無邪気にそう呟くと、
煙のような姿に変形した美知恵が
そのまま校長先生の身体に飛び込んだ。

「うっ!」
50代だろうか。

ちょっと頭の薄くなった校長先生が
声をあげる。

”な、なんだこの感覚?”

そう思ったのも束の間、
校長先生は自分の身体が
思い通りに動かない状況であることに気付き、
困惑したー

そしてー…

「--ううっ!」

低いうめき声をあげると共に、
校長先生の意識は、闇に飲まれた。

「ん…はぁ…はぁ…」
美知恵は、”本当に校長先生になれた”と思いながら
自分の手を見つめる。

「わ…」
大人の身体ー
男性の身体ー

その新鮮な感覚に驚くー。

美知恵はまだ、胸が大きく…なんて
年齢ではなかったから、
胸のあたりにはあまり違和感を感じなかったものの、
股間にアレがついていることには
違和感を感じた。

「わ~…変な感じ~!」
少しニヤニヤしながら校長先生が笑う。

そして、腰に手を当てながら
美知恵は校長先生の身体で呟いた。

「えっへん。わたしはこの学校で一番偉いんだぞ!」

そう呟いた校長先生。

後ろで6年生の女子生徒が
その姿を見て、クスクスと笑っていたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「・・・・・」

その日は、職員会議があった。

校長先生として、何をすれば良いのか分からない
美知恵は、とりあえず校長室に籠っていたが
職員会議に呼び出されて、仕方がなく
職員室で、先生たちの前に姿を現した。

何を言っていいのか全く分からない。

そしてー
校長先生として、口をようやく開いたー。

「え~~~…
 みんなの成績を、少しあげてあげようよ!」

満面の笑みで言う校長先生。

他の先生たちは唖然としていた。

「--ふ~…」
職員会議を終えた校長先生は
ため息をつきながら歩いていた。
美知恵は思う。

”成績あげようよ”という提案は却下された。

他の先生たちが色々あれこれ理由を
言っていたがー。

校長先生はふくれっ面で呟く。

「みんなの成績をあげれば
 みんな幸せなのに!

 もう!」

不貞腐れたまま、校長先生の家はどこだろう?
と考える美知恵。

校長先生の頭の中に記憶があるからか、
自然に、校長先生の家が流れてくる。

「あ、東町の2丁目ね~!」
ルンルン歌を歌いながら
校長先生は家へと帰って行くのだった。

校長先生として
校長先生の家の前に帰ってきた
美知恵は、どんな風に振る舞えばいいか
迷っていた。

必死に考えれば校長先生の記憶を
引き出すことも可能だが、
なんとなく疲れるのでそれはせずに、
のんきの微笑む。

「ま、いっか!」

”校長先生は偉いんだぞ”と思いながら、

「ただいま~!」と家の中に入って行く。

「あら、おかえりなさい」
気品の良さそうな校長先生の妻が
玄関に姿を現す。

「ん」
美知恵が校長先生に抱いているイメージでは
私生活でも”偉い”というイメージ。

スーツを妻に差し出すと、
そのままリビングの方に向かう。

「--二人とも宿題やったの~?」
妻が息子と娘に対して言うと、
二人は「後でやるから~」と
母親の話を聞きもせずに
部屋を散らかして遊んでいた。

「----」

校長先生にも子供がいるんだ~
などと思いながら、美知恵はあることを
思い浮かべた。

”こら、宿題早くやりなさい”

よく、親からそう言われる。

たまには、自分が逆に言う立場になってみたい。

「----こら!宿題を先にやりなさい!」

親として、娘と息子を叱りつけてみせた校長先生。

妻も、息子も、娘も驚いている。

「遊ぶのは、宿題が終わってからにしなよ!」

口調を校長先生にするのを半分忘れて
そう叫ぶー。

息子と娘は驚いた様子で
すぐに宿題を始めるのだった。

「(わぁぁ…いい気分♪)」

校長先生に憑依している美知恵は
そう思いながら微笑む。

いつも叱られてばかりだけど、
今は、自分が叱る立場。

そして、今は自分は
偉い校長先生なんだ!

美知恵は、さらにワクワクしながら、
校長先生として、偉そうに振る舞った。

本当の校長先生は優しくて
家庭内ではむしろ頼りないぐらいだー。

けれどー
そんなことを知らない美知恵は、
偉そうに振る舞うー

子供たち二人もなんだか
とても気まずそうだ。

「ピーマンきらい」
晩御飯の時間ー

校長先生がそう呟くと、
他の家族3人は、困り果てた様子で
静まり返っていた。

夜ー

「わわわわわわ~!」
校長先生は、お風呂で自分の身体を
見つめながらはしゃいでいた。

「何これ~!
 真っ黒~!あははは!」

無邪気に笑う校長先生。

校長先生の足の毛や胸毛を見て、
自分にはないそれらを見てひとりはしゃぐ美知恵。

「--大人ってすっご~い!」

無邪気に笑いながら
校長先生は一人、身体を流すのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

深夜ー

校長先生として、
寝室に入る美知恵。

どうやら校長先生は妻と同じ部屋で
寝ているようだ。

「---はぁ~…やっぱり
 偉い人ってすごい!」

校長先生はのびをしながら
そう呟く。

校長先生は偉いー
偉い人はすごいー
大人ってすごいー

まだまだ、大人の世界を知らない美知恵は
校長先生の身体になれて
本当に良かったと思っているし、
今、この状況をとても楽しんでいる。

ガチャ…

妻が部屋に入ってきた

「あなた…」
妻が、色っぽい姿で部屋に入ってきたのを見て
校長先生に憑依している美知恵は
その意味を理解できなかった。

「ど、、どうしたの…?」

何だか不思議な格好をしている妻を見て
美知恵は困惑する。

がー
次の瞬間、
”あ、言葉遣い”とはっとして、
言い直した。

「ど、どうしたんだ?」

と。

偉そうに、
堂々とした雰囲気で言い放つ。

すると、妻は微笑みながら、
甘い声で囁いた。

「今日のあなた、素敵だったわ」

とー。

優しいのは魅力だが、
校長先生は”優しすぎた”

学校ではそれでもいいかもしれないが、
家庭内では、頼りのない父親としても
見られていた。

だがー
今日の校長先生は違った。

単純に、美知恵が
”校長先生は偉い”というイメージのもと、
偉そうに振る舞っていただけなのだが、
妻にとっては、とても頼りがいのある
”夫”に見えた。

「--久しぶりに…二人の時間を楽しみましょ?」

妻が覆いかぶさってくる。

「わ…え…えぇ!?」
校長先生の中にいる美知恵は何のことだか
意味が分からず、困惑する。

しかし、妻はそんな校長先生の仕草も
可愛い、と思いながら呟いた

「ぜんぶ、わたしに任せて…?ふふふ」
色っぽく囁く妻。

「--あ、、、あぁ、、ま、、任せる」

偉い校長先生として振る舞った美知恵。

何を任せるのか分からないし、
これから何をするのかも分からないー

けれど。

「うぉぉぉおおおおおおおおあああ!?!?」

校長先生に憑依している美知恵は、
今までの人生で感じたことのないような
快感を味わった。

変な声を出しながら
盛大に白い液体を放出する校長先生。

「あぁぁああ…ごめん!
 急にトイレに行きたくなって…!」

まだ性知識がほとんどない美知恵は、
射精したことを”おもらし”と勘違いしてしまった。

「ふふふふ…そういうシチュなのね」
妻は嬉しそうに微笑むと、
さらに校長先生のことを攻めるのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

廊下で悪ふざけをしているのを見かけた
校長先生は、一度咳をしてから声を出した。

「こら!廊下を走り回っちゃだめだぞ!」

そう言うと、
1年生の生徒たちが「は~い」と言って
走るのをやめる。

(わぁぁぁ…さいこう~
 えらいってすごい!)

校長先生として振る舞うことに
快感を感じはめていた美知恵は
本来の目的を忘れそうになり始めていた。

「あぁ…いけないいけない」
そう呟くと、
職員室で先生たちに「とっても大切な話がある!」と
叫んで、先生たちを集めた。

そしてー

「--今日から、みんなの成績を
 少しずつ上げて行こうと思う」

と呟く。

他の先生たちは首をかしげた。

「どういうことですか?校長?」
とー。

校長先生は、満面の笑みを浮かべて言い放つー。

「だって、成績高いほうが
 みんなおとうさん、お母さんに怒られなくて
 幸せでしょ…、あ、いや、だろ?」

その言葉に
職員室は静まり返る。

何のために成績があるのか。
それをあまり理解していなかった美知恵は、
純粋に”みんな高い成績を付けてくれれば幸せなのに”と
そう思っていたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それから数日が経過した。

自分の成績を上げることは結局できなかった。
成績が上がればみんな幸せになれるのに…

と思いながらも
大人の世界がなんとなく思い通りにいかないものだと言うことを
美知恵は知った。

けれどー

児童たちに注意をしたり、

お父さんとして子供たちに注意をしたり

そして、校長先生の妻との楽しい時間ー

大人の世界は楽しいー
純粋にそう思った。

放課後。

「--さようなら~」

校長先生として偉そうに振る舞いながら
児童たちに別れの挨拶をする。

児童たちは校長先生に別れの挨拶をする

快感だったー

ずっと、このまま…
美知恵はふとそう思った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ある日、
校長先生が帰宅するために校門から外に出る。

そのときだったー。

「美知恵…!」
聞き覚えのある声がして、校長先生が振り返ると
そこには美知恵の祖父の姿があった。

美知恵に憑依薬を手渡した祖父。l

美知恵のことだから、
大人の世界の厳しさを知って
すぐに戻ってくると祖父は考えていたー

そして、勉強を頑張ってくれればー
そんな思いから祖父は憑依薬を手渡したのだった。

しかしー
1週間が経過しても美知恵が帰ってこないー
美知恵の母と父は、捜索願を警察に出してしまった。

祖父は焦っていた。

「美知恵…憑依はもうおしまいだ!
 そろそろ戻ってきなさい」

祖父の言葉を聞いて
校長先生はにっこりとほほ笑んだ。

「・・・・・?」
校長先生は不思議そうな顔をする。

「---美知恵…?
 どういうことです?」

微笑む校長先生。

「な、、何を言ってるんだ!?
 美知恵!
 お父さんもお母さんも心配してる…早く…!」

「---すみません。
 私、急いでますから」

校長先生は、そのまま微笑みながら、
祖父を無視して歩き始めたー

「--な、、み、、美知恵!」

祖父は叫ぶー

しかしー
美知恵が戻ってくることはなかった

”大人”の快感を覚えてしまった美知恵が
校長先生の記憶を引き出しながら
校長先生に完全に成りすまして生きていくことにしたのかー

それとも、

美知恵が校長先生に取り込まれて消えてしまったのか―

それは、
本人にしか分からない…

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

リクエストを元にした作品でした~!

リクエスト原文は

”小学生の女の子が自分の希望をかなえるために
男性の校長先生と憑依するか入れ替わる。
校長先生の記憶を呼びこめるため成りすますのは容易
その後自分に敵対しているクラスメートに出会うが校長先生として叱りつけ快感を覚える。
そして、校長先生の家に帰るが高校生の息子と
中学生の娘が宿題も勉強もせずに遊んでいる。
校長先生の記憶を引き出して2人を叱りつける。
本来自分より年上の2人に叱る事にも快感を覚えてしまう
、また、奥さんに対して偉そうにふるまったり体の関係を持ってしまった
事にも快感を覚えてしまう。そして一か月後希望を校長先生の権限を使ってかなえる。
希望をかなえたら元に戻る予定だったが校長先生の生活が
快感であり手放したくなくなり校長先生として生きて行く事にしたという話です。”

というものでした!

男性への憑依モノはそれほど書いたことがないので
いつも悩むのですが
こんな感じになりました~!

お読み下さり&リクエストありがとうございました!!

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小説

コメント

  1. 匿名 より:

    SECRET: 1
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    毎回女の子や女性が男性との入れ替わりや憑依作品で思うのですが、もっと男性になり切って男性らしい言動や行動をして欲しいと感じています。
    リクエストでも記憶引き出してなりすまして叱るとあったのに女の子ぽく叱ったのはとても残念です。記憶を引き出して校長になり切って男らしく叱る。この場面はこの話の重要な点と思うので残念でした。男性から女性への入れ替わりや憑依は女性らしい言動や行動がよく作品で表されているのに惜しいです。難しく考える必要はなくそれとは逆に男性らしい言動、行動を書いて頂ければもっと良い作品になると思います。文句を言ってすみませんでした。決して悪意ではありません、期待しています

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ご意見ありがとうございます~!

    男性への憑依モノは執筆経験が少ないので、
    経験を少しずつ積みながら…になりますネ!

    今後もがんばります!!

  3. 匿名 より:

    SECRET: 1
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    翌日ー

    廊下で悪ふざけをしているのを見かけた
    校長先生は、一度咳をしてから声を出した。

    「こら!老化を走り回っちゃだめだぞ!」
    廊下が老化になっています。

  4. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    わわ!ありがとうございます!

    老化を走っちゃダメ…笑
    直しておきました~!